成り行き任せのポケモン世界   作:バックパサー

58 / 84
宿題だよね!(ニッコリ)



第54話:夏休みと言えば…

 

 

 

 

 俺を含むサカキさん以下TCP社一行は、途中乗っていたバスのエンジントラブルにより足止めを食ったものの、予定よりも遅れてシャドー研究所からアゲトビレッジを目指していた…ハズだった。

 

しかし、長時間の移動と道中のトラブルに起因する疲労から眠ってしまった俺。ラムダのおっちゃんに「到着するぞ」と肩を叩かれて目覚めた時、目に映った景色は緑豊かな地と記憶していたアゲトビレッジとは似ても似つかぬ、砂混じりの乾いた風の中をネオンが照らす、荒野の中の赤錆びた街。夜に足を突っ込み始めている時間帯もあってか、薄闇に覆われる街にはどことなく不穏な気配が漂っていた。

 

全員がバスを降りる頃には太陽も岩山の向こうへと顔を隠し、眩いネオンの下を歩く人々や、何人かで集まって騒いでいる集団…派手なネオンと夜空の月明かりが、街のメインストリートの様子だけを浮かび上がらせている。

 

アゲトビレッジどこ行ったし…とは思ったが、寝起きの回らない頭がその疑問をはっきりと認識したのは、他の皆さんと一緒にホテルに向かう最中のこと。とてもではないが言い出す気になれず、流されるままに皆さんと揃ってホテルへとチェックイン。ホテルの名前はパイラグランドホテル。はい、薄々感付いてはいたが、俺たちが今日の宿を取ることになったこの街の名前は【パイラタウン】。土と金の街という異名で呼ばれている…らしいのだが、それ以上にポケモン世界でも最悪レベルに治安が悪いオーレ地方の中でも、特に治安の悪い街として知られる。それこそアローラ地方でスカル団が占拠していたポータウンなんか目じゃないレベルで。

 

来たくはなかったが、サカキさんの決定には逆らえないし、そもそもマシントラブルではどうしようもない。それにあれ以上のバス移動は堪えたことは確実なので、あのままアゲトビレッジを目指していたら、ケツの肉がポロポロと取れる夢に魘されることになっていたことだろう。

 

そうしてパイラタウンの名前にビビりながら部屋に籠っている内に、ホテルに着いてから3時間が経過。窓から見える通りは、遠目にもあまりお近付きになりたくはなさそうな見た目の人だらけ。少し目を脇に振れば、ネオンのけばけばしさに隠れて、風化・劣化してボロボロだったり、そこを無理矢理補修したような、無機質な冷淡さに(まみ)れた金属質の継ぎ接ぎだらけの建物が立ち並ぶ。吹き抜ける風の音と合わさって、どこか物悲しさを感じずにはいられない。

 

しかし、いくら悪名高いパイラタウンと言えど、ホテルに籠っていればなんてこたぁないワケでして。思えばパイラタウンの悪い意味でのネームヴァリューに、俺が勝手に震え上がってただけだったのかもしれん。何てったって、今回俺のバックには(甚だ不本意ながら)ロケット団とシャドーという2大巨頭が付いているからな!たかが破落戸程度、どうとでも…出来たりしないかねぇ?世話にならないで済むのが一番だが。

 

 

 

 

 そんなこんなで子供は寝る時間と言うこともあって、夕食後は与えられた部屋で大人しく寝ていたんだが、バスの中で中途半端に寝てしまったせいかイマイチ寝付けない。サカキさんからは夜間の外出はしないようにと念を押されているし、そもそもしたくもない。そうなると、出来ることなんてホテル内で完結することしかない。

 

 

「んく…んく…ぷはぁっ!あー、冷たくて美味い」

 

 

俺は部屋を抜け出すと1階ロビーのソファに腰掛けて、至福の一時を楽しんでいた。喉を鳴らして流し込むのは、アメリカンサイズのメロンソーダならぬロメソーダ。事前に購入しておいたとっておきの1本だ。冷蔵庫から出したてでキンキンの冷たい甘さと炭酸の刺激が喉を通過することで、心に一時の癒しと潤しをもたらしてくれる。

 

すでに子供は寝るように言われる時間で、大人が何人も並んで座れるほど大きいソファは貸し切り状態。大人たちも部屋に籠っているのか、それとも出かけているのか、時折疎らに人通りはあるが、ホテルのロビーはシン…と静まり返っていた。

 

異国のホテルの広い空間、夜中という時間帯故の静寂を独り占めしているこの感覚、学生時代の修学旅行の夜のような、不思議と心踊る気分になる。

 

