IS×DX~二番目は「背教者」の業を背負う者~   作:風森斗真

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決闘~3.vs例外第一号:開幕~

インターバルが終了し、いよいよ、勇人と一夏の一騎打ちが始まろうとしていた。

 

『そろそろ時間だ。月影、発進の準備を』

「了解」

 

千冬からの通信に勇人が応えると、勇人は蒼穹を展開し、カタパルトへ移動しようとした。

だが、蒼穹をまとった瞬間、個別通信(プライベートチャンネル)で勇人に通信が入ってきた。

送ってきた相手は、千冬だった。

 

『突然すまないな、月影。ひとつ、頼まれてくれないか?』

「わざと負けろってんならごめんですよ?セシリィはともかく、あいつにゃ拳骨の十発も食らわせないと腹の虫がおさまらないんで」

『馬鹿者。そんなことを頼むと思うか?』

「てことは、スパルタでいいんですね?」

『むしろこっちから頼みたいところだ。あいつには世界の広さを知ってもらわないとな』

 

このタイミングで通信してきた理由は、一夏に対して一切の手心を加えるな、ということを伝えたかったためのようだ。

手心を一切加えるつもりがない勇人にとって、その要請はむしろ、こちらから許可を得たい、とすら思っていたことなので、勇人は二つ返事でそれを了承した。

その答えを聞くと、千冬は安心したように笑みを浮かべ、以上だ、と言って通信を終わらせた。

千冬からの通信が終わると、今度は簪の声がピット内に響いた。

 

《勇人、発射準備できたよ》

「了解」

 

準備が整ったことを簪のアナウンスで知ると、勇人はカタパルトまで移動し、発射姿勢に入った。

それと同時に、簪はセシリアの時と同じアナウンスを流した。

 

《システム、オールグリーン。進路、良好……発進、どうぞ!》

「月影勇人。蒼穹、出る!!」

 

簪のアナウンスに従い、勇人が発進の合図を出すと、カタパルトが動き、勇人をアリーナへと射出した。

アリーナに出ると、すでに待機していた一夏が白式をまとい、空中で待機していた。

 

「よぉ、第一例外。こっぴどくやられたって?」

「聞いてたのかよ……まぁ、そうだな。もうちょっとやれると思ったんだけど」

「終了間際だったとはいえ、最適化(パーソナライズ)一次移行(ファーストシフト)も終わってない、初期(デフォルト)の状態でやりあっても瞬殺されなかっただけ上々じゃないか?」

 

勇人の素直な感想を聞いた瞬間、一夏は目を丸くした。

いままで自分のこと散々けなしてきた勇人が、はじめて自分に称賛の言葉を送ったのだ。

驚くな、というほうが無理な話だろう。

 

「まぁ、だが」

 

ちゃきり、と鍔鳴りの音が聞こえてきた。

見れば、勇人の手には一振りの刀が握られており、その切っ先は一夏に向いていた。

 

「勝負とあっちゃそんなことはどうでもいいことだ。全力でぶっ潰してやるから、抗って見せろ、すべての元凶」

 

殺気を解き放ち、勇人は一夏にそう告げた。

ぞわり、と体中の毛が泡立つ感覚を覚えた一夏だったが、目をそらすことはしなかった。

 

――さっき誓ったばかりなんだ。千冬姉ぇの名前を守るって!こんなところで引いてられるか!!

 

白式唯一の武装、《雪片弐型》を構えながら、目の前に立ちはだかる敵と戦うことに集中し始めた。

その闘志を、悪くない、と感じた勇人は、もう片方の刀を抜いた。

 

その瞬間、試合開始のブザーが鳴り響いた。

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