INFINITY WITCHES ~無限大の魔女~   作:AGM-123

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第5話後半です。
今回、若干の残酷描写と暴力描写がございます。
ご注意ください。


Misson05 極東戦線 ~東京解放戦(後編)~

 

 

 

 

「ひるむな!上空の連中は押してるぞ!死神がいる限り、撤退はない!」ベルツはそう叫びつつ、M4をフルオートで撃ち、歩兵をなぎ倒す。

次の瞬間、ユージア連邦軍のBMP-2が火柱を上げて吹き飛ぶ。旧型の106mm無反動砲でも、成形炸薬弾の直撃は装甲厚わずか33mmの歩兵戦闘車には致命的だった。

2両の自走無反動砲は、その古さに似合わぬ戦果を挙げていた。

ハンヴィーより小柄な車体を生かして、瓦礫の影から砲のみを出し狙撃、敵を倒す。

 

この戦法で、彼らは3両のBMP-2を撃破し、1両のT-80Uを無力化していた。

60式をポンコツと罵ったマークスマンは、思わぬ戦果に唖然としていた。

いかな旧型車両といえども、積んでいるものは対戦車砲。特に粘着榴弾の威力は絶大で、ビルに張り付いた弾頭のC4が破片を撒き散らし、散弾効果で壁の向こう側の敵を殲滅することもできた。

 

さらに運のいいことに、上空では「空賊」のウィッチらが航空優勢を確保。こちらのヘリが思う存分に飛び回れるようになっていた。

 

扶桑陸軍の戦闘ヘリ部隊による支援も相まって、ベルツ中尉と合流し、ついでにPMCからハンヴィーを徴発したコリンズらは、このままうまくいけば東京開放、つまりは扶桑からユージア連邦軍を追い出せるのではないかと淡い期待を抱いた。

 

戦力は軽装甲機動車とハンヴィーが各2両ずつと、それに搭載されたMk.19とM2が2門ずつ。それに虎の子の自走無反動砲。

 

これだけの戦力なら、まだやれる。まだ戦えるはず。しかしその甘い希望は、たやすく打ち砕かれた。

 

 

「おい…なんだよ…、あれ…」怯えたような声を上げて上空を見あげる扶桑の特殊部隊員。

 

 

上空を見上げたベルツとコリンズの目には、彼らが知るいかなる飛行物体よりも巨大な何かが空を飛んでいるのが映った。

「…ネウロイ、か?」「違うぞボタスキー、ありゃあ…空中戦艦ってやつじゃないか!?」「嘘だろ…なんてデカいんだ化け物め!」「ニャー!」国連軍も、扶桑軍もパニック寸前に陥っていた。

目の前の非現実的な光景を何とか受け入れたベルツは、知らず知らずのうちに、一度たりも信じたことのない神の名を呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖におののく私達の前で、重巡航管制機とやらの後部から、”何か”が落ちてきた。2mほどの大きさの細長いもの……有り体に言えば人間が飛び降り、その後に、蝶のようなM字型の主翼のUAV──MQ-90クオックスが続いている。

 

 

 

 

重巡航管制機後部から飛び降りた人間。

 

彼、いや彼女は、私達の目の前で飛び降り自殺を行ったわけではない。彼女の両脚には、見たことない形の機械…機種不明の、ストライカーユニットが装着されていた。

 

短冊形のカナードとW型の主翼後縁が特徴的な、異形の機体。

 

正体不明のウィッチの後を、クオックスが従順に付いてくる。

 

間違いない。彼女は、“敵”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《こちらオメガ、あのUAV前ここで見た奴よ》オメガが誰とも無しに報告し、ヴァイパーが《“蝶”のエンブレム…なんなのよあのウィッチは!?》と、珍しく混乱したように叫ぶ。

 

まさかユージア側にもウィッチがいるとは。それがこの場にいた全ての人間の総意だった。

 

《リッジバックス隊、ボーンアロー隊は敵ウィッチ、ならびにUAVを狙え。その他の航空部隊は敵重巡航管制機を攻撃──》とスカイ・アイが言いかけたときだった。

 

 

空を、幾筋もの紅い閃光が切り裂いた。

 

 

《なんだ!?ぎゃあっ!》《何が起こった!ぐわっ!》その紅い、禍々しい閃光に捕らわれたF-16Cが、一瞬で爆散する。F-16Cとそのパイロットの悲惨な最期を目撃した2機のF/A-18Eが急旋回で逃亡を図るも、彼らも数秒後には同じような末路を辿った。

 

 

