『ワンパンマン』+『PROTOTYPE』で、クロスネタ 作:蜜柑ブタ
オリジナルヒーローと、オリジナルの怪人が出てきます。
でも、オリ主さんに、殺されてます。注意!
ヒーロー協会のことを知ってから、オレは更にこの世界では怪人や怪物の強さの基準を災害レベルという単位で表現していることを知った。
災害レベルは、大きく分けて、狼、虎、鬼、竜、神に分けられており、ヒーロー達は自分の実力と名声に合わせて出撃するか決めているらしい。もっともヒーローでもっとも上位であるS級は協会から出動命令が直接下るらしい。
つまりそれほど強くないと判断された怪人が起こす事件にはヒーローが出動しない可能性があるということだ。被害にあう力のない一般人にしてみれば理不尽でしかないだろう。実際、そうやって見て見ぬふりされて殺される人間や親しい人間を失う人間は少なくないだろう。一応警察や軍隊も存在するが、災害レベルで強さを表される怪人や怪物は並大抵の武器では歯が立たないようだ。
今のところ災害レベル神は出現していないらしい。
……レベル神は、人類滅亡の危機。
オレは、アレックス・マーサーやエリザベス・グリーンのことを思い出した。もし奴らがこの世界にいたなら、間違いなく災害レベル神として認定されていたに違いない。
オレだってジーナス博士にウィルスを調整してもらわなかったらそうなっていたかもしれない。
ところでオレは今、焼きたてのたこ焼きを入れた袋を片手に夜道を歩いていた。
たこ焼きは進化の家で売られているものだ。
サイタマに差し入れして部屋に上がり込んでやろうと思って自分の持ち金払って15人前ほど用意したのだ。ちなみに博士達にはこのことは言っていない。
人通りもない静かな夜道に、たこ焼きのソースの匂いが鼻をくすぐる。
15人前はさすがに多いだろと思うだろうが、半分以上はオレが自分で食うために買ったものだ。人間とかばかり分解吸収して捕食するだけじゃ楽しくない、様々な味を楽しむために普通の食事だって摂る。
しばらく歩いていると、きぐるみを着た人間を発見した。
サイタマの自宅にかなり近い場所で何かを窺っている。
どう見ても怪しい。
「そこのモコモコっ。」
「わっ!」
背後から話しかけたら跳びあがって驚いていた。
「何をやってるんだ、こんな夜中に?」
「そ、それはだな、ぱ、パトロールだ、パトロール!」
「変質者みたいにコソコソすることがか?」
「き、君こそなんだね! こんな夜中に、お若い女性が出歩くなんて危険だぞ!」
「知り合いのところに押しかけてやろうかと思って。コレは手土産。」
そう言ってたこ焼きの入った袋を見せてやると、きぐるみ男は呆れた顔をした。
「…ともかく夜中にひとりで出歩くのは危険だ。次からはせめて同伴者をだな…。」
「ねえ。」
「なにかね?」
「もしかして…、サイタマに用があるのか?」
「!!」
分かりやすい反応をする。
この男も、つい最近私が喰い殺したクッキーミカとかいうヒーローと同じくサイタマを妬むヒーローだった。奇抜な格好も頷ける。
顔色を変えたきぐるみ男に、オレは詰め寄った。
「なっ…。」
「運がなかったな。」
そう呟きながら、オレは袋を持ってない方の手で拳を作り、きぐるみ男の腹を貫いた。
実にあっさりと腹を貫通され、きぐるみ男は馬鹿みたいに何が起こったのか分からない顔をしていた。
それから身体から触手を出してきぐるみ男を捕食した。
喰った後には、また記憶が頭の中を駆け巡る。
この男の名前は、チャウチャウマンといい、最近までサイタマより上のランクだったが、サイタマに追い越されてそれを恨み、夜襲を計画したらしい。しかしサイタマの自宅にはS級ヒーローであるジェノスが常におり、襲撃するタイミングを計っていたらしい。そこをオレが通りがかり…、そしてオレが喰った。
