一誠は救世主   作:ハラパンダ像

8 / 12
 やっと、休みに入りました。その勢いで昨日は徹夜しちゃいました。


アーシアとの出会い

 ある日、一誠は思いがけず興味本位で福引きを当てた。

 

 家族で海外旅行行きのチケットを手に入れて、それをイザナギとイザナミに見せたら、イザナミは行く気満々だった。イザナギは興味ない顔をしていた。

 

 当然である神ならその気に慣れば世界一周どころか宇宙にだって行けるからだ。

 

 たが、イザナミは一誠との旅行が楽しみでならないのだろ。

 

 その話を聞き付けたか、天照と月読も飛び付いて来て須佐能はまあ、良いかという感じで皆で行く事になった。

 

 

 

 

 

〈一誠side〉

 

 

 

 

 

 ここは海外のとある町で、僕達は高級ホテルの最上階の超豪華なVIP部屋でくつろいでいた。

 

 福引きで当てたチケットは格安のボロホテルで母上様が激怒し、最終的にこのホテルになったわけだ。

 

 

 

「まったく、あんなボロホテルに何故、わらわ達が泊まらねばならぬのじゃ!」

 

「ええ、全くです。 日本に帰ったら旅行会社を潰しに掛かりしょう!」

 

「いいえ、それでは生温いです。 二度とそういう事が出来ないようにそういった人間を片っ端から、地獄に落としてはいかがでしょう?」

 

 

 

 母上様と天照さんと月読さんが盛り上がっている中、父上様と須佐能の師匠はため息吐いているが、僕は三人のところへ行き頭を下げた。

 

 

 

「ごめんなさい。」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

 

 

 僕がお辞儀をして謝ると母上様と天照さんと月読さんは黙り混み、ソファーに座っていた父上様と師匠はこっちを向いた。

 

 

 

「僕が福引きなんか当てたから、母上様と天照さんと月読さんに嫌な想いさせちゃって、ごめんなさい。」

 

 

 

 その言葉に三人はハッと脳裏を過り、僕の側に寄り抱き抱えると言った。

 

 

 

「一誠が気にする事は無いのじゃよ!」

 

「そうそう、悪いのは人間の方なのですから。」

 

「それに一誠と旅行が出来るのは、本当に嬉しいのですからね♪」

 

 

 

 母上様は謝罪しながら頭を優しく撫でてくれて、天照さんはハンカチで涙を拭いてくれて、月読さんはお菓子やケーキを渡してくれる。

 

 

 

 

 

 場の空気が変わり観光に行こうとしたら、流石に着物姿では目立つと思い、スーツに着替えたが父上様は部屋で寝ていると言い5人で行く事になった。

 

 ちなみに、僕は普段から着物ではないが。

 

 

 

 

 

 

 

 日本を離れ初めて見る世界、色んな物に心奪われまくりだ。

 

 そして、気が付くと僕だけどこだかわからない場所にいた。

 

 好奇心に任せて歩き回った所為か、皆とはぐれてしまったようだ。

 

 帰りたくても道が分からない。

 

 人に聞こうにも言葉が通じない。

 

 途方にくれていると教会の入口に辿り着いた。

 

 まるで前に家を追い出されて神社で須佐能に出会った時を思い出した。

 

 でも、そう都合の良い事が起こる筈がないと諦めていた時。

 

 

 

「あ…あの………」

 

「!」

 

 

 

 突然、後ろから声がして振り向くと、そこには金髪でブロンドの可愛いシスターがいた。

 

 

 

「あ…、あの…」

 

「君、日本語がわかるの?」

 

「はい、観光やホームステーに来る人の中に日本人の人がいるなのでその方に教わりました。」

 

 

 

 これは思いも寄らない偶然か、まあいいか!

 

 

 

「初めまして、僕は一誠だ。 よろしくな!」

 

「はい、私はアーシア・アルジェントと申します。」

 

 

 

 天の救い、いや神の救いで助かったと実感し、その子にホテルの場所を聞こうとするが自分は教会から出たことがないので場所がわからないと言って来た。

 

 仕方なく、彼女を通して教会の聖職者に聞き、なんとか場所が分かり一安心したが何か礼をしたいが何が良いか考えていると。

 

 

 

「あ…、あの…」

 

「ん、なんだ?」

 

「そ…その…私と…お友…逹になっ…て、ください…ませんか?」

 

 

 

 アーシアがモジモジしながら話掛けて来たので、気になったが彼女は友達が欲しかったようだ。

 

 話を聞く限りではアーシアは赤ちゃんの時に教会の入口の前に捨てられていたそうだ。

 

 そのまま教会の聖職者達に保護され、聖女として育てられたそうだが周りには、同じ位の年齢の子はなかなかいないそうだ。

 

 

 

「僕でいいなら友達になるけど、いいのか?」

 

「ほ…本当ですか‼️」

 

「うん! 本当!」

 

「うっ…嬉しいですぅー。」

 

 

 

 アーシアはそう言って俺に泣き付き抱き締めて来た。

 

