彼女たちの日常(短編集)   作:_Aster_

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三司あやせで3回目のワンライ!大好きですね…
タイトルがつけられなさすぎて端的になってしまいました。

あいも変わらずあやせ√アフター後想定です!


あやせとデート

 土曜日。あやせと一緒にライトレールに乗ってショッピングモールまでやってきた。

 

「本当にここで良かったのか?」

「うん。そこまでおっきなお祝いじゃないんだし、遠出もなかなか疲れるしね。それに、その……私は別に、暁と一緒ならどこでもいいし」

 

 顔を赤らめながらそういうあやせ。こういうところが、何度見ても可愛いと思う。

 あやせの取材や原稿の仕事が連続で入っていたのだが、それを終えた小さなお祝いということで今日はショッピングモールに来ていた。

 

「といっても、どうしよっか。特に予定も決めてないし……」

「まぁ、ゆっくり散策するのでも良いんじゃないか?なにか見たいものが見つかるかもしれない」

「それもそっか。じゃあ、いこ!」

 

 俺の手を引き歩き始めるあやせ。その手は強く握られていた。

 

 

 

「あの、あやせ?」

「うん?」

「確かに見たいものを散策がてら見つける、とは言ったが……これは今じゃなくても良かったんじゃないか……?」

 

 俺とあやせは、女性用の下着ショップにいた。正直男としては……とても居心地が悪い。

 

「それは、ごめん。でもちょっと聞きたくて。これとこれだったら、どっちがいい?」

 

 あやせはそう言ってフリフリのついた可愛らしいブラジャーを指差す。正直どれも差がわからないのだが……というかこれだとサイズがーー

 

「これだとサイズ違いだからあっちのスポブラはどうかなって目を向けてるんじゃないわよぶっ殺すぞ」

 

 視線が少し動いたのすら見つかっていた。

 

「いや、すまん。単純な疑問で馬鹿にする気はーー」

「わかってる。わかってはいるんだけど……そういう仕草が見えると気に触るっていうかなんていうか……」

 

 俺は、今度からは仕草も言動も、その予兆すら見せないように気をつけようと誓うのだった。

 

 

 

「はぁ、はぁぁ……かわゆい……」

「あやせ落ち着け!怖がってるから!」

「はっ!?ご、ごめん」

 

 ペットショップのケースの前でまた興奮しかけるあやせ。周りの目もあるし、なによりも猫が怖がってしまう。俺はあやせに落ち着けと呪文のように繰り返していた。

 

「でも……実際見ると、可愛すぎて……あぁ、だめ、欲望を押さえ込んで……ふー……ふー……」

 

 必死に感情を抑えるあやせ。ケースの前で身悶えながら蕩けた顔で猫を見ている人……はたからみたら結構まずいかもしれない。

 

「あやせ?そろそろ、行くか?」

「だめまって今ほらゴロゴロしてるの!あぁ、もう!そんな生意気そうな顔して……」

 

 既に猫を見始めて十数分。大声こそ出していないがあやせはずっとぶつぶつと言いながら猫を見ている。俺は早めに立ち去った方がいいかと判断したのだが、あやせはなかなかにそこを離れようとしなかった。

ーー結局、ケースの前で三十分ほど身悶えていたのだった。

 

 

 

「うぅ……もっと見てたかったのに……」

「ま、まぁまたくればいいさ。な?」

「うん……」

 

 やっとの思いでペットショップのケースから引き剥がしたのだが、その反動なのか、ダウナーになっているあやせ。これは本当に変なクスリでもキメているのではなかろうか……?

 

「あー、あやせ?ここ、見てみないか?」

「うん……?インテリアショップ?暁って、そういうところこだわるっけ?」

 

 俺がダウナーだったあやせに指差したインテリアショップ。あやせの気を紛らわせるためというのもあったが、俺が少し興味があったのも事実だった。

 

 

 

「あっこれいいかも。これも可愛い」

 

 可愛らしいインテリアを嬉々としてみているあやせ。気分は何とか晴れたようで何よりだ。

 

(だが可愛いと言ってるインテリアに猫の装飾があしらわれているのは流石というかなんというか……)

「?暁?ベッドなんて見て、どうしたの?」

 

 俺もブラブラとしているうちに、いつのまにかベッドのコーナーに来ていたようだった。あやせに言われた初めて気付いた。

 

「ベッドか。もうちょっと大きくてもいいよな」

「えぇ?あれ以上大きかったら、暁の部屋には入らないでしょ?」

「いや、二人で寝れるかなって。今じゃなくても今後、さ」

「…………」

 

 途端に静かになる。不思議に思った俺が横を見ると、顔を真っ赤にしたあやせがいた。

 

「それってその、結婚……的な?」

「あぁまぁ、そうなるな。いやでも三人用とかの方がいいか?」

「それって……!?」

 

 さらに赤くなるあやせ。すこしからかうつもりだったが、効果は予想以上だったようだ。

 

「じゃあ、その……とりあえず練習、じゃないけど、今夜、頑張る……」

「えっ!?あっ、そう、なるか……?」

 

 思っても見ない返しが飛んできた。俺は、自分の顔が赤くなっていくのを実感できた。

 ベッドコーナーの前で、俺とあやせは二人して赤い顔で立ち尽くしていた。

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