パイラコロシアム、ミラーボとの決勝戦。戦況はこちらのキュウコンと相手のルンパッパ1体が倒れ、数の上では3-3のイーブン。その直後、キュウコンが残してくれた"にほんばれ"も"あまごい"によって上書きされ、ラフレシアの攻撃も"まもる"で止められた。しかし、引き換えにハッサムがノーマークのフリーハンドで残っている。
ここで打てる手は…まあ、打てる手と言っても攻めるか積むかの2つに1つなんだけど。"つばさでうつ"は扱いやすいが、進化したことでタイプ一致技ではなくなり、せっかく使えるようになった"バレットパンチ"(推定)はルンパッパ相手にはタイプ相性のせいで火力不足。先制技故に状況次第では出番はあるかも。よって、狙うなら"れんぞくぎり"になるな。タイプ一致で特性も適用、ハッサムなら威力は十分だ。積み技は"こうそくいどう"しかないが、すいすいルンパッパを意識するなら十分選択肢としてはあり。
因みにこいつ、バレパン覚えた代わりに"きりさく"が使えなくなってた。ノーマル技だし特性も乗らないしで別に無くてもいいんだけど。それ以上につばさでうつとれんぞくぎりを忘れてなくて良かった。そんでもって、図鑑で確認した時の技枠は『???』になってた。未発見の技でも、図鑑の方は一応技として認識しているってことなのだろうか?
さて、相手は手持ちがクアドラプルンパッパ。こちらは残り1体がヤドンなので、実質的ラス2同然。こっちの負けに王手が掛かってると言ってもいい状況だ。流石にヤドンでルンパッパの相手は無理ゲーであると言わざるを得ない。勝つならここで何としてもイニシアティブを握る他ない。
"まもる"を使っていて動けないルンパッパを飛び越えてアタッカー型のルンパッパを狙うのもありだが…まあ、後々まで考えればこっちのが安牌だろ。
「ハッサム、"こうそくいどう"!」
「シャアァラアァァァァイッ!」
無償で積めるなら積むべしってね。すいすいルンパッパを意識するなら、遮二無二攻めるよりその上を取れる可能性を残しておく方が絶対いい…と思う。
「そのまま前のルンパッパに"れんぞくぎり"!」
「シャアァラアァァァァイッ!」
で、お決まりのぐーんと上がった素早さで以て、そのままルンパッパへ突撃させる。狙いは近い方の、"まもる"を使ったばかりの耐久型ルンパッパ。連続で使うと失敗する可能性のある技だから、余程でもなければ連発はないし、"こうそくいどう"で一呼吸置いているから、効果が持続していることもないと踏んだ。
「それならこうだねェ!ハッサムに"やどりぎのタネ"、ラフレシアに"れいとうビーム"だヨ!」
「「るんぱっぱ~!」」
そしたら、"やどりぎのタネ"でお返しされたでござる。やっぱり持ってるのか。んでもって、こっちは"れいとうビーム"持ちか!
