今回、一誠は現世、つまり人間界に御忍びでヒーローショーの会場でショーを観に来て人混みの中にいた。それは五才の頃、まだ家族に捨てられる前に両親に連れて来てもらった遊園地のヒーローショーが切っ掛けであった。一誠はその頃、目を輝かせて観たヒーローに憧れて自分もいつか、あんなカッコいいヒーローになりたいと思っていたからだ。
〈一誠side〉
やはり、ヒーローものはあつく燃えてこそだな! 異世界では勇者や賢者が英雄、つまりヒーローなんだがこっちではアクションや戦隊ものが受けが良いようだし、魔法少女なんかもTVでやってるから、本当に魔法とかが使えるなら誤魔化す時に、番組の撮影中とか言えば大丈夫かと思うがまだそこまでには至っていないからな。そんな事を考えていると女の人に声をかけられた。
「もしもし♪ ボク一人? お父さんとはぐれちゃったの?」
なんだ!この人いきなり? 見たところ警備員ではないようだが、黒髪ツインテールの女の人で年齢は17~20代かな?しかし、何で魔法少女のコスプレなんだ⁉️
「ねえねえ♪ さっきから私のことジロジロ見てるけど、もしかして魔法少女に興味あるの♪」
いやいや、あんたが何故、魔法少女の格好をしているのか考えていたんだよ⁉️ 兎に角、名前を聞かなくては。
「あの~?人にものを尋ねるときは、先ず自分から名乗るのが筋では?」
「あっ ごめんごめん♪ 私はセラフォルー支取
なんか⁉️かるいような天真爛漫なような変わった人だな?まあ、こっちも名乗るところだが、流石に兵藤はまずい家を追い出され何年も経つから、迷子連絡されたら厄介だしな。そうだ!
「俺は一誠。 戦辺一誠だ!」
咄嗟に進歩界の『天竜師様』から頂いた名を名乗ると。
「うん♪ 戦辺一誠くんだね! わかったよ♪」
セラという女性は納得したようで、ニコニコしながら俺を見る。
「ところでなんで、そんな格好をしているんですか? ヒーローショーの関係者の人じゃないよね?」
「ああ♪ これは魔法少女3姉妹の1人
へぇ~今の現世はそんなのが流行っているのか? まあ、人の趣味をどうこう言うつもりはないがなんでこんな所に?
「あの~お姉さんはここで、そんな格好で何をやっているんですか?」
「ああ、実はね! 知り合いと私達で妹達にヒーローと魔法少女ショーのコラボを見せるつもりが知合いとはぐれちゃったの! どこにいるか分からなくて迷っている内に、遂なんとなくだけど君に声をかけてしまったの⁉️」
ヒーロー物と魔法少女ねぇ~?それはすごいが妹?家族で来ているのか。
「家族と来ているなら、ケータイで連絡を取ればいいんじゃ?」
「ダメダメ! 今日、私達がここへ来ていることは妹達には秘密なの! 突然、現れてビックリさせてあげたいんだもん♪」
そんなものかね?俺なんて、そこまでしてもらった事なんてないから理解は出来ないし、自分の兄からも攻められてばかりだったから、家族というものは半信半疑でわからないが、少なくとも母上様や父上様と天照さんや月読さんと須佐能の師匠と出会ってからは、家族の愛情は理解出来てるつもりだ。
「それじゃあ、これからどうするの?何処でやるか決めてないの?」
「ん~場所は知り合いが手配してくれてるから、妹達はもう着いてる筈なんだけど? 知り合いのケータイにかけても繋がらないのよ!?」
おそらくケータイを
「あれ? どうして手を掴むの?」
「決まってるだろ! 一緒に探そう!」
俺は何の躊躇いも無しで、セラと手を繋ぎ歩き出した。
「あっ でもヒーローショー観ていたんじゃないの?」
咄嗟にセラはひとさし指で、会場の方に指を指すが。
「困ってる人が居たら、助けるのが当然だろ‼️」
「・・・」
セラの方に顔を向けてそう言うと、セラは少し顔を赤くして黙って着いて来る。
(なっ 何?この胸を締め付ける感じもしかして『恋』?でも、相手は子供?幾ら何でも歳だって離れているし、いやでも恋愛に年齢は関係無いって知り合いも言っていたし、例え人間でも私の眷属にすれば良い訳だし♪)
何かよからんことでも考えているようだが、まあ知り合いの所へ送ったら透かさず立ち去ろう。
辺りを見回しても人混みは変わらず、セラに知り合いの顔や特徴を聞きながら探すこと1時間、とりあえずベンチで休憩。
「フゥー 流石にこの人集り相手に探すの骨だな……。」
「ごめんねぇ………元はと言えば私の不注意でこうなったのに………。」
あからさまに落ち込んでいるセラに、何て返せばいいか分からずにいるとさっきまで人集りだったが、いつの間にか周りは人っ子一人居なくなっていたんで、俺はセラにも人がいないことを告げる。
「一体、どういうことだ?」
「あれ?これって、まさか!?」
動揺していると突然、黒い霧が実現しその中から蝙蝠の羽を生やした悪魔の軍勢が現れ、その中の一人がこっちを見て喋った。
〔セラフォルー・レビアタンよ! 我らは旧魔王派の者だ! 新魔王派の魔王である貴様には、ここで死んでもらうからな!〕
(・・・・・)
「あのさ? 状況が良く呑み込めないんだがセラって悪魔なの?」
