2人の笑顔は夕日に輝く   作:ハマの珍人

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 日に日に増えるお気に入り、ありがとうございます。
朝、書き始め→仕事中に内容を考える→帰宅後、家事、アプリのログインボーナス、デイリーボーナス回収→10時頃執筆、寝落ち→深夜アニメ見ながら執筆。投稿後就寝

 という流れで投稿しているので、深夜での更新になってます。すみません。


第6話

『夜の帳が降りし時。我、研鑽の時を経て帰還! ただいま~、りんりん、ゆー兄』

 

『こんばんは、あこちゃん。それとお帰りなさい

(*´∀`*)ノ』

 

『おう、お疲れ~。どうだった?』

 

『もうくたくただよ~(>_<)』

 

『でもね、すっごく楽しい!!』

 

 あことリサ先輩が加入してから、本格的な練習を開始したようだ。と、言ってもリサ先輩はブランクがあるらしいし、あこもまだまだ荒削りなところもあり、各々技術の向上に励んでいるそうだ。

 毎日、燐子さんと俺はあこの今日の練習での苦労話、嬉しかったことなどの報告を聞いている。

 

 あんな感じに売り込んだ手前、ストイックな2人に囲まれて辛い思いをさせているんじゃないかと思っていたが、そこはリサ先輩が上手く緩衝材のように立ち回ってくれているらしい。本当にあの人には頭が上がらないな。

 

『いろいろ課題はあるんだけど、みんながビシッと揃うと嬉しくなっちゃうんだぁ~』

 

『揃わないときは何度もやり直すから疲れちゃうんだけどね』

 

『なるほど。だから姉さんは時々ギターを抱えたまま寝てるのか』

 

 この間、部屋の明かりがついていて、ノックをしたけど返答がない。

 部屋に入ると、姉さんがギターを抱えて寝ていた。

珍しいことなので写真を撮ったあとでベッドに寝かせて、ギターをしまおうとしたら、しっかり握って離さないし。執念を感じたね。

 

『何で当たり前のように寝ていることを知っているんですか?(-ω-;)』

 

『えっ、兄弟、姉妹なら普通確認しません?』

 

『えぇ……(;・д・)』

 

 燐子さんが引いてるみたいだけど、俺、変なこと言ったかな?

 

『あこの所はどう?』 

 

 巴だったら確認すると思うんだけれど……。

姉を持つあこなら同意してくれると思ったのだが――

 

『あれ? あこ?』

 

『あこちゃん?』

 

 しばらく待てども、あこからの返信がない。

ご飯や風呂で落ちる時はいつも断りを入れるはずなんだけど……

 

『寝落ちしちゃったのかな?』

 

『ちょっと、あこの姉に確認してみますね』

 

 スマホのコミュニケーションアプリを使って巴に連絡をとり、確認してもらう。

 

『寝落ちみたいです』

 

『バンドの練習で疲れてしまったんですね(´▽`)』

 

『ごめんなさい』

 

『どうしたんですか??』

 

『いえ、燐子さんに寂しい思いをさせてしまってるんじゃ……と思いまして』

 

 少し前までならあこと2人でチャットしたり、オンラインゲームをしていた。

 それが、俺と出会って、以前から興味があったとはいえバンドを始めて。

厳しい練習の末、ログインはおろかチャットする機会も減ってしまっている。

 

『そうですね。あこちゃんがバンドを始めたことで、一緒にゲームをする時間もチャットでお話する時間も減ってしまっているのは確かです。寂しい思いをしてないって言えば嘘になります』

 

『でもそれ以上に、毎日バンドで何があったかを嬉しそうに話してくれるので、私も嬉しいんです。お姉さんみたいにバンドをやりたいって聞いてましたし』

 

 燐子さん、いい人だ。

 

『それに、こうして夕輝さんともお話出来ますし、悲しいことばかりでもないんですよ』

 

『あ、ありがとうございます』

 

 おそらく、いつもの燐子さんなら言葉にしないだろう、本当の気持ちに、感謝と同時に、少し頬が紅潮するのを感じた。

 

 

「やっほ~、夕輝☆ 元気?」

 

 放課後、偶然リサ先輩と遭遇した。

背中にベースのケースを背負っていた。

 

「リサ先輩、お疲れさまです。今から練習ですか?」

 

「うん。いや~、ブランクあるから取り戻すのが大変だよ」

 

 そう告げる彼女の指を見ると、この間まで輝いていたネイルは跡形も無かった。さらに、差を埋めようと努力しているのだろう。手が少々荒れているのが見てとれた。

 

「あー……ほら、爪からシフトチェンジっていうの?イメチェンだよ。イメチェン☆ それにネイルしてると、ベース痛めちゃうし」

 

 俺の目線に気づき、ごまかすように笑いながら言った。

ふとある考えが頭をよぎる。

 

「ほら、なんて顔してるの」ムニー

 

「いふぁ、いふぁいれふ、りふぁふぇんふぁい」

 

 どうやらまたも顔に出ていたらしい。

リサ先輩に両方の頬を引っ張られ、もてあそばれる。

 