「シャアァラアァァァァイッ!」
「ぱっぱーッ!?」
真正面から一発キレイに"れんぞくぎり"が決まり、防御が出来なかったルンパッパが大きく仰け反る。流石のハッサム、良いダメージだ。
「"ヘドロばくだん"ッ!」
「らっふ~!」
そしてその手応えを噛みしめる前に、もう1体ルンパッパからの一撃が迫る。ラフレシアが落ちたらほぼ負け確定なので即座に対応を指示。攻撃同士が空中でぶつかりあって爆発する。
2体同時に指示を出すのって、フィールド全体を把握しておかないといけないような面もあって想像以上に難しい。準決勝まではそこまで気にならなかったけど、このバトルに限ってはその明確なワンテンポの遅れが非常に気になる。ゲームのように簡単にはいかないネ。この辺はダブルバトルがスタンダードで慣れ切っているミラーボが上手くて強いってことなんだろうなぁ。
「ラフレシア、無事だな!?」
「らふ~!」
後手での対応になったラフレシアが、至近での爆風に煽られて若干ダメージを受けたようだが、ひとまずは迎撃成功だ。ハッサムの方も一発ぶち込んだ。
しかし、そのダメージと引き換えにキッチリ仕事はされた。よく見ると、ハッサムの金属質の身体の数か所から小さな植物が目を出しているのが見える。これで、ハッサムは時間経過で少しずつ体力を奪われていくというタイムリミットが課せられた。
一向に使ってくる気配がなかったので、持ってるのかどうか疑っていたが、考えればラフレシアには効果ないし、キュウコンは殴った方が早いしで使う盤面じゃなかった感じか。それにしてもあの耐久ルンパッパの技構成、ドロポン・あまごい・まもる・やどりぎ?ギガドレなしで、回復はやどりぎと特性に頼るのか?1ウェポンは分かるが、何と言うか中途半端な感じはする。
「ハッサム!そのまま後ろのルンパッパにGO!」
「シャアァラアァァァァイッ!」
そんな些細な疑問より、今はルンパッパだ。今し方一発叩き切った耐久型の方は"まもる"があるから、ラフレシア保護の観点からもアタッカーの方を落とすべき。
「ン~、ルンパッパ、Let's dancing!」
「るんぱ!」
ハッサムの突撃は、あと一歩まで迫ったところでキレイに回避された。
「逃がすかっ!」
「シャアァラアァァァァイッ!」
1回でダメなら2回、それでもダメなら当たるまで。狙った獲物は逃がさない、見敵必殺の精神で立て続けにルンパッパを攻め立てる。
一見戦局はハッサムが押しまくっている。しかし、フィールド上はルンパッパの領域。降り続く雨で若干水が浮いたようになっているフィールドを、滑るように華麗なステップと踊るような身のこなしで、ヒラリヒラリと避けていく。
「ラアァァァァイッ!」
諦めることなく追撃するが、暖簾に腕押し状態でさっぱり当たらない、嚙み合わない。ハッサムは決して速いポケモンじゃないけど、ルンパッパもそんな速くはなかったはず。"こうそくいどう"で素早さはぐーんと上がってるんだぞ?それでもすいすいルンパッパの方が速いってことか?マジで?
だったら…!
「ラフレシア"ヘドロばくだん"!」
「らふ!?…らっふ~!」
ラフレシアへ支援射撃の要請だ。一瞬ラフレシアは仲間ごと攻撃することに戸惑いを見せるが、幸いハッサムに毒技は効果なし。フレンドリーファイアの心配は無い。安心してラフレシアにハッサム諸共ルンパッパへの攻撃を指示出来る。
「楽しく踊ってるのに横槍は感心しないねェ!ルンパッパ、"まもる"だヨォ!」
「るんぱっ!」
が、これはもう1体のルンパッパに間に入られて防がれた。
「ふほほ~、ルンパッパ、"ねこだまし"!」
「ん~…るんぱっ!」
「シャァッ!?」
ルンパッパが両手をたたき合わせてパンッ!と小気味のいい音が響き、"ねこだまし"の効果による強制ひるみが入った。てか、場に出て一発目じゃなくても効果あるのかよ!?