 よほどに嬉しいかったんだろか、今まで周りは大人ばかりで一緒に遊んでくれる友達もいなかったのだから。

 

 そうして、僕達は教会の外へ行き鬼ごっこや隠れんぼなど押しくらまんじゅう等、思い付く限りの遊びをした。

 

 アーシアは初めての友達が出来た興奮で聖女服が汚れることも構わずに遊びつくし、後で聖職者に叱られたが落ち込むどころか笑っていた。

 

 

 

「あ!」

 

「大丈夫ですか、一誠さん?」

 

 

 

 僕はうっかり転んで、足を擦りむいてしまった。

 

 

 

「チッ、やってしまったな。」

 

「待って、下さい。」

 

 

 

 アーシアが僕の足に手を(かざ)すと光出し、怪我したところがみるみる治癒していく。

 

 

 

「あれ! アーシア、なんだ今の?」

 

「ああ、私にもよく分からないのですが、きっと神がお与え下さったんだと思います。」

 

 

 

 どうやら魔法の類いではないようだが、それにしても異様だ。

 

 

 

「なーぁ、その力ってなんでも治せるのか?」

 

「はい! 怪我や悪いところは大抵は誰でも。」

 

 

 

 僕の脳裏にハッと何かが走った。

 

 

 

「あのさ、その力って人間以外にも使えるのか、例えば悪魔とかにも?」

 

「悪魔? ああー、背中に蝙蝠のような羽が生えていますよね!」

 

「知ってるのか?」

 

「あの内緒なんですけど、前に傷付いた悪魔さんを治療したことがあるんです。」

 

「!」

 

 

 

 悪魔を治療しただと? 何て事だ‼️ 僕はアーシアの両腕を持ち。

 

 

 

「アーシア、その事を僕以外に知る者はいるのか?」

 

「え? その悪魔さんと一誠さんだけですが何か?」 

 

 

 

 僕は内心、ホッとした。

 

 もし、その場面を聖職者に見られていれば、アーシアは悪魔にたぶらかされた裏切り者だと教会から追放されていただろうな。

 

 全くなんて、呑気な。

 

 

 

「アーシア、この事は二人だけの秘密だいいな! それと不用意に誰でも治療するのはやめた方がいい。」

 

「え? どうしてですか? 折角、神がお与えになったのに。」

 

 

 

 僕はアーシアと顔を近付け合った。

 

 

 

「いいか、アーシア! 教会と悪魔は敵同士なんだ。 もし、悪魔を治療している所を聖職者に見られていたら、お前は悪魔に加担した裏切り者として教会を追放されていたんだぞ!」

 

「そ…そんな……」

 

 

 

 アーシアの顔は青ざめ口を手で押さえて下を向き、泣きじゃくるだけだった。

 

 

 

「アーシア、お前が神に尽くしたいと望むのなら、僕も協力するよ!」

 

「え?」

 

 

 

 アーシアは泣くのを止めて僕の顔を見上げた。

 

 

 

「アーシアに僕からのプレゼントだ! 目を閉じろ。」

 

「プレゼント?」

 

 

 

 アーシアは言う通りに目を閉じる。 

 

 僕は彼女のまぶたの上に手を置き魔法をかける。

 

 異世界でエルフ族に魔術を教わり魔道師達からも魔法の指導を受けた。

 

 そして、手を退けて…

 

 

 

「いいぞ、目を開けろ。」

 

「あの⋯、一体何をしたんですか?」

 

「アーシアに魔法を掛けたんだ。 これでお前は誰を治療していいのかわかるようになった筈だ!」

 

 

 

 アーシア自身も半信半疑で疑っていたが、町へ出て実験してみた。

 

 

 

「一誠さん、なんだかすごいです!」

 

「どうだ! 感想は⁉️」

 

「人一人に何か色が付いているように見えます…。」

 

 

 

 アーシアに掛けた魔法は人の心を色で表して見せる魔法だ。

 

 例えば、『良い人』心が綺麗なら色は清んでいる青、『悪い人』心が汚れていれば色は濃い黒、『いやらしい人』如何わしい心なら色は赤、『恋をする人』恋心なら色はピンクに見えるのだ。

 

 それをアーシアに説明して、兎に角、黒と赤は駄目だと言い納得したようだ。

 

 

 

「アーシア、悪魔は絶対に信用しては駄目だぞ‼️ これは友達としての約束だからな‼️」

 

「はい! 約束です!」

 

「じゃあ、指きりだ!」

 

「ゆび⋯きり?」

 

 

 

 指きりを知らないようで教えた。

 

 まあ、外国では無理ないかと思い僕達は指きりで誓いをたてる。

 

 

 

「「ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本の~まっす、ゆびきった♪」」

 

「これで約束を破ったら針千本だぞ。」

 

「はっうー、針を飲むのはこわいです⋯。」

 

 

 

 冗談半分のつもりなんだが、怖がって怯える姿も可愛い気がした。

 

 そして、日もくれそろそろホテルに帰ろうとした時。

 

