やはり俺が部隊を率いるのは間違っている。   作:コノハアサシン

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投稿速度がカタツムリの移動速度にも劣るレベルで申し訳ありません。


第三話

ボーダーに向かうまでの途中に色々あったが、今日ここにきた本来の目的は菊地原と約束していた模擬戦だ。

 

「悪りぃ、少し遅れたな」

 

「比企谷さん、遅いですよ」

 

ブースを少し見渡して、菊地原に声をかけると菊地原はこちらを向いて文句を言ってきた。

 

「そこは『僕も今来たとこです。』だろ」

 

「目だけじゃなく、頭まで腐ったんですか?」

 

会話に付き合ってくれているところから見れば、言葉はキツくても菊地原はそこまで怒っていない事がわかる。その事を知っているのは菊地原との交流が深い人間だけだろうが……。

 

「冗談だよ、とりあえずブース行こうぜ」

 

ーーーーーーーーーー

 

俺と菊地原の勝負は10本勝負で始まった。

 

現在7:2で俺が勝っている

 

A級である上にアタッカーが1人しかいないのが比企谷隊だ。だから1対1の戦いでそう簡単に負けるわけにはいかない。

 

今回の戦いでは、菊地原にサイドエフェクトで有利を取られないためにメイントリガーにメテオラを入れてある事が勝因になっている。メテオラを入れる事で間合いを稼いだり、足場を崩したり、目くらましをして俺の死角消去で姿を捉えて攻撃する事でトドメを刺している。

 

10本目は住宅の塀と塀の間の道で菊地原と遭遇した。

 

「最後ぐらいは取らせてもらいますよ」

 

「取らせねぇよっ」

 

俺は話しながらスコーピオンを投げつけるが、防がれてしまったのでその投げたスコーピオンをオフにして再生成し、両手に構えて斬りかかる。

 

「っ……」

 

「反応、遅いんじゃねぇか?」

 

投剣で少し反応の遅れた菊地原の左腕を落とす事に成功したが、民家に隠れられてしまったので、それ以上の追撃はできなかった。

 

……さて、何処に行ったものか。

 

索敵のためにサイドエフェクトを使い塀を見透かすが菊地原の姿が見当たらない。

 

カメレオンか?それとも遠くに身を隠したか……。

 

とりあえず菊地原の逃げた民家に入ってみようとすると、後ろから鋭い殺気を感じた。

 

これはマズイッ。

 

慌てて後ろを振り返ると菊地原が既にスコーピオンを振りかぶっていた。

 

「反応、遅れましたね」

 

「やってくれるな」

 

右側に躱そうとしたが、躱しきれず左腕を切られてしまう。

 

「よっと…」

 

すぐさまメテオラを地面に打ち込み砂煙を巻き上げて菊地原の視界を奪って間合いを稼ぎ、サイドエフェクトで砂煙を覗くが、菊地原は既にいなかった。

 

と言うことは……後ろか。

 

「……。」

 

「……。」

 

振り向きながらマンティスで横向きに剣を振ると、案の定後ろから来ていた菊地原の胴体を真っ二つにしてベイルアウトさせた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

模擬戦を終えた俺たちは現在ブース近くの自販機で会話している。菊地原にはマッカンを奢ってやった。菊地原はマッカンを渡そうとしても断らない数少ないボーダー隊員なので、二人で会話するときはよく買ってやっている。

 

「今日は調子良かったんですね」

 

「お前は調子が悪かったのか?」

 

「調子が良ければ4本は取れましたね」

 

「大きく出るな、まぁ、そう言うことにしといてやる」

 

菊地原の戦闘に関しては特に口に出すことはない。そもそも、コイツが一番活躍するのはチーム戦だし、A級レベルの腕もあるしアドバイスなんかは風間さんにしてもらえるだろう。

 

俺も風間さんにアドバイス貰えないかなぁ。

 

「菊地原、と比企谷か、昨日言ってた模擬戦をやっていたのか」

 

「「風間さん」」

 

ハモった…。

 

「菊地原、比企谷はどうだった」

 

「まあまあでしたね、トリガー編成も風間隊と似たようなものだし」

 

「勝ったの俺だろ」

 

「次は勝てますよ」

 

さっき4本しか取れないって言ってたよな?

 

「そうか、それは心強いな。比企谷、悪いがこれからもコイツの相手をしてやってくれ」

 

「まぁ、はい、俺の練習にもなるんで」

 

「ふっ、これがボーダー内で有名な捻デレか」

 

「何処から聞いたんですかその単語……。」

 

恐らく、うちの隊員から女性ボーダー隊員に広まっているのだろうけど、まさか風間さんからもその単語を聞くとは……。

 

「風間隊でそろそろミーティングをするからな、俺たちはそろそろ行かせてもらう」

 

「わかりました…風間さん、機会があればまた剣の指導してくださいよ」

 

「あぁ、今度な」

 

「今日、模擬戦以外ボーダーに用事も無いのに来てくれたことは既に知ってるので…。感謝はしてます」

 

「そうか、じゃあな」

 

まさか菊地原からそんな言葉が出ると思わなかったので、まともな返答ができなかった。

あと、なんで知ってんだよ。

 

ともかく、やはり無口な後輩から感謝されるのは悪くない。

 

 

ーーーーーーーーー

 

次の日、普通に学校に登校したら、朝っぱらから平塚先生に声をかけられた。

また部活の(強制)勧誘だろうか。

 

と思っていたら、なんか校長室まで連れてかれた。何?何何?俺、なんか悪いことした?校長先生はもちろん、教頭や生徒指導、担任までいるんだけど……。

 

「君が比企谷 八幡くんだね?」

 

「は、はい、そうでしゅ」

 

入ったこともないし、入りたくもない部屋で普通の学生なら話すこともないであろう人との会話で動揺が抑えきれるわけがない。

今すぐにトリガーを使って逃げ出したい気分だ。

 

「ウチの生徒を助けてくれてありがとう」

 

「へ?あ、はい」

 

何で怒られるのかを心配していたら、校長先生からは感謝の言葉を贈られた。

 

「昨日、戸塚君をネイバーから守ってくれただろう?ボーダーから、ウチの生徒が不良の学生に警戒区域に連れていかれていたから、注意を呼びかけるように言われてね。」

 

「その話を詳しく聞いたところで、君の名前が出てきた訳だよ。本当にありがとう」

 

「い、いえ、ボーダー隊員として当然の事をしただけなので、、」

 

最近、警戒区域ギリギリの所にもゲートが発生している事から、ボーダーは事態を重くみて学校側にも連絡したようだ。

 

校長に続いて、教頭先生が口を開いた。

 

「私たちは君の行った事を生徒たちに伝えるために、比企谷くんの事を表彰しようと思っているのだが、どうだろう?」

 

「いえ、それは辞退します」

 

「理由を聞いてもいいかな?」

 

喋る機会がなくなりそうなのを察したのか次は生徒指導の先生が聞いてきた。

 

「校内であまり目立ちたくないんです」

 

「今まで通り、静かな学校生活を送りたいという訳だな?」

 

「はい」

 

平塚先生…分かってたなら何でよく分からん部活に入れようとしたんですか……。

 

「では、比企谷くんの気持ちも汲み取って、この件はここでのお礼で終わりにしよう、あと君にはこの件で恩ができた、何かあったら言ってくれ」

 

「はい、ご配慮、感謝します」

 

校長先生が話を締めて、この件は内密に済ませることができた。

 

この学校の先生が物分かりが良くて助かった。俺なんかが表彰なんてされれば悪目立ちするだけだからな。

 

 




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