我が名はグラリモンド、アインズの片腕にして吸血鬼の神である 作:幽玄の鬼
※微妙にお色気シーンがりますので御注意を!
グラリモンドはシャルティアをずっと眺めていたいという衝動に駆られそうになったが、それを強靭な理性で抑え込んだ。
心なしか情欲にまみれた表情のシャルティアを尻目に、グラリモンドは自身の状態について確認し始めた。
まずコンソールとステータス類、GMコール等の類は一切使用できなかった。薄暗い部屋なのにも拘らずよく物が見えたり、やたらと五感が鋭くなったのはこのグラリモンドになったからだと思われる。
重篤患者のように青白くそれでいて太い指に、長い爪。恐らくシャルティアが気を聞かせてベストの類を脱がしたのであろう。シャツ越しにも分かる見事な大胸筋、リアルの自分が持ちえなかった見事な肉体である。
「シャルティアよ、手鏡は持ち得ておらぬか?余の顔を見たいが故」
「こちらでありんす」
シャルティアは自身の腕を暗闇に入れると見事な装飾の施された手鏡を取り出した。グラリモンドはそれを注意深く観察していた。
(どう考えてもアイテムボックスだよな…。やはりユグドラシルではないか)
グラリモンドは手鏡を受け取ると自分の顔を眺めた。
そこには左右で瞳の色が違うオッドアイの美丈夫が映っていた。鋭い犬歯が二つ飛び出ているがその点を除けばかなりのいい男である。
確かに自身が30代だった頃の顔に設定してあるグラリモンドになったようだ。そして見よう見まねでグラリモンドはアイテムボックスを使用しようと試みた。取り出したい物を思い浮かべながら手を差し出すと暗闇に呑み込まれた。実験は成功だ。
グラリモンドがモモンガに預けていないアイテムが全てはそこに入っていた。見た感じではあるがアイテムの紛失は無い様に思える。グラリモンドはそこから
相変わらずシャルティアは恍惚とした表情でグラリモンドを見つめ熱っぽい視線を送っていた。だがグラリモンドはそれを気にも留めず、否、緩んだ頬を引き締めつつ声を掛けた。
「誰が余をここまで運んだ?誰の指示じゃ?余に何があったのだ?順を追って話すが良い」
第1、第2、第3階層守護者であるシャルティアが第9階層まで降りてきてグラリモンドの介抱をしているのだ。相当地位の高い人物なのだろう。アルベドかデミウルゴスだろうとグラリモンドは考えていた。
しかし、シャルティアは正直言ってグラリモンドが失念していた、予想外の答えを返答した。
「モモンガ様がお倒れになったグラリモンド様を、御自身の寝室までお運びし御世話するよう妾に言いなんした」
その言葉にグラリモンドはもの凄く興奮した。が直ぐに興奮状態が抑制される。なるほどこれがアンデッドの
しかし、それよりも問い質さねばならないことがある。確かに普通に考えればあり得る話なのだが念には念を入れて聞いておいても損はない。
「…今、余の聞き間違えでなければ…モモンガと言わなかったか?シャルティアよ、答えろ」
「も、モモンガ様がグラリモンド様をここに御運びするようにいいなんした。今は玉座の間に、―!?そうだ、グラリモンド様!これを早く飲んでほしいでありんす」
返答している最中にシャルティアは慌てて
最初訝しげな表情をしたがグラリモンドであったが直ぐに自身のステータスを思い出しそれを飲み干した。ちょうど、咽も乾いていたが一発で咽の渇きが吹き飛び、この世の物とは思えない美味がグラリモンドの舌を襲った。
今までたくさんのスープや飲み物を飲んできたが、霞んで消えてしまいそうな程の衝撃である。
感動のあまり呆然としてしまうグラリモンドであったが直ぐに気を取り直しシャルティアと向き合う。
至近距離で目が合う二人。
「よ、余に対する供物、感謝しよう。ではモモンガの所に早く行こうではないか」
布団から出つつグラリモンドは少々慌てながら言った。シャルティアは慌てて布団から身を引くと、壁にかけてある服を取りに行った。
乱れたシャツのボタンを閉じ、スカーフを巻きなおすと、シャルティアは外套や燕尾服を持ってくるとうるうると潤んだ瞳で懇願するようにグラリモンドを見上げた。シャルティアのかわいさにグラリモンドは理性が大きくぐらついたが、何とか頷くことで返事をした。
シャルティアは飛び切りの笑顔を浮かべると、
「畏まりんした、グラリモンド様!お召し物の着付け、このシャルティアにお任せください」
と返事をし花が咲いたような、心から幸せそうな笑みを浮かべながらグラリモンドが服を着るのを手伝った。
