成り行き任せのポケモン世界   作:バックパサー

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第61話:超知識(チート)vs超能力(エスパー)(3)

 

 

 

 ヤマブキジムリーダー・ナツメとの戦いは、最大の山場と踏んでいた難敵・フーディンを、レアコイル・スピアーの2体掛かりで何とか撃破。エースを討ち取って、お互いの残りポケモンは3−2となった。

 

 

「…戻って、フーディン」

 

 

ナツメさんが倒れたフーディンをボールに戻して、こちらに向き直る。

 

 

「…してやられたわね…完全に」

 

「レアコイル様様ですよ。完全に」

 

 

フーディンが万全だったなら、スピアーの一撃は呆気なく躱され、返しで明後日の方向からサイコキネシスが飛んで来ていたのだろう。スピアーも頑張ってくれたが、それ以上にレアコイルの果たした役目は大きい。でんじはにひかりのかべ、どちらかが欠けていたらスピアーの勝ちは覚束なかったかもしれない。

 

と言うか、分かっちゃいたけど本当にその読心能力、正確にはそれによる先回りが強過ぎる。

 

 

「……さっきも言ったけど、私の能力も万能じゃないのよ?」

 

「それでも十分過ぎますよ…」

 

 

さっきはレアコイルのおかげで何とかなったけど、先手を打たれ続けるのは盤面としても精神的にもキツイ。しかも、その読心能力を十全に活かせるだけの高速高火力を持つフーディンとの相性も抜群だった。

 

対戦する身としてはたまったもんじゃないんだよなぁ。

 

 

「…そう言う貴方も、私が知らない…いえ、たぶん貴方以外の誰もが知らない知識(こと)を武器に戦ってるじゃない」

 

「………」

 

「しかも、その出所も根拠も不明な知識が正しいと確信している」

 

「……ええ、そうですね」

 

 

それ言われたら何も言い返せねぇなぁ…何なら今この世界に存在する大半のポケモン研究者よりも、俺の方がポケモンについて詳しいなんて可能性も…と言うか、たぶんそう。

 

 

「…ずいぶん大口叩くわね。貴方がどこで、どうやって、そう言えるだけの知識を手に入れたのか…とても気になる所ではあるけど、それは後で聞くとしましょう。まだ勝負は終わってないのだから」

 

 

おっと、そうだそうだ。最大の難所は越えたとは言え、バトルそのものはまだようやく折り返し地点。気を抜いていいような状況じゃあない。

 

 

「…行って、ルージュラ」

「じゅらる~」

 

 

そして、ナツメさんがフィールドに送り込んできた3体目のポケモンはルージュラ。人に近いような見た目のこおり・エスパータイプのポケモン。ゲームでは四天王・カンナの手持ちに入っているので、個人的にはエスパーというよりもこおりタイプの印象が強い。

 

こいつは意外というか、想定外だ。挑戦する前に多少調べたが、使ってるなんて情報はなかったぞ。

 

初代からいるのにも関わらずカントー地方には野生で生息しておらず、初代ではゲーム内のNPCと交換で手に入れるしか入手手段がなかったレアポケモン。どこで手に入れたんだろう?

 

 

「…人から貰った子だから、どこで捕まえたのかまでは知らないわ」

 

「あ、さいですか…」

 

 

俺自身が持ってなかったから記憶が定かじゃないけど、青版だと双子島で野生で出たんだったっけ?こっちじゃどうかは分からないけど、まあ、どっちだろうと珍しいポケモンであることには変わりない。

 

ルージュラは専用技"あくまのキッス"で有名だが、基本的にはフーディンと似た高火力の特殊アタッカーという位置付けなので、戦い方はフーディンを相手にしている時と同じ感じになるだろう。

 

ただ、フーディンと比べると能力的には1段劣るし、物理方面が紙耐久なのはフーディンと同様だ。麻痺にリフレクターもあったとは言え、フーディンとの撃ち合いに勝利したスピアーだ。問題なくブチ抜くことが出来る。勢いのまま、一気に勝利を手繰り寄せるんだ。その奇っ怪な面を、華麗に吹っ飛ばしてやるぜ。

 

 

「先手は貰います!スピアー、ミサイルばり!」

「ビィッ!」

 

 

宣言通りにスピアーが先手を奪い、攻撃を仕掛ける。

 

 

「…」

「じゅらっ!」

 

 

ルージュラは僅かに立ち遅れたが、それでも機敏な動きでこの攻撃を回避。返しのサイコキネシスがスピアーに迫る。

 

 

「躱せ!」

「ビィ!」

 

 

指示に合わせてスピアーも攻撃を回避。

 

 

「ビィッ!」

 

 

このままミドルレンジからの技の応酬になるか…と思いきや、ここでスピアーがその闘争心を見せてくれた。サイコキネシスのスレスレを掠めるように一気にルージュラに肉薄する。そこに、ここまでのダメージの蓄積は感じさせない。俺の意図しない動きではあったが、とても助かる。

 

