成り行き任せのポケモン世界   作:バックパサー

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※大会日程を変更しました(2019/8/16)


第22話:潮風を背に(1)

 

 

「第10回クチバTCPカップ、開会を宣言します!!」

 

『ワアアアアアア!!!!』

 

 

 

壇上でハクラ支社長が大会の開会を宣言すると同時に、スタンドから大きな歓声が沸き起こり、会場全体が一気に熱気に包まれる。際限なく高まる会場のボルテージに釣られて、俺の心も否応なしに昂ってしまう。

 

 

 

クチバ支社での話から4日。いよいよクチバTCPカップの開幕の日を迎えた。会場はクチバシティ東部の高台にある運動公園。流石はポケモン世界とでも言うべきか、テニスコートや野球・サッカーのグラウンドなんかに混じってさも当然のようにポケモンバトル専用のスタジアムが整備されている。普通に『マスターリーグの試合も出来るんじゃないか?』というぐらいしっかりとした設備が整った、そのスタジアムがメイン会場だ。

 

会場にはフィールド内に出場者たちが大人子供関係なしに固まっていて、フィールドをぐるりと囲むスタンドに観客が360度見渡す限り…と言うのは流石に誇張が過ぎるけど、それでも客席の大部分は観客で埋まっている。

 

 

 

ハクラ支社長の開会宣言に続いて、壇上に上がった審判長による大会ルールの説明が入る。

 

大会形式はトーナメント戦、ジュニア部門と一般部門に分かれ、今日は両部門の準々決勝まで。準決勝・3位決定戦・決勝は明日。賞金が払われる入賞圏は4位まで。ここまでは4日前に聞いた話。

 

残りのルールは…

 

・使用ポケモンはジュニア・一般部門共に1体。

・持ち物は無し。

・戦闘中のアイテム使用も禁止。

 

…以上。実にシンプルなルールとなっている。使用するポケモンが1体ということであり、純粋にどれほどポケモンが育っているかが大きなポイントになる。あとはポケモン同士の相性のジャンケン一発勝負。運ゲーだな。

 

ただし、ジュニア部門では特に制限はないが、一般部門では勝ち進んだ場合、1つ前の試合で使用したポケモンは次の試合では使用出来ないという縛りがある。エースだけに頼っていては優勝など出来ないということだな。まあ、ジュニア部門参戦の俺には関係無いことだ。

 

そして、今の俺の手持ちポケモンがこちら。

 

 

・スピアー ♂ Lv37

特性:むしのしらせ

ワザ:どくづき ミサイルばり

   ダブルニードル きあいだめ

 

・サンド ♂ Lv23

特性:すながくれ

ワザ:マグニチュード ころがる

   まるくなる すなかけ

 

・ヨーギラス ♂ Lv22

特性:こんじょう

ワザ:いわなだれ かみつく

   いやなおと すなあらし

 

・ロコン ♀ Lv20

特性:もらいび

ワザ:ほのおのうず あやしいひかり

   でんこうせっか ひのこ

 

・ドガース ♂ Lv26

特性:ふゆう

ワザ:ヘドロこうげき えんまく

   じばく くろいきり

 

・ラッタ ♀ Lv22

特性:こんじょう

ワザ:ひっさつまえば かみつく

   きあいだめ こわいかお

 

 

…うん、6体埋まったとは言え、やっぱりタイプの偏りが気になる面子だ。そして、相変わらず1体だけ頭2つ分ぐらい抜けたレベルのスピアー。流石は我が相棒。サカキさんの特訓を共に乗り越えただけのことはある。

 

他のメンバーはグレンでの加入組も含めてドングリーズ、一緒にいた時間が長い分サンドがやや有力と言ったところ。レベル的にはドガースが、ステータス的には進化している分ラッタが次点か。

 

今日までのところでストリートバトルを繰り返し、新規加入組の実力は概ね把握出来た。とりあえず一言言うとすれば、相も変わらずみずタイプ相手が辛い。3体が弱点を突かれ、こちらからは弱点が突けない。そのため、みずタイプが相手になると結構な頻度でジリ貧になりがちだった。こっそりと何戦か負けてたりもする。本戦ではみずタイプの技を使う奴とは極力当たらないことを祈りたい。

 

でも正直な話、ジュニア部門でスピアーのレベルを越えるレベルのポケモン出してくるトレーナーがいるのかどうか、ナナミサンのピッピのことを考えると凄く疑問なんだよな。案外スピアー出しとけば優勝確定なんじゃなかろうか?

