やはり俺が部隊を率いるのは間違っている。 作:コノハアサシン
「なぁ、比企谷。私が授業で出した課題はなんだったかな?」
「……はあ、『高校生活を振り返って』というテーマの作文でしたが」
「そうだな、それでなぜ高校生活を振り返ったらこんな作文が出来上がるんだ?」
国語教師の平塚先生は溜息を吐きながら呆れたように言ってくる。
俺は女の大人と話すのは未だに苦手だが、ボーダーで男の大人達とコミュニケーションをよく取るので男性なら問題ない。
平塚先生は女性だ、容姿も綺麗な女性なのだが、話し方と姿勢に何故か男らしさがある。
故に、普段よりは普通に受け答えができるのではないだろうか。
「真面目に聞け」
「はぁ」
「君の目はあれだな、腐った魚の目のようだな」
目が腐っているとは言わずに、腐った魚の目と言うのか、さすがは国語教師。
表現の仕方が珍しい。
今度、自分でも言ってみようかなぁ。
「そんなにDHA豊富そうに見えますか。賢そうっすね」
「で、話は戻るがこの作文は何だ?一応言い訳くらいは聞いてやる」
ダメだ、いけると思ったけど、美人に睨まれるのは耐えられんわ
「い、言い訳をする気はありませんよ、た、ただ、書き直せと言われるとキツイです。しょ、正直に書いたのでそれを書き直すには嘘をつくしかありませんしぃ」
噛みまくりだった。やっぱり大人の女性は苦手だなぁ。
「だが、この作文には友達が少しいると書いてあるぞ」
「ええ、数人ほどなら学校にも友達がいますからね」
学校外ならもっといるが…。
「いーや、嘘だ、何度か休み時間にお前を見かけたが、お前が誰かといた時はなかったからなぁ、つまりお前はボッチだ!」
平塚先生は指をさしながらキメ顔で言ってきた。
「いや、ほんとですって友達いますからね、想像上じゃないですよ」
一応に言ってみるが、無駄だった。
俺の話を聞いてない
「まぁ、安心しろ、私にはお前のコミュ症と孤独体質の両方をなおすアテがあるからな!ついてきたまえ」
説明も前フリもない急な行動に俺が止まっていると、
「おい、早くしろ」
睨みつけられたのでとりあえず後を追った。
・・・・
よくわからないまま平塚先生についていくと空き教室の前についた。
教室の片付けだと、俺一人だと時間かかってボーダーに着くのが遅くなるし、応援呼ぶしかないかなぁ。と思っていると先生はからりと戸を開けた。
予想とは違い、教室内は椅子と机が積み上げられていて、いたって普通の空き教室だった。一人の少女がそこにいる以外は。
少女は斜陽の中で本を読んでいた。
御深とも白沢とも違う種類だが強いて言うなら那須のような容姿端麗な女性だった。
「平塚先生。入るときにはノックを、とお願いしていたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間も無く、先生が入ってくるんですよ」
「それで、そのぬぼーっとした人は?」
冷たい目で見られる
なんで、関わりを持ったこともない人をそんな目で見るんですかねぇ。
「彼は比企谷。入部希望者だ」
え、なんて??
「えっ?何でですか?聞いてないですよ」
「君には部活動に入ってもらう。異論反論抗議質問口答えは認めない、理由はそうだなぁ、作文を書き直す代わりのペナルティだ」
即席で、理由付けやがったな。
「というわけで見ればわかると思うが彼はなかなか曲がった思考を持っている。そのせいで孤独な憐れむべき奴だ。」
「人との付き合い方をもう少し学ばせてやれば多少はまともになるだろう。彼の捻くれた孤独体質の更生が私の依頼だ」
「少々、身の危険を感じる人物ですが、先生の依頼ならば無碍にもできませんし……。承りました」
「そうか、では後は頼んだぞ雪ノ下」
と言って先生が部屋からいなくなる。
勝手に話を進められたが俺にはボーダーっていう仕事があるしな、さっさと断りに行こう。
と思ってたら足音が止まった。
不思議だったので、サイドエフェクトを使うと先生が教室の壁の前に立っていた。
しかも、なんかニヤニヤしてるし。
……先生、「何してるんだよ。」
やば、声に出しちまった。
「訳の分からない事言ってないで座ったら?」
「あぁ、悪い、そうさせてもらう」
職員室に呼び出されてから立ちっぱなしだったからなぁ。疲れた。
「んで、訳のわからないままここに連れてこられたんだが、ここは何部何だ?」
「そうね、ではとりあえずゲームをしましょう」
「ゲーム?」
「そう、ここは何部か当てるゲームよ」
平塚先生は生活指導の先生でもあり、その先生が「依頼」という言葉を使っていた。
生活指導の下部組織のような働きをする部活動?なんだそれ?生徒会は部活動ではないし、生徒会ではできないような事でもするのか?メンバーが1人の部活動なんて公認の部活でもなさそうだ。
……まさか学校の暗部?
