2人の笑顔は夕日に輝く   作:ハマの珍人

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 お気に入り登録ありがとうございます。
一応ながらタグに『男の娘』をつけさせていただきました。後々そんな話を書ければいいなと思います(書くと入ってない)

 個人的に紗夜さん→紗夜『姉さん』、日菜ちゃん→日菜『ねぇ』のイメージがあるので夕輝くんはこう呼んでいます。(伝われ~)


第2話

 入学式から数日後、慣れない環境の高校生活を送っていた。

といっても勉強について行けないわけじゃない。

羽丘は進学校として有名ではあるけど、まだ中学の復習といった感じだからそれほどまで難易度は上がっていないからね。

 では何が問題なのかと言えば、それは教室の雰囲気だろう。

別に学級崩壊を起こしていたりとか、ヤンキー、スケバンがいるわけじゃない。

 

(もうね、甘酸っぱい匂いがするんです)

 

 シャンプーとか香水(つけてる人いるのかな?)の匂いもあるだろうけど、女の子独特の匂いがするんだよね。何で分かるかって? 経験則だよ。

 

 ただ、『女子校っていいよなぁ~』って言うヤツいるけどさ――実際に羽丘に行くって言ったら中学の友達にも言われたんだけど――あれって、自分以外に男が少なくともいるときに限るんだよ。

 

 なんていうか開放的と言えばいいのかな? 多少恥じらいがある子ってのは外部入学の子なんだろうね。内部の子は中等部も当然女子校だからもう、恥じらいが無いんだよね。

 

 

むしろこっちが恥ずかしいっていう謎の心理状態が起きてるっていうね。

 

「あ、氷川くんいたんだっけ」ニヤニヤ

 

「ご、ごめん」メソラシ 

 

「気にしなくてもいいよ~。もっと見る?」ニヤニヤ

 

「」カオマッカ

 

 っていうように弄られることもあって、体育の前後は要注意なんだよね。

 

 加えて昼休みになると、

 

ガラッ!

 

「ゆーくん! お昼、一緒に食べよう!!」

 

 と日菜ねぇが突撃してくる。ほぼ毎日突撃してくる。何回か日菜ねぇの教室に連行されたこともあった。

あれはあれでしんどかった。日菜ねぇに引っ張られ、抵抗虚しく連れて行かれる際の周りの生温かい? 視線とか、なぜか先輩の教室で肩身の狭い思いをしながら(それでもなぜか歓迎されてる不思議)お昼を食べなきゃいけない状態とか。さらには――

 

「ゆーくん。あーん」

 

「いや、自分で食べれますから」

 

「あーん」

 

「あの、日菜先輩?」

 

「あーん」

 

「あ……あーん」

 

 と、食べさせられる公開処刑とか……。

悲しいことに俺にとっての安らぎの地はトイレしかなかった。

そんなことを体育の授業で一緒になったB組の野口くんに言ったら、

 

「それ、お前だけだからな」

 

 と突き放された。何故だ……。

 

 

 そんな俺は今――

 

「早く座りなよ」

 

「ゆーくん。いらっしゃ~い」

 

 学食で女子生徒5人とテーブルを囲んでいた。

 

「どうしてこうなった……」

 

 

 

 チャイムが授業終了を告げ、昼休みになる。

先生が荷物をまとめて教室を出るや否や、俺は急いで教科書をしまって代わりに弁当を持って出口へ急ぐ。

 その理由は――

 

(いくら日菜ねぇでも、2年生は上のフロア。階段を降りてくる分ロスがある。その間に反対側の階段から逃げればいい。そうすれば俺は自由だ!)

 

 こう言うと、日菜ねぇのことを嫌いだと思われるだろうが、けしてそんなことはない。けしてないんだけど、せめて学食で待ち合わせぐらいにしてほしいんだよね。

 毎日突撃&連行からの公開処刑がほぼ毎日だからいい加減、俺のメンタルがヤバいのよ。

そもそも日菜ねぇの連行を振りほどけない時点で男としてヤバい気がする。いや、本気で抵抗すればふりほどけるはずだから……たぶん……おそらく……maybe。

 

 密かに筋トレをしようと心に近いながら教室のドアへ手をかけようとして――

 

ガラッ

 

「!!」ビクッ

 

「蘭-! お昼食べ……わわっ!!」

 

 突然ドアが開いたことで、驚いたものの俺は何とか踏みとどまる。

が、目の前の子はそうはいかなかったようでバランスを崩し、こちらに倒れ込んできた。

 

 さて、いきなりですがクエスチョン。

目の前の女の子が倒れ込んできました。どうするべきでしょう? 

 支える? その場合はどこを支えるべきでしょう? 肩? ゆっくり倒れてくるならそれもありだろうけど、わりと勢いがある。下手したら相手をケガさせかねない。男だったらそれでも大丈夫だろうし、手を前に出せばいいけど、女の子にそれやったら案件だしね。

 

 抱きとめる? 紗夜姉さんとか日菜ねぇならともかく、相手は見知らぬ女の子。一発アウトだろうね。

 

 結果――

 

ドーン!!