グラリモンドは若干照れくさそうにしつつ、シャルティアはほんの少しだけ発情したが恋する乙女の貌で作業をする。その二人の様子は傍から見るとただの主と従者の関係でなく、禁断の恋を実らせたカップルの様だった。
漆黒の外套や至極色のベストに群青の燕尾服、細やかなアクセサリーをつけ終えると
そんなグラリモンドの姿にシャルティアは顔を真っ赤に染めつつも拍手と称賛を送った。
「さすがはグラリモンド様❤、妾が支配できぬ御人。かっこいいでありんす❤」
腰をくねらせていってるから世辞抜きに本心から言っているのだろう。グラリモンドは若干頬を緩めつつもアイテムボックスからリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを取り出すと自身の左手の人差し指にはめ込んだ。
ナザリック内にある大抵の名前の付いた部屋なら転移できるギルメンにのみ渡されるアイテムである。本当はモモンガに治療に専念すると同時に主武装一式とこの指輪ごと返却する予定だったのだが、貴方はただ治療に専念するだけなんだから持っといてくださいと言われたので保管した居たのだ。
グラリモンドはそれを万感の思いで見つめつつシャルティアにちょっとした意趣返しをした。グラリモンドの驚異的な身体能力に物を言わせあっという間にシャルティアに近づくと、
「ふふ、そうか?ありがとうシャルティアよ。だが貴様もかわいいぞ―」
シャルティアの耳元でこう囁く。
「余が全てを食べてしまい程にな」
「はぁぁあん!ぐ、グラリモンド様ぁあ」
その言葉にシャルティアは達してしまった。そして感極まってグラリモンドに抱き着いた。
いや、絡み付いたというべきか、とにかく密着度合いが増したのだ。内心パニックになったがすぐに抑制されそのまま玉座の間に転移する事にした。
杖を脇に挟むとシャルティアの膝に右腕を回しそのまま抱きかかえる。シャルティアは幸せメーターが吹っ切れて蕩けてしまう。
「ぐ、ぐらりもんどしゃまぁ❤」
女の子って柔らかいななどと場違いな事を思い浮かべつつ気合を入れた。もし指輪の力を発動できず転移に失敗したらそのまま寝込んでしまう自信がグラリモンドにはあった。
玉座の間の前
そして
モモンガはそわそわしていた。グラリモンドの事が心配で心配で堪らないのだ。
ただでさえ転移してきた事に驚いたのに、転移した矢先に血の飢えの発動である。何かあったらと思うと怖くてたまらない。もし起きていなかったら思うと
なし崩し的に忠誠の儀を中断したが為、再開する必要があるがモモンガの頭の中はグラリモンドの事で一杯なのだ。
今この場にはアルべドしかいないがアルべドはどうする事も出来ずただモモンガを安心させるように傍に立つことしか出来なかった。
大丈夫かどうか確認する為にアイテムボックスに手を伸ばしかけた瞬間、
幼い少女の様な声と、渋くて深みのある
どうか自分の聞き間違いではありませんように。そう願いながら静かかに固唾をのんで待っていた。アルべドも同様に玉座の間の扉を見つめていた。
二人に見つめられる中、悪魔を象った大きな扉がゆっくりと開く。モモンガは歓迎の声をあげようと、祝福しようと口を開く。
「ふははは、久しぶりではないか、モモンガよ。余は今戻ったぞ!」
高笑いをしながらグラリモンドは玉座の間に入った。胸を張り堂々とした、皇帝にふさわしい歩み方で真っ直ぐに脇目も振らずにモモンガに歩み寄っていく。
ローファーの音が小気味よく鳴り響く中、
「何やってんだよ!エロジジイ!」
と怒鳴った。仕方のない事である。アルべドでさえ口を開けずには居られない程、ショッキングな光景だったからだ。
グラリモンドは右腕の上腕二頭筋にシャルティアの尻を乗せ、右手の掌でシャルティアの胸を
用語解説①
カルマ値[-700] 大罪級:大罪級というのは
皇帝の覇気:
但し70レベル以下の存在は敵味方関係なく多大なダメージと弱体化を与える。またエフェクトがあり発動中は使用者が紫の瘴気を纏う。段階がありⅤの効果範囲は大体フィールド一つと等しい。
※ナザリック内に影響が出なかったのはグラリモンドの自室自体が一つのフィールド扱いだったからである。
これには2種類の効果があり、
もう1種類は
血の飢え:
アイテム紹介
あとがき
次回はもうちょっと早めに上げたいと思います。あと、
では最後に、
アインズ・ウール・ゴウン万歳!オーバーロードと栄えあるナザリックに栄光あれ!