展開速くね・?
二次元に思いをはせる者なら一度は見たであろう夢。
それは、≪独りで寝ていたのに起きたら魅力的な異性が横にいた≫という夢。
例えば、『お兄ちゃん、おはよう。早く起きないと遅刻しちゃうゾ』とか、『おはよう、ん?何しているのかだって?お前の可愛い寝顔見ていたんだ』なんてシチュエーションだったりする。まあ、そんなものは、≪家宝は寝て待て≫なんていうことわざに惑わされたような夢である。違うか?
しかし、そんなことが現実に起きたらと考えてみろ、それって不法侵入じゃないか?
・・・と、色々と考えてみても現状は変わらない。
今の状況を説明しますと俺は、抱き枕状態なのです。大変なのです。寝て起きるとこうなっていました。どうしたらいいでしょう?助けてください。プリーズヘルプミー。
さて、俺がこんなに言うにも訳がある、今、俺に抱き付いているのは《カテーナ=リヴァイアサン》俺の許嫁様である。
この許嫁様が俺を抱き枕にしているのだ。カワイイ女の子に抱き付かれているのは嫌では無い。今『クソッ、リア充氏ね』と思った方、朗報です。
この許嫁様には、角が生えています。そして、俺のあごに軽く刺さっています。しかも怪力です。
あ~、全然、離れてくれない。締め付けも痛い。
助けを呼びたい気持ちはあるが、あごに角が刺さっているので口がひらかない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
どうすればいいんだぁー。
「・・・・・でぃ・・-る?」
カテーナが小さな声で俺の名前を呼んだ。
お、起きた。よし、このまま俺のあごから角をずらしてくれ、お願いだ。慎重に、慎重に。
「・・・ディ・・・ディール!?」
何故か俺の名前をもう一度呼び、ビックリして俺を突き飛ばした。
ああっ、そんなことしたら俺のあごを角がひっかいてしま・・・・。
ガッリッ
バァーン
ベッドの横の壁に叩きつけられた。なぜ?・・忘れていた・・カ・い・り・キだ。
「・・・痛い・・・」
「ディ、ディール、私の、よ、よ、よ、横で何をしているのだ!?」
何故・・・おまえが・・疑問形を・・使って・・・いる!聞きたいのは俺の方だ!
「けけけ、私たち、結婚してないから、ま、まだこ、こ、子作りの方は・・・////」
何を言っている。我慢ならねえ、言ってやる・・・・
「照れる前に、たすけて・・・」
・・・たすけてと。
あごから血が出ているし、全身痛い。本当に痛い。
「あ、ごめん」
そう言うとカテーナは俺を抱きかかえた、俗に言うお姫様抱っこだ。
俺は女の子にお姫様抱っこされるとは・・・・俺まだ女の子にお姫様抱っこしてないのに!
俺たちは、準備を終え俺の部屋を出る。さっきの、なんだったのだろうと考えながら血の止まったあごを擦る。痛い。
廊下を歩いていたら、ふと気づいた。俺は、何をすればよいのだろう。
よし、『理不尽許嫁』の称号を持っている横の人に聞いてみよう。
「カテーナ、俺は、今何をすればいい?」
「ぽっ///、私とデートかな/////」
「真面目に聞け」
「はい、・・・ごめんなさい」
なんか本気で謝られた。当然だ。
「ディールは、き、記憶を取り戻すって言っていたでしょ?」
「あっ、そうだった」
忘れていた、すっかり。いや、忘れていたわけじゃない。
起きたら痛い目にあって思い出す余裕がなかっただけだもん。
「どんなところが思い出せないの?」
カテーナは心配そうに聞いてくる。
「ん~この世界のこと、みんなとの思い出ぐらいかな」
細かいところがあるが、大きくまとめてこの二つか。
「わかった。私は、ディールが思い出せるように頑張ってそのことについて説明する!」
嬉しそうに自分自身に気合を入れたカテーナ。
「ああ・・・だったら、この世界を案内しながら説明してくれ。その方が理解・・・・思い出しやすい」
俺はとっさに思い付いた案を言ってみた。あぶねぇ『理解しやすい』っていうところだった。
「わかった。私、がんばる」
「あ、ありがと・・・」
そんなことを上目づかいで言われてしまったら、なぜだか変な気持になってしまう。でも決してムラムラしている訳では無い、断じて無い。こんな、人を壁に叩きつけるような女には俺はムラムラしない。べ、別に寝起きのこと根に持ってないし。
「そういえば、ディールに言ってなかったことがあるんだ」
「なんだよ?」
「昨日ね、ディールが記憶喪失になったことをみんなに言ったら、何故だか海外遠征に行っていたディールのおじさんと黒騎士の野郎が戦争ほっぽり出して帰ってくるんだって」
「へえ~・・・・・」
俺(ディール)のおじさんと黒騎士か~、確か黒騎士は親友ポジションで、おじさんは魔王の兄弟ってことだな。
記憶の中にはこの二人の外見以外の情報が多くあった。
おじさんは、ディールの父の弟で副魔王をしている人。
黒騎士は色々と相談事をしてくる人。
と、記憶にあった。アバウトすぎるだろ俺(ディール)の記憶。あと副魔王ってなんだ、副リーダーみたいなものか?
