朱乃との出会い
相変わらず、一誠は異世界を行き来しては修行や勉強の毎日、ところが日本神話のイザナギの命令で人間界に出向くことになり、忍者の異世界で学んだ木の枝を飛んで異動の応用で電柱の上を飛んでいた。
〈一誠side〉
「やれやれ! いくら父上様の御使いだからといっても、こんな格好で大丈夫かな?」
そう、今の俺の格好は野球帽を被りバンダナで口元を隠し、
それもこれも父上様が……
「いいか、一誠よ。 悪魔や堕天使がどこに潜んでいるか分からない。 お前の力欲しさに襲って来ないとも限らん。 いざという時に備えて素顔を
普段はやる気が無くとも、こういうところは父親だな。
「さて、御使いも済んだことだし帰る……『止めてください。』……、あれは?」
声がする方向へ視界を向けると神社の最上階に母親と幼い娘の親子がサングラスを掛け黒いスーツを着た数人の男共に囲まれていた。
「朱璃! その魔物をこっちに渡すのだ!」
「いやです。この子は私がお腹を痛めて産んだ私の娘です。」
母親の方は子供を庇って、動こうとしないがスーツ男の奴等は。
「フン、所詮は魔物に魂を売った者に救いなどないだろう。 良いだろう! お前もまとめて死んでもらうさ!」
「うぅー。」
スーツ男の一人が銃を取り出し銃口を親子に向ける。
パキッー
「だっ……誰だ!」
「おじさん達、弱い者いじめはダメだよ!」
俺は我慢できずに石で銃を弾いて姿を見せる。
「子供?」
「確かに見た目は子供だけど、間違った事を見過ごすほど子供じゃないよ!」
「小僧、運が悪かったな! 今、我々がやっている事を見てしまった以上、お前にも死んでもらうぞ!」
「それは、どっちかね?」
黒スーツの男達は俺に銃口を突き付けて一斉に発砲するが。
「
「き、消えた!」
「ぐああああぁー。」
「ぐっ、へぶっー。」
ドカッバコッバキッボッカーン
海賊の異世界で壮絶な
倒れている黒スーツの男共は殴る蹴るなどで命に別状はない。
「ふ~…、さて、帰るとするか。」
「待ってください。」
振り向くと話掛けて来たのは母親に抱き締められ震えていた同じ黒髪で浴衣を着た幼い女の子だった。
そして、後ろには母親もいた。
「ありがとう。本当にありがとう。」
「君のおかげで助かりました。 なんてお礼を言ったらいいか?」
よく見ると可愛いし母親の方も美人だな。
「いいや、礼なんかいいよ。 それに間違った事を正すのは当然だし。」
「・・・」
「あらあら~♪」
俺が言った事に動揺したかわからないが女の子は頬は少し赤く染めていた。
それを見ていた母親もクスリと微笑んでいた。
「それじゃあ、俺はこれで。」
「ま…待って!」
別れを告げて立ち去ろうとしたら手を捕まれた。
「まだ、何か用?」
「わ……私は姫島 朱乃……あなたの名前は?」
手を捕んだまま放そうとしない、朱乃は涙ぐんだ顔で俺に問う。
「……一誠、俺は一誠だ!」
「いっ……一誠。」
「名前なの? 性は名字は無いの? それになんで顔を隠しているの?」
朱乃に引き継いで母親も質問して来た。
「ごめんなさい……無いんです。」
「無い?」
「どうしてなの?」
「その……親に捨てられたんです……」
「「!」」
俺が漏らした一言で二人は固まり、そして、母親が質問した。
「ど……どうして、そんな?」
「それは……」
その時だった。
「あー‼️ けー‼️ のー‼️」
ドカッー!!
空からもの凄い勢いで誰かが、俺にアッパーを食らわして近くにあった木にぶつかった。
「いっ…痛ってぇ~…」
「何者だー‼️ 貴様⁉️ 私の家族に何をするつもりだ‼️」
そいつの背中には黒い翼が生えていたので堕天使だとすぐわかった。
「朱乃、朱璃。 ケガは無かったか?」
「「バカッ―――‼️」」
「なっ……なんだ……いきなり?」
「この子は、あっ⁉️」
言い合いをやっている内に俺はその場をずらかることにした。
「い……居ない。 うっ……うえぇぇぇ~……」
「あ…朱乃、なんで泣いているんだ?」
「あなた‼️ ちょっと、いいかしら‼️」
俺が居なくなったと分かり、朱乃は大口を開けて大粒の涙を流し泣き出してしまい、堕天使は物凄い顔をした母親に耳が千切れるくらいに引っ張られ『痛ってて』と言いながら連れていかれた。
神社から少し離れた森の中で俺は心の中であの女の子、朱乃の事を思い浮かべていた。
「姫島朱乃か、縁があったらまた会おうな。」
〈一誠sideout〉
一誠は一旦、休憩と回復薬を服用して殴られたところを回復してから、神の世界へ帰還し再び異世界へと冒険に旅立つ。
次は猫又姉妹かな?