《なになに!?何なのあれ!》恐慌状態のオメガが喚き散らす。

《あれは、まさかレーザー兵器!?》恐怖に震える声で、エッジが呟く。

《全機、あのUAVに注意!恐らくシールドではあのレーザーは防げないわ!》

グッドフェローが言わずもがなの注意をしてくる。

《UAVの先端にレーザー兵器が搭載されている!》この状況下でも、ヴァイパーは冷静さを取り戻していた。

 

《それに遠隔操作にしてはあまりにも高精度な攻撃ね。まさか、人工知能でも?》的確に私達を狙い、死の閃光を縦横無尽に煌めかせるUAVの正体を、2人は冷静に分析していた。

 

《私の勘じゃ、この人食い蝶の親玉はあのウィッチね》

《なるほど、“蝶使い”って訳ね》敵ウィッチの仮称を決めた2人をよそに、目の前のクオックス改とも言えるレーザーUAVにMSSLを撃つ。しかし、近接信管の作動エリアに入る前に、ミサイルはレーザーと交差し、空中で爆散した。

 

 

 

《ダメ!蝶使いを狙ってもミサイルは全部レーザーで落とされる!》私が持っている物よりも高性能なAAMを持つオメガが蝶使いに吶喊するも、こちらと同じくミサイルは届かない。

 

《レーザー弾幕なんて!アニメやゲームじゃないのよ!ウィッチならウィッチらしくシールド張りなさいよ!》と理不尽すぎる敵を怒鳴りつけたオメガが、いきなり咳き込み出す。

 

《オメガ、どうしました!?》と心配したが、《叫びすぎて声が枯れただけ》と言う返事。

 

その間にも、小柄なUAVは縦横無尽に飛び回り、逃げ惑うばかりの戦闘機を仕留めていく。1機ずつ、1機、また1機と。レーザーが交差した瞬間、次々と機体が爆発していく。燃料に引火したのか、それとも弾薬が誘爆したのか。どの機体も、パイロットが脱出する暇も無く空中で木っ端微塵になる。

 

 

 

《まずはUAVを落としなさい!》《散って!雑魚から1機ずつ落とすわよ!》グッドフェローとヴァイパーがほぼ同時に同じ指示を出す。あちこちからミサイルが撃たれるが、そのどれもが命中せず、敵側の損失ゼロ、こちらの損失はすでに10機以上と酷い有様だ。

 

「ミサイルがだめなら…」私はつぶやき、Mk.48で弾幕を張る。

 

効果があった。UAVのうち1機がもろに7.62mm弾の中に飛び込み、一瞬のうちに蜂の巣になる。

《グッドキル、ボーンアロー4!》スカイ・アイの称賛はよそに、次のUAVに狙いを定める。が、ギリギリのところでこちらの火線をかいくぐる。敵はパイロットを乗せておらず、ひらひらと舞う。Gもかけ放題、まさしく殺人的な機動が可能だ。わずか5機に、私達は翻弄され続けていた。

 

 

《さっきから無線ノイズが酷いわね、あーもう、気が散る!》オメガの愚痴に、はっと気付く。無線にさっきから時々混じる音声。聞き覚えがある。これは、ノイズなんかじゃない。

 

 

 

《♪~♪》

 

 

 

「これって…!」あの時(・・・)の、昔懐かしのファミコンゲームのBGM──

 

《オメガ、これ、ノイズじゃないです!あの時聞こえた鼻歌です!》あの時、一緒に飛んでいたオメガに伝えるも、《ええっ!…って、何だっけ、それ》と鈍い反応。

 

《ほら、前東京でUAVを迎撃したときに聞こえた、あのラジオ放送みたいな!》ここまで言って、オメガはやっと思い出したようだ。《……ああっ!じゃあ、あの時も…》そう、間違いない。あの時、私達の目の前で艦隊を襲撃したのは、あのウィッチ操るUAVだったのだ。

 

 

《んな事どうでも良いから、こっち手伝ってよ!》と、UAVとウィッチの正体分析に熱中していた私達を、ヴァイパーが大声で呼び戻す。

 

《あの無人機、レーザー撃った後は動きが鈍くなる!そこ狙ってミサイル撃って!》といったそばから、彼女はレーザーを躱しつつUAVをオーバーシュートさせ、一瞬のちにMSSLを真後ろから発射。レーザーの充電でもしているのか、確かに動きが鈍ったUAVは、いとも簡単に撃墜された。

 

 

レーダーを見ると、残りは3機。いつの間にかもう1機も墜とされていたらしい。

 

 

《エッジ、腕がうずくか》執拗にUAVのうち1機を追い回すエッジに、スラッシュがいつもとは違う感じで声を掛ける。《えっ?あ、はい!…あっ、いいえ》思わず本音を言ってしまったエッジが、あたふたと取り繕う。

 

