この素晴らしくあざとい後輩との冒険者生活はまちがっている。   作:水刀 言心

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大変、大変長らくお待たせ致しました!

更新、再開します!


第14話 この手強いライバルに宣戦布告を!

 

 

 

 

 

…………い。

 

…………んぱいっ。

 

 

微睡みの中、誰かに呼ばれているような気がして、僅かに意識が覚醒する。

 

未だぼんやりとする意識の中、起床を呼びかける何者かに、ささやかな抵抗を試みようと、やけに柔らかく暖かな抱き枕を、俺は強く抱きしめた。

 

 

…………ひぁあっ!? せんぱいっ!?

 

 

すると、少し力が強過ぎたのか、甲高い悲鳴をあげる抱き枕。

 

…………悲鳴を上げる抱き枕?

 

瞬間、俺の意識は急速に覚醒する。

 

眠気など銀河の彼方◯スカンダルまで吹き飛び、普段なら頑固に眠気を訴える瞼さえ、超特急で瞬時に開いた。

 

恐る恐る、視線を下へとずらす。

 

目に入ったのは、何となく見覚えのある、亜麻色のつむじだった。

 

 

「な、何ですか実は起きてるんですか昨日の今日でこういう事されたら逆らえる訳ありませんし初めてなんで優しくして欲しいですお願いしますっ。」

 

 

…………最早、ごめんなさい、もどっか行ってんじゃねぇか。

 

冷静に脳内でツッコんだものの、俺は全身から急激に血の気が失せていくのを感じた。

 

弾かれたように、俺は目一杯後退り。

 

 

「んがっ…………!!!?」

 

 

当然だが、ベッドから落下。

 

後頭部を強かに床へと打ち付け、無様な悲鳴を上げるのだった。

 

 

 

 

 

「あーもう、たんこぶ出来ちゃってるじゃないですか。ヒールっ。」

 

 

打ち付けた後頭部を触りながら、呆れたように呟き、回復魔法をかけてくれる一色。

 

昨日同様、瞬く間に痛みは引いていったが、この痛みの原因もこいつだと思うと、素直に感謝する気が起きない。

 

…………というか、2回とも戦闘と関係ない事で回復魔法使われたな。

 

 

「…………ありがとよ。けど、何でお前ここで寝てんの?」

 

「あ、やっぱり覚えて無いんですね。言っときますけど、わたしが先輩と一緒に寝てたの、全部先輩のせいですからね?」

 

 

言いながら、俺の後頭部の髪を掻き分け、こぶが治っていることを確認したのか、ぺしん、と人の頭をはたく一色。

 

…………何ですと?

 

 

「昨日、話しながら寝ちゃったのは覚えてます? わたしが上にいるのに、すやすや寝息立てて。」

 

「ああ、それは何となく。徹夜だったし、睡魔の猛攻に耐えられなかったんだよ…………。」

 

「いえ、それは別に良いんですよ? 先輩の寝顔可愛かったですし、ご馳走様でした。」

 

「…………コメントに困るから止めろ。」

 

「てへっ☆ …………ええと、それでですね、しばらく先輩の寝顔を網膜に焼き付けて、それから部屋に戻ろうと思ってたんですよ。で、いつまででも眺めていたくなる衝動を必死で抑えて、部屋に戻ろうとしたら…………先輩にしっかり抱き締められてて、身動きが取れませんでした。」

 

「…………いろいろとツッコミたい事はあるが、嘘だろ?」

 

「ぶー、ホントですもん! このままじゃ2人とも風邪引いちゃうって思って、両手使えないから、足でいっしょうけんめい毛布かぶせたわたしを、先輩はもうちょっと労わるべきですぅ! 足攣りそうだったんですよぉ!?」

 

 

ぷりぷり、とあざとく憤慨ぶりをアピールして来る一色だが、俺の方はそれどころではなかった。

 

…………いくら熟睡中の事とは言え、何してくれちゃってんの俺――――!?

 

余りの羞恥に、まさに顔から火が吹き出しそうだ。

 

しかしふと、一昨日の自分を思い出す。

 

俺が一色の残り香だけで眠れなかったのだ、抱き締められていた一色は、なおさら眠れなかったのでは?

 

そう思って、一色の顔を見ると、彼女は不思議そうに首を傾げる。

 

…………隈どころか、昨日より顔色良くないかコイツ?

