中央二次元描写世界管理会社   作:プット酢

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18 勇者の身内と話についてこれない魔王

先ほどの、俺の言葉から黒騎士はだまりこんでいた。話は聞いているようだが、自分からは話をしようとしなくなった。

 もしかして俺のせいなのか?と、気になったが、先ほどの嫌がらせを思い出し、気にかけるのをやめた。

 そして、俺は勇者に話しかけている。答えてはくれないが、こちらも話は聞いているようだった。俺だけしか喋っていないってことかよ!

「ああ、もうなんで、こんなに無視するのかなー。俺何もしてないのに・・・」

 その言葉に、勇者は激怒した。

殺意をむき出しにして俺をにらみ、「殺す」と叫んでいる。

「え、俺なんかしたの?」

 少し、ビビった。冷たい目で見られたことはあるけれども、こんなにもブちぎれた目で見られたことはない。ちょっと、人間関係というのが得意でなかったせいか、あまり人と係わってなかったので、こんな感情を向けられるのが初めてだった。すこし、戸惑っていると、黒騎士が怒りをあらわにしている勇者に向かって言った。

「なぜそんなにも威嚇してくるのかわからんが、お前がコイツを恨む理由はない」

 黒騎士の淡々とした言葉に勇者が叫んだ。

「そいつが、私の父を殺したんだ!!!」

 ・・・一瞬、時が止まったかのような、衝撃だった。

 俺が人を殺した?俺に、そんな記憶はない。『ディール記憶』の中にも無い。もしかしたら、憶えていないのかも、と焦る。

「いや、そんなことありえない」

 黒騎士からの発せられた言葉に、また驚く。もう何がなんだかわからない。

「コイツはな、人間の住む土地に入ったことなんてないんだよ。ましてや人間を殺すことなんて、絶対にありえない」

「父は魔王城の近くで殺されたんだ!首がもぎ取られて殺されていたんだ!」

「何で、魔王城の近くにいたんだ?しかも『殺されていた』ってことは、殺されるところは見ていないってことか?」

「見ていない。けど、父が並の魔族に殺されるわけない」

「だから『魔王に殺された』と言っているのか?だったらこいつは殺してないだろうな、弱いし・・・ってどうしたディール。膝抱えて?」

 俺は、膝を抱えて座わっていた。もう、何がなんだかわからないし、話聞いてもらえないし、あれ俺って、魔王になるんじゃなかったっけ?魔王ってもっと威厳があって強い人の事じゃなかったけ?ほら、織田信長とか。

「まあいいや。おい、人間、お前の言っていることは、嘘と言えることだな」

「どういう意味だ。私の父が魔王に殺されたというのが、ウソだと言いたいのか?それなら、なぜ父は、二年も帰ってこない?父の死に立ち会った者は口々に『殺された』言っているのだぞ!」

「知らねーよ。こちとら、魔王令で生物殺傷禁止令が敷かれているんだ。何があろうと、魔族が国内で人間を殺すことはありえない。人間殺して、死刑だなんて誰でも嫌だし・・・ってどうした、床に寝そべって」

 俺は、膝を抱えたまま寝そべり、一人、ネガティブなキモチになっている。

 全く、話に割り込めない。そのことでこんなにも落ち込むかと思うと、少しイラつく。

「おい、人間。コイツがお前の父親を、殺せる奴だと言えるのか?」

「・・・ふん。父がこんなやつに殺されてたまるか!」

 勇者が、俺をディスり、そのままそっぽ向いた。勇者の気持ちを落ち着かせるためとはいえ、俺をこんな気持ちにさせるのは、いかがなものか。まあ、他に手が無かったから別にいいけども。

「コイツが殺してないにしても、私の父は、魔族に殺された。それは、変わりないことだ」

 それでもなお、勇者は自分の父が魔族に殺されたと言い、俺達に対する態度は変わらなかった。

「だから~そんなわけないって。魔族内では、人間を襲ったりする奴なんていないての!だいたいな、なぜ、魔族の国に人間がいる?」

「・・・」

 勇者は黙った。何をしようとしていたのか答えない。

「この国に、人間がいたら珍しいさで、色々話題になっていると思うんだが。それがないのがな」

 黒騎士のさりげない圧力に、勇者は黙る。正直、見ているコッチもなんだか怖い。気の毒なので、止めてあげようと思ったその時、勇者は口を開いた。

「・・・わ、わからない」

 勇者はうつむき、震える声でそう言った。

「・・・殺されたトコを見たやつから、聞いていないのか?」

「父が死んだという事だけだ」

「・・・そうか」

 黒騎士は、少しこわばった勇者の回答に、何故か黙る。自分自身が求めていない反応だったのだ。人間が魔界(そういう名前かは、知らないけど、今、命名)に居るという事は、何かよからぬことを考えているのだと、高を括っていたのだろう。

「いや、あれだ。俺が言いたかったことは、この国に人間はいない。少し、紛れ込んだりはしていると思うが、俺の知っている限りではいない」

 黒騎士はそう言った。しかし、俺には腑に落ちないことがあった。何かは思い出せない。あ~、ここまで出かかって居るのに、もう少し、もう少し、あ。

「あ、右大臣、人間飼っているとか言ってなかった?」

 俺の言葉に、二人は唖然とした。

 

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