成り行き任せのポケモン世界   作:バックパサー

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第15話:黄昏の島

 

 

 

『長らくの御乗船、お疲れさまでした。本船は間もなく、北グレン港に到着致します。下船される際はお足元に注意し、お取り忘れがございませんよう、今一度お荷物の確認をお願い致します。本日は高速船シーケンタロスをご利用いただきまして、誠にありがとうございました。またの御乗船をお待ちしております』

 

 

 

 

 

 オーキド博士からポケモン図鑑を貰い、ついでにヨーギラスを押し付けられた日の翌日。オーキド博士とナナミさんの見送りを受けて、サカキさんが事前に手配していたチケットを使いマサラ発グレン行の午前中のフェリーに乗船。そのまま波に揺られること半日あまり。来たぜ南国グレンタウン。南の海の孤島故か、はたまた活火山島故か、思っていたよりも幾分か風も空気も暖かい気がする。

 

中身が心許無い財布をさらに軽くして事前に酔い止めを飲んでいたおかげか、幸い船酔いはしなかった。が、船を降りた後も足元が揺れているような不思議な感覚に襲われている。下船病っていうらしい。向こうでも数えられる程しか船には乗ったことがないし、中々慣れない感覚だ。

 

マサラタウンからここまで高速船で約半日。マサラを発ったのが午前中の早い時間で、今が日も若干傾き始めているかという夕方目前の時間帯。やりたいことをするには時間が足りず、かといって何もしないで過ごすには長すぎる、何とも対応に困る微妙な時間帯だ。

 

 

 

とりあえず、現状最優先ですべきことはポケモンセンター・ポケモン研究所・グレンジムの位置の確認か。特にポケモンセンターはグレンタウンに限らず、トレーナーにとってはその街に逗留する間の拠点となる場所だ。時間的にも夜が近いし、すぐにでも部屋を押さえる必要がある。遅くなって「満室です」なんて言われての野宿はあまりしたくはない。旅に置いては『メシより宿』って格言(?)もあるぐらいだし、余裕を持って部屋は確保しておきたい。

 

と言うワケで、波止場に設置された案内看板を見てみたんだが、火山絡みで立ち入りが制限されてる区域が広すぎて、元からそんなに大きな島ではないのに人の生活圏はそれに輪をかけて狭い様子。実際、金銀クリスタル版では火山の噴火でグリーンが黄昏てるだけのただの岩山になっちまってたしなぁ。

 

 

 

…ということは、だ。ゲーム通りに進むのなら、この町は何年か後には消えてなくなってしまうことになる。噴煙で灰色に染まる空、島全域に降り注ぐ噴石、流れ出る溶岩流と熱したバターのように呑まれ消滅する街並み、逃げ惑う人々…想像すると何とも悲惨な光景が脳裏に浮かび、つい眉を顰める。新天地に到着早々少し憂鬱な気分になった。

 

まあ、そんな何年も後のことを今考えても仕方がないし、自然相手じゃ人間1人が騒いだところでどうにかなるもんでもない。また違った未来が待っている可能性だってある。だから俺は今これからの事を考えてりゃいいんだ。

 

 

 

改めて案内看板を確認すると、まず街並みについてはあまりゲームから変化がないのが分かる。島の中心から見て北側のど真ん中と南東側に港があり、北東側にグレンジムがある。それ以外の主要な施設は南側に集中しているようで、南西の端に目的地のポケモン研究所、真南には住宅街が広がりポケモンセンターとフレンドリィショップのマークも見られる。

 

北西側には特に何も書かれてないが、この場所からだとデカい屋敷があるのが確認出来る。あれがおそらくポケモン屋敷だろう。ゲームにはなかったがそれ以外の場所は火山の関係で侵入禁止・制限区域となっているようだ。

 

で、北側ど真ん中にある北グレン港が俺の現在地。ポケセンまでは海岸沿いにグレンジムの前を突っ切ってそれなりに歩く必要がある。となると、あまりグズグズしてはいられないな。急がないと日が暮れてしまいかねん。その後のことは、とりあえずポケセンに着いてからだ。

 

 

 