 

 

「…………なぁ、お前その状況で眠れたのか?」

 

「ふぇ? バッチリ眠れましたよ? むしろセンパイニウム充填120%で、昨日より元気なくらいですね!!」

 

 

何故かドヤ顔で胸を張る一色。

 

…………可愛いからヤメロ。

 

というか、本当にその謎成分は何なんだよ…………。

 

心配が空振り、酷く脱力してしまった。

 

 

「はっ!! と、というかわたし、今せんぱいに寝起きのいちばん気が抜けたとこ見られてます!?」

 

「いや、それに気付くの今更過ぎでしょ…………。」

 

「ちょ、ちょっとタイムです!! 先輩にならいろいろウェルカムですし、一緒にお風呂とか余裕ですけど、流石に寝起きは恥ずかしくて無理です!!」

 

「羞恥心のハードルおかしいだろ!?」

 

 

というか、一緒にお風呂とか、俺の方が無理だからね!?

 

小町相手でも恥ずかし過ぎて無理まである。

 

 

「い、急いで用意してきますねっ!!」

 

 

言いながら、慌てて部屋を出て行こうとする一色。

 

しかし彼女は、ふとドアの前で足を止めると。

 

 

「…………せんぱい?」

 

 

何故か嬉しそうな表情で、こちらを振り返り。

 

 

「朝チュン、しちゃいましたね?」

 

 

照れ臭そうなはにかみを残して、俺の部屋を去って行った。

 

…………何で必要以上に意識させるようなこと言うんですかねぇ!?

 

寝起きにも関わらず、昨夜の大好き連呼事件時並みに、俺の顔は熱くなっていた。

 

…………もしや俺は、気が付かないうちに、普通に朝を迎えられない呪い、にでも掛かっているのだろうか?

 

かなり本気でそんなことを考えつつ、俺はいそいそと出掛ける準備を始めるのだった。

 

 

 

 

 

先日同様、女将さんから朝食をご馳走になり、ギルドへと向かう俺と一色。

 

そしてこれも昨日同様…………否、俺の右腕を抱き締めた一色は、昨日以上に俺へベッタリと引っ付いていた。

 

嬉しそうに鼻歌を口ずさみ、幸せそうに抱き締めた俺の腕に頬ずりして来る一色は、控えめに言って鼻血が出そうなくらいに可愛かった。

 

実際、すれ違った人たちも、一色が無意識にスキルを使用しているのか、もしくは彼女が放つ謎の幸せオーラにやられたのか、微笑ましげな視線で会釈してくれた。

 

もっとも、独り身と思しき男性たちは、一色の視界に映らないところで、血涙を流しながら俺を睨みつけていたが。

 

…………これ、最早独身男性に対するテロなんじゃなかろうか。

 

そんなことを冷静に分析している自分に気付き、俺は少し驚いていた。

 

昨日と合わせて、一色とこうして歩くのは2度目だ。

 

それ故に多少の慣れのようなものはある。

 

しかし、それだけでこうも女子にくっつかれて、平静を保てるようになるほど、俺の、というか一般的な男子高校生の異性に対する免疫力は高くはない筈だ。

 

では何故、俺がこうして冷静にいられるのか。

 

それはやはり、昨日聞かされた、一色 いろはの言葉が、脳裏に焼き付いて離れない所為だろう。

 

想像していた以上に、こいつの思考…………理想と言い換えても差し障りないかも知れないそれは、俺が抱いた幻想に迫っていた。

 

それを目の当たりにした所為か、俺は自分が思っている以上に、こいつに対して気を許してしまっているのだろう。

 

ここ数年、小町以外を近づかせた覚えのない、酷く広い俺のパーソナルスペースへの侵入を、無条件で黙認する程度には。

 

…………とは言ったものの、結局のところ、こいつは小町ではないし、妹のように思っていても、あくまでも他人だ。

 

つまるところ、多少気を許したところで、俺がこいつに異性を感じて、ドギマギする事が無くなるわけではない。

 

結果、昨日より強く押し付けられた、柔らかな感触や、甘い香りに気付き、俺が冷静さを失うのに、そう時間は掛からなかった。

 

…………やっぱ明日からは、全身鎧で出掛けよう。

 

 

 

 

 

