2人の笑顔は夕日に輝く   作:ハマの珍人

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 残業が始まってしまい、なかなか執筆が進みません。すみません。

 加えて、スマホを変えたので誤字・脱字が増えるかもしれません。


第16話

 突然だけど、学生の、高校生の本分ってなんだと思う?

一般的には学業。他には部活だったり、校外活動(バイト)だったりに精を出す人もいるだろう。

でも俺はね……買い食いだと思うんですよ(暴論)

 

 いや、あくまで個人の感想なんですけどね、中学までだとだいたい自宅から通える範囲の地域だったりするじゃないですか。

それが高校生になると、定期買って電車通学するわけですよ。それに伴って財布を持って歩く機会も増えるわけで……。

 加えて、部活なんかも中学に比べてハードになる上、電車通学ともなれば家に帰るまで時間がかかるわけですよ。当然お腹減りますよね?

……もっとも俺は帰宅部ですが。

 

 まぁ、長々と言ってるけど何が言いたいかというと――

 

「ポテト食べたい……」

 

 時々ポテトが無性に食べたくなる時、ありません?

ちなみにうちの3姉弟はかなりのポテト好きなんです。

紗夜姉さんは隠しているつもりだろうけど、絶対にバレてるって。

 

 閑話休題

 

 今日はRoseliaの練習があるけど、姉さんが委員会で遅れるし、日菜ねぇは日菜ねぇであれからギターの練習をしている。

今日も予定が合うメンバーと練習するらしい。活動休止中ではあっても、練習までは止められていないとかなんとか。あの一件がいいように日菜ねぇに作用したようだ。だからといって赦せることでもないけど。

 今日は父さんも母さんも遅いらしい。つまり――

 

(久々のバーガーかな)

 

 少しの時間とお腹を満たすため、ファーストフード店に行くことにした。

 

 店内に入ると、やはりというか学生服姿の客がごった返していた。

まぁ、早い、安い、美味い……かは人それぞれだろうけど、小腹を満たせるファーストフード店は学生の味方だしね。

 とりあえず、ハンバーガーとポテト、ドリンクにジンジャーエールとコールスローサラダもつける。

てりやきのソースとか、ビッグなハンバーガーも捨てがたいけど、シンプルなハンバーガーのオニオンが何気に好きなんだよね。それに安いし。

 

ポテトはMサイズを注文。細長く、カリカリなのが好きなんだよね。揚げたてらしいからなお嬉しい。

Lでもいいんだけど、食べきれるか少々不安だからね。

 飲み物はだいたいジンジャーエールかシェイク。でも今日は長居したくないのでジンジャーエール。

野菜も摂らないと……だよね。ポテトは野菜だけど、炭水化物だから。

 

 注文の品を受け取り、席を探す。混雑はしてるけど、2人掛けの席が空いていたので確保する。

 

(では、いただき――)

 

「あれ? 日菜ちゃん?」

 

 ようやくありつこうというところでふと声が聞こえた。

 

(日菜ねぇも来ていたのか)

 

 周りを見渡すと、『こちらを見つめている』ピンク髪の女性と目が合った。

 着ている制服は花咲川――紗夜姉さんと同じ学校だ。

 

「こんなところで会うなんて珍しいね」

 

 彼女は『俺を見たまま』そう言った。

 

(誰だ?)

 

 俺と彼女に面識はない……はずだ。

俺の知り合いでピンク髪と言えばひまりだけれど、俺と日菜ねぇを間違えることはない。

そもそも日菜ねぇを呼ぶときは『日菜先輩』と呼ぶし、花咲川の制服を着る理由も分からない。

 

(ん? ピンク髪?)

 

 ピンク髪といえば、最近ひまり以外に見かけた気がする。あれはどこだったっけ……

 

「日菜ちゃん、無視しないでよ~」

 

 俺が返事をしないせいで目の前の彼女も不安な表情に――

 

(ピンク髪、日菜ねぇの知り合い、不安な表情……あ!)

 

「……丸山さん?」

 

 そうだ。この間のライブで見たパスパレのボーカル、丸山彩さんだ。

ステージでは髪を2つに結んでいたけど、今はおろしている。女性って髪型1つでここまで変わるもんなんだなぁ。

 

「うぇっ!? 紗夜ちゃん!? どうしたの!? そんなに髪をバッサリ切っちゃって」

 

「はい?」

 

 今度は紗夜姉さんと間違えられたようだ。

たしかに姉さんは相手を名字+さん付けで呼ぶし、腕を組む時はあるけれど、厳密には肘を押さえるように組んでるんだよね。

 

(そもそも、羽丘の男子の制服なんだけど……)

 

 

「そっかぁ。紗夜ちゃんと日菜ちゃんの弟くんなんだぁ」

 

「いつも姉がお世話になってます」

 

「こちらこそいつもお世話になってますっ」

 

 案の定、説明したら驚かれました。……男だということに。うん、もう慣れたよ(遠い目)

だいたい女性に間違えられるか、紗夜姉さんか日菜ねぇに間違えられるし。あれ? 一緒か。

 

 というか、姉さんとも知り合いだったんだね。

同じ学校位かなとは思ったけど、同じクラスだったこともあるみたいで……とりあえず姉さんが学校で孤立していないようなのでホッとした。

もっとも、燐子さんがいる時点でそれはないんだけど。

 

「丸山さんもこういうところに来るんですね」

 

 

 今時の高校生としてはファーストフード店にいることはおかしくない。

女子高生だって食べたくなるときはあるだろう。

ただ、女子高生。それも現役アイドルが一人で来るのは意外だった。……あくまで俺の偏見だけど。日菜ねぇ? 日菜ねぇは例外。

 

「今日はシフトの確認に来たんだよ。ここ、バイト先だから」

 

 へぇ~、バイト先なんですか~。

ん? バイト先?