港を離れて少しの所にあるのがグレンジム。ほのおタイプのジムということでか、外壁に燃える炎の模様が描かれた目につく外観の大きな建物だ。グレンタウンに来た目的の1つではあるが、今はこれを平然とスルーし海岸に沿って早足で南下。海岸にはヤドンとかコダックとかパウワウとか、初めて見る野生のみずタイプのポケモンがそこかしこにいたが、のんびり眺めている暇もなく、遠くに見える街並みへ向かって黙々と歩き続ける。

 

そうして空がオレンジ色に染まる頃には、無事グレンタウンの市街地に到着。迷子になることもなくポケモンセンターも見つかり、特に問題なく部屋を取ることが出来た。

 

宛がわれた部屋で一息ついたところで時計を確認するが、針が指し示す時間は世間一般的には夜に片足を突っ込んでいる時間。流石に届け物までは難しいと判断し、今日はこのまま休むこととして、グレンタウン上陸初日は終えた。

 

 

 

 

 

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「…え、不在?」

 

「ええ、わざわざ来てくれたのに申し訳ないのですが…」

 

 

翌日、ポケモンセンター受付でしっかりと所在地の確認をした上で、サカキさんからの届け物を携えポケモン研究所を訪ねた俺を待っていたのは、担当者…受取人が不在であるという答えだった。

 

サカキさんからは、事前に『アサマ』という研究者に預かった書類一式を渡すよう指示を受けていた。出資している研究の責任者がその研究者らしい。しかし対応してくれた職員さんによると、件の人物は数日前に急な出張が決まり、昨日までの日程でタマムシシティへ。ところが機械のトラブルのせいで乗船予定の船が動かず、かなり遅い時間帯の便だったこともあって代わりの船も無く、結果港のあるクチバシティで足止めを食ってしまったということらしい。

 

 

「と言っても1日ずれただけだから、明日には戻って来ると思いますよ。どうしても…ということでしたらこちらでお預かりしますが…」

 

「そうですか…わかりました。では、日を改めてまた伺います」

 

「うん、それが良いでしょう。アサマには帰り次第伝えておきます」

 

 

いきなり出鼻を挫かれることになったが、いないものは仕方がない。しかし、そうなるとどうしたものか。予定ではコレを片付けてから…と思っていたんだが、初っ端から予定が狂ってしまうとは思わなかった。

 

どうする?このままジム戦に挑むか?と言うか、ゲームではポケモン屋敷でカギを拾ってこないとジムに入れない仕様だったけど、大丈夫なの?いっその事今日はジム戦を諦めて、ゲーム通りにポケモン屋敷まで足を運んでみるか?確かほのお・どくタイプの野生ポケモンの楽園と化してたはずだし、シナリオ後半のダンジョンなだけあって結構レベルも高めだった。良い訓練になるのではないだろうか。

 

 

 

…いや、その前に情報収集だな。先のギミックのこともあるし、ゲームでのジム内部のギミックであるクイズマシーン()のこともある。それに、ゲームとの差異が存在する可能性も考慮しておいた方がいいか。

 

 

「…所で、少しお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

「ええ、構いませんよ。何でしょう?」

 

「実はこの後、グレンジムに挑もうかと考えているんですが、グレンジムってどんなところでしょうか?」

 

「グレンジムに…ってことは、君はポケモントレーナー?」

 

「ええ、はい。一週間前に旅立ったばかりの新米ですけどね」

 

「一週間前?もしかして、ジム挑戦はグレンジムが初めてですか?」

 

「はい。本当は先に御使いを片付けてしまいたかったんですが、アサマさんがおられないのでは仕方がありません。で、グレンジムはどういうジムなんでしょう?ほのおタイプのジムとは聞いているんですが…」

 

「そうですね、グレンジムはほのおタイプのポケモンを専門に扱っているジムです。ジムリーダーのカツラさんは元々研究者で、以前はここの研究室に所属していたこともあります。そのためか、ジム挑戦者に対しても知識を要求するそうですよ」

 

「知識を要求?テストでもあるんですか?学校みたいな」

 

「そのとおりです。ポケモンに関する筆記試験…テストをやってもらって、その結果で挑戦者を選別していると聞いています。午前中にテスト、午後から選抜した挑戦者とジム戦を行う…というスケジュールみたいです。ですから、ジム戦に挑まれるのでしたら午前中の早い内にエントリーして、まずテストを受ける必要があります」

 

「早い内…」

 

 