 

僅かな高揚に包まれながらボトルを片手にボーッとソファーで佇んでいると…

 

 

『チン!』

 

 

良い気分の終焉を告げる、エレベーターの音が静かな空間に短く響いた。招かれざる客の登場だ。別に家主でも何でもないんだけども。

 

 

「…あ」

「…あん?」

 

 

エレベーターから姿を現したのは、見知った顔だった。ラムダのおっちゃん。向こうもこっちに気付いたようで、若干呆れた顔をしながら進路を変えて俺のいるソファーまでやって来た。

 

 

「おいおい坊主、こんな時間に何してんだ?お子様はおねんねの時間だぜ?」

「中々寝付けなかったもんで。喉も乾いたし、ちょっと涼みに…」

「ワハハ、そんで夜中にジュースか。悪いお子様だな」

「ははは…」

 

 

そう、缶コーヒーを片手に軽口を叩くラムダのおっちゃん。アポロさんとかアテナさんとか、これまで会ったロケット団幹部の中でも格段に取っ付きやすい良いおっちゃんだよ。ロケット団じゃなければな。

 

 

「ところで、そう言うラムダさんはお出かけですか?」

「夜は大人の時間だからな。お子様にゃ出来ねえ、大人の楽しみってやつがあるのさ」

 

 

そう言って、コーヒーを呷るラムダのオッサン。なるほど、風俗だな。でなきゃ酒か飯かギャンブルだ。大人の楽しみなんぞ、大体そんなものと相場は決まってる。

 

…うむ、実に考え方が汚れてんなぁ。

 

 

「危険だって言われてるのに、よく夜中に出歩けますね。でも、一泊だけとは言え外出禁止させられるなんて、パイラタウンってそんな危ない所なんですか?」

「子供がのほほんと出歩けるような場所じゃねえってのは確かだな。ここは元々鉱山ででかくなった街だが、その鉱山が閉まってからは寂れ、荒れる一方さ。そんで、何時の間にか鉱夫崩れの無頼漢、他所から流れて来た破落戸(ゴロツキ)なんかがのさばり出して、気が付きゃオーレ地方でも一二を争う危険地帯さ」

 

 

だろうな。ゲームでのパイラタウンを考えても、一朝一夕であの状態になったはずはない。ギンザルだったっけな?シャドーに反抗的な市長もいたから、長期間掛けてじわりじわりと影響力を浸透させていったんだろう。地下にはアンダーって言う完全なるシャドーの秘密帝国みたいな場所もあったし。

 

まあ、話聞く限りシャドー云々抜きに元から治安が死んでたのが根本的な問題だったんだろうけど。鉱山夫とか水夫って言われると、腕っぷしの強い荒くれ者っていうような先入観がどうしても拭えないな。

 

 

「だから、間違っても抜け出そうなんて思わねえこった。昼間でもお子様が迂闊に出歩いてると、人攫いに捕まって売り飛ばされるかもな!ひひひ!」

「おー、怖い怖い」

「ふざけて言ってるんじゃねえんだが…それはそうと、とっとと部屋に戻って寝ろよ?ボスに見つかって叱られても知らねぇぞ?」

「分かってますよ、もうちょっと涼んでから見つかる前に戻ります」

 

 

 

「そうするといい。尤も、私に見つかる前に部屋に戻ることは手遅れだが」

「ゲッ!ボス!?」

「うぇっ!?サカキさん!?」

 

 

ラムダのおっちゃんと話をしていたところにやって来たのは我らがサカキさん。後ろには秘書さんにお付きのアポロさん他数名を引き連れ、正面玄関から堂々の登場(ふいうち)だ。

 

流石にこの予想は出来なかった俺とラムダのおっちゃんは、揃って情けない悲鳴で以て、その一行を出迎えた。

 

 

「『ゲッ!』に『うぇっ!?』とは、2人揃ってずいぶんな出迎えだな?」

「いやいやいや!そんないきなり声掛けられちゃ誰だって驚きますぜボス!」

 

 

若干威圧するように詰めるサカキさん。上司の詰問に、飄々としているラムダのおっちゃんも防戦一方だ。

 

…いや、あれはサカキさんがおっちゃんを(からか)ってるだけか。

 

 

「ふっ…まあいい。それよりもラムダ、ここで会えたのはちょうど良い。明日パイラコロシアムで行われる先方主催の試合に、誘いもあって急遽我社からも何人か参戦させることになった」

「おっと、そいつぁ急な話ですな」

 

 