「え? 指導の延長ですか?」

 

 

ギルドに着いた俺は、昨日と打って変わり、俺から離れる事に、酷く難色を示した一色を、必死で引っぺがして、ルナさんに訓練の事を相談していた。

 

 

「あのお2人が、自分たちより強い、と太鼓判を押されている以上、正直必要性はないと思いますが…………。」

 

 

あくまでも、訓練の続行を希望する俺に、困ったような笑みを浮かべ、そう答えるルナさん。

 

 

「その評価は有難いんですが、正直ずぶの素人としては、たったあれだけの訓練じゃ、イマイチ安心出来なくて。」

 

「は、はぁ…………? ええと、イロハさんも同意見なんですか?」

 

「んー…………わたしとしては、正直訓練なんて面倒、って思わなくもないですよ?」

 

「でしたら…………。」

 

「ただ、あの怠け者全国代表に選ばれそうな先輩が、ここまで真剣にくんれんくんれん言ってるとこ見ちゃいますと…………やっぱりしておいた方が良いのかなぁ、って。」

 

「は、ハチマンさんが、怠け者全国代表…………!?」

 

 

信じられないといった表情で、ルナさんは俺を見つめて来る。

 

全国代表は言い過ぎだろう。

 

せいぜいが千葉代表くらいだ。

 

…………怠け者否定出来てないな、これ。

 

 

「…………俺としても、やらなくて良いなら、それに越した事はないんですけどね。賭けるもんが、自分の命である以上は、やれるだけの事はやっておきたいんですよ。」

 

「な、怠け者は否定しないんですね…………分かりました。そういう事でしたら、少し心当たりを当たってみますね。」

 

 

相変わらずの苦笑いだったが、ルナさんはどうにか承諾してくれた。

 

 

「お手数お掛けします。」

 

「いえいえ、冒険者の方が命を落とさないようサポートするのも、ギルド職員の仕事ですから。気にしないで下さい。…………あ、話は変わりますが、昨日お願いされた件、盗賊の方とクルセイダーの方にお会いできましたので、今日の昼食時に来られるそうですよ。」

 

「そうですか。何から何まですみま「せんぱいっ!!」…………何だよ?」

 

 

ルナさん頭を下げようとしたところ、一色に腕を引っ張られ中断する。

 

犯人の顔を見ると、昨日から大分見慣れた膨れっ面で、俺を睨んでいた。

 

 

「何だよ、じゃないですよー! 何ですか盗賊にクルセイダーって!? わたしに断りなくパーティメンバー増やすつもりですかっ!?」

 

「ああそういう…………別にパーティメンバー募集とかいう話じゃねぇよ。ちょっと覚えたいスキルがあったから、ルナさんに頼んで教えてくれそうな人に声かけてもらっただけだ。」

 

「むぅ、それなら…………って、良くないですよ! クルセイダーのスキルなら、わたしが覚えて、先輩に教えれば良い話じゃないですかっ!?」

 

「いや、昨日夕食の前に話したろ? お前に一般的なクルセイダーの役割させる気は無いんだよ。囮スキルのデコイとか、正直覚えてもらっても、ヘイト管理が面倒になって、俺が困るだけだから。」

 

「へ? あ、ああ、あの敵の注意を引き付けるってスキルの事ですか? ま、まぁそれなら納得ですけど。」

 

 

昨日の夕食前、一色と俺は実際に討伐クエストに向かう際、どう言った役回りで動くか、という軽い打ち合わせを行った。

 

結果、スピードがあり、気配遮断を含め、急な離脱も容易な俺が前衛、支援魔法に富み、投槍による遠距離攻撃が可能な一色は後衛、という大まかなポジションが決定している。

 

その為一色には、クルセイダーの職業スキルより、ランサーやアーチャー、アークプリーストのスキルを優先して覚えてもらう事になったのだが、こいつ、言われるまで忘れてたな。

 

 

「まぁそういう訳だから、ルナさん、重ね重ねありがとうございます。」

 

 

気を取直して、そう礼を述べると、ルナさんは慌てた様子で両手を振った。

 

 

「そ、そんな気にしないで下さい。ギルド職員として、当然の事をしたまでですからっ。…………あ、で、でも、ハチマンさんがどうしても、気になさると言うなら、今度一緒にお食事でも…………。」

