前回に引き続き、今回も苦戦しました。
説明不足なせいで、少々唐突な展開になってしまいましたがよければご覧ください。
美咲視点
「はぁ…」
作戦会議の帰宅中にため息が漏れる。
まさかこころが幽霊連れてくるとは思わなかったよ……
でも、めちゃくちゃテンパってて最終的に頭抱えて固まっちゃったのを見てたらぜんぜん怖くなくなってしまった。
というかむしろ、びっくりして何も言えなかったせいでなんか沈没させたのが申し訳ないというか……
それは他のメンバーも同じだったようで、普段は賑やかなのに今回はみんな黙りこんだまま一緒に帰宅中だ。こんな状況はなかなかない。
「明日……作戦会議の前にみんなで雄也くんに謝らない……?」
気まずい気持ちを晴らそうとするように花音さんが提案してきた。確かにこのままだと明日彼はとても来づらいだろうし、私も出来ることならそうしたいんだけど……
「でも花音さん、あたしたち駒沢君が普段どこにいるかわからないですよ?」
「あ……」
こころや黒服さんなら知ってるとは思う。けど正直、このことはびっくりしてしまった四人で済ませたいというか………
「美咲、駒沢君というのは彼のことかい?」
突然薫さんに尋ねられる。そういえば気絶してたから知らないのか。
「そうですけど……どうかしたんですか?」
「い、いや、少し……思い当たる人がいてね……」
どこか歯切れが悪いのはなんでだろう……
美麗視点
「はぁ……しくじったなぁ…」
雄也が帰ってくる前に黒服さんから事情を伝えられて頭が痛くなった。
正直、バンドのメンバーとライブするという案は悪くはないとは思う。楽器店でのやらかしを繰り返さないようにするのが大前提だけど、雄也は演奏が好きだからプラスに働きそうな気がする。
けどまさか、声かけてる相手が幽霊って知らなかった上、あんな突っ走り方をするとは…説明端折ったこっちもこっちだけど、あいつ微妙に透けてるし、数珠ないと触れないし、ガードレールをすり抜けたり浮いたりしてるの見てたんでしょ?その辺なんだと思ってたの…*1
これだとあいつ、気まずい感じになって作戦会議にも行きづらいじゃん…
ちなみにその雄也だが帰って来るや否や廊下にぶっ倒れてそのまま寝てしまった。まだ日が暮れたばかりでこれだから相当疲れたのだろう。
とはいえ幸い、まだ雄也はこころちゃんを拒絶していなかったので手詰まりではないはず。今から黒服さんに頼んでメンバーの人達に説明しても遅くないか?と考えていると、急にチャットの通知が来た。
「ん?また随分と久しぶりな……」
羽女時代の後輩からだった。同じ部活だったのだが、私が卒業してからは色々忙しいらしくてほとんど連絡はしていない。
そもそも彼女は私のことが苦手だと思っていたのにいきなりどうしたんだろう?何故か[拝啓───]から始まり、延々続いているチャットを流し読んでいると───
「ん!?」
ある一文に釘付けとなった。
[ところで、駒沢雄也という儚い幽霊をご存知ないかな?]
…なるほど。薫は薫でこころちゃんのバンドでギターを…ねぇ…
「…どんな偶然よ…」
心霊現象なんかよりよっぽど不思議だわ…
雄也視点
「ん……」
気がついたら床の上だった。
帰ってきてそのまま廊下で寝てたようだ。といってもれい姉が住んでいるのは学生アパートだから寝る時は大抵こんな感じだけどね……見た目は酷いけど寒さは感じないし壁とかをすり抜けるので全然不便じゃないし。それに母さんはいつも家を空けてて、ついでに元々嫌いなので今はこっちの方が居心地が良いから…
まあ、れい姉の部屋周辺、風呂場、トイレにはお
キッチンの時計を見てみるとまだ6時にもなっていなかった。TVはれい姉の部屋にしかないので外に出て景色を眺めていると…
「おはよう。大丈夫?」
しばらくして、れい姉が起きて出てきた。寝間着じゃなくてちゃんと着替えているのでもう部屋に入っても大丈夫だろう。
「大丈夫、それよりもさ…昨日の事はどこまで知ってるの?」
部屋に上がり込んで早速質問する。起きたばかりで申し訳ないけど今日のことで相談に乗ってほしかった。
「だいたい黒服さんに聞いたよ。で、そのことなんだけどさ……」
ん、どうしたの?
「あんたが脅かしちゃった人達が謝りたいんだって。どうする?」
「え?なんで?」
「その人達の中に、私の後輩もいたのよ。」
「いやそこも気にはなったけど……なんで謝まりに来るの?」
「詳しくは知らない。[昨日の失礼をお詫びしたい]としか聞いてなかったから。」
いや失礼なことしたのはこっちなんじゃ……とは思ったが、とりあえず話を聞いてみることにした。
それからしばらくして────
「その……ごめん。」
「ごめんなさい!」
「ごめんね……」
「申し訳ない!」
昨日の4人が本当に謝りに来てしまった。
「いやそのえっと……謝らないといけないのってこっちじゃ……」
結局理由がわからず戸惑っていると。
「びっくりしてたとはいえ、黙ってるあたし達に色々と気を使わせちゃったのがちょっと……」
「はぐみがびっくりしちゃったこと、気にしてるんじゃないかなって……」
「私がしっかり話をできていればそもそも……」
「私に至っては気絶してしまった。どう償えばよいか……!」
そこまで気にしてたの!?
「い、いや……!」
どうしよう、せっかく来てくれたのに気の効いた言葉が出てこないよ……
すると───
「はいはいそこまで!」
手を叩く音がした。れい姉だ。
「そんなに謝らなくても最初から雄也は怒ってないし、あなた達ももうこいつが怖くないんでしょ?」
皆が頷く。れい姉がいてくれて良かった……
「なら、このまま続けるとごめんなさいの悪循環で余計に気まずくなるし、さっさと水に流して────」
流して?
「こころちゃんも呼んでここで作戦会議しない?せっかくだし。」
ということでれい姉の部屋で作戦会議が行われることになった。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
キャラのセリフを考えるのって難しいですね。「なんか違う気がする……」って何回もなりました。
薫さんとれい姉に何があったかは作戦会議後に番外編で書ければな、と考えています。
最後になりますが、評価、お気に入り登録をしてくださってありがとうございます。評価バーに色がついててびっくりしました。皆さんの期待にどこまで応えられるかはわかりませんが、しっかり完結できるように頑張ります!!