どうやら、明日アゲトビレッジに向かう前にパイラコロシアムで何戦かすることになったらしい。

 

 

「こちらでの一般的なレギュレーション…ダブルバトルでの試合になるが、我社の精鋭たちがこちらの腕利き相手にどの程度やれるか試してみたくなってな」

「なるなる…で、その話を俺にするってことは、俺にその試合に出場しろ…ってことですかい?」

「そうだ。急な話で悪いが、頼めるか」

「こちらのバトルは経験があまりないので未知数な所はありますが…まぁ、何とかしようじゃないですか。了解であります」

「そうだな…誰か1人でも優勝することが出来たなら、金一封を用意でもするとしようか」

「そいつぁ気前がいいですな。他に誰を出すんで?」

「貴様とアポロ、それと若手から有望株を何人か出場させる」

「へぇ、アポロを。後は若手どもがどれくらいやれるかってところですな。あ、無論不肖ラムダ、優勝を目指して全身全霊を賭す所存であります!」

「ああ、我社の代表の1人として、恥ずかしくない戦いを期待する」

「はっ!」

 

 

参戦を命じられ、飄々とした雰囲気を残しつつも初めて見る真面目な様子を見せるラムダのおっちゃん。ロケット団幹部なだけあって、やる時はやる男なんだろう。ここまで数日世話になってるし、応援ぐらいはしておいてあげようじゃまいか。

 

 

「頑張って下さい、ラムダさん」

「おう、大人の実力ってやつを見せてやるよ」

「あ、勿論アポロさんも頑張って下さい」

「そんなオマケみたいな応援なら不要です。まったく、これだから子供は嫌いなのです…」

「あはは…」

 

 

ラムダさん応援して、ついでに取って付けたようにアポロさんも応援しておいたら、あからさま過ぎて露骨に嫌がられたてござる。

 

こう言うのって当事者は大変だけど、外側から第三者として見てると楽しいよな。割とあるある。

 

 

 

…な〜んて、他人事と思ってしまったのが運の尽きだったのかもしれない。

 

 

 

 

「そしてマサヒデ。他人事と思っているようだが、おまえも出場しろ」

「…え?」

「本来であれば、世の中の同年代の子供たちは学校に通い、今は夏休みの課題に懸命に取り組んでいる時期。だから、学校の先生に代わって私がおまえに課題を与えるのだよ。合格ラインは…多少甘めにベスト4としておこうか。出来なければ帰ってから追試でも考えるとしよう」

「いや、あの…」

 

 

完全に他人事と思って構えていたら、その心の余裕を木っ端微塵に粉砕する一撃、有無を言わせぬ参戦命令が飛び出した。

 

 

「ああ、それと言い忘れるところだったが、スピアー・サンドパン・サナギラスは使用禁止だ。エース抜きでベスト4…そろそろそれぐらいはやってもらわねばな」

「え゛!?」

「堂々と夜更しするような悪いお子様は、明日に備えてさっさと寝るのだな。アポロ、ラムダ」

「「はっ!」」

「分かっていると思うが、もしコイツと当たる事があっても子供だからと手加減は不要だ。全力で叩き潰せ」

「「はっ!」」

 

夏休みの課題って…いらねえですよサカキさん、ふざけんな。しかも、パイラタウンの強面ども相手にダブルバトルで主力3体抜きで3勝とか、今の俺には公式戦だったら相手次第で初手降参も頭に入れるレベルのきっつい縛りじゃないっすか。理不尽極まりない。しかも同時に出場する2人に『手加減するな』と釘を指しておく情け無用っぷり。流石は悪名高きロケット団のボスである。

 

流石に抗議しようとしたが、呆気に取られていた間にサカキさんはさっさとエレベーターに乗り込んでしまったため、俺の声は届かなかった。そもそも声にならなかった。

 

 

「あー…ま、今回は運が悪かったと思って諦めな、坊主」

「大人しくボスの温情を願うことです…ま、同情ぐらいはしてあげましょう」

「同情するなら勝ちを下さい」

「「それは断る」」

 

 

その様子を見ていたアポロさんとラムダのおっちゃんから貰ったのは慰めの言葉。そして同情をするなら金をくれ理論は通用せず、情け容赦はしてくれないらしい。おのれロケット団。

 

 

 

はあー…ま、文句言ったところでサカキさんが撤回してくれるはずもなし。何とか課題を達成することを考えるかぁ。ただ、パイラコロシアムのレベルがどの程度なもんなのかにもよるけど、どうなんだろうな、実際。ゲームを基準にするならレベル的には十分やれるとは思うが、あまり楽観視は出来ないかも。特にロケット団員2人と当たったらどうなることやら。

