一誠は救世主   作:ハラパンダ像

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 ゴールデンウィーク待った間中、仕事の合間にチョビチョビ書き続けてやっと出来ました。


猫又姉妹との出会い

 一誠は異世界の武術や剣術を学んで修行し自分の世界にそれらを広めるため、先ずは信頼のおける者達を集める必要があった。もし、異世界の武術が悪用されれば世界征服や破滅の引き金になるとも限らないと一誠はその恐ろしさは誰よりも知っていたからだ。異世界の進歩界で正しき者がいれば悪しき者もいるという事実に直面したからだ。一誠は世界各地に出向き自分の目で見て声で話し人と触れ合い、誰を信じて誰が間違っているかを見極め、その中に悪魔や堕天使も混ざっているのも分かっていた。そうして、一誠は要約信じられる武術家達を見つけることが出来た。名前は塔城 岩撤(とうじょう がんてつ)という武術家で道場持ちだが日本の山奥の掘っ建て小屋で看板に猟斬白(リョウザンパク)と書かれたボロ道場だ。度々世界各地を放浪し世直しの旅に出向くらしい。貧しい難民の人々から違法な税金を取り立て、金や子供を奴隷に掛ける悪徳商法や政治家を抱き込み好き放題する悪党どもを懲らしめるが如何せんあまり効果は無いようだ。おそらく悪魔どもが糸を引いているのだろ。たが、そんな旅をしているから気の合う志の仲間が出来たらしい。一誠も拳を交えたから分かるこの人達なら信用出来そうなので先ずは自分の事、異世界の武術と悪魔や堕天使のことを少しずつ教える事にした。

 

 

 

 

 

〈一誠side〉

 

 

 

 

 

いつも通り異世界の武術を皆に教え稽古や修行に明け暮れる毎日、フッとたまには山の方で一人で修行してみるかと思い隣の山の方まで駆けやがって行った。

 

 

 

「フーゥ たまには一人で鍛練するのも一興か。」

 

 

 

俺がそんな事を考えていると、何やら異様な気配がした。

 

 

 

「この感じ? 悪魔か?」

 

 

 

直感だった以前、アーシア・アルジェントの時に出くわした悪魔と同じ気配がしたが、レベルはそんなんでもなかった気がする。

 

 

 

「まあー良い!兎に角行けば分かる!」

 

 

 

自信満々に気配を辿る方向へ行くと、黒髪と白い髪で着物を着た二人の少女と、背中に蝙蝠の翼を生やした三人の男共が走っていた。どうやら追われているようだが、しかし、あの二人は。

 

 

 

「待って、逃げられんぞ!」

 

「はぁはぁ……待ってと言われて待つバカはいないにゃ!!」

 

「はぁはぁ……姉様…私……もう…限界です……。」

 

 

 

成る程、あの二人は頭に猫耳が付いているから人間ではなく妖怪、それも猫又か! 異世界でも猫族や鳥獣、牙狼等の種族はいたからな。まして悪魔が存在しているなら妖怪もいて当たり前だ。さて、感想を言っている場合でなくてそろそろ助けに入るか!?

 

 

 

バタンッ

 

「もう……歩けません……。」

 

「白音ー、しっかりして! あっ⁉️」

 

「ククク とうとう追い詰めたぞ!」

 

 

 

走り続けて、遂に妹は倒れ込んでしまった。それに呼び掛ける姉は、追いかけて来た悪魔共から庇うように盾になった。

 

 

 

「心配しなくとも、二人纏めて我が主の眷属するために連れて行くから、怖がらずとも良いのだぞ!」

 

「はあー?ふざけるんじゃないにゃ! 私と白音にこんな酷いことしておいて、よく言えたものねぇ‼️」

 

「フフフ 威勢は良いが状況はこちら側が有利なんだがな⁉️」

 

 

 

既に無数傷を負っている姉妹、妹を庇う姉と笑いながら近づく悪魔共、見るに堪えんかった。

 

 

 

「待ってぇー!」

 

バシッ

 

 

「クゥ、だ 誰だぁー!」

 

 

 

猫又の姉妹達に近づく悪魔の一人に、石を投げつけ片目を潰した。

 

 

 

「おじさん達、コスプレなら秋葉かイベントにした方が良いよ!」

 

「ガキ?」

 