「先におじさんの方が帰ってくるらしいよ」
「それは、好都合だな。さっそく会ってみた・・・・・」
「会いたかったよー、My son――――」
後ろから大きな声が聞こえてきた、おっさんの声の様だった。
振り返ると本当に知らないおっさんが手を振り、傭兵のような人達に追っかけられている?そしてこっちに向かっってくる。
「お、おじさん!?」
カテーナがそう叫んだ。
「えっ、(あれが)お、おじさん?」
ビックリした。何故ならおじさんが優しそうな顔をしていたからだ。もっと怖い人だと思っていた。だって魔王(父)の兄弟だぞ。
おじさんは俺たちの前で止まると俺に抱き付いた。
「My son聞いたよ~。記憶なくしちゃったんだって~、可愛いそうに。よしよし、いい子いい子」
おじさんは、俺の頭を撫でてきた。しかも泣いている、うれし泣きなのか悲しさの泣きなのかはわからないがキモイ。
「おじさん、何でここに!連絡したのは昨日だよ!」
カテーナがそう言っている。
「それってビックリすることなのか?」
「ビックリすることだよ!5500kmも離れているところに遠征行っていたんだよ!」
「5500km!」
すごっ!5500kmっておよそのイギリスからアメリカまでの距離じゃないか!関係ないか。
「どうやって帰ってきたんですか?」
そうだ、どうやって帰ってきたんだ。5500kmを。
「走ってきた」
ナイス、ジョーク。アハハハハ、え、本当?
「なーんだ、走ってきたのか。納得です」
手をポン!と叩き納得するカテーナ。
「はあ?!納得できるか!どうやって5500kmも走れるの、一日で!」
俺は、もう文字列バラバラのセリフを言った。動揺していて。
「そ、そんなビックリされても・・・できるものは仕方ないし・・・」
おじさんは、焦りながら言い訳をしていた。
「いや、ディールもできるよ」
カテーナがまさかのことを言ってきた。まじか、俺にこんな隠された力があるとは。
これなら黒龍波でも使えるんじゃない。
「知らなかった」
「記憶なくなっているからね」
おじさんは、当然だと言うようにそう返した。
何故か、俺は罪悪感がすごい。
「その感じだと僕のことは、憶えているよね」
おじさんは、嬉しそうにそう言った。
「いや、全然」
「NOoooooooo!」
まさかの反応。エ~どんだけ、悲しんでいるの!英語になっているし。
まあ、茶番はここまでにして話を進めよう。
まず、初めにおじさん自身のことを話してもらった。
「初めましてじゃないけど、初めまして、君のおじの《ディールJr=ディアボロス・レークス》だよ、君の名前は僕からとったんだ。いいでしょ」
そうだったのか。でも普通は、父親からとるものじゃないのか?
「あ~、疑問に思っているね~。何で僕から名前をとったのかって」
「あ・・・はい」
見透かされた。いきなりのことで素に戻ってしまった。キャラ、守らなきゃいけないのに。
「それはね。君のお父さんの名前がサタン100世だったからみんなで話し合ったの、これ以上同じ名前の魔王が続くと誰のことを言っているのかわからなくなるからね」
エ~、もうちょい前に気付けよ。20世ぐらいの時に気付けたでしょ。ルイ君も18世ぐらいまでしかいないよ。どれだけの年月経っているんだよ、確か俺200歳じゃなかった?
「だから、ディールが初めてのサタンじゃない魔王なのだ」
カテーナが自慢げに言う。なんでお前が自慢しているの、俺のことだぞ。後、気付け。ここには、ディール二人いるぞJrと三世(俺)。なんかJrって聞くと某芸人さんみたいやな。
「カテちゃん、それじゃあどっちのこと言っているかわからないじゃない」
「そうだった、おじさんもディールだった」
「もう、おっちょこちょいなんだから」
おじさんがカテーナのオデコをツンとつついて、カテーナは『てへへ』と照れていた。なんにこれ。話進まないし。
「あ!」
おじさんが何かを思い出したように声をだした。
「まずいわ。今日帰るって軍曹たちに言って出てきちゃったの。帰らないと」
「え、どこに帰るんですか?」
カテーナがアホな質問をする。遠征先に決まっているだろうが。
「ゴメンね~、My son。あとは、カテちゃんに聞いてね。あなたのことならこの子何でも知っているから、生年月日から***のサイズまで。じゃがんばってね~」
そういうと目にもとまらぬ速さで走り去っていった。チョと待って、いろいろ聞きたいことあるんだけど!あと最後の『***』って何?!なんで最後方、オネェみたいなしゃべりかただったんだよ!
ツッコミをしようとしたがもういなかったのでカテーナの方向を向くと、カテーナは顔を赤くしていた。
「///、わ、私が知っているのは、190歳の時のモノだけなんだから・・・///。また大きくなっていると思うし、/////」
えっ、何この反応。もしかして『***』って、俺に生えているこの『勇者の剣』のことか!
なんで、最後に下ネタになったのだろう。これからが大変そうだ。
すいません。また失敗しました。