《フッ…そうか。リッジバックス1より全機、これより各々自由戦闘に入れ。“猟犬”の腕はこんなもんじゃない。偉そうに説教垂れた空賊連中に見せ付けてやるぞ!》

何か吹っ切れたのか、スラッシュの指示はかなり大雑把だ。

《エッジ了解!!》叫んだエッジは、鎖から解き放たれたかのようにUAVに食いつく。

 

《リッジバックス隊ブレイク!》スラッシュも一声叫び、彼は蝶使いを追尾する。

 

《やっとその気になったわね、スラッシュ!》ライバルが増えたのが嬉しいのか、ヴァイパーもいつもより饒舌だ。

 

 

 

《この感覚、久しぶりだな》化け物じみた機動のウィッチを前に、スラッシュは今まで見たこともないような鋭いマニューバを連発する。

「…すごい!」思わず呟いてしまう。いくらベクトルノズルと前進翼、カナードを組み合わせたV/STOL機でも、所詮は戦闘機。1/100の大きさにも満たないウィッチとは機動力が天と地ほどの差があるはずだ。それなのに、彼はぴったりと蝶使いに食いつく。

 

 

 

《おい空賊ルーキー……、リーパーだったよな》いきなり名指しで呼びかけられた私は、《…へっ!?あっ、はい》と間の抜けた返答をしてしまう。

 

《あの蝶使いを落とした方が勝ちでいいな?》私の驚きをよそに、スラッシュは話を進める。

 

《ストーンヘンジでの借りを返させて貰うぞ、リーパー!》彼からの勝負の持ちかけに、私は一言、《…はい!》とだけ答える。

 

ほんの一月ほど前までは、邪魔な空賊呼ばわりだったのが、今ではTACネームで呼ばれ、ライバルとして認められる。それが、無性に嬉しかった。

 

 

 

彼は蝶使いから目を離し、後ろからレーザーの猛攻を仕掛ける1機のUAVに狙いを定めたらしい。スロットルを調整し、高度を変えずに機首を後ろに向ける機動。コブラ…いや、違う。クルビットだ!一瞬、ASF-Xの機首とクオックスが正対する。その瞬間を、彼は見逃さなかった。《UAVを撃墜、次行くぞ!》バルカン砲でUAVを粉砕したスラッシュは、何事もなかったかのように機首を元に戻し、次の獲物を探した。

《すごい…》エッジも、思わず呟く。

 

 

《ふぅん》と、聞き慣れない声。上空を見ると、蝶使いがこちらを見ていた。大型のHMDで表情も顔つきも分からない。が、どことなく嫌な雰囲気の女だ。

 

 

《新たにUAV2機が接近》生き残ったUAVが、同時にスラッシュに狙いを定める。

 

 

《残りの2機だな?俺がやる!》 VTOLモードでUAVをオーバーシュートさせた彼は、機関砲の照準を2機に合わせる。後数mm、トリガーを引けば落せる。しかし、次の瞬間だった。《スラッシュ、踏み込み過ぎです!》

 

 

《かかった!》蝶使いが、嬉しそうに叫ぶ。混線した無線の中でもはっきりと聞こえる嫌な声。彼女の狙いは、スラッシュだった。

 

UAVの1機が人間には不可能な機動で急旋回、スラッシュの上前方から、レーザーを主翼に浴びせた。

 

 

群青色のASF-Xの右翼から、高熱に炙られたジェット燃料が火柱を上げた。

 

 

《くそっ!主翼をやられた》半分ほど無くなってしまった主翼のせいで、よろよろとしか飛べなくなったASF-Xが、爆煙の中から現れる。

 

《ベイルアウトを!》エッジがスラッシュを急かす。

 

《そうだな、せっかく面白くなってきたとこだったのに。エッジ、後は任せたぞ。全員を連れて帰ってくれ》エッジに、部隊員の命を託す。

 

《了解です。早くベイルアウトを!》エンジンも止まったのか、高度が落ちていくASF-Xに、エッジが再び急かすように呼びかける。

 

《リーパー、またな。勝負はお預けだ。リッジバックス1、イジェクト!》

 

ASF-Xのキャノピーが枠ごと投棄され、ロケットブースターで加速させられた射出座席が空に舞う。一瞬のち、白とオレンジ色のパラシュートが花開き、スラッシュはゆっくりと地上へ降下していった。真下はエネミーラインではなく、友軍の支配地域だ。すぐに助け出されるだろう。

 

 

 

《こちらエッジ、パイロット1名ベイルアウト。パラシュートを確認、至急救出部…まさか!?やめて!》

 

冷静にスカイ・アイへ状況を報告していたエッジが、取り乱したように叫ぶ。

 