ちょっと想定していなかった事態に混乱する俺だが、時間は止まってくれない。目の前で受けたハッサムがビビッて急停止。そして、ミラーボがその隙を見逃すはずもなかった。
「そろそろフィニッシュといこうじゃァないか!"ハイドロポンプ"!」
「るんぱっぱ~!」
「ラァ…ッ」
すかさずもう1体のルンパッパの"ハイドロポンプ"。ひるんだハッサムに躱せる余裕はなく、これをモロに受けて押し流される。まだ戦えはするようだが、手痛い一撃を貰ってしまった。
「くっ…でも、そっちのルンパッパはもらう!ラフレシア"ヘドロばくだん"ッ!」
「らっふ~!」
「パッパ…」
代わりにマークが外れたラフレシアに攻撃を指示。ヘドロの塊が"ハイドロポンプ"を撃ったばかりで隙だらけのルンパッパの横っ面に炸裂し、効果抜群ノックアウト。耐久型のルンパッパであめうけざらに"やどりぎのタネ"があっても、テクニシャンハッサムとラフレシアの効果抜群ダブルラリアットには耐えられなかったようだ。
『ルンパッパ戦闘不能ッ!一進一退の攻防だが、試合はマサヒデ選手優位の展開か!?ミラーボ選手、ここからどう巻き返す!?』
これで残るミラーボのポケモンは2体。あと1体倒せればグッと勝ちが近付くんだが、ハッサムはデカいの一撃貰ってる上に
ヤドンが雨が止むまで持ち堪えて、かつ雨が止んだドンピシャのタイミングで再交代出来ればワンチャン積み直せるが…まあ、ヤドンの奮闘と適切な交代タイミングが求められることに加え、仮にヤドンが頑張ったとしても、その間でラフレシアが落ちたらどの道The Endのシビアな条件をクリアする必要がある。そうである以上、針の穴を通すような戦況管理をするよりも、このまま行けるところまで行った方がまだ勝ちの目が見える…と思う。
「ふほほ~、最後の1体になっちゃったねェ。ま、勝つのはボクなんだけど!Let's Goルンパッパ!」
「るんぱ~」
そして、ミラーボ最後のルンパッパがステージオン。
熱狂の歓声に混じってスタジアムに響くミラーボ戦BGMが勝利への渇望を煽り、心を
フー…戦いは最終局面。相手のフィールド上には無傷のルンパッパが2体、こっちには試合開始から出ずっぱりで消耗してるラフレシア&それ以上に消耗しててタイムリミット持ちのハッサム。後ろにはほぼ役割がないヤドン…ハッサムが動ける間に、攻撃を集中させて各個撃破するしかないな。どちらか片方でも落とすのが最低条件。
「ハッサム!ラフレシア!後ろのルンパッパに攻撃を集中させろ!」
「ラアァァァァイッ!」
「らふ~!」
狙いは"れいとうビーム"持ちのルンパッパ。さっき同様ハッサムが切り込み、ラフレシアが支援砲撃を行う。どの道倒すならハッサムとラフレシアの双方にとって危険な相手をさっさと始末しておいた方がいい。"ねこだまし"には驚いたが、ゲームでの仕様を考えればたぶん一発限りのはず。2度目はない。
「ふほほ~!It's show time!"フラフラダンス"!」
「るんぱ~!」
「うげ…」
その機先を制するように、ミラーボが選択したのはさっき繰り出したばかりのルンパッパの"フラフラダンス"。俺がキュウコンで常用している"あやしいひかり"と同様に、相手を混乱状態にする技だ。
「ルァァーー…イィィィ~…?」
「ふらふらふ~…」
「る~んぱっぱ~…」
ただ、ダブルバトルになると"あやしいひかり"が相手単体を対象に取るのに対し、この技は味方も含めた自分以外の全てのポケモンが効果の対象になる。迷惑この上ない。
「止めてくれ」と言いたくなるよりも早く、ルンパッパの不思議な踊りに釣られて、ハッサムもラフレシアも踊りだす。覚束ない足取りで身体をゆっくり左に右に、クルクルクルクル回って回って回り、踊り終わると全員揃って文字通りにフラッフラ。
「ハッサム!ラフレシア!しっかりしろぉーッ!」
「らああぁぁーー…」
「ふらふ~ら~…」
何とか当初の目標のルンパッパに対して向かって行こうとするも、空中でフラフラの千鳥足?状態なハッサムに、頭の花を前後にカクンカクンさせながらも攻撃態勢に入るラフレシア。しっかりしろと檄を飛ばすも、対して効果は無し。悲劇的ビフォーアフター、このアフロ、何ということをしてくれたのでしょう。
「ふほほ~、キミも一緒に踊ろうじゃないかァ!Shall we dance?ルンパッパ、"ハイドロポンプ"!」
「る~る~る~んぱァッ!?」
右に左に揺れしながらも向かって行くハッサムを迎え撃とうとしたルンパッパは、見事にバランスを崩してコケた。チャンスだ、決めるならここしかない!
