やはり俺が部隊を率いるのは間違っている。   作:コノハアサシン

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何書いてるのか分からなくなりつつあります。
書くの下手ですいません、いつも読んでくれてありがとうございます。


第九話

大志を家に送り届けてから、家に戻ると帰り道では全く喋らなかった小町が口を開いた。

 

 「お兄ちゃん、私もボーダーの適性検査受けてみたいんだけど、ダメかな」

 

 ここ最近、ボーダーについての会話が増えてきて、いつかはこんな日が来るかもしれないと思っていたが…ついに来たか。

 

「……。」

 

 「今日ね、大志くんと一緒に検査受けてみたいって言ったら迅さんに止められたの。お兄さんに聞いてみてって」

 

「できれば小町には俺は安全な生活をしてほしい。そのために…俺は隊員になったんだからな」

 

 風間さんにぶっ倒されては小町を思い出して立ち上がって、影浦にぶっ倒されては小町を思い出して立ち上がって、太刀川さんにぶっ倒されたら、小町を思い出しながら課題を手伝って。

 

 あの頃は必死だったなぁ。

 

 「お兄ちゃん……。」

 

「もちろん、何事も本人の意思を尊重するべきだと思っている……思ってはいるがどうしても不安なんだ」

 

 俺の不安な表情と逆に小町の顔は決意に溢れていた。

 

「うん、お兄ちゃんの気持ちは分かったよ。ありがとうね、いつも小町のために頑張ってくれて。でもね、小町は…それでも、いや…だからこそ力がほしいな。もうお兄ちゃんが私を心配しなくてもいいようになりたい」

 

 今まで妹のために行ってきた事、それを妹に感謝されて、成長した姿を見せてもらえる。こんなに幸せなことは無いだろう。

 

 「そうか…分かった。隊員になる事を認めてやるよ」

 

「ほんと?ありがとうお兄ちゃん!」

 

「実はお前は俺が検査を受けた時に同時に受けてたんだ。これがお前の検査表だ、お前は素質だけならど適性だよ」

 

 「うわぁ、本当だ。何の数値かはまだ知らないけど、適性の大志君の倍くらいあるね」

 

 「小町、隊員になるのに約束してほしい事が一つある」

 

 「なぁに?」

 

 こんな事を言って意味があるのかは分からない。そもそもこれは約束ではなく俺の願いなんだから。

 

「強くなるんだ。もし、俺よりも強い敵が現れたとしてもお前は生き残れるように……。」

 

「うん、分かった。小町一番を目指すね。それでピンチのお兄ちゃんも助けてあげる♪」

 

 あの変態ばかりのボーダートップに入ると言うとは…。あの人達を知らないとしても大きくでたな…。

 

 

 ……でも、なんかいける気がするのは身内びいきだろうか?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 川崎姉弟の入隊決定から数日、正式に仮入隊手続きが完了したと、川崎から学校の昼休みに屋上で報告された。

 

 「アンタが来てくれなかったら、こうはなってなかったと思う。だから、ありがとう」

 

「お、おう。まぁ、頑張って正隊員になれよ?」

 

 実際、今のところはボーダーからの収入はないしな。塾にいく費用は必要無くなったが給料が出るにこした事はないだろう。

 

「玉駒のみんなの実力を見たから、正隊員っていうのは努力を積み重ねないとやっていけないのは分かるから頑張るよ、大志と一緒に」

 

  姉弟仲がよろしいことで。

まっ、兄妹愛ならウチも負けてないけどな。

 

「あー、なんだ、俺も一応誘った人間だし、正隊員なるまでは協力するぞ」

 

 上手くいかなくて恨まれたくないしな。

 べ、別にアンタ達のためなんかじゃないんだからね!

 

「ありがとう、頼らせてもらうよA級隊員さん」

 

 あれ?俺、階級言ったことあったっけ?