血も残さず一瞬で喰ったから痕跡は残っていない。
オレは何事もなくサイタマの自宅のあるマンションに入って、インターフォンを鳴らした。
鳴らしたのだが反応が無い。いや、扉の向こうからサイタマとジェノスの声が聞こえるのだが、どうやらジェノスがオレが来たのを警戒しているらしい。扉越しにオレの普通より高い体温を感知したようだ。
よくよく考えてみれば、すぐそこで人殺しをして来たのだ。バレればサイタマに、今度こそ殺されるだろう。
……うん。それはまだ早い。
オレは、たこ焼きを玄関前において去った。
サイタマの住居から離れて、夜空を見上げていると。
『オイ、そこの女!』
「ん? オレのことか?」
夜道を歩いていると、急に背後から声をかけられた。
振り返ると、怪人がそこにいた。
そういえばこの世界の怪人は些細なことで簡単に生まれてくるものらしい。例えばカニを喰いすぎて怪人化したとか…。ヒーローの数より怪人の数の方が多いのか、この世界は。
さてオレに話しかけてきたこの怪人は何が原因で怪人になったのか。見た限りでは魚っぽくもあり、頭が大根の葉っぱみたいになっているようにも見える。なぜかちょっと香ばしい香りがする。そうまさしく焼き魚の匂いだ。
『オレ様は焼き魚の焼き加減にこだわり過ぎて怪人になった焼き魚奉行様だ! 焼き魚の付け合わせは大根おろしで決まってんだろ! そうだな、ああんっ!?』
「怪人化した経緯がダサいうえに、なぜそんな喧嘩腰に質問されなきゃならないんだ? オレに用が無いならオレは帰るぞ。」
『怪人が人間を見つけたらやるこたぁひとつっきゃないだろ! ウへへへ、こんな夜中に女ひとりで出歩いたのが運のつきだな! 大人しくオレ様に可愛がられな!』
「あっそう。あーそうだ、言っておくことがある。」
『あっ?』
「誰が“女”だって言った?」
『は? おまえ何いっ…!?』
オレは、焼き魚奉公とかいう怪人との距離を詰めて、そのままこいつをアスファルトの上に押し倒した。
『なっ…、なんだおま…、重っ!』
腹に跨ったオレの重量に驚いている。そりゃそうだ、この身体は見た目より重たい。
「オレは、両方なんだよ。ホラ、触ってみろ。」
『!!!! な、ななな!?』
こいつの手を掴んで股の間に持っていき、直に触らせてやったらそりゃもう面白いほど表情をコロコロ変えた。
Eカップに、下半身に男性器と女性器が一緒になっているんだ、雌雄同体が一般的にいない世の中じゃ怪人じゃなくても驚くだろう。
「それとオレが人間だと誰が、言った?」
にや~と笑って見せつけるように両手をクローに変えた。
『か、怪人なのか、おまえも!?』
「怪人…かどうかは別として、人間じゃなくなった哀れな人間さ。もとは女だ。人間じゃなくなったら両性になっていた。今更もとに戻ろうとは思わない。不幸自慢をしたいわけでもないが、オレは生きたい。何が言いたいか理解できるか?」
『分かんねえ…。あの~その物騒な大きなツメひっこめてくれませんか~? あなた様が強いのはよ~~~く分かりましたから、お願いします命だけは勘弁してください~~~!』
「じゃあこっちがいいか?」
オレの下で命乞いをする怪人焼き魚奉公に見せつけるように、クローを解除して、ブレードに切り替えた。クローとはまた違った巨大な刃物の出現に怪人の顔がますます青くなった。
オレは、クククっと芝居がかかった笑い声をあげてやった。
「クククク、刺身にしてやる。」
『イヤだーーー! せめて背開きに! せめて焼いてーーー!』
「オレは、生の方が好きだ。」