 

「え、ええと…………。」

 

 

一瞬にして怪しくなる雲行きに、しまった、と思う。

 

ルナさんの誘いに、どう答えたものかと、頭を悩ませていると。

 

 

「どーんっ♪」

 

「ぐっふっ…………!?」

 

 

何故か一色に、思い切りタックルを食らった。

 

 

「…………な、何なのお前? 話の腰を折るついでに、俺の腰も折るつもりだったの?」

 

「むっ、こんな美少女に抱き着かれて、その反応は失礼じゃないですかね?」

 

 

いや、今のは決して抱き着くなんて、可愛らしい威力ではなかった。

 

…………というか、こいつ人前で何してくれちゃってんの。

 

見れば、ルナさんも一色の奇行に、目を白黒させて驚いている。

 

流石にこれはよろしくないと思い、一色を引き剥がそうとした瞬間。

 

 

「全く、昨夜はあんなに愛し合ったのに、いきなり目の前で浮気なんて、感心しませんよー?」

 

 

抱き着く力を強めながら、一色が放った言葉に、俺は愚か、ギルド中が凍り付く。

 

あ、酒場の方で黄色い歓声が上がった。

 

 

「あ、あああ、あい、あいっ、愛しっ…………!!!?」

 

 

一色の衝撃発言に、処理が追いつかないのか、顔を真っ赤にして、壊れたプレイヤーの如く、同じ言葉を繰り返すルナさん。

 

 

「…………お前、マジで何してくれてんの!?」

 

 

よりによって、何でそう誤解を招く言い方をしますかね!?

 

非難の意味を込めて言うと、しかし一色はそれを意に介した様子は無く。

 

 

「…………ほら先輩、今の内に更衣室に行って下さい。ルナさんのお誘い、ウヤムヤにしちゃいましょう♪」

 

 

俺の腕を引くと、耳元でそう囁いた。

 

…………ああ、そういうこと。

 

 

「…………スマン、助かる。」

 

 

これが一色なりの助け舟だと理解した俺は、気配遮断を発動、そそくさと更衣室へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

《冒険者ギルド受付嬢 ルナの決意》

 

 

その人は、今まで私が見てきた、どの冒険者とも違う人でした。

 

暗闇を固めたような漆黒の全身鎧を纏って、腰には見るからに禍々しい大剣を携えた彼。

 

どう見ても、存在感溢れる外見なのに、その気配は酷く希薄で、炎の上に揺らめく陽炎のよう。

 

そして兜の下に隠されていた素顔を目にした時、私は息を飲みました。

 

 

…………だって超タイプだったんですもん!!

 

 

すっきりとした顔立ちと、少し鋭い目付き、にも関わらず柔らかな物腰。

 

一目惚れ、とまではいかないまでも、彼に興味を抱くのには十分でした。

 

そして登録時にはそのステータスの高さに驚かされたり、ほとんど誰も受けようとしない、ギルドのお手伝いクエストを受けようとされ、再び驚かされたり。

 

とにかく、彼は雰囲気も行動も、私がよく知る冒険者とは、かけ離れていました。

 

だけど、極め付けだったのは、イロハさんとの関係を伺ったとき、彼が一瞬だけ見せた、とても優しげな、ほんの小さな笑み。

 

 

『…………約束、しちゃったもんで。一人にしない、って。』

 

 

…………あれはもう反則です。

 

普段の…………と言っても、この2日というわずかな間しか知りませんが、とにかく平時の彼は、どこか近寄り難い空気を発していて、口数も表情も乏しい方です。

 

そんな彼が、不意にあんな優しい笑みを浮かべたら…………あれに心ときめかない女性なんて、いないと思います。

 

そう言った訳で、私は彼…………ヒキガヤ ハチマンさんにアタックする事を決意しました。

 

相方のイッシキ イロハさんという強力なライバルの存在もありますし、一筋縄でいかないことは明白ですが、乙女にはそれが分かっていても、戦わねばならない時があるのです!