「ノーセンキューだッ!ハッサム行けェッ!」
「しゃあぁらあぁぁぁーーーっ!」
ダンスのお誘いは全力で拒否する俺の号令の下、ハッサムは不安定な状態のまま、イマイチ締まらない若干気の抜けたような雄叫びを上げて、勢い良くルンパッパへ突撃を開始。
「あぁぁぁーーーァィーーーッ!?」
そして頭から地面に突っ込む見事なヘッドスライディング…基、ヘッドツライディングを決めた。
「ラ、ラフレシア頼む…っ!」
「らふら~…らふっ!?」
ハッサムがダメならラフレシア…だったが、ラフレシアも攻撃態勢に入ったところで後ろに重心が傾きすぎて、頭を支えきれずにそのまま後ろにすってんころりん。このターンはこっちもあっちも、全員攻撃が不発に終わった。辛いです…勝つのが好きだから…
「ふっほほほほほ~!イイねェ、楽しくなってきたねェ!お前たちィ、ハッサムに"ハイドロポンプ"だよ!」
「るんぱっ!」
「る~んぱ~っぱ~…」
そして、一周回って態勢を整えた2体のルンパッパによる、水の奔流のクロスファイアがハッサムに迫る。今回は向こうのルンパッパはちゃんと動いたようだ。ド畜生が。
「躱せハッサム!ラフレシアは"ヘドロばくだん"!頼む…っ!」
踊ってる場合じゃないぞ、動け、動いてくれ。そう願って藁にも縋る思いで指示を出す。後は運否天賦、全ては天の神様の言う通り…
「シャァァー……ッ」
…まあ、いくら信心深かろうが必死に祈ろうが、世の中上手くいかない時は上手くいかないものでして。ハッサムは動けず躱せずで攻撃をまともに喰らってノックアウト。
「ふ~ら~…らふぅッ!?」
ラフレシアは体勢を立て直して、立て直した勢いでそのまま今度は前につんのめって地面とごっつんこ。連続の自傷でこっちは1ターン分の時間を丸々浪費した形になり、完全に勝負の趨勢は相手に傾いた。
と言うか、何気に新手のルンパッパもハッサムよりも先に動いたよな?…てことは、もう1体も特性"すいすい"かよ…てっきりゲーム同様、すいすいのアタッカー2体とあめうけざらの耐久型2体の組み合わせとばかり…
『ハッサム戦闘不能ッ!』
『オオォォォォーーーーー‼‼』
ハッサム戦闘不能の宣言がフィールドに響き、ミラーボの逆転に観客席が盛り上がる。
残るはヤドンと手負いのラフレシア。向こうはルンパッパ2体で1体はフルヘルス、おまけに雨降ってて素早さはあっちが上…うん、無理。これもうほとんど打つ手ないだろ。
「…あ、雨が…」
このタイミングで雨が上がる。だが、"こうそくいどう"を積んだハッサムよりも速かったルンパッパどもだ。残りがラフレシアとヤドンじゃ、雨が降っていようと止んでいようと最早関係ないだろう。
「…ヤドン、済まんが頼むぞ」
「………やぁん」
それでも、この場に立つ以上は最後まで諦めるわけにはいかない。ゲームじゃよく降参は選択してたけど、こうやって面と向かってぶつかり合う状況だと、その選択は頑張ってるポケモンたちにも相手にも失礼だと思うから。
あと、サカキさんに何言われるか分からないからネ。むしろこっちの理由の方が大きゲフンゲフン。手を抜いたとか難癖付けられて、反省文感覚で追加の課題を出されかねん。これ以上の夏休みの宿題はノーセンキューです。
「ふほほ~、それじゃァ最後にもう一踊り、いっちゃおっかなァ~!」
「るんぱ~!」
「るんぱ~!」
今もゴキゲンなBGMに乗って踊り続けている陽気なアフロとルンパッパどもが、この上なく憎たらしく、かつ絶望的な壁に見える。俺がサカキさん相手にした時によく見てる、敗北者の見る景色だ…
「まだだ、まだ終わってない…!目にもの見せてやるんだ!」
なら、少しでも足掻いてやろうじゃないか。万が一に、ポロっと勝ち筋が転がり込んでくるやもしれん。行くぞ、ラフレシア!ヤドン!諦めるものか…!