 

 

「では、続きましてトーナメントの組み合わせを発表致します!正面スタンドのスクリーンにご注目下さい!」

 

 

おっと、そうこうしている内に組み合わせ発表だ。パッと見た感じ、ジュニア部門に参加すると見られる奴らは…40~50人ぐらいかな?

 

そして、これまで経験したことがあるトレーナーズスクールの学内対抗戦よりも規模は大きい。ワクワクするね。ポケモンリーグになるとこれよりさらに大規模なんだから、少しずつ慣れていければと思う。

 

 

 

そうして一瞬の後、スクリーンにトーナメント表が映し出される。画面両端にズラッと参加者の名前と顔写真が並び、スタジアムが再び小さな歓声に包まれる。まずはジュニア部門からか。

 

さて、俺の名前は………と、あったあった。右側の上から7番目、Bブロックの…上2つがシードブロックになってるから、第2試合か。トーナメント表を見る限り、人数の関係でシードになっている対戦カードがいくつかあるが、俺は普通に1回戦から出場。順調に勝ち進めば6回バトルをすることになるようだ。

 

対戦相手の名前はコウタとか言うトレーナー。どういうトレーナーなのかは全く分からないが、顔写真で見る感じ俺よりも年上なのは確実…と言うか、俺が出場可能な年齢の下限ギリギリだし、ほぼ全ての出場者が年上なのは当然だよな。

 

その後、一般部門の組み合わせも発表された。何やら結構有名なトレーナーが参加しているようで、発表された直後は観客が少し盛り上がったりもしていた。俺は正直興味が無かった。

 

 

 

…ま、どこまでやれるか頑張ってみますかね!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

「Bブロック第2試合に出場されるマサヒデさん、コウタさん!準備をお願いします!」

 

 

 

 

組み合わせ発表が終わって程なく、開会式は恙無く終了。すぐにジュニア部門の試合へと移ったのだが、この運動公園にはメインスタジアムの他に、ストリートバトルで使うような一般的なバトルフィールドも整備されていて、そちらが第2会場となっている。つまり、2つの会場で同時に試合を進行していくという予定なワケだ。

 

で、俺がいるBブロックの試合はバトルフィールドの方であるため、開会式後すぐに移動しなくてはならなかった。

 

そして、移動後程なくBブロック第1試合が始まって、間髪いれずにこの呼び出しだ。おかげで急ピッチで準備をするハメになった。

 

係員の元に向かい、諸々のチェックを済ませ、フィールドのすぐ脇で待機する。今目の前で繰り広げられている第1試合はスリープvsニャース。『さいみんじゅつ』で得意のパターンに持ち込もうとしているスリープを、ニャースが持ち前のスピードで翻弄しているという展開かな。

 

この試合が終わればすぐに俺の出番なわけで、少し緊張しながら試合の行方を見守る。

 

スリープのトレーナーはしつこいくらいにさいみんじゅつを指示し、スリープは懸命に応えようとしている。しかし、『かげぶんしん』も使ってトリッキーな動きを見せるニャースに、ジワリジワリと体力を削られていく。

 

このままではまずいとようやく攻撃に出たものの、判断するタイミングを誤ったな。

 

 

 

『ドザァッ!』

 

「スリープ戦闘不能!よって勝者、ハナダシティのハルキ!」

 

『ワアアアア!!』

 

 

 