 

そんな風に意気込んでいたのですが…………。

 

 

「全く、昨夜はあんなに愛し合ったのに、いきなり目の前で浮気なんて、感心しませんよー?」

 

 

…………いきなり心が折れそうです。

 

 

目下最大のライバルと認定しているイロハさんからの、衝撃の発言に早朝にも関わらず騒然とするギルド。

 

勿論、私も平静ではおられず。

 

 

「あ、あああ、あい、あいっ、愛しっ…………!!!?」

 

 

…………と、声を上擦らせてしまいました。

 

そして、私が正気に戻ると時すでに遅く、近くにハチマンさんの姿はなく。

 

 

「ふふっ、ちょっとやり過ぎちゃいましたかね?」

 

 

悪戯っぽく微笑むイロハさんが居るだけでした。

 

 

「それにしても、いきなりデートのお誘いなんて、ちょっと大胆過ぎませんかね、ルナさん?」

 

「うぐっ…………。」

 

 

言いながら、不敵な笑みを浮かべるイロハさん。

 

確かに、少し焦り過ぎていたことは否めません。

 

よりによって、彼女の前で誘うなんて、妨害して下さいと言ってるようなものじゃない!

 

 

「まぁ未遂でしたし、構いませんけど。それと『愛を確かめあった』って言うのは、少し本音を打ち明けあった、ってだけの話で、わたしと先輩は『まだ』そういう関係じゃないから安心して下さい。」

 

「そ、そうなんですか? ほっ…………。」

 

 

よ、よかった。

 

そう安心したのも束の間…………。

 

 

「まぁあの先輩に『大切だ』なんて言ってもらえた上に、昨日は同じベッドで抱き合いながら寝ましたけど。」

 

「えぇっ!?」

 

 

再びイロハさんの発言で、絶望のどん底に叩き堕とされました。

 

は、ハチマンさん、そういう事を口するタイプには見えないのに…………。

 

こ、これって、もう勝ち目ないんじゃ…………。

 

い、いや! 弱気になっちゃダメよ私!

 

本人が言ってたじゃない、まだそういう関係じゃないって!

 

恋は戦争! 遠慮なんてしてる余裕、私にはないんだからっ!!

 

きっ、と私は意地悪な笑みを浮かべたイロハさんを睨みつけました。

 

 

「ハンデがある事は百も承知です! でも、負けませんからっ!!」

 

 

そして、彼女の目をしっかりと見据え、そう宣言します。

 

するとイロハさんは、少し驚いた表情を浮かべ、しかし、次の瞬間…………。

 

 

「昨日までのわたしだったら、そこまでハッキリ言われちゃうと、きっと気後れしちゃってましたね。でも…………。」

 

「言いましたよね? 『愛を確かめた』って。いろいろ吹っ切れちゃいましたし、自分の気持ちにも整理がつきました。だから…………。」

 

 

 

「先輩は誰にも渡しません。」

 

 

 

同性の私でさえ息を飲むほどの、素敵な笑みでそう宣言しました。

 

…………やっぱり、彼女は私にとって、最大のライバルで間違いなさそうです。

 

絶対に負けないんだから!!

 

 

《冒険者ギルド受付嬢 ルナの決意 了》

 

 

 







最後までご覧戴き、ありがとうございます。

そして、大変長らくお待たせしてしまいました事、重ねてお詫び申し上げます。

活動報告でも述べました通り、一重にスランプだったことが主な原因です。

それと同時に、本業の忙しさもあり、なかなか筆を取れずにいました。

皆さまからのご声援と、少しずつとはいえ伸びていく閲覧件数や評価を活力に、ようやく続きを書くことが出来ました。

本当にありがとうございます。

以前よりは更新ペースが落ちるとは思いますが、今後は定期的に更新していきたいと思います。

それでは、久々に今回の言い訳コーナー。



①いろはすスパークリングリターンズ
 前日のやり取りと、一晩一緒のベッドで過ごした事により、いろいろと吹っ切れています。Warning!

②始まりのゴング
 描写が少なく分かりづらいかもしれませんが、一応いろはは八幡への気持ちを『恋愛感情』だと結論付けました。
 と、なると強かな彼女は、周囲を牽制して回るでしょうから、こういった展開になりました。
 女の人って、偶にこあいよね?(gkbr



以上、本日の言い訳コーナーでした。

さて、次回は少し時間が経った地点から、お話しを始める予定です。

少し更新のペースを落とし、月2〜3回を目標に頑張りますので、今回の長い放置期間に懲りず、今後ともお付き合い頂けると幸いです。

それでは、また次回の更新でお会いしましょう。



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