我が名はグラリモンド、アインズの片腕にして吸血鬼の神である 作:幽玄の鬼
アインズ様やペロロンチーノ様と非常に仲が良かったという設定です。
こんなシャルティアは嫌だという方はブラウザバックをお勧めします。
そして全面改稿しました
久しぶりのログイン
男は迷っていた。ログインするかしないかを。
高齢に加え不治の病を患ってもう10年以上経つ。
企業の役員だったので経済的には余裕があったがそれでも精神的余裕はほとんどなかった。貧困層を搾取し少数の富裕層を擁護する今の社会の在り方が何となく肌に合わないのだ。しかも、いくらアーコロジー内とはいえども年々環境が悪くなり、重役の横暴が近頃は鼻に付く。いってしまえば男は自分の人生に社会にある種の諦観を抱いていたのだ。
だから男は入院生活で生まれた時間の余裕を活かし、大昔の伝承や民謡調べに精を出していた。
そして男は自由に生きる誇り高き、吸血鬼に憧れを抱く様になりユグドラシルに、アインズ・ウール・ゴウンに出会った。
そして気付いたころには〈皇帝〉と呼ばれるようになっていた。毎日が楽しかったのだ。男の今までの灰色の昏い人生にユグドラシルは、アインズ・ウール・ゴウンは鮮やかな色を与えたのだ。
ギルマスであるモモンガを見習い
男にとってユグドラシルはリアル以上の現実、自分の最も居場所なのだ。
だからこそサービス最終日である今日、ログインするべきか、それともしないべきなのか真剣に悩んでいた。一時はインできないほど病状が酷かったが、医師らによる懸命な治療でニューロン・ナノ・インターフェイスを並列作動できる状態まで回復した。
だが、今は何とかインできる状態だ。いつ死ぬか分からないと余命宣告もされている。
そんな自分がアインズ・ウール・ゴウンの最後に立ち会っていいのだろうか、栄えあるギルドの最後に自分見たいな死にぞこないは相応しくないと思っている。
しかし、不意に今朝のメールが脳裏をよぎる。[闘病生活頑張ってください]というモモンガから送られてきた。
次々とメンバーが去っていく中モモンガは一人でギルドを維持すべく奔走しているらしい。仲間との思い出を穢すまいと、家族の居ない鈴木悟が家族ともいえるナザリックをたった一人で維持する一人ぼっちの姿が容易に想像できる。
男は思い出した。モモンガがどれだけ寂しがり屋さんなのか、一人がとてつもなく辛いこと、そして自分が何者なのかを改めて。だから、
「我はグラリモンド・リオンクール・グルリスト。
いつものグラリモンドとしての口調で男は呟いた。今日一日、グラリモンドとして生きようと覚悟を決める為に。
こうして男は、万感の思いを胸に、ユグドラシルにログインした。
モモンガは満足していた。仲間と共に築き上げてきた物に命が宿り、これ程素晴らしいのかと感動に打ち震えていた。だが同時に一つだけ不安なことがあった。
それは―、
(グラリモンドさん生きてるのかな?結局インできなかったみたいだし、もしかしたら…)モモンガとグラリモンドはリアルでも付き合いがある。
だからグラリモンドの様態がすぐれないことも余命宣告されていることも知っていた。
だからこそ昨日はメールを送った。彼も自分と同じくここを居場所にしていることを知っていたから、どうか無事で余命を全うしてほしいと願いを込めて。
そんな中、モモンガの不死の祝福が突然大きく反応した。強大な力を持つアンデッドを捉え、モモンガとしての本能が警告する。
それは若干一名を除く、闘技場に集う階層守護者達も同じだった。
全員が命の危険を感じ一斉を見上げた。そしてモモンガは唖然とした。
そこには、10の目と山羊の角を生やした、燕尾服に身を包む、二対の翼で空を飛ぶ怪物がいた。非常に大きく筋肉が発達しており、破けそうになっていた。
そして手足の爪は異様に長く、鋼鉄を切り裂けそうな程、鋭かった。
怪物は口から長い舌をぶら下げ、大量の涎を垂れ流しながら匂いを嗅いでいる。豚と犬の中間のような激しい呼吸音が闘技場に響く。
しかし、モモンガ以外、邪でありながら何処か神々しくもある強大なオーラに当てられ動けないのだ。
階層守護者は察した。この化け物がどういった存在なのかを。自分達が神と崇める〈至高の41人〉その人である事を守護者達は理解した。
そしてそれはモモンガも同じだった。いやそれ以外の衝撃かも知れない。
生きていた事、久しぶりに会う事が出来、内心小躍りしそうな程舞い上がっていた。
しかしモモンガは守護者達の手前、それを押し留める。真の姿で現れるとは予想外だったが。
「グラリモンドさ、カイザーグラリモンド・グルリストですよね?」
グラリモンドがそう呼べと言っていた呼び名にモモンガは慌てて言い直す。彼が略称を許したプレイヤーは数えるほどしかいない。グラリモンドはキャラ名に誇りと並はずれた拘りを持っているからだ。そして、
しかし何やら様子がおかしい。10の瞳に理知的な光を見出せないからだ。
(まさか、あの種族の影響か?)
不意に嫌な予感がモモンガの胸を過ぎる。グラリモンドの取得しているある種族の、というかこの形態の
もしこの世界ではフレーバーテキストも現実化しているとしたら途轍もなく面倒なテキストそして
どうか間違えであってくれと思いながら、モモンガは再びグラリモンドに問い掛ける。
「カイザーグラリモンド?」
普段の彼なら怒ったであろう名称で呼んだが、それに対してグラリモンドは一切返事をせずにゴスロリを着こなすパッドの吸血鬼、シャルティア・ブラッド―ホールンのみを凝視していた。血走った10の目で凝視し舌なめずりをしながら。
モモンガは嫌な予感が的中した事を確信した。
「わぁがしんじゃぁああああ!血ぉをよこせぇぇえええぇええ!!!!!!!!」
そう叫びながらグラリモンドはシャルティアに飛び掛かった。それは深みがありよく通る咆哮だった。理知的だったらさぞ強烈な魅了を伴うだろう、印象的な音である。
モモンガはアイテムボックスを開き、グラリモンド自身に渡された、この状態を一発で押さえる小瓶を取り出し、グラリモンド目掛けて投げつけた。
その瞬間グラリモンドは、10の目で小瓶を凝視し、飛び掛かると小瓶ごと呑み込んだ。小瓶から途轍もなくおいしそうな芳醇な香りが漂ってきたからだ。小瓶はグラリモンドを一瞬にして釘付けにしたのだ。
グラリモンドは小瓶を噛み砕き中身を飲み干す。すると身体が黒い靄に包まれ、靄が数千羽の蝙蝠となり飛び去ると、一人の眠りにつく男性のみが取り残された。
モモンガが投げた小瓶の中身はこの世の物とは思えないほど美しい深紅色の血液だった。
キャラクター名 グラリモンド・リオンクール・グルリスト〈皇帝〉
略称「カイザーグラリモンド」
通り名、最強にして最凶なる吸血鬼の帝王
感想や評価をお待ちしております♪
では最後に皆さんも
『アインズ・ウール・ゴウン万歳!』
『ナザリックとオーバーロードに栄光あれ!』
またお会いできることを願って