 

 

 

その切羽詰まった声に振り返った私は、見た。いや、見てしまった。

 

 

 

 

ゆっくりと降下するスラッシュ。

 

 

 

 

彼の後ろから、1つの異形の飛行物体が急速に迫ってくる。

 

 

 

 

エンジン音を聞いたのか、スラッシュの顔が後ろを向く。

 

 

 

 

UAVは、進路を変えることなくスラッシュに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

そして、UAVの、機首が、紅く光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおぉっ!」私は思わず叫ぶが、その光が止められるわけもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、上空でこちらを見ていた奴──蝶使いが、それはそれは楽しそうに、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アハッ♪》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、短く笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の出来事だった。降下するスラッシュの体を、レーザーが射貫いた。悠々と飛び去るUAV。鼻歌交じりで、何処へ飛ぶともなく上空を遊弋する蝶使い。

 

 

 

 

後には、主を失い、風に流されるツートンカラーのパラシュートだけが、残っていた。

 

 

 

 

 

何事か、オメガが叫んだ。それは悲鳴か慟哭か、それさえ私には分からなかった。

 

 

 

 

 

《どうした、何があったの!?》あまりに異様な雰囲気に、UAV以外の敵機を相手していたヴァイパーが駆け戻ってくる。

 

《……見たのよ》いつもの陽気さを失い、オメガはぼそりと答えた。

《何をよ!》あまりの惨劇に、シェル・ショックを引き起こしたオメガの元に、ヴァイパーが駆け寄る。

《スラッシュが……空中で……あいつら、何でベイルアウトした人間まで殺すのよっ!?》

 

 

M4を取り落としかねないほどに虚脱したオメガを守るように、ヴァイパーがシールドを張る。《ちいっ!オメガ、しっかりして、ほら、しっかりしなさいよ!銃を握って!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、オメガと同じような状況だった。しかし、心の中には、一つ、はっきりと、「憎悪」が渦巻いていた。

 

 

 

 

赦さない。

 

 

 

 

殺してやる。あのウィッチも、上空の管制機の乗組員も、地上部隊も、捕虜も皆殺しだ。

 

 

みんな、殺してやる。

 

 

 

 

 

 

 

《ふざけるなああぁ!》誰かの絶叫。エッジだろう。

 

彼女が蝶使いに食らいつく。SIG556を狙いもつけずに乱射し、当たるはずもないのにM203で奴を狙う。

 

 

《リッジバックス2、落ち着け!しっかりしろ!》

 

 

《ああもう!リーパーも一旦落ち着け!そんな飛び方してたら死ぬぞ!》

 

普段ならすんなり聞けるはずのヴァイパーの声も、今の私には煩わしかった。

 

 

心の中に憎悪が渦巻くが、私は不思議に冷静だった。頭の隅でヴァイパーの言葉を聞き流し、F-15S/MTDでできる限りの急旋回で蝶使いを追う。

 

さっきから過加重警報が鳴りっぱなしだ。

 

黒く視界が狭まる。ブラックアウトを起こしつつも、私は誤射もかまわずMk.48を乱射し、蝶使いを追い詰めようとしていた。

 

 

 

次の瞬間だった。ガキッという鈍い音と共に、Mk.48が弾丸を吐き出さなくなる。

 

一瞬で頭の芯まで冷える。最悪の事態だ。

 

排莢不良(ジャム)二重装弾(ダブルフィード)不発(ミスファイア)

 

今考え得る限りの銃の故障要因がいくつも浮かぶ。

 

トップカバーを開けてベルトリンクを取り出し、不発弾をベルトから毟り取る。再びベルトリンクをフィード・トレイに乗せ、コッキングハンドルを引く。その十数秒の間に、沸騰しかけていた私の頭はすっかり冷めていた。

 

一つ深呼吸をし、再装填したMk.48を抱え直す。

 

《リーパー!援護しろ!》と、ヴァイパーが叫ぶのが聞こえた。見ると、エッジを引き連れたヴァイパーが蝶使いから逃れようとしていた。当たるはずがない、と分かっていても2発のMSSLを撃ち、蝶使いの注意をそらした。

 

 

更に後方からレーザーを撃ってくるUAVをオーバーシュートさせ回避。

数十秒としないうちに、近くのビルの陰に退避していた2人が飛び出てくる。エッジが私の後方につき、《…リーパー、やるわよ!》と叫ぶ。

私は考える間もなく、《分かってるよ。エッジ!》と返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーパーが不発弾を噛み込んだとき、エッジは、高度差を生かして蝶使いに突っ込もうとしていた。位置エネルギーを速度に変え、真上から仕留めるつもりだ。しかし、蝶使いもただ見ていただけではない。背面飛行をしつつ上空のエッジにP90を向け、フルオートで迎え撃つ。エッジの5.56mm弾も蝶使いの5.7mm弾も命中することはなかったが、蝶使いの横をすり抜けたエッジは、致命的なミスを犯していた。

