IS×DX~二番目は「背教者」の業を背負う者~   作:風森斗真

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例によって、一夏と鈴音の戦闘描写、それから無人ISとの戦闘は削ります
なお、オリジナル展開として、セシリアと簪の間にPロイス友情が芽生えとります
Nロイスは……考えます(汗



クラス代表対抗戦~謎のIS、乱入~

鈴音の一夏へのプロポーズが、なぜか「酢豚をおごる」という約束に変換されていたことを愚痴られてから数日。

IS学園はクラス代表対抗戦の日を迎えた。

 

本来は簪も出場する予定だったのだが、刀奈からのアドバイスを受けて、システムの調整を行っていた結果、結局、弐式の完成を間に合わせることができず、出場を見合わせることになった。

そのため、当初の予定通り、簪は不参加、ということになり、現在、本音とともに勇人の隣にいた。

 

ちなみに三人のすぐ近くには箒とセシリアの姿もあった。

セシリアはどうやら簪が位置を教えたらしい。

打鉄弐式の稼働テストの時から、二人ともそれなりに打ち解けたようだ。

軽く挨拶を交わした二人だったが、アリーナのほうを見て、少しばかり顔をひきつらせた。

 

「な、なぜか険悪な雰囲気がしますわ……鈴さん、以前お会いした時よりも雰囲気がとげとげしてません?」

「うん……なんで、始まる前からすごく険悪なムードなんだろう……?」

「どうせ、イチのせいだろ。あいつ、かなり鈍いから」

「鈍いんだ?」

「えぇ。もはや朴念仁の神、『朴念神』ってレベルですわ」

「……まったくだ……」

「うんうん……しののん苦労してるもんね~」

 

ひどい言われようではあるが、一夏に惚れている箒はそっとため息をつき、本音は苦笑を浮かべながら二人にそう返した。

そうこうしているうちに試合が始まり、一夏は先手必勝とばかりに鈴音にむかって突進を仕掛けた。

だが。

 

「甘いっ!」

「なっ??!!」

 

突然、一夏の横を見えない何かがかすめた。

紙一重でその何かを回避した一夏だったが、鈴音の攻撃は止まらない。

謎の攻撃を前に、一夏はきりきり舞いさせられるという光景をアリーナ席で見学する観客全員に目撃されることとなった。

 

「ん~?あの攻撃はいったい……??」

「おそらく、衝撃砲ですわね」

「空気を空間ごと圧縮してって、あれか?」

「うん……いわゆる空気砲みたいなものって思ってくれれば十分。けど、ここまで高い完成度のものを作れたんだ」

 

セシリアも簪も驚愕で目を丸くながら、鈴音のIS《甲龍》のスペックの高さと中国の技術力、なによりそれを自由自在に使いこなしている鈴音の力量を純粋に称賛していた。

唯一、一夏の勝利を祈っている箒だけは、心配そうなつぶやきを漏らしていた。

 

「弾丸はおろか砲身すら見えない攻撃……いったいどう対処すればいいんだ?」

「……攻略法がないわけじゃないようだな」

「「え?」」

「うん~?」

「そうですの?」

 

勇人の言葉に、簪と箒、本音は首を傾げた。普通、目に見えない銃身と、そこから発射される弾丸を回避するなどという芸当は、おそらく地上最強と謳われる織斑千冬(ブリュンヒルデ)か、無手を以って最強と言わしめる流派を受け継ぐ伝説の一族くらいにしかこなせない。

だが、それは初見では、という話だ。

現に、初撃こそ命中したかけたものの、一夏は先天的に持ち合わせているのであろう危険回避能力で残りの砲撃をすべて、紙一重のギリギリで回避してのけている。

 

「参考までにうかがいますが……その攻略法というのは?」

「視線」

「……まさか、標的を視線で追っている、と?そこから狙いを見極める、ということですの??」

「そういうこと」

 

本来ならばロックオンシステムを使うところなのだろう。だが、ISの機体の問題なのか、それとも衝撃砲の武器としての特性上の問題なのか、いずれにしても、対象を目視する、というアナログ対応をするしか、照準をあわせることができないようだ。

そうなると、必然的に相手が見ている先に注意していれば、いくら不可視の攻撃であるとはいえ、回避することも可能、ということになる。

なお、それをできるレベルになるまでには相応の鍛錬が必要になる。それができる、ということは、かなりの実力を有している、ということの裏付けでもある。

そうこうしているうちに、アリーナの二人が本気でぶつかり合いを始めようとした。

 

「……っ?!伏せろ!!」

 

その瞬間だった。

突如、アリーナに何かが乱入し、アリーナにいた一夏と鈴音を攻撃し始めた。

突然の乱入者に、観客席にいた生徒たちは混乱し、避難のために入口へと殺到したのだが。

 

「あ、開かないっ?!」

「なんで?!どうなってるのよ!!」

 

避難口として指定されているゲートが完全に閉ざされ、生徒たちはパニックに陥っていた。

 

「……ちっ、どこのどいつか知らんがはた迷惑なことを……簪!!」

「わかってる!やってる!!」

 

勇人に声をかけられる前に、簪は持ってきていたデバイスを使い、学園のシステムに侵入し、ゲートをロックしているプログラムの解除に取り掛かっていた。

数分もするとロックが解除され、ゲートが開くと、我先に、とばかりに生徒たちはアリーナを脱出し始めた。

だが、まだパニック状態にある以上、二次災害が起こる可能性は否定できなかった。

 

「セシリィ、妹!お前さんらはゲートの外に出ようとしてる連中の避難誘導を!!本音と簪は俺と一緒に移動できない重傷者がいないか確認!」

「「「は、はいっ!」」」

「わ、わかった!」

 

周囲がパニックにある中で、勇人の厳しい声に四人が返すと、行動を開始した。

そんな中、《蒼穹》に個別通信が入ってきた。

 

『勇人くん、いまどこ?!』

「楯無か……アリーナだ。簪と本音と一緒に避難しそびれたやつがいないか確認に向かっている」

『三人とも無事なのね?』

「いまのところは……で?どこの馬鹿だ、ありゃ」

『わからないわ。こっちも調べてるし、先生たちもどうにか通信を試みてるけど、まったく答える様子がないの』

 

どうやら、更識の情報網にも引っかからなかった存在が、IS学園に襲撃してきたようだ。

ひとまず、アリーナにいる謎のISは一夏と鈴音に任せることにして、勇人は生徒の避難と安全確保を優先することを楯無に伝え、通信を切り、簪と本音とともに行動を再開した。

 

「どうだ?」

「こっちは誰もいなかった」

「こっちも大丈夫~」

「こっちにもいなかった。そんじゃ、俺らもここを離れよう!」

 

数分して、合流した簪と本音が避難完了を伝えると、勇人は二人とともにアリーナを後にした。

三人がアリーナを離れてから数分後。

一夏と鈴音のコンビはSEの大半を犠牲にして敵性ISに大きな損害を与え、セシリアの狙撃により、ISは沈黙。

一連の襲撃事件は幕を閉じるのだった。

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