そう言われて、ポケギアで時間を確認する。表示されている時刻は9時38分。昨日グレンジムからグレンタウン市街まで掛かった時間を考えると…考えている時間はなさそうだ。

 

 

「今の時間なら、急げば十分受付に間に合うと思いますよ」

 

「わかりました、今日のところはこれで失礼します。情報ありがとうございました!」

 

「頑張ってくださいね。アサマには戻り次第伝えておきますので」

 

 

職員さんに御礼を伝えると即座に研究所を後にする。ここからグレンジムまで歩いて向かうとなると、12時までに間に合うかはかなり怪しい。ギリギリな時間になりそうなことを理解した俺は、来た道を走り出す。幸い、邪魔になりそうな荷物は全部ポケセンに置いてある。

 

さあ、今こそサカキさんに扱かれ続けた特訓の成果を見せる時だ。見せるところ違う気もするが、体力ついたのも成果の一つだし何も間違ってはいない。いないったらいない。

 

 

 

 

街中を駆け抜け、喧騒を振り切り、潮風を切り裂いて海岸線を直走る。春先とは言え南国らしい日差しに汗だくになりながらも、昨日よりはるかに速く景色が流れていく。走り続けたことで若干脇腹の辺りが痛くなってくるが、いつものことだ。気にするほどのものでもない。

 

海岸線を北上するに従い、グレンジムがだんだんと大きくなってくる。ホント、遠目からでもよく目立つ外観だ。ジムがもう目前となったところで走るのを止め、汗を拭う。

 

時計を確認すれば、表示された時刻は10時47分。『時間がない』と急かされて反射的にここまで駆け抜けたけど、問題なくそれなりに余裕を持って到着出来たようだ。火山島故に若干の起伏があり走り辛かったところはあったが、良い運動になったと思っておくことにしよう。

 

ところで、試験って言ってたけどどんな問題出されるんだろうね?ゲームよろしく『技マシン28の中身はしねしねこうせんである』みたいな〇×問題でも出されんのかね?それと、ジムトレーナーとのバトルってあったりするのかな?トキワジムは普通にジムトレーナーと戦ってからリーダー戦の流れだったけど。

 

 

 

そうこうしている間も歩みは止めず、気付けばジムが目の前に聳え立っている。そのことに何か思うこともなく、取り留めもなくジム戦のことを考えながら息を整え、ジムの入口へと手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

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 グレンジムにはカギが掛かっていて入れなかった…なんてゲームみたいなことはなく、普通に入って受付のおっさんに名前・年齢等、色々必要事項を記入するように言われて書き、トレーナーカードを提出した後に部屋に通された。部屋の中には長机が並び、20人ぐらいの人が1つの机に2人ずつ座って時間が来るのを待っている。経験豊富そうなオジサンもいれば、新進気鋭の若者もいる。これ、全員がジム挑戦者か。

 

真ん中の列の前目左側の席に座り、軽く周囲の様子をうかがってみる。全員が全員、ノートやら参考書のような分厚い本やらを広げて睨めっこしている。受験か何かかな?って言うか、これって対策が必須なモノだったりするの?何も準備してないんだけど、どうしたらいいの?あと、若者もいるにはいるけど明らかに俺だけ突出して若い。場違いな感じがすごい。

 

 

 

周囲との温度差に居心地の悪さと焦りを覚えつつ、そのまま待つこと30分。ジムの職員さんが入室し、これから俺が受けることになるテストの説明が始まる。内容はポケモンに関する問題50問。概ね基本的なことしか出題しないとのこと。

 

説明が終わり、問題と解答用紙が配られる。全員に行き渡ったのを確認して、グレンジムの挑戦権を賭けたテストが始まった。

 

その内容に不安を覚えるが、それは事前にもっと情報を集めなかった俺が悪い。最悪な受験失敗の典型例な気しかしないが、こうなってしまっては後は当たって砕けるのみだ。意を決して、俺は裏返しの問題用紙をひっくり返し、その最初の問題を睨み付けた。

 

 

 

 

 

 

『問1:コイキングは進化する。〇か×か』

 

 

 

 

 

…あ、これ多分余裕だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「そこまでです!」

 

 