スリープが張り倒されたところで戦闘不能の判断が下り、第1試合が決着。ニャースが鈍足なスリープを見事に翻弄して完封した形。スリープはさいみんじゅつが当たってさえいれば、間違いなく大きなアドバンテージではあった。でも、無理に拘り過ぎたな。

 

 

「続きまして、Bブロック第2試合を行います。両トレーナーはフィールドに」

 

 

簡単なフィールドの整備が行われた後、フィールドへと呼び出される。少しだけ踊る心を抑え、観衆のざわめきの中でフィールドに立つ。

 

相手もフィールドに出た所で、審判に促されてフィールドの中央へ。

 

 

 

「TCPカップBブロック、トキワシティのマサヒデとクチバシティのコウタによる1回戦第2試合を行います!両者、握手を」

 

「よろしく!」

 

「よろしくお願いします」

 

 

審判に促されるまま、相手と握手を交わす。こういうところは如何にも少年スポーツ競技と言ったところ。懐かしさが甦る。

 

それが終わればそれぞれフィールドの両端へと移動。この一戦の全てを、延いてはこの大会の口火を切る仲間が入ったボールを手に握り、戦闘態勢完了だ。

 

 

 

「始めッ!」

 

 

 

その一言を合図に、俺も、相手も、モンスターボールを放り投げる。

 

初戦で俺がやる作戦はとっくの昔に決めてあった。その作戦のために最も適した奴にこの戦いは託した。題して『エースで小手調べ作戦』!

 

…いや、うん、まあ、そのまんまなんだ。

 

今回は相手の情報が何もない、負ければそれまでな一発勝負のトーナメント戦。まず考えるべきは、確実に初戦を突破すること。それを考えると、頭に持ってくるべきは最大戦力。それすなわちスピアー。こういう状況において、初戦突破の為には現状これが一番適した作戦だと思うんだ。ジュニア部門には一般部門のような縛りはないから2回戦以降も出せるし。

 

1回戦さえ突破出来れば、2回戦以降の対戦相手の手持ちとその技構成を実際に試合を見て確認する猶予が出来る。自分との対戦時にそのポケモンを使うかは判らなくても、手持ちのおおよそのレベルを判断する基準にはなるはず。

 

さらにさらに、スピアーを見せておくことで、それを驚異と見た相手からこの先、いわ・ひこう・ほのおと言ったスピアーが苦手とするタイプのポケモンを釣り出せる…かもしれない。仮にそうなってくれれば、その時はサンド・ヨーギラスが猛威を振るうだろう。

 

もしいきなりそれらのタイプと鉢合わせたら、その時は意地と気合と根性とレベルで乗り切ろう。

 

 

 

…まあ、要はタイトルどおりにエース(スピアー)小手調べ(ゴリ押し)するってだけの話なんだけどネ。さあ、何はともあれ頼むぜ、スピアー!

 

 

 

「いけっ、ニョロモ!」

「スピアー、任せた」

 

 

 

お互いのポケモンがフィールドに姿を現す。こちらは宣言通りにスピアー、対する相手はニョロモ。みず単タイプのポケモンだ。コイツも結構スピードのあるポケモンだったと記憶している。サンドはまだマシかもしれないが、ヨーギラスやロコンで当たっていたら、かなり苦しい戦いになってたな。

 

さて、ニョロモと戦う上でまず要警戒なのが、先程のスリープと同様に『さいみんじゅつ』を覚えている可能性があるという点。低いレベル帯であれば、ほぼ確実に持っていると見ていい。ねむり状態にされてしまうと、如何にスピアーと言えどニョロモのレベルや技構成次第では負けが見えてしまう。無いとは思いたいけど、眠らせてからのサイコキネシスとかサイコキネシスとかサイコキネシスとかっ…!

 

 

 

…ふぅ、サイコキネシスのことは一旦スッパリ忘れよう。持ち物が禁止されている以上、催眠対策としては撃たせる前に速攻で片を付けるか、常に躱せるぐらいの距離を保って戦うか…

 

 

「よっしニョロモ、みずでっぽう!」

「ニョーローッ!」

 

 

…っ、考えてるうちに出遅れた…!