スピアーのような物理技主体のポケモンは、距離を詰めてなんぼみたいなところはある。俺が指示するまでもなく、本能的にそれを理解し、実行しているんだろう。

 

 

「…!」

「じゅらっ!?」

 

 

しかも、この突撃にはルージュラ、そしてナツメさんの反応が遅れ、ルージュラが対応に動き出す時には、すでにスピアーはルージュラを自分の間合いに捉えていた。

 

ここまで飛び込んだなら、どくづき…いや。

 

 

「ミサイルばりだッ!」

「スピャァッ!」

「…っ」

「じゅら…ッ!」

 

 

さっきよりも大きく距離を詰めた、近距離から強烈な一撃をルージュラに見舞う。素通しだったら余裕の決定打だったが、対するルージュラは間一髪のところで対応。フーディンと同じようにサイコキネシスでこれを押し止め、押し返しにかかった。

 

 

「スピ…ィ…ッ」

「じゅら…ぁ…ッ!」

 

 

針の散弾銃と不可視の念波による押し相撲。ルージュラに程近い場所でぶつかり合う。態勢はスピアーが優勢。拮抗する中で推力を失った針はフィールドに落下するが、それでも完全に推力を殺し切れなかった針はそのままルージュラ周辺にバラけるように着弾。

 

直撃弾こそないが、ルージュラを掠める針でチクチクとダメージは入っているようで、ルージュラにも苦悶の表情が見える。特性による火力補正も乗ったミサイルばりだ。一発入れば十分致命傷になり得る。このままなら問答無用で押し切れ…

 

 

「ピ…」

「…あ」

「じゅ、じゅらぁっ!」

 

 

 

…とか思ってたら、スピアーの攻撃がピタリと止まってしまったんだが。拮抗する力の一方が急に消失したことで、ルージュラのサイコキネシスはそのままスピアー目掛けて一直線。

 

 

「ビィーーーッ!?」

「ス、スピアーーッ!?」

 

 

回避の遅れたスピアーは、俺が指示を出す時間すらなく念波の奔流に飲み込まれた。距離を詰めたことが逆に仇となったか、はたまた目には見えずともダメージの蓄積が大きかったか…

 

 

「ビ…ィ~…」

 

 

吹っ飛ばされたスピアーはそのままフィールドに沈んだ。

 

 

「スピアー、戦闘不能!」

 

 

戦闘不能のジャッジ。まあ、()もありなん。フーディンから1発、みがわりで1/4、そしてルージュラの1発…当然、スピアーにそれを耐えられる余裕などあるはずもない。

 

今のスピアーなら余裕で真正面から消し飛ばせると思ったんだが、まさかここで連続技の最低値を引くとは…まあ、これも連続技の仕方ないところ。勝負の運と割り切るしかない。やはり連続技使うならパルシェンとかチラチーノ、メガヘラクロスなんかのスキルリンク持ちが安定でござるな。殻破パルシェンなんか、今の時代に持ち込んだらどうなることか。

 

…速攻でぶっ壊れ認定される姿が余裕で想像出来る。やってみたい気持ちはちょっとあるけど。

 

 

「お疲れさん」

 

 

とりあえず、最大の難敵フーディンは片付けてくれたからヨシッ!ってことで。ご苦労、スピアー。

 

 

 

 さって、そんじゃスピアーの後をどっちに託すかだが…ま、ルージュラが相手ならそろそろ秘密兵器解禁の頃合いってことでいいでしょう。

 

 

「ハッサム、ゴー!」

「シャアラアァァァァァイッ!!」

 

 

進化しても変わらない、ちょっとだけ変わった奇声と共に、ハッサムがフィールドに降り立った…と思ったら、そのまま俺の周りをグルグルと飛び回りながら、鎌が変化した両腕の鋼鉄の鋏をガチガチと鳴らし始める。

 

相変わらずだけど、これがハッサムの臨戦態勢だ…と思いたい。

 

 

「初めて見るポケモン…それが貴方の秘密兵器なのね?」

 

 

少し驚いた表情のナツメさん。それ以上に、観客席がざわついている。ジムリーダーが初めて見るポケモンなら、大多数の観客たちにとっても未知のポケモンなのは当然か?

 

 

「ええ、対貴女用の決戦兵器ですよ。これがカントー地方の公式戦初のハッサムの戦闘になるかもしれません」

 

 

そう言うことなら、こっちもマジであり得そうだったり。何なら、カントー地方で今ハッサム持ってるのは俺だけって可能性もある。

 

 

「ふぅん…?ストライクの進化系なのね…初めて知ったわ、そんなポケモンがいるなんて。タイプはむしと…はがねタイプ…?」

 

「御名答。タイプの上ではスピアーよりもエスパーキラーですよ?」

 

「…なるほど、ね…けれど、金属化した分ストライクよりも俊敏さはなさそうね」

 

 

…まあ、素早さ種族値65ですし。

 

 

「……その種族値だの、65という数値がどうのってのはイマイチ理解出来ないけど、私のルージュラ、見た目よりは速いわよ…?」

 

 

分かってますよ、それぐらい。

 

 

「…へぇ、余程自信があるのね…じゃ、私のルージュラとどっちが速いか、勝負といきましょうか」

 

「いいでしょう…!」

 

「…ルージュラ」

「じゅらぁ…!」

 

 

それが合図となって、バトル再開。唇を妖しく輝かせながら、ルージュラが突進してきた。言わずとも分かる、例のアレ…あくまのキッスだ。そして思った以上にルージュラが速い。その上、唇を突き出し気味に両手を構えて突進してくる姿は圧力を感じると言うか、若干ホラー。

 

 

 

…でも残念。ハッサムには素早さがどうのなんて関係ない。さあ、ブチ抜くぞ!