試験官役の職員さんの声が部屋に響き、テストが終了した。周囲からは大きく息を吐く音や、椅子が床を擦る音、幾人かの話し声など、部屋に満ちていた緊張感が一気に緩み騒がしくなる中で、俺はと言うとものすごい不安とやるせなさという、二律背反した感情に苛まれていた。

 

いや、別に問題が解けなかったわけじゃない。むしろ全問特に悩むようなこともなく書けた。そう、解けてしまった。そして全ての設問を解き終わって周りを見回すと、他の挑戦者たちはまだ黙々と机に向かっている。制限時間1時間に対して、俺が解答終了まで要した時間は20分。第1問で何となくこうなる予感はしていたとは言え、こんなに簡単でいいのかという不安と焦り、全員がうんうん唸っている中で1人簡単に解けてしまったことに対する申し訳なさ…そんな感じで色んな感情がごちゃ混ぜになっていた。

 

そもそも、問題自体がしょぼいのがいけない。1問目のコイキングが進化するかどうかの〇×問題に始まり、特定のポケモンに攻撃するならタイプ相性的にどの技が一番いいかを選ぶ4択問題とか、特定の技を覚えるor覚えないポケモンを全て選ぶ選択問題とか、特定の状況に置ける行動についてどうしたらいいかを答える記述問題…回答の方法が選択の問題が多かったこともあって余計にだけど、俺が持っている知識で全部答えられちゃうんだもの。むしろ『他の人はこんな問題に躓いてんのかよ』、と。大学入試の時のセンター試験を思い出したわ。

 

で、その内に周囲の状況から『あれ、これもしかして間違ってたりする?』と謎の疑心暗鬼に陥り始め、『いや、絶対に正しい』『いや、でもやっぱり…』と心中で反芻し続け悶々とした時間を過ごすハメになった。あと、グレンジムと言われればまず出てくるであろう名物?問題・技マシン28『しねしねこうせん』…まさかホントに質問にあるとは思わなかった。思わず〇って書きそうになったけど、寸前で堪えて×にしといた。

 

 

 

ともあれ、これでテストは無事に終了した。解答も一定のラインに届かなかったら不合格と言われたけど、十分な点数が取れている…ハズ。職員さんの話の限りだと、この後昼休憩を挟んで、第2の試験としてテストの得点に応じてジムトレーナーとバトルをする…ということになっている。初のジム戦と言うことで、心の中は緊張でバクバク…かと思いきや、実はそこまで緊張感が無かったりする。テストがあんまりにもあんまりだったからか、それともサカキさんに散々甚振られてきたせいか…まあ、毎日散々威圧されながら特訓してたし、アレよりも酷いものなんて早々ないんじゃないかなとは思う。

 

あと、決めとかないといけないのはジム戦で使うポケモンをどうするかだ。昨日はこんな急に挑戦する流れになるとは思わなくて、そこまで考えてなかったから。何匹使うのかが分からないけど、タイプ相性的にはサンド・ヨーギラスだけで普通なら安定するはず。ただ、ヨーギラスは気性がアレで制御出来ないしなぁ…やはり、出さずに済むならそれに越したことはない、か?安定して突破を目指すならやはりレベルの高いスピアーの方を優先すべきだろうか?でも、それは自分の中にあるジム戦とは何か違う気もする。強いトレーナーを目指すのなら、あのヨーギラスを上手く使いこなせないと先へは進めないという考えも…むむむ。

 

…とりあえず、まずは昼飯だ。急いだあまりに昼飯を用意していなかったので、保存食としてリュックに突っ込んであったカップラーメンを啜って腹を満たし、外に出てポケモンたちにも食事を摂らせる。

 

スピアー・サンドは普通にムシャムシャやってるが、問題児ヨーギラスは相変わらずの警戒態勢。こっちをガン見しながら、少し離れたところでポケモンフーズをチビリチビリ。それでもいきなり飛び掛かって来ないだけ一昨日よりも進歩している…と言っていいのか?スピアーとサンドに睨まれているからなだけかもしれないが。

 

1-1ならサンド、3-3だったら本当に仕方ないからヨーギラス先発で行くとしても、2-2の場合選出をどうするかだったんだが…これじゃあバトルに使うのは厳しいかねぇ。それとも、ダメ元でいきなり実戦デビューさせてみるのも…ううむ、やはり悩ましい。

 

 

 

 

 