 

2人の存在も悩ましいが、それ以上に重要なのがダブルバトルへの対応策。ダブルバトルには、シングルバトルとはまた違った戦略がある。こっち来る前も来た後もシングルバトルが中心だったから、ダブルバトルの経験は少ないし、知識もそこまで詳しくねえんだよな。それに考えたところで一晩しかないんじゃ出来ることは限られてる。最古参2体とそれに次ぐエースアタッカーが使えんのは痛い。とても痛い。

 

が、兎にも角にも何とかしなきゃならねえ。さっさと部屋に戻って明日のことを考えよう。全く手がないってわけでもないしな。

 

 

 

一足先に部屋に戻ったアポロさん、夜遊びに出かけたラムダのおっちゃんと別れ、僅かに残ったロメソーダを一息に流し込むと、このサカキさんから課せられた夏休みの宿題を何とかするべく、俺も部屋へと戻って明日に備えたるのだった。

 

 

 

まさかこの歳になって夏休みの宿題なんてモノをするハメになるとは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

 

『Hello,everyone‼パイラコロシアムへようこそ!今日も最初から最後まで目が離せない1日の始まりだぜ!今日も我が街が誇る腕自慢たちが、勝利の美酒と明日の栄光を目指してエントリーしてくれているぜ!君たちを朝から熱く盛り上げてくれること間違いなしだ!』

 

 

というわけで、時間は進んで翌日。場所は夏休みの課題…もとい、試合会場となるパイラコロシアム。朝から大観衆が詰め掛けており、茹だるような暑さがジワジワと俺を蝕む。所々虫食いの様に穴が開いた天井のせいか、それともロクに効いてない空調のせいか、はたまた会場を包む熱気のせいか…

 

だが幸い、体調は万全だ。何だかんだであの後しっかり寝ることは出来たからな。今日のこと考えてたらいつの間にか寝落ちしてたわ。

 

 

『さらにさらに!今回はなんと、遠く海を越えたカントー地方からも数名が参戦しているぞ!オーレ地方の外からの参戦なんて、このパイラコロシアム始まって以来初めてのことだ!彼らがどんなバトルを見せてくれるのか、期待しようじゃないか!』

 

 

カントー地方からの参加者…つまり、俺たちのことだな。パイラコロシアムにカントー地方勢初参戦、まあ納得だな。こんな場所に態々戦いに来るような物好き早々いないだろうから。

 

 

『今日という新しい、そして記念すべき1日を、みんなその目に焼き付けようぜ!さあ、パイラコロシアムの開幕だ!』

『ウオオォォォォーーーーー‼‼‼』

 

 

こうして、割れんばかりの野太い大歓声を皮切りに、パイラコロシアムでの1日が始まった。

 

電光掲示板にデカデカと映し出されているトーナメント表によると、俺の初戦は後半の方。と言うか1回戦最終試合。そして幸運な事に、アポロさんもラムダのおっちゃんも、オマケでもう1人のロケット団員も、名前があるのは反対ブロック。つまり決勝戦まで当たることはない。ラムダのおっちゃんとモブ団員の実力は分からんけど、アポロさんと準決勝までで当たらないってのは、課題的な意味で非常に美味しい。

 

まあ、代わりにその他の強面の皆さんを片っ端から蹴散らす必要があるわけですが。顔、腕、足と刺青入ってたり、筋骨隆々だったり、顔に刃物でやられたみたいな傷があったりと、出場者の皆さんは一部の例外を除いてもう見るからに反社会的勢力の下っ端みたいな連中ばっかり。しかも男はほぼアメリカンサイズ、女も結構体格良いっていう。居心地最悪である。膝震えそう。

 

 

 

 

 

そんな間にも試合は次々と消化されていき、ラムダのおっちゃんが勝ち、アポロさんが勝ち、モブ団員が負け、少しずつ俺の出番も近づいてくる。

 

俺が今回選出したポケモンは、キュウコン・ラフレシア・ハッサム・ヤドンの4体。ダブルバトルということで、いつもより気持ち連携を意識…しようとしたが選択肢が限られているので、その中から最良であると考えた組み合わせである。

 

計画としてはキュウコンで"にほんばれ"を使用し、ラフレシアの特性を活かしつつ押すのが基本線。あとはラフレシア・キュウコンだと対応が難しいほのおタイプ対策にヤドンを入れて、使用技が特殊技に寄ってるので物理技主体のハッサムを添えて完成だ。

 