だめだ、わからねぇ。
「降参だ、それなりに考えたが分からん」
「因みに何部を思いついたのかしら?」
「最終的には学校の暗部」
「ふっ、そんなものある訳ないわ」
だから言わなかったんだよ。
「比企谷くん。女子と話したのは何年ぶり?」
「え、昨日仕事仲間の女子と話してばかりだが?」
即答した
いや、なんで驚いた顔してんだよ。
「その子たちは実在するのかしら?」
「は?当たり前だろ、疑ってんのならここに呼ぶか?」
「いいえ、けっこうよ。反応から見ても嘘には見えなかったし、私との会話もスムーズだったものね、信じるわ」
思ったより話が通じてよかった。
これで信じてもらえなかったらどうしようかと思ったよ。
「そりゃ、どうも」
先生は未だに壁の前で立っている。表情がニヤニヤからイライラに変わってきているような気が…。
「話を戻すわ、答えは奉仕部よ。一応は歓迎するわ」
「あぁ、すまないが、さっきも言った通り俺は仕事があるんだ、だから入部はできない」
「仕事?」
「あぁ、第一次近界民侵攻で両親を失ってな、妹の為にも働かなくちゃならねぇんだ」
「そう、なの、ごめんなさい、あまり言いやすい事ではなかったわよね」
「いや、別に気にしねーよ」
それよりずっと立ってる平塚先生がすごく気になるんだが…。
そろそろ下校時刻だし、先生に入部断って帰るか。
俺は扉を開けて先生に声をかける。
「先生、俺には仕事があるので入部は不可能です。どうしても、ペナルティが必要なら別のでお願いします。あと、長い間待っているくらいなら言いたい事は先に言ってくださいよ」
「お前、気づいてたのか…」
と、驚いた顔で言ってきた。
「まぁ、はい」
「下校時刻が近いのと、職場でやりたいことがあるので失礼します」
先生が驚いて固まっているうちに早々とボーダー本部に向かうことにする。
・・・・
ボーダー本部に向かっている最中に警戒区域に入っていく風貌からして明らかなチンピラとそれに連れられる黄緑色のジャージを着た小柄な女性がいた。
基本、俺はそういうのを見ても警察に声をかけてやるぐらいしかしないが、警戒区域に入るなら話は別だ。
俺はボーダー隊員として声をかけなければいけない。
「おい、ボーダー隊い________
ゥウーーーーー
サイレンが鳴る
[ゲート発生、ゲート発生、座標誘導6.99]
[近隣の皆様はご注意ください]
「近界民だぁーー!!」
チンピラの誰かが叫んだ
チンピラ達と女性にバムスター1体が、向かっていく。
今日はイレギュラーが多いな……。
俺は生身でバムスターに向かいながら制服のポケットからトリガーを手に持つ。
「トリガー起動……」
換装してそのままバムスターに向かい、ジャンプしてスコーピオン2本を弱点の目に突き刺して倒す。
他に敵がいないか周りを見てから本部と通信をする。
「こちら比企谷。本部に向かう途中、警戒区域に無断で入る住民を発見したため、注意に向かおうとしたところ、近界民が出現したため撃破しました」
「了解、今、防衛任務についている隊がそっちに向かっているから詳細の報告を頼む。比企谷よく戦ってくれた」
少し待っていると荒船隊がやってきた。
「比企谷、悪りぃ遅れた」
「いや、気にしないでください荒船さん、目の前に現れた近界民を撃破するのはボーダー隊員として当然ですし。それより、この人達の保護を頼んでもいいですか」
「あぁ、確か無断で警戒区域に侵入したらしいな」
「はい、近界民を見たのはいいとして、トリガーを見られた可能性もあるので、機密保持のために記憶の処理が必要だと思います」
そうすれば、この女性の事も覚えていない可能性が高い。
「あと、この女性は無理やり連れられていたので、記憶を処理するのはアレなんで本部に俺が交渉する予定です」
逆にこの女性はこういう輩を覚えておかないとまた絡まれるかもしれないしな。
「わかった、このチンピラっぽいのは俺たちが保護(連行)しよう」
「女性はお前が本部まで連れてけ」
「わかりました、連れて行きます」
女性に話しかけたところ、嫌がられたらどうしようかと心配したけど、普通についてきてくれた。
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忍田本部長に相談したところ、絶対にトリガーの話を口外しない事を条件に記憶の処理はされない事が決まった。
あと、この人は女性ではなく男性だと判明した。
しかも俺と同級生で同じ学校で同じクラスでさらに去年も同じクラスだったらしい。
この戸塚 彩加という美少年を知らなかった事をキッカケに俺の学校生活をボーダーの人達にさらに心配される事となった。
物凄くどうでもいい情報ですが、私は俺ガイルのキャラでは八幡の他に雪乃や葉山が好きです。