捕食的な意味でそう言いながら、焼き魚奉公をブレードでバラバラに切り裂いた。
細切れにしてからすぐに触手を伸ばして吸収した。人間とはまた違った成分が身体を巡る快感にオレは思わずあえぎ声にも似た声を漏らしていた。
「あふぅ…、アハ、ハハハハ、アハハハ、SEXみたいにイケそうだ!」
オレの中にある人間だった頃のオレが嘆いていてもこの快楽には抗えない。
もう過去には戻れない。人間にはもう戻れない。この身体の疼きを、殺戮の喜びを、喰らう快楽を覚えてしまったオレは、もう完全にバケモノになっていた。
それから、オレは人間を、ヒーローを、怪人を殺しては喰い続けた。
そんな時にたまたまいたテレビ中継のカメラマンを見つけたので、さっき殺した怪人の血でビシャビシャになったクローを片方だけ解除して、中指を立てて、それから舌を出して笑ってやった。
その時のカメラマンと中継者の顔は見物だった。
生中継されていたオレのその映像で、オレはついに災害レベル狼の怪人として世間に知られることになった。
…っと言っても、この段階では、オレは怪人を喰う悪食な怪人っていう通り名がついただけで、名前は名乗っていない。
そのうちに名前を名乗って堂々とヒーローを狩る所を生中継して、本格的に大暴れしてやろうかと……。
…しかしオレは一体何になった?
他の生物を喰らうばかりのバケモノというだけなら、名前を広めるなんてことをする必要はない。
ヒーローと怪人が世界の均衡を保つこの世界でオレは何になろうとしている? 何になりたがっているんだ?
サイタマのようにひたすらヒーローであり続けようとする清い生き方はできない。
むしろオレはヒーローから見れば完全に悪役だ。人間達やヒーローを獲物として喰っている時点で立派な悪役だ。
ただオレは、戦いと殺戮の喜びと、喰らう快楽を味わいながら生きたいだけだ。
人類が滅んでもらっては困る。食料が無くなるから。
ヒーローがいなくなっても困る。戦える相手がいないと楽しくない。
どちらも必要だ。どっちがなくなってもオレは困る。
なんだ…、簡単なことじゃないか。
ヒーローは必ずしも善(ライト)であるはずがない。もうひとつあったじゃないか。オレが以前いた世界で読んだ漫画や映画で出てきた…。
そう、ダークヒーローだ。
オレは、ダークヒーローになろう。
この新しい世界で。
オリジナルヒーロー
・チャウチャウマン
C級100位以下のヒーロー。
自称番犬マンのライバルだが世間ではまったく認められていない。
認知度が低い癖にあっさり順位が自分より上になったサイタマを妬み、サイタマの住居に夜襲をかけようとしたが、たこ焼きを土産にサイタマのところへ行こうとしていたシリンに遭遇してしまい、腹を拳で貫かれてから捕食された。
シリンは、彼を捕食したことでサイタマが世間でどう評価されているか知った。
オリジナル怪人
・焼き魚奉公
焼き魚にこだわるあまりに怪人化した人間。
怪人化して間もなかった時にシリンと遭遇し、本能のままに襲おうとしたが返り討ちにあい、ブレードで切り刻まれてから、“生(なま)”で喰われた。
半漁人のような容貌に、頭部が大根の葉っぱ(焼き魚には大根おろしというこだわりによるものだと思われる)のような形をしており、焼き魚のような香ばしい体臭がする。
オリ主・シリンさん、ヒーロー協会から災害認定。現時点では、レベル狼。
とりあえず、ここまでしか書いてません。続きは未定です。
なお、ここでは、玄関先にたこ焼き置いて行っていますが、最初の文章では、サイタマの住居に上がり込む予定でした。でも、手前で人殺してるので、サイタマにはすぐバレると思ったので変更しました。