 

 「早く強くなる為に強い人を調べて見本にしようとしてるから、当然アンタのとこの隊も知ってるよ」

 

「お、おう、ご存知頂き光栄です?」

 

 「アンタの方が立場は上なのに何言ってんの」

 

 川崎は呆れるように笑うが、川崎の覇気が強いから敬語になるのは仕方ないので俺も笑うしかない。

 

  「そういえば、大志が言ってたんだけどアンタの妹ってーーっ⁉︎」

 

川崎の声を遮るように空間が裂ける音がバチバチと鳴る。

 

「マズい…ゲートだ」

 

 遅れて学校で放送がかかる。

 

 『校内付近にゲートが発生します、生徒は直ちに避難してください。』

 

 「行ってくる。悪いが妹の話はまた今度。……トリガー起動」

「あ、うん」

 

  トリオン体に換装してすぐに屋上から飛び降りるとネイバー複数体見えてきた。

 

 「チッ、ゲート二つもあるのかよ……。」

 

 ここ最近、ちらほらとボーダー本部から遠い所にゲートが発生してはいたが、学校内に発生するってどうなってるんだ。

 

 「おぉ、比企谷が一番か!早ぇな!」

 

 「米屋!いい所に来たな、俺は校庭側のやるから、ここのは頼んだ!」

 

「了解!任せな!」

 

・・・・・・・

 

 校庭に向かう道中、ネイバーを倒しながら進んでいると、見慣れた服装と装備をした集団を見つけた。

 

 テニス部だな。

 

 「大丈夫か?助けに来たぞ」

 

「おぉ、ボーダー隊員だ、頼む、部長を助けてくれ」

 

 「っ!戸塚は今どこに!」

 

「俺たちを逃すために、ネイバーを連れて校庭の真ん中に向かって行ったんだ」

 

  テニス部員の指差す所を見るとネイバー2体に挟まれている人影が見えた。

 

 「無茶しやがって」

 

 不幸中の幸いか、足の速いモールモッドはいなかった為、救出はできそうだ。

俺は戸塚に手をかけようとしているバムスターをスコーピオンの投剣で倒して、すぐに戸塚を抱えてもう一体のバムスターから距離を取る。

 「八幡っ!」

 

「戸塚よくがんばった、後は任せてくれ」

 

 「うん、頑張って!」

 

「……おう!」

 

バムスターが一体ならばもう何も憂うことはない。戸塚を怖がらせた罰と戸塚に格好つける為に粉々にさせてもらう。

 

 「……まぁ、こんなもんか」

 

「やっぱり八幡は強いね」

 

「それなりに訓練してるからな」

 

戸塚を連れながら逃げ遅れた生徒やネイバーの生き残りの確認も終わりにかかるところで、御深から通信が入る。

 

 『八幡〜、そろそろ片付いた?避難した生徒は体育館に集まってるから、隊員もそこ集合ね』

 『はいよ、比企谷了解……。』

 

 「戸塚、生徒のみんなは体育館に避難してるらしいから向かおうか」

 

「うん、分かった」

 

 体育館出入り口で隊員達が先生達と集まっていたために、戸塚は中に入っていき俺は隊員達の方に合流する。

 

 報告によると、校舎側から8体、校庭側から4体で、計11体ネイバーが出現したようだ。

 戦績は

 俺、4体(校庭側)

 米屋、4体(校舎側)

 三輪、3体(校舎側)(避難誘導後参戦)

 

 で、シューター、ガンナーやそれ以外の戦闘員は万が一の生徒巻き込みを防ぐために避難誘導や護衛を行なっていたらしい。

 

 今回はベテラン隊員(オペレーター含む)が多く通う学校だったこともあり、ネイバーの早期殲滅、避難誘導も迅速に行われたため、生徒や先生からのボーダーのイメージダウンもないようだ。

 

 隊員の指揮を三輪隊に任せて、俺と御深で校舎の破損具合や怪我人を調べて再び隊員の集まる場に戻ると、三輪と米屋がこちらに向かってきた。

 

 「俺と米屋と比企谷の3人で今回の件の報告に向かうことになった、今日はもう学校に戻らないだろうから下校の支度を整えて、10分後にココに集合でいいか?」

 

 「了解」

「OK!」

 

 ・・・・・・・

 

「いや〜今日は戦闘もできて、学校も帰れるしラッキーだなぁ〜」

 

「まぁ、次の大規模侵攻に活かせるところはあっただろうな」

 

「多く来ようが少なかろうがネイバーは殺す。それだけだ」

 

俺と米屋は相変わらずの三輪を見て顔を合わせる。

 俺はうちの隊員と小町や身内が守れれば、後はどうでもいいし、米屋なんかは戦闘を楽しんでるだけに近いだろう。

 当然の事ながら、ボーダーの方針があったとしても、隊員をやっている理由は人それぞれだ。

 




いい作品を見ると、感動すると共に「俺にはこんな表現をするような経験がない。なんてしょうもない人間なんだ」と落ち込みます。字書きとして成長したいです。

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