IS×DX~二番目は「背教者」の業を背負う者~   作:風森斗真

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文字通り、束さん初登場回です
まぁ、若干、束さんの設定を独自解釈してしまってますが、そこはそれ、ということで


天才にして《天災》との邂逅

「……で?いつまで付いてくるんだ?」

「あっちゃ~……気づかれたかぁ。このステルス装置、結構自信ありだったんだけどなぁ」

 

刀奈に後片付けを任せ、帰路についていた勇人だったが、誰かの気配を、いや、何者かを探知(・・)した勇人は、ほかに人がいないことを確認して、問いかけてみた。

すると、意外にも素直に尾行していた人物は姿を見せた。

金属のような光沢を持っている兎耳のカチューシャに、『不思議の国のアリス』の主人公、アリスを思わせるデザインの服を来た女性。

その姿を知らない人間は、おそらくいないだろう。

彼女こそ、インフィニット・ストラトス、通称ISを開発し、世界を変質させた張本人。篠ノ之束だ。

 

「……で、博士が何の用で?聞けば、世界最強の戦姫(ブリュンヒルデ)とその弟、それとあなた自身の妹以外にはまったく興味がないはずでは?」

「そうだったんだけどね~……ちょっと気が変わったのさ」

「気が変わった?」

「うん♪なにしろ……束さんの同類かもしれないからね、君は」

 

自分と同類。つまり、異能を有している、ということか。

そう推測した勇人だったが、それを確認する暇もなく、束が質問をぶつけてきた。

 

「ところで、この天災である束さんの同類の君に聞きたいことがあるんだけどな~」

「……この世界をどう思うか、ですか?」

「ザッツ・ライ☆察しがいい子は大好きだよ~♪」

「ははは……そうですね……くだらないと思いますよ」

 

心のうちに秘めている、本当に思っていることを、勇人は束に伝えた。

発症条件や症状などが一切わからない謎のウィルス。発症したものは、様々な能力を身につけ、最後には己の欲望という衝動のままに行動するようになってしまう。

そんな人の身には過ぎた、危険なものを体に宿してしまったがために、人間の欲望に振り回されてきた。

更識に保護されてからはそういうことは少なくなったが、世界を、いや、人間という種がくだらないという想いに至るまで、さほど時間はかからなかった。

 

「へぇ~?」

「けどま、いますぐどうこうしようって気にはなりませんがね」

「ほぉほぉ?そりゃまたどうして??」

「恩義がある人たちがいますから」

 

言わずもがな、研究施設から救い出してくれた更識の人間である。

特に、ひどい人間不信に陥ってから親身になってフォローしてくれていた簪と刀奈、そして付き人二人には強い恩を感じている。

ゆえに、敵対するつもりはないし、どちらかといえば、庇護の対象となる。

世界がどうなろうと知ったことではないが、少なくとも彼女たちだけは守りたいというのが、勇人の本心のようだ。

どうやら、それは束も同じだったらしく。

 

「ぷっ…………ははっ…………あっはははははははっ!!まさか、ここまで束さんと同じ思考回路を持っているとはね!!」

「え?」

「やっぱり君は興味深い!同類(お仲間)かもしれないという点もそうだけれど、考えてることがほぼ一緒というのも気に入ったよ!!」

 

何が何だかわからないが、とりあえず、勇人は束に気に入られたらしい。

ひとしきり笑った後、束は静かに一つの結晶を勇人に差し出した。

 

「……これ、まさか?!なんで俺に??!!」

「ふっふふ!理由は君を気に入ったから、の一言に尽きるね!!ゆーくん!!」

「……あ、俺のあだ名ですか……コアだけってことは、機体(外側)は自分で作れってことで?」

「そゆこと♪見たところ、君が使ってた強化装甲はオリジナルみたいだからね」

 

やっぱりか、と勇人は苦笑を浮かべた。

もっとも、そろそろ新しい強化装甲を作ろうかと考えていたため、ちょうどいいかもしれない、とも思っていたのだが。

 

「それじゃ、君のISがどんな活躍を見せてくれるか、期待させてもらうよ♪たぶん、近いうちにまた会うことになるだろうけど」

 

それだけ告げて、もう用事は済んだとばかりに束はその場から立ち去って行った。

その背中を見送ることなく、勇人は再び更識の屋敷へむかった。

 

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それから数か月という時間が流れた。

勇人は束から与えられたISのコアのための外装(装甲)を作り上げ、使いこなすことができるようになってきたころ。

ある情報が更識の耳に届いた。

 

本来、女性にしか起動することができないISを起動させた男性が現れた。

 

その情報が届いたとき、勇人の運命は大きく動き出した。

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