「……てな訳だ。」
さとりはこれまでの時系列を簡単にまとめ、鳥歌たちに伝えた。
無論、あのよく分からない夢については何一つとして話すことはなかった。
「その…黒スーツの男って何者なのかしら…?さとりをこんな姿にしたのよ?絶対に見つけて倒してやる…!」
「それはいいけど、先生。俺に打ち込まれた薬は何か分かるか?」
「わからない。何せ私とてそんな効果のある薬は知らないのだからな。そもそも、その薬はおそらく有史以来初なのでは?」
だろうな、とさとりは考え、一人黙りこんでる八木に話しかける。
「なあ、あんたは何かしているのか?」
「………、あぁ、私もそんな事ができる薬は知らないな。」
「まあ、それはともかく。今日はもう帰っていいよ。健康そうだし、後で変わった個性について申請しとけばそれでいいよ。」
「わかった。ありがとな。」
「ありがとうございます!!」
そういってさとりと鳥歌は病室を出ていく。」
「八木さん…あなた、知っているのでしょう?彼の体を変えた黒スーツの男が誰なのか。」
「…えぇ。でも彼が関わっていい内容じゃないですから。」
「そうかもしれないね。でも、教えておくのもまた重要なことなのだよ。これは患者に末期ガンだと宣告するのと同じさ。どんなにつらいことだとしても伝えなきゃいけないことだってあるのさ。」
「………はい。」
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俺は家に帰り、直ぐにベッドの中に入り眠り込んで翌日、普通に学校に行く。
だが、ここでアクシデントがおきる。
『すげぇイケメンだな…』
『私、好みかも…。』
『あんな奴、この学校にいたか?』
この格好は予想以上に目立つと言うことだ。
(心の声が聞こえない分まだましか…元々目立ってたし。お、あそこに緑谷がいるな。)
さとりは気配を消しながらこっそりと近づき耳元で両手を鳴らす。
「うわぁっ!?」
「お、驚いたな。おはよう、緑谷。」
「え、あなた誰!?」
「俺だよ俺。さとりだよ。まあ、色々あってこんな姿になっているけどな。」
「え、何があったの!?」
「いちいち説明するのは骨が折れるし、まぁ、個性だと言えば分かるかな。」
「さとり君の個性は精神系の個性だったはず…。いや、生みの父親は異形型だったらしいし、それが突然出てきたのかな…。いやでも…」
(あー、こいつ、こうなると止まらないからな…。)
「そんな事より、さっさと教室にいこうぜ。」
「う、うん…。さとり君、何かテンション高いね…。いつものヘッドフォンも着けてないし…。」
「この姿になってから心の声が聞こえてこないしいいんじゃね?まぁ、人間は嫌いだけど。」
そんな話しをしながら教室にいった。
それから数ヵ月後、遂に雄英高校の試験日になった。
なお、緑谷は『ワン・フォー・オール』を昨日、継承しています。
そして、継承した住宅街のすぐとなりの道路でさとりはあの薬を『オール・フォー・ワン』に打たれています。