「子供だと思ってバカにすると死ぬよ!言っておくけど実力は俺の方が上なんだよ~。」

 

「何してるにゃ! 早く逃げるにゃん‼️」

 

 

 

悪魔と会話していると、妹を庇っていた猫又の姉が叫んだ。

 

 

 

「そいつらは私達をここまで追い込んだのよ。子供が勝てるわけないにゃん!」

 

「ククク、まったくその通りだぞ!運が悪かったな。でも、まあ俺様の片目の礼に、貴様をなぶり物にさせて貰うがな。」

 

 

 

投げた石で片目を潰された悪魔は、俺にニヤリと笑い掛けた。

 

 

 

「待つにゃー! 私が言いなりになるにゃん!だから、その子だけは!!」

 

「うるせぇー! お前たちは後回しだ!! 先にこのクソガキの泣きわめく顔を拝まねぇーと気が治まらん‼️」

 

「そうだよ。 気持ちはありがたいが先にこいつらが先だ。」

 

 

 

姉の決意を(あだ)にし、俺は悪魔共と対面し構える。

 

 

 

「ケッ! いっちょ前に構えとは正義マンごっこか?」

 

「子供が強がると怪我するぜ。 ギャハハハ♪」

 

「ガキ! どういうつもりかは知らんが、貴様の運もこれまでだな!?」

 

「その余裕いつまで続くかねぇ~?」

 

 

 

余裕しきっている悪魔三人は一斉にかかってくる。だが、しかし。

 

 

 

「剃」

 

「消えた……?」

 

「……ど どこだ?」

 

「逃げたか⁉️」

 

「違う。 嵐脚(ランキャク)

 

スッパ‼️

 

 

「……な なんだ?」

 

 

 

悪魔の一人の視界が突然、右上と左下に流れていき悪魔は一刀両断になりそのまま絶命し、それを目の当たりした他の悪魔二人はぼう然となるが。

 

 

 

「き 貴様、舐めた真似をー!」

 

「待て 冷静に慣れー!」

 

指銃(シガン)

 

ズブッ‼️

 

 

 

逆ギレして向かって来た悪魔の額に指をねじ込み、そのまま白目で倒れ込んだ。

 

 

 

「クゥ―――」

 

「どうしたの? 急に一人ぼっちになって寂しい⁉️」

 

 

 

形勢が一気に逆転してしまい、片目を潰され一人残った悪魔は、歯を食い縛り猫又姉妹に一目散に走ったが。

 

 

 

「何処へ、行くの?」

 

「チッ」

 

 

 

追い詰められ人質にしようと思ったようだが、そんな考えが読めないとでも思ったのか。俺は悪魔が振り返った瞬間から先に猫又の前に立っていた。

 

 

 

「な なあー、取引しないか?」

 

「何?」

 

 

 

急に態度を変えて話しかけて来た。

 

 

 

「こいつら、あの姉妹は猫又の中でも仙術が得意な猫ショウの一族だ。もし、こいつらを眷属にしたら、悪魔世界の貴族は褒美をたんまり下さる勿論、我が主もだ。」

 

「それがどうした?」

 

「分からんのか? 金や名誉が手に入るのだぞ!」

 

 

 

所詮、悪魔は自分達だけか!

 

 

 

「くだらん!」

 

「何?」

 

「生かす価値も無いな。 ここで殺す!」

 

「ひいいいいいッ」

 

ザッシュッ ドサッ!

 

 

 

嵐脚で首をはねて地面に落ち切り、離された胴体は倒れ込む。そして、呆然として戦いを見ていた猫又姉妹の所へ行った。

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「……あ あぁ…おかげで助かったにゃ……ありがとうにゃん……。」

 

 

 

どことなくたどたどしい喋り方をしているが無理もない。あんな戦いを見せられた後では、そして俺は懐から出した豆を渡した。

 

 

 

「何これ?」

 

「これは仙豆といってな。 一粒食べるだけで腹が膨れるだけじゃなくて、怪我や体力も回復する不思議な豆なんだ。騙されたと思って食べてみろ。」

 

 

 

黒髪の猫又は半信半疑な顔をしていた無理もない。今まで追われていた訳だし『騙されたと思って』て言われても、又騙されるのは嫌だろうが、でも。

 

パックン カリカリ ゴックン!

