IS×DX~二番目は「背教者」の業を背負う者~ 作:風森斗真
まぁ、ゆうても少し短いのですが
なお、予定としてはあと2~3話くらい入学前日譚を書いてから、晴れて本編第一話に入っていくことになるかと
まぁ、ひとまずどうぞ
その少年……
インフィニット・ストラトス、通称IS。
史上最高の天才にして《天災》と呼ばれる、篠ノ之束によって開発された、宇宙での活動を目的として作られたマルチフォームスーツだ。
だが、なぜか女性にしか扱うことができず、さらにISそれ自体が一騎当千の戦力として扱うこともできるため、女性の権威が勢いづき、女尊男卑ともとれる風潮が浸透していった。
だが、世界はすでに変化していた。
有史以前より存在している、とされる謎のウィルス。通称、
「背教者」と名付けられたウィルスの発症が確認した、一人の少年の誕生によって。
だが、世界はその事実を知ることはない。
表側にも裏側にも、彼がそのウィルスの唯一の発症者であることを、誰も認識できなかったのだから。
この少年とISが出会ったとき、世界に大きな波が訪れる。
その波に飲まれ、世界は消えるのか、それとも生き残り、さらなる変化を迎えるのか。
それこそ、誰も知ることはなかった。
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――あぁ、いい加減にしてほしい……
蒼い光を放つ装甲をまとった少年、いや、青年といっても違和感がない人物は、目の前で宙に浮いている同じような装甲をまとった女性を前にして、陰鬱そうなため息をついた。
女性の方は、頬に冷や汗を伝わせながら、肩で息をしていた。
よくよく見れば、体のあちこちに小さな傷のようなものが見える。
「……くっ!まさか、ISに相当する攻撃力を持つ
「あぁ……浸透してるのな、その通り名……まぁ、どうでもいいんだが」
その呼び名の由来なのか、装甲をまとう彼の手には、装甲と同じく、蒼い光を反射している弓が握られていた。
だが、そこにはつがえられるべき矢がない。
矢がない弓など、ただの棒切れと同じ。
そう考えていた目の前のIS乗りは、すぐにその考えが間違いであることを認識させられることとなる。
「はっ!さっきまでの刀ならいざ知らず、矢のない弓なんざ……」
「……その認識が、そもそもの間違いなんだよ。IS乗り」
手にしたISの装備であるライフルの銃口を青年に向け、引き金を引こうとした瞬間、すでに青年の姿はなかった。
探す間もなく、青年の声が背後から聞こえてきたことに気づき、IS乗りは振り返り、そこにあった光景に目を疑った。
青白い光に、青年のまとう装甲と青年の顔が照らされている。
その光は、青年が手にしている弓から出ているものだ。
光は徐々に大きく、力強くなり、まるでいまにも飛び出してきそうな印象を受けた。
――どんなトリックかはわからないが、ISの絶対防御を……
突き抜けることができるはずはない。
IS乗りのその認識は誤りではない。
ISには操縦者の生命維持と安全のため、一定以上の衝撃から操縦者を守る、絶対防御が備わっている。
そのため、現代兵器のほとんどの攻撃では、IS操縦者はおろか、IS本体を傷つけることも難しい。
だが。
「ISの絶対防御を突き抜けるなんてことがあるわけない、お前はそう思ってるだろ?」
「なっ?!」
「教えといてやるよ。人間が造ったものに"絶対"なんてもんはない」
青年はそう言い放つと同時に、弦を引く指を離した。
その瞬間、青白い光はまっすぐにIS乗りに向かっていった。
IS乗りはその光を受け止めようと、反射的に両腕を胸の前で交差させた。
光の正体はおそらくは電気。それも、かなり高出力で放たれたもの。
そこまでわかれば、回避することが難しく、むしろ絶対防御を頼って受け止める方が無難であると、IS乗りは考えたのだろう。
だが。
「なっ?!ぜ、絶対防御が……ぐあぁぁぁぁああああっ!!」
絶対防御をすり抜け、青白い光はまっすぐにIS乗りの眉間に命中。電気エネルギーはこの場にある物体の中で最も伝導率が高いIS乗りの体をめぐり、黒焦げにしてしまった。
光が収まると、IS乗りが立っていた場所にISの装甲と、ぶすぶすと煙をあげている、炭のようなものがその場にあるだけだった。