「ふ~らぁ~ふ~…らぁッ!?」
「………………やぁん?」
…ゴメン、やっぱダメそう。
『勝負ありッ!勝者ァ…ミラーボォーーーーーッ‼』
『オオオオオォォォォーーーーーッ‼‼‼‼』
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「おつかれさん坊主、惜しかったじゃねぇか!」
「…癪ではありますが、よくやるものです」
「ははは、どうも…はぁ」
急な参戦だったパイラコロシアム。試合が終わり、フィールドを引き上げた俺は、ラムダのおっちゃんとアポロさんに出迎えられた。おっちゃんにはそこそこ機嫌良さそうに、アポロさんにも不承不承といった感じながら「よくやった」と労われたが、やはり負け試合は悔しいもので、素直に喜ぶ気にはなれない。
アレだね、高校野球、少年野球で相手チーム側のスタンド席から試合終了後に拍手を送られてる感覚。相手の健闘を称えるものだけど、個人的にあの瞬間程悔しいものはないとも思う。今は正しくそれに近い気分だわ。
ただ、ミラーボにこそ完敗したが、準優勝も立派な成績であるのも事実。サカキさんから課された目標もクリアしたし、色々と足りない中で遣り繰りしてのこの成績なんだから、考えてみれば全然悪いものじゃあない。悔しいものは悔しいが。
「マサヒデ、ご苦労」
「っ…あ、ありがとうございます」
そして満を持してというかなんというか、今回も言い出しっぺなサカキさんの登場。何と返していいものか分からず、言葉に詰まってしまう。
「不様な結果ならどうしてやろうかと思っていたが…まあ、合格点をやろう。さて、それはそうと、初めてのオーレ流のバトルはどうだった」
とりあえず、宿題のお代わりが無かったことに一安心。目標ラインクリアしてんのに不合格とか言われたら心が折れる。サカキさんなら何があっても不思議ではないと思ってる。
そして初ダブルバトルの感想か…やっぱシングルとは勝手が違って、だいぶやり辛かったなぁ。
「そうですね…まず、2体のポケモンを同時に戦わせるので、採れる戦術・選択肢が豊富で多彩です。だから、シングルバトルでは難しいポケモンと技のコンビネーションが容易に成立し得ると感じました。それと、2-2で合計4体のポケモンの状況と戦況把握のため、広範囲への視野と対応が求められるので、思っていた以上に難しかったです」
「ほう…難しいと言う割に、私には上手く順応していたように見えたが?」
「急拵えのラフレシア-キュウコンの中軸が、準決勝までは運良く嵌っただけです。決勝ではそれが通じませんでした。相手は明らかに他のトレーナーとは別格、アポロさんやラムダさんでも負けたのも納得の相手です」
準決勝までは即席晴れパでも十分何とかなったけど、決勝ではどうしても綻びが出てしまって、立て直せなかった。ミラーボみたいに強い相手になると、やはり即席パーティでは難しいな。
「ポケモンの実力とコンビネーションは勿論ですが、トレーナーにもシングルバトルとはまた違った知識、そしてバトル形式そのものへの理解が必要だと思います。正直、普段の1vs1のバトルとは別物だと考えた方がいいかと」
「ふむ…」
以上、実際に戦ってみたダブルバトルの感想…と言うよりかは、所感で補った知識に基づく所見をサカキさんに伝える。
「何にせよ、ご苦労だった。準備が出来次第、アゲトビレッジに向けて発つ予定だ。それまで…」
「お、見つけましたよォ」
「「「「…!?」」」」
そこにいきなり現れたのは、誰あろう決勝戦の相手・ミラーボ。その存在感は強烈で、一度間近で顔を合わせているとは言え、突然の登場に俺もアポロさんもラムダさんもびっくり。果てはサカキさんまで驚いているという中々珍しい光景が出現した。一度彼が視界に入ったが最後、その存在感はありとあらゆるものを圧倒する。
…まあ、高身長・巨大アフロ・金ピカ衣装のトリプルキックじゃ無理もない。
