彼女たちの日常(短編集)   作:_Aster_

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和奏ちゃんでエピローグ後、アフター前想定です!

ほんと短めかつさらっとしたお話になってしまいました。
ちゃんと構成くらいは考えて書こうね!


恋人の語らい(仮屋和奏)

「ねぇ、ブレイブマン」

「……和奏。オレたち、もうダメみたいだ」

「ちょ、ちょっとごめん、冗談だってば」

 

 チャイムが鳴り、放課後になった瞬間かけられた言葉に、そんなリアクションを返す。

 

「どうかしたのか? 」

 

 まさかからかうためだけに話しかけてきたわけじゃ無いだろう。

 

「あ、えっと。一緒にご飯でもどうかなって」

 

 今日は親父も会社に泊まりだと言っていたし、特に用事もない。オレは二つ返事で答えた。

 

「よかった。実は気になってるお店があってさーーあ、海道!海道も一緒にご飯行かない? 」

「ご飯? 」

「そうそう。最近できたらしいんだけど気になってて、みんなでどうかなって」

 

 通りかかった海道に声をかける和奏。

……正直、二人きりで、と思わなかったかと聞かれると嘘になる。

 

「あー……悪い。今日はちょっと予定があって……というか、柊史は二人きりの方が嬉しそうだけど? 和奏ちゃん」

「えっ!? 」

 

 ニヤニヤしてオレの方を見ながら言う海道と、こっちを向きながら驚いた声を上げる和奏。

(海道……)

 

「それじゃあ、俺はもう行くから。楽しんでな、お二人さん! 」

 

 なんとも言えずに固まっていたオレと少し赤い顔の和奏を置いて教室から出て行く海道。残ったのはなんとも言えない空気だった。

 

「そ、それじゃああんまり遅くなってもあれだし、行こっか」

「そ、そうだな」

 

 オレたち二人は、ドギマギしながら教室を出た。

 

 

 

「ねぇ、さっきのことなんだけど……」

 

 和奏が気になっていると言う店に向かう道中。沈黙気味の空気を破るように和奏が話し始めた。

 

「柊史はさ……私と二人きりがよかったの? 」

 

……どう答えたものか。

 和奏から伝わってくるのは甘酸っぱいとも言い切れないなんとも微妙な感情。

(こんなことで嘘言ってもしょうがないか……)

 そう思ったオレは、恥ずかしさは抑えつつ正直に言うことにした。

 

「……うん」

「そっか。……実はさ、私も……あ、ついた。ここだ」

 

 オレにとってはちょうど悪いタイミングで、和奏が気になっていた店に着いたらしい。

 

「それじゃあはいろっか」

 

 明らかな照れ隠しで店に入っていく和奏。オレは若干の不満を感じながらも続いて店へ入った。

 

 

 

 和奏の言っていた店は、商店街の一角にできた洋食屋だった。お洒落な店内で、洋食なら一通りが揃っているようだ。

 席に座り、注文を済ませる。

 

「お洒落だけど落ち着いてる感じもあっていいな」

「うん。ご飯も美味しそうだし、期待できるかも」

 

 そんな取り止めのない会話を少ししていたが、やがて二人ともさきほどの会話に気を取られて口数が減ってくる。

 

「ねぇ柊史、結婚するならどんな人がいい? 」

 

 気まずくなるのを避けたいのだろう、和奏は少し強い勢いでそんな話題を切り出してきた。

 後から思えば気を抜いていたのだろう。オレはその質問に対してシンプルな答えを返した。

 

「和奏がいいかな」

「〜〜〜ッ!? 柊史!? 今のはそう言う意味じゃなくて……!」

「えっ、あっ、すまん! 」

 

 二人してワタワタとしているタイミングで料理が運ばれてくる。

 

「とっ、とりあえず! 食べちゃおう? 」

「お、おう」

 

 当たり前だが、こんな状況では味がわかるはずもなかった。

 

 

 

 店を出て、帰路につく。

 

「はぁ……調子狂うなぁ……」

「なんか……悪い」

 

 少し歩いて商店街を抜けたところで和奏がそういった。

 能力でわかるのは、とりあえず怒ってはいないということだけだ。

 

「いいよ。柊史は悪くないし……というか! もうこれ以上はモヤモヤしちゃって無理! 」

 

 和奏は少し大きな声でそういい、オレの方に体ごと向き直った。

 

「さっきの話だけど、私も柊史と二人で来られて嬉しかった! 海道がいて恥ずかしいって言うか勢いで誘っちゃったけど、最初から柊史と二人きりで来たかった! 」

 

 吹っ切れたようにそういう和奏。

 

「あ、ありがとう……な? 」

「それと、味がよくわかんなかったからまたこようね」

「それって……二人でか?」

「うん、二人で」

 

 言いたいことは終わったとばかりに和奏はオレの隣に来ると、手を繋ぐ。

 

「柊史はさ、時々大胆なこと言うよね」

「そうか? 自覚はしてないんだが……」

 

 和奏は、そう言って変わらず歩き始める。相変わらずいい意味で男らしいと言うか豪快というか……よっぽど和奏のほうが大胆だ。

 だが、そんなところも良いところだ。

 オレが自分の気持ちを再確認しているうちに、いつも別れる場所までついていた。

 

「それじゃあ、また明日」

「おう、また」

 

 さっぱりとした挨拶だが、寂しくはない。オレたちは、こんな幸せな日常が続くことを知っているから。

 

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