「言っとくけど、夕輝が気にすることはないんだからね? アタシがネイルをやりたいがためにベースを辞めた。で、今度は友希那を支えるためにまたベースをやる。これはその意思表示」

 

「それも、夕輝が踏み出すための勇気をくれたからなんだから、感謝してるよ。だから夕輝が後ろめたく思うことは無いんだよ?」

 

「それでも、もしアタシに対して後ろめたいと感じるなら、胸張って堂々としてほしいかな☆」

 

 あぁ、この人には本当に敵わない。

 

「ところで夕輝。ネイルしてみる気、な~い?」

 

「あ~……遠慮します」

 

「あ、ネイルまではいかなくても、形整えるだけでもいいよ? そういうところにも気を使える男の子ってモテると思うよ~?」

 

 なんだかんだ押し切られて、今度爪の手入れをしてもらうことになってしまった。

 

 

ポーン

 

「おん?」

 

 課題をやっていると、パソコンにメールが来ていた。

開いてみると、あこからで動画ファイルが添付されていた。メールには

 

『イヤホンひっす!』

 

 とだけ書かれていた。

 

(あこさんや、感心しませんなぁ。俺もキミも未成年なんだしそういうのはまだ早いと思うぞ? そもそも『ひっす!』ってなんだよ。何かのあだ名か略称みたいだぞ

 

 とりあえず『必須』の様なのでヘッドホンを外部端子に挿して、ファイルを開く……前に

 

ガチャ

 

「……」ミギヨーシ

 

チラッ

 

「……」ヒダリヨーシ

 

バタン

 

 部屋に誰か来ないことを確認して、ヘッドホンを装着。動画ファイルを開く。

 

「あ、練習中の動画か」

 

 けしてガッカリはしてないからね。

 

「……」

 

 思えば、4人でというか、リサ先輩とあこが演奏しているのは初めて見るな。

 

(これがあこが言ってた『バーンと決まる』ってヤツなのかもしれない)

 

 バンドのことはよく分からないけど、リサ先輩も『本当にブランクあるの!?』って思えるほどの演奏だった。

 

(これでもスゴいと思うんだけれど、まだ足りないのか……)

 

 せめてあと1つ、キーボードの存在が。

もっとも、キーボード以外でもいいのかもしれない。

 ただ、俺が唯一知っているバンド、『After glow』はギター2人(蘭がボーカルと兼任)、ベース、ドラム、キーボードが各1人からなっている。

 

(湊先輩はギター弾けるのかな?)

 

 ふと湧いた疑問。

たぶん聞いたところで、

 

「弾けないわ!」カミ、ファサー

 

 と自信満々に返すのだろうなぁと思う。なんとなくイメージ湧くし。そもそも湊先輩はボーカルに専念するべきだと思うし。

 

 ともあれ――

キーボードの加入は必須なんだろうなぁ。でも、あことリサ先輩とトントンと、上手くドラム、ベースが見つかっただけでも御の字なのだ。本来は早々見つかるものでもない。

 しかもただ弾けるだけではダメだし……

 

(燐子さんが弾けたら儲けものなんだけどなぁ~)

 

 ふと思ったものの、そうそう都合よくはいかないだろう。

 いくら燐子さんのお家がお金持ち(外観)で髪が長くて、清楚な服装だとしても(根拠のない偏見)ピアノを弾けるとは限らないし。そもそもピアノとキーボードの違いもよく分からないけど。

 

 そもそも俺、バンドの関係者じゃない(自他ともに認める部外者)のに何でメンバーのこと考えてるんだろう?

 

 (……ともかくあとで燐子さんに聞いてみるだけ聞いてみよう)

 

 意外とその機会は早く訪れることになる。

 

 

 今日もチャットをしていて、あこが寝落ちしてしまった。

 いつもならそこから少しだけ話して終わるのだけれど、この間思ったこともあるし、聞くだけ聞いてみることにした。

 

『燐子さん1つ聞きたいことあるんですけど、いいですか?』

 

『なんでしょう?ヽ(´▽`*)ゝ』

 

『燐子さんって、何か楽器を演奏出来たりします?』

 

 ピアノ、と限定せずに聞いてみる。

と、言っても燐子さんが演奏出来そうなものってなんだろう。

 ピアノはなんとなくイメージが湧くし、ギター、ベースはなんか違う。ドラムを叩けるとしたら見てみたい。

あとはバイオリンとか? その辺いっちゃうと、バンドじゃなくてオーケストラになっちゃうけど。

 しばらく間が空いて帰ってきた答えは、

 

『どうしてそう思うんですか?』

 

 出来る、出来ないではなく、どうしてそう思ったかという確認だった。

 

『なんとなく、ピアノとか弾けそうなイメージがありまして……根拠は無いですけどね』

 

 またしばらく間が空いて、

 

『夕輝さん。後日お時間ありますか?』

 

 帰ってきた返答は、驚くことに直接あって話がしたいというものだった。

 

 

 




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ポピパ、ハロハピ編も書いた方がいい?

  • 許す! 書くことを許す!
  • ただでさえ話進まんのだからやめーや!!
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