 

「バイト先!?」

 

「わきゃっ!? びっくりした」

 

 丸山さんが驚いた声をあげているけど、それはおいておく。

驚き方がかわいいとかあざといとか思ったけど、この際おいておく。

 

「丸山さん、バイトしているんですか!?」

 

「え、う、うん」

 

「ここで?」

 

「うん……」

 

「アイドルなのに!?」

 

「夕輝くん、少し声が大きいよ……」

 

「あ、すみません……」

 

 恥ずかしがりながらも指摘する丸山さんに謝る。

 

 

「でも、事務所的には大丈夫なんですか?」

 

 

「それを話すには、少し長くなるけど時間あるかな?」

 

 

(Roseliaの練習までは……終わるよね?)

 

「大丈夫ですよ」

 

「じゃあ、ちょっと待っててね」

 

 そう言い残し、丸山さんはレジへ向かった。

 

少ししてカップを1つ持って戻ってきた。

 

「お待たせっ」

 

 丸山さんは俺の向かいの席に座った。

 

「それはいいんですけど、飲み物だけで大丈夫ですか?」

 

「悩んだんだけど、夜ご飯が食べられなくなるといけないから、これだけで」

 

 なんとも女子高生らしい理由だ。

 

「よかったらつまんで下さい」

 

 ポテトの入ったトレーを俺と彼女の間に置いた。

 

「え、悪いよ……」

 

「お気になさらず」

 

 わりと目の前でポテト食べているの見ると自分も食べたくなるんだよね。ソースは俺。

まぁ、ハンバーガーもコールスローもあるし、いいんだけどね。

 

「ありがと。じゃあ、ちょっとした私の昔話から……」

 

 

 丸山彩という少女はよく言えば普通の、悪く言えば何の取り柄もない女の子だった。

 

そんな彼女がアイドルを目指すきっかけも、人に勇気を与えられる存在になりたい」、「どんな人でも、努力すれば夢は叶うという事を伝えたい」というよくある話だった。

 

 彼女はアイドル養成所の門を叩き、アイドル研究生になった。

しかし、厳しい世界というのもよくある話で……

 

 彼女の歌も演技もダンスも人並みーーいや、劣っているといってもいいレベルだった。

加えて彼女自身あがり症だったこともあったため、もともと出来ないところはもちろんのこと、出来たはずのところも緊張してミスをする。それに焦ってしまい、ミスを重ねる……と負の悪循環だった。

 

 それでも彼女は腐ることなく学業とレッスン、養成所の月謝を稼ぐためのアルバイトをひたすら続けた。彼女より実力のある子達が諦めて辞めていっても、彼女は諦めることなく。

 

 そんなときに降ってわいた今回の話。

 

「嬉しかった。まだスタート地点に立ったばかりだけどようやく努力が認められた。そう思ったんだけどなぁ……」

 

 そう語る丸山さんの頬には涙が伝っていた。

彼女の努力が認められたのか、『アイドルバンド』という新地開拓のための礎、人柱にされたのか。それは分からない。

 

 それは『芸能界』ではよくあることでーーでも一人の少女には厳しすぎる現実でーー

 

「丸山さんはどうしたいですか?」

 

 ポケットティッシュを差し出しながら訊ねる。

 

「どうしたい……?」

 

「芸能界の厳しさを痛感した上でアイドルを諦める道」

 

「それはイヤ!」

 

 悩む間もなく即答だった。

 

「もう1つは、今まで以上に努力してプロダクションの上層部、マスコミ、パスパレを笑った奴らを見返してやるか」

 

 こちらは前者に比べて棘の道だ。言うのは簡単だけど、そう簡単ではない。第一印象が最悪である以上、何をやろうとしてもその印象というのが付いて回る。

それを払拭させるにはーー

 

「もちろんやるよ! でも、見返すためじゃないよ。『努力すれば夢は叶う』って伝えたいから」

 

 涙を拭い、彼女は毅然と答える。

彼女なら大丈夫だろう。

 

「応援してます」

 

 何度躓いても立ち上がり真っ直ぐ歩いていける。アイドルとしての道をーー

 

 

 

「こんな時間までごめんね」

 

「いえ、大丈夫ーー」

 

 言いながら時計の針を見ると、短針は8を通りすぎ、長針は6を指していた。つまり8時半ーー

 

 血の気がスッと引いた感覚があった。

 

「やばっ!」

 

「えっ!? どうしたの!?」

 

「約束、忘れてました! 失礼します!!」

 

 ゴミを片付け、店を飛び出した。

 

※

 

 ライブハウスに駆け込み、息を整える。

店員さんは驚いた顔をしていたが、顔馴染みなので気にしないようにジェスチャーをする。

 

(えっと、Roseliaは……)

 

 と、ロビーのはしで湊先輩とスーツを着た女性が話していた。

 

「では、いいお返事お待ちしております」

 

 ほどなくしてスーツの女性は去っていった。

 

「湊先輩……」

 

「もう今日の練習は終わったわ」

 

「すみません……」

 

 怒っている……よね。表情や声色はいつも通りだから分からないけど。

 

「次からは連絡してくれると助かるわ」

 

「はい……」

 

 当たり前のことなので反論は出来なかった。

スーツの女性のことを聞くなんてなお、出来なかった。

 

 のちほどこの事が波乱を呼ぶなんてそんなことは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

ポピパ、ハロハピ編も書いた方がいい?

  • 許す! 書くことを許す!
  • ただでさえ話進まんのだからやめーや!!
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