 

 

「躱してダブルニードル!」

「スピ!」

 

 

先手は取られたが、距離があったこと、そしてみずでっぽうの速度自体がそこまででもなかったことで、難無く回避には成功。今は勝負に集中だ集中。どう戦うかは、勝負の流れの中でベストな方に舵を切ればいい。高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に…って、コレはダメなやつだった。えー…っと、激流に身を任せ同化する?うん、そんな感じで行こう。

 

下らないことに思考を割いているうちに、お返しのダブルニードルがニョロモに迫る。

 

 

「ニョロモ、撃ち落とすんだ!みずでっぽう!」

「ニョロ!」

 

 

お相手はその場での迎撃を選択、迫る4発の針を水流で器用に叩き落としにかかる。1発2発と落としたが…

 

 

「ニョッ!?」

「ニョロモ!」

 

 

時間差で飛来した3、4発目に力負けして落とせず被弾。ニョロモの小さな身体が後ろへ弾む。

 

 

「スピアー、きあいだめ」

「スピャーッ!」

 

 

お相手が立て直している間に、こっちはきあいだめを選択。これでこのバトルの間、スピアーの技が急所に刺さる確率UPだ。向こうも無理に距離を詰める気は今のところなさそうだし、一歩ずつ着実にいこう。さあ、急所の恐怖に怯えて過ごしな!

 

なお、引けない模様。

 

 

「スピアー、ダブルニードル!」

 

「ニョロモ、みずでっぽう!」

 

 

その後しばらく、きあいだめをしている間に態勢を整えたニョロモと、さいみんじゅつを警戒して迂闊に突っ込みたくないスピアーによるみずでっぽうとダブルニードルの撃ち合いが続き、ジリジリとした遠距離戦が展開される。

 

コンスタントに直撃弾を与えているコチラに対し、アチラの攻撃は空振りばかり。コチラは空を自由に使える上にスピードも優位で、向こうは躱すのすら苦労している様子。みずタイプのポケモンは、水辺じゃないと力が発揮出来ないのかも。

 

時折、相手が何とか前に出ようとしているのは感じるが、絶え間なく飛んでくるスピアーのダブルニードル・ミサイルばりの弾幕を前に出るに出られないといった感じ。無理に突っ込んで来れば遠慮なくハチの巣にしてやるんだが。

 

うん、これなら無理に距離を詰めるまでもなく殴り勝てる。このまま遠距離戦を続行だ。

 

 

 

 

 

その後1分程度この遠距離での撃ち合いはズルズルと続いた。スピアーに何とか食らい付いていたニョロモだったが、徐々に足が止まり、みずでっぽうに威力が無くなり、形勢は目に見えてこちらの側に傾いた。ダメージの蓄積はモチロンだが、それ以上にやはりレベル差があったのだろうと思う。

 

 

「くっ…ニョロモ!さいみんじゅつだ!」

「ニョ、ニョローッ!」

 

 

起死回生の一手とばかりに繰り出したのは、今まで隠していたさいみんじゅつ。やはり持っていたな。しかし…

 

 

「ミサイルばり!」

「スピィッ!」

 

 

…事ここに至っては、最早苦し紛れでしかない。時すでに遅し…だ。

 

 

 

「ニョッ!?」

「ニョロモーッ!?」

 

 

さいみんじゅつのために足を止めたところに、ミサイルばりの雨がクリーンヒット。

 

 

「ニョロモ戦闘不能!よって勝者、トキワシティのマサヒデ!」

 

 

特に見どころもなく勝負あり。無事に2回戦進出と相成った。

 

 

『ワアアアア‼』

 

 

悔しそうに顔を歪める相手と試合後の握手を交わした後、歓声に送られてフィールドの外へ。そのまま足早に向かうのは、こちら第2会場の運営本部。ここにはこの大会用に回復マシンが持ち込まれ、専門のスタッフが配置されており、試合が終わったトレーナーのポケモンたちはすぐに回復させられるようになっていた。

