2人の笑顔は夕日に輝く   作:ハマの珍人

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 はじめましての方ははじめまして。ハマの珍人です。
この度は読んでいただきありがとうございます。

 先日のさよひな誕生日の際にふと思いついたので書こうと思いました。

短かったり拙い表現がありますが、目をつぶっていただけたら幸いです。


プロローグ

   『ぼくのおねえちゃん

 一ねん三くみ ひかわゆうき

 

 ぼくには二人のおねえちゃんがいます。

上のおねえちゃんのさよおねえちゃんはやさしくて、ぼくにべんきょうをおしえてくれます。

 下のおねえちゃんのひなおねえちゃんは、とてもげんきで、いつもぼくとあそんでくれます。

 さよおねえちゃんと、ひなおねえちゃんは同じ日に生まれた、ふた子のしまいです。

 二人はなかよしで、そんな二人のおねえちゃんをぼくもだいすきです。』

 

 ため息を1つついて、幼き頃に書いた作文を段ボールの中に戻して、クローゼットに押し込む。

明日から高校生ということで、中学で使っていたものを整理していて見つけた自分の幼き頃の思い出の品。

 

 『あの頃は良かった』なんて懐かしむにはまだまだ早いけれど、少なくとも今に比べると良かったのは確かだ。

 世の中の暗いところ、汚いところなんてものとは無縁で、自分の周りだけが世の中の全てだったあの頃。

何もかもが新鮮で、何もかもが楽しくて……2人の姉と遊んだり、勉強したり、時にはケンカしたりもしたけど、いつも一緒だった。何をするにも一緒だったから、『氷川家の三姉妹』なんて言われた時もあった。あの時は姉のお下がりを着てたし、幼かったからよく間違えられたっけ。

 

そんな日々が永遠に続くと信じていた。

 まさか自分の大事なものが、大切な時間が、大切な空間が壊れるとは夢にも思わなかった。

 

 誰が悪いわけではない。姉は姉として見本であり続けようとして、もう一人の姉は姉と同じ事をして楽しみを共有したかっただけで、俺はそんな二人と一緒にいられるだけで幸せだった。

 

 

 

 最初に壊れてしまったのは上の姉。長女として、1番上の姉として妹、弟の見本となるべく努力に努力を重ねて勉強もスポーツも頑張っていた。普通だったら音を上げるほどのまさしく血のにじむような努力をしていた。

彼女の努力は他人からしたら賞賛に値するほどだった。

コツコツと積み上げていろいろなことにチャレンジしていた。

 

 ただ、妹はその積み上げたものをあっさりと飛び越えていった。別に姉が不器用というわけではない。

むしろ妹が天才なだけであった。

姉のすることを見て覚えると、しばらくすると事もなげにこなし、姉以上の成果を出してしまう。苦労するのは最初のうち。あとは覚えてしまえば鼻歌交じりでも出来てしまう。

 そして、姉が辞めると未練などなくスパッと辞めてしまう。

 

 一輪車も二重跳びも、始めに出来るようになったのは姉だったが、自分が出来るようになるより短い時間で妹はあっさりとやってみせる。

 

 姉からしたら悪気がないと分かっていても、妹の好奇心は恐怖の対象だったのだろう。まさしく天災。

それに加えて、常に妹と比べられた。勉強もスポーツも遊びも。スタート地点は同じで、姉の方が早く始めていたのに、後から始めたはずの妹と比べられた。姉からしたら耐えがたいものがあったのだろう。

中学に入り、貯まりに貯まった不満がついに爆発。

姉は妹を避けるようになってしまった。

ただ、悲しいことに妹はなぜ姉が怒ったのか、自分を避けるのかが分からなかった。

 

 仲が良かった姉妹だったのに、姉は徹底的に妹を避け、妹は今まで通り仲良くしようとするも、関係は修復に至らず、溝は深まり、余計ギクシャクしてしまった。

 

 進路である高校も、姉は花咲川、妹は羽丘とバラバラになってしまった。

 

 

 2人の姉を大事に思うあまり、関係悪化を恐れた俺は何も行動に移すことが出来なかった。ただただ自分の無力さを嘆いた。

 

 もし上の姉にただ一言『そんなに思い詰めないで』と言えば姉はそこまで壊れなかったかもしれない。

 もし下の姉に相手の気持ちを考える大切さを話せていたら……もし……たら……れば……

 

 頭の中を昔の記憶とともに『たられば』と後悔が渦巻く。

 

 だから今度は迷わない。自分の大事な姉妹の仲を取り戻すためになんだってやってみせる。たとえ自分の身を犠牲にしても……

 

 俺、氷川夕輝は中学生最後の夜に誓った。




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