そうして悩んでいる間に、時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

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「それでは、これより二次試験を始めます」

 

 

 

 結局ヨーギラスの扱いを決められないまま昼休憩は終わり、二次試験に挑むために元の部屋へ。俺が戻るのと前後して、他の挑戦者たちも戻って来始め、さらに少ししてテストの時の職員さんも入室。いよいよ二次試験の始まりだ。

 

 

「二次試験は実技試験です。皆さんには数人ずつ順番にジムトレーナーと戦っていただき、その全てを勝ち抜いた方にのみジムリーダーへの挑戦権が認められます。なお、戦っていただくジムトレーナーの人数は一次試験の点数、及び皆さんのこれまでの実績によって多少変動します」

 

 

なるほど、テストの成績が悪いとより多くの補習を受けさせられる…と。補習…高校…大学…学生時代…うっ、頭が痛い…

 

 

「また、一定の点数に届かなかった方は、この時点で不合格となっています」

 

 

単位認定:不可…うっ、頭が以下略。言われてから見回してみると、心なしか午前よりも人が減ったようだ。多分、3、4人が既に…

 

 

「それでは、名前を呼ばれた方から順番に係の者に着いて行って下さい。まず…アコウさん、カズトさん…」

 

 

一次試験で散っていった人々に思いを馳せる暇もなく、二次試験対象者の名前が読み上げられていく。しかし、一次試験は大学入試だったのに対して、二次試験は何と言うか採用面接を彷彿とさせるな。辛かった日々が思い起こされて…以下略。

 

 

「…マサヒデさん」

 

「…っと、はい」

 

 

おっと、もう少し後かと思っていたけど、まさかの一番最初の組か。

 

 

「マサヒデさんはこちらです。私に着いて来てください」

 

「はい」

 

 

係の職員さんに着いて、部屋を出て廊下を進んでいく。第1フィールドを過ぎ、第2、第3、第4とバトルフィールドへの入口を通過したが、目的地にはまだ着かない。一緒に呼ばれた他の人たちが先に入って行ったから、これらのフィールドでは彼らが二次試験に臨んでいるのだろう。しかし、外から見ただけでもかなり大きい建物だとは思っていたが、5つもフィールドがあるとは驚きだ。トキワジムは本番用と練習用の2つだけだったからな。

 

そしてそのまま通路の突き当りまで進み、階段を下りる。下った先にあったのは、分厚い大きな扉。

 

 

「着きました。こちらになります。どうぞお入りください」

 

 

どうやら、この分厚い扉の先が俺の二次試験会場であるようだ。扉の前に立ち、大きく深呼吸をして一度気持ちを落ち着かせる。

 

 

…よし、気合入れていくぞ。

 

 

俺は、扉に手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉の先にあったのは、かなり広いバトルフィールド。ほのおタイプのグレンジム故か、周囲には火を噴く装置が並べられており、轟々と炎を噴き上げている。

 

そんなフィールドの奥から、こちらに向かって歩み寄る人影が1つ。炎に照らされて浮かび上がるその人物は研究者が着るような白衣を纏い、燃え盛る炎をあしらったネクタイを締め、特徴的な丸眼鏡を掛け、その頭部は噴き上げる炎と天井の照明の灯りに照らされて光り輝いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおーす!少年、ようこそグレンジムへ!わしがグレンジムリーダーのカツラだ」

 

 

 

 

 

…フィールドの向こうから現れたのは、まさかのジムリーダーだった。

 

どーゆーことなの…

 

 

 




 

グレンタウンへと突入した15話でした。一気にグレンジム戦終了まで行こうかと思っていたんですが、ここまで書いてきて作者的には8000字ぐらいが管理しやすいと思ったので分割です。次回こそグレンジム戦です。

そして、たくさんの感想・評価・お気に入り登録ありがとうございます。マイペースな作者ではありますが、今後も頑張って無理せず更新していきたいと思います。



さて、二次試験に挑もうと気合を入れた主人公の前にいきなり現れたリーダー・カツラ。何故彼は現れたのか?困惑する主人公。そして始まる熱き戦い。主人公の実力はカツラに届くのか?主人公の選出は?戦略は?その選択が果たして吉と出るか凶と出るか…その答えを知るものは作者のみ。たぶん。というわけで次回へ続く。
 
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