彼女は、無防備な背中を蝶使いに晒すことになったのだ。反撃しようにも、SIG556のマガジンは既に空だ。サブウェポンのグロック19をホルスターから抜こうとするも、そんな暇はなかった。

 

(殺られる…!)しかし、彼女の体を5.7mm弾が引き裂くことはなかった。

 

誰かが左腕を掴んで引っ張り、エッジを蝶使いの火線から無理矢理反らしたのだ。

 

「貴女は…ヴァイパー!」エッジの驚いた声を無視し、ヴァイパーは《リーパー!援護しろ!》と一言叫び、彼女を蝶使いから死角となる近くのビルの影まで引きずり込んだ。

 

「なんで私を…」と言いかけたエッジの頬を、ヴァイパーは思いっきり張り飛ばした。

 

パンという軽い音と鋭い痛みが、エッジを正気付かせた。

 

 

ヴァイパーはエッジの胸ぐらを掴み、怒鳴った。「馬鹿かアンタは!自分から死に急いで!スラッシュの言ったことを忘れたのか!?見てみろ、アンタらの部隊は瀕死状態だ!」

 

上空では、指揮を失ったリッジバックスの3,4番機の2人が追い回されるままになっている。しかも1人は片方のエンジンから煙を吐いている。それを見たエッジに、ヴァイパーが畳み掛けるように話しかける。

 

「1人じゃあの化け物を狩るのは無理よ。うちのリーパーのフォーメーションに入りなさい」戸惑うエッジに、さらに語りかける。

「このままじゃ弔い合戦も出来ないわよ、さあ、どうするの!?」

 

顔を上げたエッジは、はっきりとした声で、「……了解!」と答えた。

 

それを聞いたヴァイパーは破顔し、「よーし、良い子だ。じゃあまずはUAVを落すぞ!リーパーを援護してやれ!」と一声言い、ビルの影から飛び出す。自分の獲物を目の前でかっさらったウィッチを覚えていたらしい蝶使いが、リッジバックス隊からヴァイパーに標的を変えた。

 

ヴァイパーの周囲にレーザーが煌めく。その隙を突き、エッジはリーパーの後方に付いた。

 

 

《…リーパー、やるわよ!》《分かってるわ。エッジ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出しぬけに吹き飛ばされたハンヴィーが、運の尽きを表しているように思えた。

ハンヴィーを盾にMINIMIを構えていた機関銃手が、爆風に手足を引き千切られ即死したのを、コリンズははっきりと見た。

 

超巨大飛行要塞の登場に勇気づけられたのか、敵の攻撃は一層熾烈になっていた。

AT-4に撃破されたハンヴィーは、運の悪いことにMk.19とその予備弾薬、さらにSMAWまでもを積んでいた。

 

大量の弾薬とガソリンの誘爆はその近くに駐車していた軽装甲機動車を横転させた。その軽装甲機動車は陰に隠れていた小銃手を一人巻き込んで圧死させ、コリンズらは一気に戦力の半分を失う羽目になっていた。さらにその脇では、唯一の装甲戦闘車であった自走無反動砲がくすぶっている。自らの不運を呪いつつ新しいマガジンをM-4に叩き込んだコリンズは、上空の熾烈な空戦に一瞬目を奪われた。

 

空を切り裂く紅いレーザーを搭載したUAV。それを操るのは信じがたいことに敵側のウィッチ。それに相対するは、あの“死神”だ。

 

既に「一本線」の隊長機を含む10機以上が落とされ、ベイルアウトしたパイロットすら殺害されるのを見たコリンズらは、ユージアへの憎悪を募らせていった。

 

プリーストが連発グレネードランチャー、ダネルMGLを構え、なんもためらいもなくエアバースト弾6発を全弾撃ち尽くす。生身の人間に使っていいような威力の物ではないが、そんなことは構わなかった。盾にしていたUAZ-3151ごと、2、3人の敵がぼろ雑巾のように吹き飛ぶのが見える。

 

「前進!!」ベルツが号令をかける。目的地は「一本線」の隊長が降下したと思しき地点だ。

レーザーに撃ち抜かれた彼が生きているとは思えないが、せめて遺体だけでも回収する。

 

 

 

 

その思いを胸に抱いたコリンズらの目の前に、レモン大の「何か」が転がってきた。

 

 

