改めて今見るとまだまだ拙い…
あやせ√のアフター後想定です!
落ち着いた平凡な日の昼休み。俺とあやせは、いつも通り学生会室でお昼を食べていた。
突然だが、俺の彼女こと三司あやせは、他人からも認められるほど可愛い。俺ももちろん見るたびそう思っている。思っているのだが……
「あやせ」
「うん?どうしたの、暁?」
「今日も可愛いよ」
「…………」
少し顔をしかめてフリーズしてしまった。
「なに、急に。何か私に謝らなきゃいけないことでもしたの?」
少し顔を赤らめながらそう言うあやせ。そんなあやせを見て、今日はとことん攻めてみようと俺は覚悟を決めた。
「いや、単純に可愛いなぁと。見るたびに惚れ直してるよ」
「…………ありがとう。でもほんとどうしたの?急に言われたらびっくりするんだけど」
顔をほんのり赤らめたままそう言ったあやせ。俺はまだ攻める!
「確かに言ったのは急かもしれないが俺はいつもあやせを見るたびに思ってるよ。大好きだ、あやせ」
「あぁ、わかったわかった!ほら、あと10分で授業始まるし、教室戻る?」
あやせは、たまらないといった調子で席を立つと、そう言ってドアの方に向かった。
「あやせ」
俺はその背中に声をかけ、引き止めた。
「なに?まだ何かあるの?あんまりそういうーー」
振り向きながら、何か言おうとしていたあやせを、俺は抱きしめた。
「えっ、ちょっ、暁!?ほんともういい加減にしないと……!私だって、照れるって言うか……」
「ごめんあと少しだけ」
「…………しょうがないなぁ。少しだけだよ?」
俺があやせの耳元でそう囁くと、あやせは満更でもなさそうにそう言った。
俺は、あやせの頭を髪型を崩さないように気をつけながら優しく撫でてみた。
「……んっ」
あやせは少しだけ声を出すと、目を閉じ、頭をこちらに預けてきた。
そうしたまま数十秒。撫でていた手をあやせの後ろ髪の方へと伸ばし、少しだけ腰を屈めると、俺は不意打ち気味にあやせの唇に自分の唇を重ねた。
「……っ!」
キスはほんの一瞬だったが、あやせは驚いて目を見開いたまま、固まってしまった。
「さて、いこっか!次の授業は、なんだっけなー」
俺はわざとらしくパッと離れると、素早く鍵を開け、学生会室から出てみた。
あやせはしばらくびっくりしていたらしく、俺が教室に戻った後、遅れて入ってきた。一瞬ジト目気味に見られた気もしたが、見返した時にはすっかりみんなの三司あやせの顔になっていた。
(あぁーもう、もう!なんなのよ急に!しつこく可愛いとか好きだとか言うし!そりゃあ私だって好きだけど……)
私は、授業を受けながら、さっきの出来事を悶々と思い出していた。
(それだって限度があるでしょ!?あんな急に抱きしめてみたり……キ、キス……したり)
そう。さっきの暁はおかしかった。普段あそこまでしてくることはない。
(まぁでも、ぎゅって抱きしめられて、頭撫でられるのは……気持ちよかったけど……そういえばキス、一瞬しかしてない……)
私がそんな感じでさっきの出来事を繰り返し考えているとーー
「……三司さん?ぼーっとしているようですが、大丈夫ですか?」
「はいっ!!?」
私を呼ぶ声に現実に引き戻される。先生が名前を呼んでいた。
「すみません、少しぼーっとしていました。私はなんともないので、授業の続きをお願いします」
「そうですか……?それならいいんですが……」
「はい。改めて、授業の邪魔をしてしまい申し訳ありませんでした」
(あーもう!これも全部、暁のせいなんだからー!)
残りの授業の時間も、当然集中することはできなかった。
ーー午後の授業も終わり、誰もいなくなった教室で一人座っている俺。携帯を開くと、一通のメッセージが来ている。あやせからだ。内容は簡素だったし、そもそも読まなくても内容はわかった。
『なにも用事がなければ、すぐに学生会室に来て』
授業が終わるとともに教室を抜けていったあやせがすぐに送ってきたのだろう。
それだけ書かれたメッセージは、俺の顔を綻ばせるには十分だった。まぁ半分以上自分が差し向けたようなものだが。
あの感じだとかなーりご立腹だろう。すぐに許してもらえるだろうか。
俺は席を立つと、心はニヤニヤしたまま、あえて顔は平静を保って学生会室へと向かった。