 

手続きを済ませてスピアーを預けると、俺はそのままフィールドへとんぼ返り。観衆に混じって次の次の対戦相手になる可能性があるトレーナーたち、更には準決勝で激突する可能性のあるトレーナーたちのバトルを見学し、その戦力をチェックしていく。勝つためには必要な事だ。

 

 

 

 

 

 

1試合、また1試合と試合が終わり、入れ替わるように次の試合が始まる。使用ポケモンが1体だけということもあって、非常にサクサクと日程が消化され、気付けばさっき試合が終わったと思ったのにもうそこまで俺の第2試合も迫っていた。

 

 

「ビ、ビリィィ…」

 

「ビリリダマ戦闘不能!よって勝者、クチバシティのマリナ!」

 

 

また1つ、試合が終わった。ビリリダマVSカラカラ…今回は完全に相性の差だったな。レベル的にはやはりそこまで大したことはなかった。全体的に見ても、そこまで変わらない。

 

しかし、そうではないトレーナーもいた。ジュニア部門とは言ったものの、下は11歳から上は18歳まで参加しているワケで、中にはほとんど大人の仲間入りしているようなトレーナーも参加している。見ていると、その年齢の差による戦力の開き具合が無視出来ないぐらい大きいことがよく分かる。

 

未進化のポケモンを使っているトレーナーが多い中で、見るからに高校生ぐらいの外見のトレーナーは1回進化したポケモンを使っていたりする。そして、そういったトレーナーたちは悉くが勝ち上がっている。相対的に見て戦い慣れているということもあるのかもしれない。

 

準決勝・決勝ぐらいまで行くとそういった人たちと当たることになるので、スピアーじゃないと厳しいかもしれんが、まずは2回戦を突破することに集中しよう。

 

2回戦の相手は、第1試合でニャースを使っていたトレーナー。見た限りではあまりレベルがあるようには感じなかったが、油断は禁物。一歩一歩着実に、だ。

 

今後のことも考えて次戦スピアーは温存するつもり。スピアーの相性、相手のニャース見えていることも考慮して、ヨーギラスに2回戦は任せることにする。素早さの差が気になるが、4日間の特訓の中でレベルアップもしたし、タイプの相性を信じる。

 

ただコイツ、性格が相変わらずなんだよなぁ。スキンシップは断固拒否、見えるものに片っ端からケンカを売りに行く、機嫌が悪いと頑として動かないetc…ホント、問題児だわ。それでもストリートバトルしてた時に確認した限り、戦闘時限定だが『言うことを聞かない』という問題点はある程度克服出来つつあるのは良い材料だ。

 

…たまに勝手に突撃かましてしてくれちゃったりはするんだけどね。

 

 

 

まあ、今はヨーギラスを信じて腹を括ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----

 

 

 

 

 

 

『ズゥン!』

 

「ヒトカゲ戦闘不能!よって勝者、トキワシティのマサヒデ!」

 

『ワアアアアアアア‼』

 

 

 

……呆気ないぐらい、アッサリと勝ってしまった。いや、まさかそんなことがあればいいなって程度に考えてたことが、ここまでバッチリハマってしまうとは思わなかった。

 

お相手が繰り出してきたのは、ほのおタイプの初代御三家の1体ヒトカゲ。スピアーを警戒したのか、それとも元からそのつもりだったのかは分からないが、いわタイプなヨーギラスとの相性は悪い。一応はがねタイプの攻撃技『メタルクロー』で弱点は突けるが…うん。

 

オマケにコチラにはレベルアップで習得した『いわなだれ』があった。そして元からパワーに関しては俺の指示を聞かないことがある程度には持て余し気味なヨーギラス。レベル差も無いとなれば、後の結果は御覧の有り様。ひのこやえんまくで攻めるヒトカゲに対して、ヨーギラスは全く意に介さずいわなだれを連打。降り注いだ岩で逃げ場を失くし、そのまま圧し潰されてゲームセット。スピアー以上にゴリ押しの完勝だった。戦略もへったくれもない。