 

 

 

疑っていたようだが、他に信じられる人もいないから仕方なく、信じてみようと思ったようだ。

 

 

 

「あれ? ウソでしょ?」

 

 

 

黒髪の猫又が急に立ち上った。

 

 

 

「体が軽いわ! キズも治ってるしさっきまで空腹だったのに、すっかり体力も回復してるにゃん♪」

 

 

 

突然のことに驚きを隠せずにいた姉は浮かれていた。

 

 

 

「あのさ?」

 

「え? 何かにゃん♪」

 

 

 

はしゃいでいた姉に気を失っている妹を指差すと。

 

 

 

「この子は良いのか?」

 

「あ 忘れてたにゃん⁉️」

 

 

 

倒れていた妹を見た姉は我に帰り、妹の下へ行き仙豆を食べさせ体力を回復させた。そして、姉は頭を下げる。

 

 

 

「ありがとうにゃん!君には感謝して仕切れないにゃん! 申し遅れたけど、私は猫又の黒歌にゃん♪ それでこっちは妹の白音♪」

 

「初めまして 白音です。」

 

 

 

倒れいた白い髪の女の子が意識を取り、戻し起き上がって挨拶をして来る。

 

 

 

「なんか訳ありのようだが、よければ話してくれないか?」

 

 

 

黒歌と白音は顔を合わせて、確認を取り全てを話した。何でも悪魔が猫又の力欲しさに猫又の里を襲撃し、若い猫又と子供は捕らえられ、年取りと反抗する者は殺され里は滅ぼされたそうだが、二人は隙を見て逃げ出したがさっきの追手に追われ逃げていたそうだ。人間だけでは飽き足らず今度は妖怪まで悪魔という奴は!と、それはそうとこの二人はどうするか聞いてみると行くところも宛も無いようだし。よし、決めた!

 

 

 

「お前ら、人間と暮らす気はあるか?」

 

「「はい?」」

 

 

 

俺は猟斬白に戻り事の事情を説明し、黒歌と白音をここに置いてはくれないかと頼んだら、心良く受け入れてくれた。黒歌と白音も初めは緊張と警戒していたが段々と会話するようになり、道場で稽古するようにまでなり、白音は格闘技の筋が良いと岩撤が褒めていた。黒歌は格闘技ではなく仙術の修行を中心に取り組んでいるが、俺も異世界で学んだ仙術や武術を二人にも多少伝授した。だが、しばらくして俺は日本神話に呼び出しを受け、道場からしばらくいなくなると皆に言うと黒歌と白音が俺の手を放さなかった。

 

 

 

「行かないでよぉー‼️」

 

「離ればなれになるのは嫌にゃん⁉️」

 

 

 

二人は駄々をこねて両腕をガードされ、その目から涙を流し動こうとしないが二人に言い聞かせる。

 

 

 

「黒歌!白音! お前達はもう一人じゃない⁉️ だってこんなにたくさんの家族がいるじゃないか⁉️」

 

 

 

俺が言い聞かせると二人は顔を上げて周りを見る。

 

 

 

「ここには岩撤だけじゃない。たくさんの家族や友達がいるじゃないか。それに帰って来ないとは言っていないだろ。」

 

 

 

そう猟斬白には、塔城 岩撤だけじゃなく他にも武術家がいるのだ。先ずは、日本柔術家光悦寺 秋雨と中国拳法家馬 拳聖と空手家榊原 紫円とムエタイのアパチャイにくノ一の時雨さん、それから岩撤の娘の塔城 美優。

 

 

 

「これだけのあたたかい人達に囲まれているんだ。 何かあったら皆が守ってくれるし、お前達なら大丈夫だ。美憂と時雨なら同じ同姓だし相談してみろ。それともっと自分の力を信じろ!」

 

 

 

二人の手を取り握りしめて喝を入れる。

 

 

 

「はい! わかりました。」

 

「約束にゃん!絶対帰って来るにゃん♪」

 

 

 

晴れ晴れとした笑顔を見せて、俺は猟斬白を後にした。

 

 

 

 

しかし、予想以上に帰る機会がなく結局、2年もの月日が流れてしまい猟斬白に行ったが、猫又の姉妹はそこにはもう居なかった。

 

 

 

 

〈一誠sideout〉

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 




 ここで仙豆を出したのは、猫又の仙術と仙豆が相性が良いかと思っただけです。
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