M26破片手榴弾。すでにレバーは外れている。転がってきた先には、虫の息のユージア兵。彼は、最後の意識を振り絞り復讐を果たそうとしていた。

 

「手榴弾だ!」と小隊員のパッキーが叫ぶ前に、コリンズは誰かが視界の端から飛び出してくるのを見た。

誰よりも早く反応したベルツが素早くヘルメットを外し、それを手榴弾にかぶせ、自らもその上に覆いかぶさったのだ。

 

 

刹那、手榴弾の爆発と共にベルツの体は宙に舞った。

 

 

164gのコンポジションBの炸裂は超高分子量ポリエチレン製のEHCヘルメットを容易く引き裂き、鋭く尖った無数の破片をまき散らした。

 

その一片が、7.62x51mm徹甲弾をも止める強固なIMTVボディアーマーの襟首の隙間を縫い、頸動脈を切り裂いた。

 

 

「隊長ー!!」絶叫しながらコリンズらが駆け寄るも、既に彼の傷が手の施しようがないのは明白だった。破裂した水道管から水が流れ出るかのように、破片に裂かれた頸動脈から血が溢れてくる。

 

 

 

 

 

急速に薄れゆく意識の中で、自らの血の池に横たわったベルツは駆け寄ったコリンズらを見た。仲間は誰も欠けていない。全員を守れた。

仲間を命の続く限り守りきれた事に安堵した彼は、最後に残った意識を永久に手放した。彼の中には、苦しみも、悔しさもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァイパーの叱責で落ち着きを取り戻した私とエッジは、クオックスの協同撃墜をもくろむ。

 

加速性に優れた機に乗る私が、ほんの数秒、最高速で直進しクオックスの注意を引く。体をひねってレーザーを避け、その直後の一瞬にエッジがSIGで撃墜する。

 

《UAVを撃墜!残り1機!》私達を苦しめたレーザー攻撃も、すっかり散発的な物になっている。

 

残った1機が、7人のウィッチに追い回される。そして、誰が撃ったか分からないAAMが、最後の1機にとどめを刺した。

 

《UAV全機撃墜を確認!やつのバリアーを剥いだぞ!》レーザーの防御を失った蝶使いは逃走に転じると思いきや、《やるじゃん》とだけつぶやき、P90を乱射しつつ私達の方へ突っ込んでくる。

 

 

《最後の授業だリーパー!「エースへの道その5」“止めは自分で刺せ”よ!》

ここしばらくなりを潜めていたヴァイパーの教え。とどめを刺さなければ、それを撃破したという栄光も報酬もない。私は、蝶使いに食いつく。

 

《あいつは私が墜とす!》エッジも私の後をぴったりと付いてくる。

 

《アハッ、かわいがってあげる》耳の奥にこびりつくような嫌らしい声。なぜかこっちと無線をつないでいるため、散発的に鼻歌と独り言が聞こえてくる。奴は、悪い意味で戦闘を楽しんでいる。

 

そして、P90を散発的に乱射し、こちらを妨害してくる。

 

 

その数秒後だった。

 

 

 

 

 

 

《タイムアップ》

 

 

 

 

 

 

 

蝶使い側の警報だろうか?意味不明の無線が聞こえる。しかし、次の瞬間、蝶使いが、目に見えて動きを鈍らせた。何があったかは分からない。でも、このチャンスを逃す私ではなかった。

 

 

 

「貰ったあ!」私は叫び、Mk.48に装填してあった残弾全てを撃ち尽くす。そのうち数十発が、蝶使いの肉体を切り裂いた。

 

 

 

頭、背中、腕、腰、ストライカー、全身に7.62mm弾を喰らった蝶使いは、被弾の衝撃に一瞬全身を震わせ、P90を取り落とし、頭から墜ちていった。

 

東京湾の海面にたたきつけられる寸前、約50ftほどの高度で、蝶使いのストライカーは、数秒前までの主であった穴だらけの肉塊を巻き込み、爆発した。

 

 

 

 

爆煙が収まった後には、波間に揺られる僅かな残骸だけが残されていた。

 

 

 

 

 

《リーパーが敵ウィッチを撃墜!》興奮したようにグッドフェローが叫ぶ。

《ヒュー、やるようになったじゃないの》口笛交じりに、ヴァイパーがつぶやく。

 

 

《蝶使いはベイルアウトなし……か。人間離れした奴だったわね。捕虜にでもできればよかったけど》オメガがしんみりと呟く。

 

 

 

 

 

 

 

《スカイ・アイから全部隊へ、これより重巡航管制機に一斉攻撃をかける》

蝶使い撃墜で一息つく間もなく、今度は上空の重巡航管制機の撃墜命令だ。

扶桑空軍機や国連軍機が攻撃したのか、複数個所から煙と炎を噴いているが、ろくなダメージにはなっていないらしく、未だに悠々と飛び、信じられないことに後部からSu-33らしき艦載機を発進させている。