「ええ、別に信じてもらうつもりは無いけれど、私達悪魔は存在しているし天使や堕天使と3つの勢力、これを三大勢力と言いずっと
旧と新か!悪魔の世界も一枚岩でないわけか?セラが長々と解説してくれているが旧の奴等が睨みを効かせた。
〔おい、ガキ! 悪いがお前にもここで死んで貰うからな! 我等の行動を知った者は例え子供でも生かしてはおかないのでな‼️〕
知ったって自分等で喋った癖に! そして、セラは俺を後ろへ隠し自分が前へ出て庇おう。
「一誠くん…ごめんね……。私のせいでこんなことに巻き込んじゃって……。」
なんだ!?随分、しおらしいじゃないか?戦いを好まない悪魔という者は皆こうなのか? そもそも人間も良い人ばかりではない、異世界にも良き心を持った者や悪い心に
〔ガキィ―――‼️ 無視してんじゃねぇぞーコラー‼️〕
〔まあ、人間なんて俺達悪魔からすれば下等種族でしかない。殺したとしても何も問題無いがな⁉️〕
〔〔〔〔〔ギャハハハハハハハ‼️〕〕〕〕〕
うるせぇー奴等だな……仕方ない相手してやるか! これだけの人数なら『忍者の異世界』で手に入れた
「ち ちょっと、なんで前に出るの? 私の後ろに隠れてないと⁉️」
「セラいやセラッチ! あんたが悪魔だった事は少しショックだったが、俺もセラッチに隠していた事があるんだ! だから、これでお相子だ!」
「隠し事?」
回れ右でセラッチにニコッと笑い謝罪してから前方の軍勢の方へ向き直して、両目を一度閉じて再び開くと両目は真っ赤な瞳をし、黒い勾玉が3つ画かれ次第に模様が変わり身体から異様なオーラが纏い、その中から骨格や骸骨の骨などが現れ鎧のように身体を包んでいく。
〔な 何なんだ! それは?〕
「これか! これは俺が異世界で手に入れて来た友と同士によって、実現した偉大なる力『
「異世界?」
セラッチは俺の漏らした言葉が理解出来ないようだが、まあそれで良い、いちいち説明してられないからな!
〔何を訳の分からんことをどうせ死ぬんだ! 覚悟しろ!!〕
ヒュンッ!!
悪魔の軍勢が一斉に襲い掛かるが、スサノオの手に握られた燃え盛る剣で薙ぎ祓うと、旧魔王派の軍勢の半分が消滅し消え流石の悪魔共も恐怖に苛まれ狼狽える。
〔き 貴様‼️ 一体何者だー‼️〕
「悪魔のオジサン達、人間だからと言って甘く見ない方が良いってこともあるよ!自分達が悪魔で人間なら弱くて当たり前だと思っていると、今のように噛みついた野良犬の尾が狼の尾であったということにもなりかねない⁉️」
脳みそ軽量でも目の前の状況を見れば理解出来るだろうが。
〔言わせておけば人間風情が―――‼️〕
あ~あ~折角、逃げるチャンスをあげたのに馬鹿には理解出来なかったか⁉️
ザッシュッン‼️
呆気なく旧魔王派の悪魔の軍勢は塵になり倒され、スサノオを解除しセラッチの所へ戻る。
「大丈夫か?」
「ええ………一誠くんって………本当に何者?」
心配して歩み寄るとセラッチ腰が抜けた状態で、顔を
「セラフォルー様! 御無事ですか!?」
いきなり横から又、蝙蝠の羽を生やした悪魔が飛んで来て魔方陣の中から多数の兵が召喚された。
「チッ まだ残っていたか!」
向かって来る悪魔共に視線を移して、構える俺にセラッチが話し掛けるが。
「ま 待って一誠くん! 違うのあの…『セラッチ!』…!」
「俺が奴等を引き付ける。その隙に、どこかに隠れるんだ! 心配するな俺はあんな奴等に殺られたりはしないから‼️」
「待って‼️」
心配させまいと拳で胸を叩いて宣言すると、セラッチは手を掴んで真っ直ぐ俺の顔を見て言う。
「一誠くん……じゃなくてイッちゃんって呼ばせて‼️」
突然、何を言い出すのかと思えば?
「………セラッチ?」
「私、本気だからね!イッちゃんと出会った時から運命を感じていたの!だから、又会えるよね‼️」
両手で俺の右手を掴むセラッチの目は真剣そのものだった。そして、俺もセラッチの手に左手を重ねた。
「ああ!また会える日を楽しみにしているよ!」
そう言うとセラッチはスーッと手を放して下を向き、俺は再びスサノオを出して悪魔の大群を迎え撃ち注意を引き付けその場を去った。
〈一誠sideout〉
〈セラフォルーside〉
イッちゃんと別れを告げて、呆然となっていた私に御付の子が歩み寄って来たわ。
「セラフォルー様!御無事ですか?申し訳ありません。旧魔王派の残党の気配を追って来ましたが、あのよう者がいたというのは確認出来なかったもので。」
「……違うよ。あの子は私を助けてくれた恩人なの。」
私の言ったことが理解出来なくて順をおって説明すると。
「……で、ではあの少年はたった一人で、旧魔王派の軍勢を倒したということですか?」
「そうだよ♪」
ご機嫌で話し終わると今度は御付の子が。
「でしたら何故、眷属にスカウトしなかったのですか? それだけの力の持ち主ならセラフォルー様は魔王ですよ?」
「ええ、そうね。でもいいの♪」
御付の子は困惑しているけど彼は言った。又会いに来てくれるって。
〈セラフォルーsideont〉
いやいや、セラッチはちょっと大胆だったと思いますが一誠と再開の展開を予想して、親しい設定の方がいいと思いましてね。