というか、昨日ハッサムの試運転した際にちょっと気になったので、トーナメント開幕前にこっそり確かめてみたんだが、コイツ"バレットパンチ"覚えてやがる。まだ見つかってない技だから図鑑とかじゃ確認出来ないけど、多分バレパンで間違いないと思う。

 

それと、ヤドンがいつの間にか"サイコキネシス"と"なみのり"覚えてるんだけど、40レベ前で覚えたっけ?もうちょっと後だったような気がするんだが…と言うか、"なみのり"に至ってはレベルアップで覚える技だったかすら疑問なんだが。使える技が増えるのは良いことに変わりはないけど。

 

 

 

『…1回戦最終試合、ラルゴ選手とマサヒデ選手は準備をお願い致します。繰り返します…』

 

 

…おっと、もう出番か…ふぅー、気合い入れていこう。心を強く持とう。会場に、相手に飲まれるな。負けたらサカキさん、負けたらサカキさん、負けたらサカキさん…よし、絶対勝つ!絶対に決勝までは行く!マサヒデ、行っきまーす!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----------ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピカチュウ戦闘不能!勝者、マサヒデ選手ーッ!」

『オオオオォォォォーーーッ‼‼』

 

 

 

 どこか悲壮な覚悟に近いような決意の下で戦いに臨んだ俺だったんだが、蓋を開けてみればトントン拍子で勝ち進み、たった今準決勝も突破。思いの他あっさりとサカキさんに課せられた課題をクリア、追試回避が確定した。やったぜ。

 

まあ、今のレベルで十分上をとれるような相手ばかりだったのが幸いした。アポロさんが相手だったら、ここまですんなりとはいかなかっただろうな。てか、勝てるかどうかの勝負になってたはず。

 

 

 

ともかく、これで目標達成して一安心。めでたしめでたし…と行けたら最高だったんだが、残念ながらそうはならない。何故かって?決勝戦の相手がヤバイからだよ。その相手と言うのが、件の強敵・アポロさん…ではない。ラムダのおっちゃんでもない。アポロさんは準決勝で、ラムダのおっちゃんはその前の2回戦で、決勝の相手に負けている。しかも結構な惨敗だった。

 

アポロさんとラムダのおっちゃんを破ったそのやべー奴が決勝の相手で、俺はそいつと戦わないといけないんだが…まあ、ぶっちゃけると原作キャラです。その相手の名はミラーボ。

 

原作におけるシャドーの4人の幹部の1人で、幹部の中で最初に主人公の前に立ちはだかる序盤の難敵。幹部としては下っ端らしく、他の3幹部がダークポケモンと化したエンテイ・スイクン・ライコウをそれぞれ使用するのに対して、彼に与えられたダークポケモンはウソッキー…世知辛れぇなぁ。

 

そんな下っ端の悲哀を感じさせる待遇格差とは打って変わって、インパクト抜群の見た目に専用BGMを持っていることも合わさって、ミラーボ自身の存在感は作中でも屈指のものがある。あの専用BGMは今でも聞くことが出来るなら聞きたい俺的ポケモン神戦闘曲の1つだ。そしてインパクト抜群の見た目は…まあ、実際に面と向かって見てみるのが早いな。それほどにあのキャラは見た目が強烈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後にもう一つだけ、どうしても言わせて欲しいことがある。

 

 

 

な し て あ ん た 出 て く ん の ?

 

 

 

 

 

 

 




 ハッサムをチートで進化させてアゲトビレッジでバカンスさせてお終いのところを、「どうしても彼を出したい」という思いで書き進めたら、「せっかくのオーレ地方なので軽ーくダブルバトルもやらせてみよう」と寄り道することになったでござる。そんなお話。
コロシアムのプレイ経験がある方には強烈な存在感を残しているであろうミラーボ。クアドラプルンパッパのインパクトは、当時としては抜群のもの。一見ふざけているように見えるけど強い、非常に厄介な敵キャラだったと思います。天候パの先駆者的存在でもあるでしょうか。個人的には雨パといえばミラーボよりもボルグのイメージの方が強いですが。
ミラーボは雨パというよりルンパッパ

そんなミラーボの魅力、描き切れるよう頑張る所存です。
前回の投稿から2か月、中々書き進めることが出来ず大変お待たせしました。ルーンファクトリー5にガッツリハマったりパソコンのHDがお亡くなりになられたり、色々ありましたが私は元気です。そして、オーレ地方出張編を投稿し始めたのが4月…気付けば季節に追いつかれつつある現状。私の宿題は、8月までにオーレ地方篇を終わらせることでしょうね。



…間に合うのか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。