 

 

そして、私達の目の前で、運の悪い扶桑空軍のF-15Fが何機か、搭載されたSAMの直撃を受けて墜ちていく。

 

《ホーク2!柿崎!立て直せ!》

《ホーク2、アンコントロール!アンコントロール!脱出できません!》

《スラッガー02、逃げろ、宗像!》

《安藤班長!ミサイルです!》

 

蠅のように落とされていくF-15達の阿鼻叫喚を聞きつつ、スカイ・アイが命じる。

 

 

《敵重巡航管制機の対空砲と対空ミサイルに注意しつつ機動力を叩け。後方エンジン部分を重点的に攻撃すれば、足は止まる。重巡航管制機へ攻撃を開始せよ!》

それと同時に、HMDに数多くのターゲットが映る。

エンジン、固定機銃、自衛用ミサイルサイトなど、目標はよりどりみどりだ。

 

 

超巨大飛行物体に攻撃を仕掛けようとするウィッチ達。何年か前に見たSF映画にこんなシーンがあったなと思い出す。凶悪な宇宙人の飛行要塞に立ち向かう何十機もの戦闘機が脳裏に浮かぶ。もっともその映画では、辛うじて逃走に成功した1人を除いては全機が撃墜されてしまっていたが────

 

 

 

 

 

 

象にかみつく蟻、蟷螂の斧と不吉なイメージばかりが頭をよぎる。

 

《こちらヴァイパー、全機、あの白鯨を狩るぞ!》どうやらこの重巡航管制機のあだ名は、白鯨に決まったらしい。

《了解!エイハブ船長殿!》とオメガが茶化すような返事をし、《エイハブって白鯨と一緒に沈んだヤツじゃん、しかも片足もぎ取られて》と返される。

 

《あれ、知ってた?》といったオメガに、「後で覚えてなさいよオメガ」とだけ呟き、ヴァイパーはSu-33の迎撃に向かった。いつも通りの軽い感じの会話。ボーンアロー隊、再始動といったところか。

 

《エッジよりエッジバックス隊、これより私が隊の指揮をとる。負傷したものは帰還せよ。それ以外は散開、白鯨を攻撃する!》スラッシュの代わりに隊をまとめ上げたエッジが、被弾して離脱した4番機を除いて2機編隊を作る。

 

1番白鯨の近くにいた私が、まずは発艦した直後のSu-33にAAMを撃つ。速度も出ていないシーフランカーは鴨同然だった。分厚い主翼の上をギリギリで掠め、ついでに機銃でAAガンを2機破壊する。エンジン回りはさすがに防備が固いはずだ。まずは、対空装備を破壊しないと。

 

 

《こちらグッドフェロー》何か知らせるべきことでもあるのか、グッドフェローが無線に割り込む。

《言われなくても分かってる!あれ墜としたら報酬上乗せでしょ!》オメガが叫ぶも、グッドフェローは続ける。

《いえ、金も必要だけど、あれはニンジンよ。私がほしいものは別のもの。聞いてるでしょ?リーパー。守りに入ったやつは本物にはなれないのよ。貪欲な奴のほうがいい。そして、状況は無茶であればあるほどいい。デカい的に、無茶な作戦。全ては揃ったわ。貴女には何が見える?》

 

 

その問いに、私は答えなかった。

 

 

その間にも、各部のAAガンにMSSLを撃ち込み、黙らせる。

SAMも撃っては来るが、これだけ近づいているせいか巨体が災いしてろくに照準もできないようだ。

 

 

《弾着を確認!チッ、硬い!》リッジバックス3がMSSLをエンジン周辺に撃ち込むも、分厚い装甲板に阻まれ、エンジンは健在なままだった。

 

しかし、そのエンジンをヴァイパーが破壊する。彼女は複数のM67を投げ込んで装甲をめくりあげ、そこにM79を撃ち込んだのだ。

 

《ちまちまAAMなんか撃ってないで、AGMかASMを撃ち込みなさい!それがなきゃグレネードだ!》

 

そうか、こいつが空を飛んでいるから今まで空対空戦闘と考えていた。しかし、このサイズなら、速度が速い陸上/洋上目標となんら変わりはない。

私はLAGMの照準をエンジンブロックに合わせ、発射する。1発で戦闘艦を行動不能にする威力のあるLAGMは、エンジン数基で構成されたブロック区画を丸ごと吹き飛ばし、機体に大ダメージを与えた。

 

 

 

 

