彼女たちの日常(短編集)   作:_Aster_

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あやせちゃんのワンライです。

なんだかふわっとしたお話を書いてみました。

短いですがよろしくお願いいたします。


あやせとの休日

「あ、ちょっと! クッキー食べたでしょ!? 取っといたのに!」

「悪い。食べて良いやつかと思って」

 

 今日は休日。俺とあやせは、二人でゲームをして遊んでいた。

 

「まぁ、いいけど……はーぁ、それにしてもやったわねぇ。ちょっと休憩しない?」

 

 昨日発売した、協力プレイできるというゲームを二人してプレイしていたら、ゆうに数時間が経過していた。

 最初こそあやせに付き合うような形でゲームを始めたが、これがなかなか楽しい。後半はあやせを付き合わせるような形にすらなっていた。

 

「俺はもうちょっとやるよ。これだけクリアしたい」

「そう? じゃあ悪いけど、私はちょっと休むわよ」

 

 あやせはそういうと、自分のベッドに仰向けで寝転がった。

 画面に視線を戻す。ゲーム自体の難易度はあまり高くないが、それでも油断するとすぐに死んでしまう。それ故に、集中してプレイしている俺は時間の感覚がすっぽりと抜けてしまっていた。

 

 

 

「……ねぇ」

「…………」

「ねぇってば。さーとーるー」

「……ん?」

 

 あやせの声が聞こえてくる。だが、ゲームで戦いつつも会話するのは意外と難しい。アストラル能力を使ってしまえばそれまでだが、わざわざこんなことに使う必要もないだろう。

 

「そんなに楽しい?」

「あぁ」

 

 集中しているせいか、会話がぶっきらぼうになってしまう。

 

「そうなんだ」

 

 あやせの方もそれ以上会話を続ける気がなかったのか、部屋にはゲームの音だけが響く。

 気になってちらっとあやせの方を見ると、姿勢がうつ伏せになっていて、腕を枕にこっちを見ていた。

 

「……どうかしたか?」

「……んーん。なんでもない」

 

 どうやら、ぼうっとこっちを見ているだけのようだ。あやせも必要なら言葉に表してくれるタイプなので、俺もそれ以上聞かないことにした。

 

 

 

「ふうっ。これくらいにするか」

 

 ゲームで一区切りがついて、画面から顔を上げる。

 

「どのくらい経った?」

「うん? うーん……あ、1時間半も経ってる」

「そんなにか」

 

 俺も改めて時計を見ると、時刻はすでに夕食の時間が近づくくらいだった。これだけは、これだけはと思いつつ結構やってしまっていたようだ。

 

「夕食行く準備しないとな」

「そうね」

 

 結局気になった俺はあやせの方を定期的に横目で見ていたが、態勢が変わってもずっと俺の方を見ていた。

 

「あやせ、何かあったか?」

「えっ? 何もないわよ?」

 

 夕食に行くため部屋を軽く片付けているが、あやせはどこかぼうっとしていた。気になって聞いてみたが、本人も別に意識していなかったらしい。キョトンとした顔で返されてしまった。

 

「それじゃあ行くか」

「うん」

 

 部屋を出て、食堂へと向かう。その間もずっとあやせは何か考え事をしているようにぼうっとしていた。

 

「なにか悩み事か?」

 

 どうしても気になってまた聞いてしまう。

 

「悩みってほどじゃないんだけど……うーん……」

 

 さっきの悩みより、言葉にして俺に伝える悩みの方が大きいのか、あやせは目に見えて悩み始めてしまった。

 

「なんていうか……自分の感情がわからないっていうか、なんの気持ちなんだろうな、って」

「さっきベッドでぼーっとしてたやつか?」

 

 俺がゲームをしている間、ずっと俺の方を見ていたあやせを思い出してそう言ってみる。

 

「そう。最初は疲れたーと思って休んでて、少し経ったら暁がゲームに熱中してるのが珍しくて面白いなー、って思って見てたんだけど途中からなんかもやっとし始めちゃって」

「もやっと?」

「うん。自分でもなんでそうなったかがわからないから考えてたの」

「もやっと……か。ゲームに嫉妬でもしてたんじゃないか?」

 

 あやせに限ってそんなことはないだろうと思いつつも、冗談めかした口調でからかってみる。

 

「嫉妬……ゲームに……」

 

 だが、反応は意外に静かなものだった。俺の言葉を繰り返して、あやせがまた悩む。自分の中で整理しているらしい。

 

「嫉妬、かぁ……そうかも……途中からは暁を取られちゃってもやもやしてたのかも」

「えっ……?」

 

 今度は、俺の方がキョトンとしてしまう。

 

「ありがとう暁。スッキリしたし、早くご飯行くわよ!」

 

 先ほどと打って変わって元気になるあやせ。先に階段を降りて食堂へと行ってしまう。一人になった俺の頭には、先程のあやせの言葉が繰り返し流れていた。

 

 

 食事中、自分の発言と出来事を思い返して顔を真っ赤にしたあやせに「……さっきのは忘れて」と言われたことは忘れないでおこう。

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