 

なお、フィールドに積み上げられた無数の岩は、整備班のゴーリキーさんたちの手によってキレイさっぱり片付けられたのでご安心を。

 

 

 

…勝ち方はともかくとして、これで2回戦も突破。この勢いのまま頂点まで突っ走りたいところ。さあ、次だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----

 

 

 

 

 

…その後の3回戦。

 

 

「ラッタ、ひっさつまえばぁッ!」

「ラッシャァ!」

 

 

「ニドリーナ戦闘不能!勝者、トキワシティのマサヒデ!」

 

 

俺が選択したのはグレンからの加入組、ラッタ。お相手はどく単タイプ、ニドラン♀の進化系・ニドリーナ。ちょっとだけサカキさんと特訓漬けの日々を思い出すポケモンだ。心なしか腹が痛くなったような気がした。試合前にトイレはちゃんと行ったはずなんだけど…

 

バトルではどく状態に陥りながらも持ち前のスピードを活かし、さらに特性『こんじょう』により跳ね上がった攻撃力にものを言わせた猛攻で、こちらの体力が尽きるより前にニドリーナを沈め切って勝利。トレーナーもポケモンも状態異常を物ともせず、見事攻めに攻めまくった試合だった。

 

 

 

 

 

 

さらに4回戦。

 

 

 

「プクリン戦闘不能!勝者、トキワシティのマサヒデ!」

 

 

この日最後となる4試合目。ここを勝てれば明日に繋がると同時に、参加目的の1つである賞金獲得がかかる一戦を託したのは、本日2戦目となるエース・スピアー。

 

対するお相手はプクリン。プリンの進化系でタイプはノーマル、さらに後になってピッピと同じくフェアリーが追加されている。

 

で、このプクリン。進化したら自力で技を覚えなくなるという問題点を抱えるポケモンでもあるんだが、ノーマルタイプらしく技マシンで覚える技は充実している。試合ではそんな技のデパートっぷりを発揮して、これまでの試合では出るわ出るわれいとうビームに10まんボルト、かえんほうしゃにメガトンパンチ。おのれブルジョワジーめ、これ見よがしにマシン習得技のバーゲンセールしやがって。

 

そんな嫉妬というか怨嗟の感情が伝わったか、試合ではスピアーは虫特有の不規則な高速機動でプクリンズ・バーゲンセールを掻い潜り、致命の一撃・どくづきを叩き込んだ。きあいだめも乗って、急所を打ち抜かれたプクリンは弱点を突かれたとは言えまさかの1発ノックアウト。この瞬間、俺の4位以上入賞と賞金獲得が決まった。

 

かくして本日の10割を見事達成して、大歓声と共にこの日の俺の戦いは終わった。

 

試合後に何か記者さんからインタビューくらったのはビビった。初めての経験だった。

 

 

 

 

 

その後、俺は明日のBブロック4回戦第2試合での対戦相手のチェックをして、午後からは一般部門の試合も観戦した。やはり流石は大人と言うべきか、よく鍛えられているポケモンたちによる見応えのある試合がいくつかあった。

 

…戦術はお粗末なゴリ押しが多かったけどな。

 

 

 




 
大会開幕、そして主人公無双。まあ、経験の浅い若者相手だしこれぐらいはやってくれるでしょうということで。スピアーいるし。

この人数で2部門に別れてるのに2日で時間足りるの?と思い至った結果使用ポケモンは1体になり、1部門1日で終わらせるのはキツくないか?と考え直した結果、1部門1日ずつから試合数を区切っての2日間開催へと投稿後に変更することに…そして時間の都合で2回戦~4回戦は無慈悲なカット。主人公ならこれぐらい(ry

次回は大会後編。なんやかんやで無事2日目を迎えた主人公。金は手に入った。さあ、あとは金額だ。ここまで勝ち上がって来た強敵を相手に今の戦力でどこまでやれるか…見せてもらいましょう。
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