《うわっ!?ちょっとブロンコ!撃つなら言ってよ!》ブロンコの射撃で白鯨ごと被弾しかけたオメガがブロンコに文句を言う。ボーンアロー隊随一の瞬間火力を誇るXM556で機関砲座を掃射した彼女は、《…射線上に入るなって、私言わなかったっけ?》とだけ言い、白鯨の胴体を所構わず掃射する。オメガも《言ってないっつーの!》と言い返しつつ、飛行甲板に出ようとしたSu-33に5.56mm弾を浴びせかける。

 

そんな二人のやり取りを尻目にリッジバックスはM203の同時発射で反対側のエンジンブロックを破壊。白鯨は、両翼から煙を吐いて高度を落としていく。

 

《全てのエンジン破壊を確認!続いて前方コクピットを潰せ。これで終わりだ!》

残る目標はあと1つ、白鯨の鼻先、コクピットだけだ!

 

 

《止めはアンタが刺しなさい!リーパー!死神らしく、大鎌で首を刎ねてやりなさい!!》

 

 

言われなくても、だ。

 

白鯨を追い越し、180度ターンを決めて、ヘッドオン。

アフターバーナー全開で、LAGMの最短射程ぎりぎりまで近づく。

 

分厚いキャノピーの向こうで、操舵手や艦長らしき人影が逃げ惑うのが見える。

 

「これで…終わりだ!!」残ったLAGM5発を全弾発射。

 

私はその勢いのまま、白鯨の内部、Su-33の残骸を燻ぶらせている飛行甲板を掠めるように通り抜け、反対側に脱出した。振り返ると、白鯨のコクピットが一瞬膨れ上がったように見え、次の瞬間、内側から爆発した。

 

 

全身を黒煙と炎に包まれた白鯨の機首が下がり続け、やがて、漂流する敵艦の残骸を巻き添えにし、東京湾に叩き付けられた。すさまじい水煙の後には、へし折れた主翼端が墓標のように残っていたが、それも、やがて渦に呑み込まれ、消えていった。

 

 

《敵重巡航管制機撃墜!》《やったぜ!》スカイ・アイとオメガが同時に嬉しそうに叫ぶ。

《墜としたのは誰?リーパー……か。……“死神”、その仇名、間違ってもないかもね》

と、エッジがつぶやく。

 

 

 

《アローズ各機、本当によくやったわね!》ストーンヘンジ破壊作戦以降、一番うれしそうにグッドフェローが労う。

 

 

《グッドフェロー、帰ったらあたしは長い休みをもらうわよ。そろそろ休んでもいいころだと思わない?》いきなり、ヴァイパーが爆弾発言を繰り出す。

《えっ!?ヴァイパー、やめるの!?》一番驚いているのは、オメガだ。

 

《だってあたしも、もう上り寸前だしさ。それに、隠居できる理由が見つかったからね》

いつになく穏やかな口調のヴァイパー。じゃあ誰が1番機に、と私が考えていると、スカイ・アイが最新の状況を伝えてくる。

 

 

 

 

《敵航空勢力の全てを排除。地上部隊はどうか?ベルツ中尉、報告を》

 

しかし、無線は雑音を返すだけで、何も答えない。

 

《ベルツ中尉、応答を》急かすように、スカイ・アイが再度呼びかける。

まさか…。

 

そして数秒後、地上部隊と無線がつながった。

 

《こちら海兵隊コマンド部隊コリンズ軍曹、ベルツ中尉に代わって報告する。全ての敵勢力を排除した……》

 

隊長であるベルツ中尉が答えない、いや、答えられない。

 

それは、やはり最悪の結末を示していた。

 

《……了解した。全敵勢力の排除を確認》スカイ・アイが感情を封じ、淡々と答える。

 

 

《だが、残念なことだが我が軍は数多くの戦友たちを失った。全機、勇敢な兵士達に敬礼!》

 

ボーンアロー隊、リッジバックス隊の全員が東京を向き、敬礼する。離れた位置では、同じ方角を向き、敬礼をしているディアボロ隊や“新選組”の2人が見える。

 

 

今回の戦闘は、私達の勝利ではあった。

 

しかし、私達は多くを失い過ぎた。

 

 

 

グレイメン救出戦とストーンヘンジ戦を生き抜いた歴戦のコマンド兵、ベルツ中尉。

 

未熟な私達を叱責し、影ながら支えてきてくれたエースパイロット、スラッシュ。

 

レーザーに焼かれ、遺体すら残さず空に散っていった何人もの国連軍パイロットたち。

 

 

 

 

 

いくら悔やんでも、彼らは帰ってこない。

 

《……ボーンアロー4、RTB》一言無線に呟き、私達は戦闘空域を離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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