「貴方がMr.サカキですねぇ?決勝見ていたなら分かっているとは思いますケド、ボクはミラーボ。パイラタウンの…ン~、責任者…ってところかナ?上の者から挨拶してこいと言われちゃってネ、御見送りに来ましたヨ」
「む、いや失礼した。TCP社社長のサカキです。本日はお招きいただき感謝しています。そしてお強いですな。我が社の者が手も足も出ないとは…正直想定外でしたが、優勝お見事でした」
「イヤイヤ、皆さん良い腕をお持ちですヨ。負けはこっちでのバトルの流儀に不慣れだったからでしょう。経験を積めば、皆さん上を目指せると思いますねェ~」
「うちの腕利きたちがこうもいいように転がされるとは思いませんでしたが、良い経験をさせていただきました。しかし、貴殿は遠目で見ていても大きいと思っていたが、間近で見ると予想以上だ」
「ふっほほほ~」
その後、少しの間サカキさんとミラーボによる立ち話という形での対談が続いた。
「…お~っと、危ない危ない。忘れるところだったよ~ん」
そして対談が一区切りついたところで、ミラーボの視線は俺に向いた。
「少年、準優勝おめでとう~」
「え…あ、ありがとうございます…」
「そんなキミの健闘を称えて、プレゼントさ。ま、ただの準優勝賞金なんだけどネ~」
手渡されたのはなんてことはない、コロシアムの賞金だった。やっぱあんた運営サイド…と言うか、シャドーが用意した刺客だったんだな。まあ知ってた。
「ボクにあそこまで食い下がれるトレーナー、久しぶりに出会った気がするネェ。なかなか楽しい時間だったヨ。機会があれば、一緒に踊ろうじゃないか。それと、賞金の使い道はよくよく考えなヨ~。それじゃ、ボクはこれにて~」
そしてミラーボは去っていった。「また一緒に踊ろう」とか言われたが、ポケモンの一ファンとしては嬉しくもあり、その一方では会う機会なんてない方がいいという現実的な考えもあり…複雑な心境である。
…それと、渡されたのが賞金だけで良かった。ダークポケモン持たされるんじゃないかと身構えちゃったじゃないか。
何はともあれ、この後しばらくして俺たちは本来の目的地であるアゲトビレッジを目指して出発。焼き鏝で押し付けられたような、金ピカアフロのダン☆サーで塗り潰された思い出を胸に、パイラタウンに別れを告げた。
…なお、賞金は正直子供にポンっと渡して大丈夫と思えるような額ではなかった。恐るべしポケモン世界、恐るべしオーレ地方…何はともあれ、やったぜ。
ミラーボ戦後半です。初めてダブルバトル書きましたが、場に出てるだけで4体もいると、考えること多くて難しい…なお、正直オーレ編は書く必要なかったとは思ってるけど、ミラーボを出したいがためだけに書いたっていう。まあ、それでも活躍はこの程度なワケなんですが。あと、一応8月中に完成したヨ()。なお、世間の夏休みは終わったのに、この作品の夏休みはまだ終わらない模様。だ、大学は9月末まで休みだから…()
ミラーボのルンパッパは、あまごいのみ固定で他は色々変えてみました。特性もすいすい3のあめうけざら1です。そしてねこだましを若干改変。最初のターンでのみ成功するというゲーム仕様から、最初の一発のみ成功、タイミングは問わず…って感じにしてみました。アニポケ風の戦闘に直すとそっちのが自然かなって。
さて、ダイパリメイクの情報がぽつぽつ出始めてますね。作者のパール産色違いムクホークがポケモンホームで待機してますぜ。それと、ギラティナ・ダークライ・クレセリア・シェイミとか辺りで、追加ストーリーがあったりするのでしょうか?ルビサファのエピソードデルタは色々不評が多かったようですが…そんなことよりバトルフロンティアだ。バトルフロンティアさえあれば全ては許される。なんか公表されたマップ上にそれらしきものは無かったようですが…最後まで希望は捨てない…ッ。
…その前に頑張って続き書かないとナー()