 

「ひまりちゃん!?」

 

「わ~お。ひーちゃんだいた~ん」

 

「ひまり、大丈夫か?」

 

「んん……大丈夫」

 

 とりあえず、彼女にケガはないらしい。

下敷きになったことでどっかを打ったりしてなくて一安心。

 

「ひまり! 氷川! 大丈夫!?」

 

 赤メッシュさんこと美竹さんが心配してくれた。

 

「ごめんなさい! 大丈夫!?」ガバッ

 

『ひまり』と呼ばれた子が急いで俺の上から避ける。

 

「支えようとしたんだけど、面目ない」

 

 受け止めるとこまではなんとかいったものの、勢いを殺せずにそのまま後ろに倒れこんでしまった。幸い頭を打たないようにはしたからなんともないが……

 

(弁当、ぐちゃぐちゃになってなきゃいいけど)

 

 受け止めることを優先して、弁当を放り投げてしまった。弁当箱自体は頑丈ではあるけど……

 

(汁物入っていたら泣くに泣けないからなぁ)

 

 肉じゃがとか煮物が好きではあるけれど、今日この日だけは入っていないことを祈った。

 

「私の不注意で、ごめんなさい」

 

 とりあえず起き上がり、ブレザーを脱いで埃や汚れをはたくと、ひまりさんに謝られた。

 

「いや、こっちも急いでて不注意だったからお互い様だよ。とりあえずケガがなくて良かった」

 

 ブレザーをはおり、弁当箱を拾って去ろうとした――

 

「あの……」

 

 ところで呼び止められた。

 

「一緒にお昼……食べない?」

 

 この時俺は相当なまぬけ面をしていただろう。

 

 

 その後、遠慮したものの押し切られるように話は進んでしまい、『先に席取っておくから』と別れて、悶々しながらも学食へ来たのだ。

 

「へぇ~、幼なじみ5人でバンド組んでるんだ」

 

「そう! Afterglowっていうの! ライブもしてるんだよ」

 

 説明してくれているのが、ひまりさんこと上原ひまり。彼女がリーダーらしいので少し驚いた。先程から喋っていてオムライスに手をつけていないけど大丈夫なのだろうか?

 

 目の前でラーメンをすすっているのが宇田川巴さん。

姉御肌というか、竹を割ったような性格というか、そんな印象を受けた。中等部ではかなりモテたらしい……同性に。確かに俺より男らしい気がする。

 

その右隣でパンをひたすら食べているのは青葉モカさん。ボーッとしたような顔をして何を考えているのか分からない印象だ。というか――

 

「青葉さん。よくそんなに食べられるね」

 

 痩せの大食いとでもいうのだろうか。紙袋から次々とパンを取り出しては食べている。よくそんなに入るもんだ。

 

「ふっふっふっ、食べたカロリーはすべてひーちゃんに行ってるから問題な~し」

 

「んなっ! モカ~!!」ウガ-

 

 あぁ、なるほど。そのカロリーがそこに凝縮されるわけですね。とても……柔らかかったです。

 

 宇田川さんの左隣でサンドイッチを頬張っているのは羽沢つぐみさん。商店街にある羽沢喫茶店の看板娘で、さらに早くも生徒会に所属しているらしい。かなりの頑張り屋さんだけど、バンド、バイト(家業?)、生徒会と掛け持ちして大丈夫なのかな?

 

 あ、目があった途端顔が赤くなってる。お食事中にじっと見てしまい、失礼しました。

 

 そして、我らが赤メッシュこと美竹蘭さん。

なんと実家が美竹流という華道の家元だとか。

想像つかないけど、スゴいです。

 

「夕輝は楽器とかなんかやってないのか?」

 

 ラーメンを食べ終わった宇田川さんが聞いてきた。

 

「俺はやってないなぁ。ただ、姉がやってるけど」

 

「お姉さんって、日菜先輩?」

 

「いや、うちの姉は双子なんだけどさ……花咲川に通う上の姉がギターやってるんだ」

 

「へぇ。仲はいいのか?」

 

「姉妹の仲はちょっとね……でも、俺が仲直りさせてみせるよ」

 

 のちにAfterglowのメンバーはこの時の表情を見た時のことを語る。

 

「頼りないはずの彼が怖く見えた」と――

 

 帰宅後、お昼を一緒に食べられなかった日菜ねぇのご機嫌をとるために小一時間ほどソファー替わりになってあげたのだった。

 

 

 




 afterglow、出しちゃいました。口調難しい(-ω-;)
感想、評価などお待ちしております。

ポピパ、ハロハピ編も書いた方がいい?

  • 許す! 書くことを許す!
  • ただでさえ話進まんのだからやめーや!!
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