 

 

「ん! なんだ、この嫌な感じの気配は何かいるのか!?」

 

 

 

 僕は様々な異世界へ行って来たからわかる。

 

 異世界には良い奴ばかりではない、当然良からぬ者もいる。

 

 しかし、このどげつい感じは今まで最大だ。

 

 十中八九悪魔だな。

 

 僕はホテルに連絡して母上様方に悪魔を退治して帰ると電話し夜になるのを待った。

 

 

 

 

 

 時間は夜の0時を回り、アーシアが就寝したのを確認し、僕は悪魔の気配を感じとり外の茂みに、何か潜んでいるのがわかりライトを照らす。

 

 

 

「おい、何者だ? 出て、来いよ‼️」

 

「ククク、よくわかったねー! でも、そっちから出向いてくれたのは好都合だったよ♪」

 

 

 

 茂みの中から出て来たのは、青い髪した10代くらいで僕とあまり変わらなかったが、不気味な笑い声し口を吊り上げて金色の歪んだ目をしていた。

 

 

 

「初めまして、僕はディオドラ・アスタロト! でも、君に用はないんだよ。 僕が用があるのはアーシアだけなんだからさ~♪」

 

「お前か? アーシアに怪我を治して貰った悪魔ってのは⁉️」

 

「ああー、そうだよ! そして、アーシアを僕の物にするんだー‼️」

 

「どういう事だ?」

 

 

 

 僕が質問すると悪魔はペラペラと笑いながらいろいろ話してくれた。

 

 自分の下衆な趣味、それは各地の有名な聖女やシスター達を言葉匠に騙して、教会を追放させて自分の眷属(もの)にし、最低辺まで堕ちたところを犯す、心身共に犯す最低な趣味を。

 

 

 

「それで僕をどうしたいんだ?」

 

「はあ? 惚けるんじゃないよ‼️ 僕のアーシアと楽しそうにしてたじゃないか⁉️」

 

 

 

 笑うのを止め、俺を睨み付ける。

 

 

 

「友達だからな! なんか文句あるかよ?」

 

「いらないんだよぉー‼️ アーシアは僕だけの物だ‼️ アーシアに近付くものは殺すからね‼️」

 

 

 

 暴言をぶちまけた悪魔は手に魔力を貯めて俺に投げ付けるが。

 

 

 

「剃」

 

「あれ? 何処だ⁉️」

 

「かー、めー!」

 

 

 

 悪魔は僕が姿を消したことに動揺し、必死に辺りを見回す中、僕は異世界で気を操る修行をし、今ここで試して見る事にして、手に気を貯め構える。

 

 しかし、これは力を貯めるのに時間がかかる上に同じ態勢を保ったままだから、戦闘では無防備になるので相手に隙がないと危ないが、この悪魔は戦闘経験が無さそうだから実験用には丁度良いと思った。

 

 

 

「はー、めー!」

 

「えーい‼️ 何処だ⁉️」

 

 

 

 業を煮やした悪魔が叫んだ。 

 

 そして、俺は悪魔の目の前に立ち。

 

 突然、目の前に姿を現された事に動揺するディオドラだった。

 

「波ぁ―――‼️」

ゴオオオオオオオォ―――

 

「ギャアアアアアァ―――‼️」

 

 

 

 僕は溜め込んでいた気を一気に砲出した事でディオドラに直撃し塵になった。

 

 

 

「フーゥ、まだ慣れてないから体力の消耗が激しいな。」

 

 

 

 何はともあれ、これでアーシアの危機は去ったわけだが、悪魔はアイツだけじゃない。

 

 それに他の聖女やシスターを自分の物にしようとするとは許せんな!

 

 

 

(よし、やっぱりやるしかないな!)

 

 

 

 拳を握り締め心の内で誓い、かねてより考えていたあの計画(・・・・)を実行に移すと。

 

 

 

 


 

 

 

 

 時間はあっという間に過ぎ去り、僕と家族は日本へ帰国することになり、アーシアに別れを告げに行ったが。

 

 

 

「いやですぅ―――!」

 

 

 

 アーシアは僕の腕を掴み、放そうとしない上に泣きじゃくる。

 

 

 

「クスッン なんで…、折角…、お友達に……慣れたの…に……」

 

「アーシア、よく聞くんだ。」

 

 

 

 アーシアを抱き締め耳元で(ささ)やく。

 

 

 

「わかったな。」

 

「ほ……本当ですか?」

 

 

 

 アーシアは泣きじゃくるのを止め僕の顔を合わせる。

 

 

 

「なんなら、また指きりするか?」

 

「はい!」

 

 

 

 僕達は再び約束の誓いに指きりをした。

 

 

 

「約束だぞ!」

 

「はい。 約束です!」

 

 

 

 

 

 

〈一誠sideout〉

 

 

 

 

 そして、二人は再び出会うその日まで。

 

 

 

 

つづく

 




 まあ、ディオドラは救いようのないクズでしたから、後で書くのは面倒なのでここで消えてもらいます。
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