 

 

「ハッサム、"メタルクロー"ッ!!」

「シャアラアァァァァァイッ!!」

「ジュ…ラアァッ!?」

「…ッ!?ルージュラッ!!」

 

 

俺の指示を聞くや否や、ハッサムが一気に加速して突撃。先に動いていたルージュラに捕まるよりも早く、加速を乗っけて光り輝く鋼鉄の鋏をルージュラに思いっきり叩き付けた。

 

ほぼ無防備な胴の辺りに強烈な弾丸パンチを複数発叩き込まれたルージュラ。身体をくの字に折って吹っ飛び、そのまま鈍い音を響かせてスタジアムの壁に打ち付けられた。

 

 

「じゅ~ら~る~…」

「ル、ルージュラ、戦闘不能ッ!」

 

 

これぞ弾丸カマキリ。ハッサムが誇る神速の一撃の前に、敢え無くルージュラはダウン。これでナツメさんをあと1体まで追い込んだ。

 

 

 

 

 

 

…はい、今のハッサムの攻撃、「なんでメタルクローで加速してるんだ?」とか「クローなのにパンチ?」とか思ったそこのあなた。正解です。本来のメタルクローは確率でこうげきが上昇する可能性がある以外、何ら特筆すべき点の無い攻撃技。当然、使用したポケモンを加速させる効果なんて1mmたりともありません。

 

じゃあ、このハッサムの加速力は何なのか?と言えば、真相は至極単純な話。メタルクローと言っているこの技が、実際ははがねタイプの先制技・バレットパンチであるというだけなのである。まあ、オーレでテスト試合やった時に(たぶん)使っていたしな。

 

…ん?じゃあ「なんでバレパンをメタルクローと言っているのか?」だって?それには、深いワケがあるのだよ。

半分ぐらい俺の私情込みだけど。

 

 

 

 話は今から2週間ほど前のこと。初めて実物を入手したポケモンと言うことで、俺のハッサムはサカキさん…もっと言うならTCP社に調査のためカツアゲ預けられた。その調査が進む中で、『進化直後の試合で遣っていた技は一体何だ?』と言う疑問が持ち上がった。

 

そもそも、カントー地方ではがねタイプのポケモンと言えば、コイル・レアコイル・ハッサム・ハガネールで全て。大甘に見てアローラサンド・サンドパンやジバコイル、隣接するジョウト地方のポケモンなんかを加えても両手で足りる程度しかいない。

 

そして、それははがねタイプの技も同じこと。このメタルクローと"アイアンテール"など、片手で数えられる程度しか見つかっていないのが現状だ。

 

詰まる話、はがねタイプがほとんどいない→メタルクローを使っているポケモンもほとんどいない、となり、結果「この技はメタルクローではない」と判断出来るほどの知見が誰にもなかった…ってことだったんではないだろうか?俺の推測だけど。

 

で、そこの所をサカキさんに聞かれた俺が、バレットパンチを知ってることがバレたら…と言う一心で、「メタルクローでは?」と答えた結果、この技は表向きメタルクローということになった。ただそれだけの話。

 

咄嗟に澄ました顔して大嘘かましてみたら、なんかそのまま通っちゃった(テヘペロ)。正直内心ヒヤヒヤだった。何なら今もいつかバレるんじゃないかとヒヤヒヤしてる。やっぱり人間正直が一番やで。

 

なお、サカキさん相手に正直になった場合、高確率で堅気じゃないお仕事のルートへ一直線の模様。

 

 

 

…ただ、この時代にハッサムがバレパン使えたら最強じゃね?って考えたら、まあ…結果オーライっしょ。事実上、大手を振ってバレットパンチ使えるんだから。

 

メタルクローじゃないとバレたら、その時は思いっ切り驚いて誤魔化そう。

 

 

「…また、変なことを考えてるのね。勝負の途中なのに、よくもまぁ…」

 

 

そして、その諸々の悪巧みが筒抜け状態なナツメさんが、しかめっ面でこっちを見ている。今のあれやこれや、オフレコでお願いします。

 

 

「…まあ何言ってるのかよく分からないし、別に良いのだけれど…」

 

「はは、すいません…でも、これで王手ですよ」

 

「はぁ…貴方とのバトルは、色々と予想外なことが多すぎる。あっという間にルージュラが倒されてしまうなんて、また未来を変えられてしまったわ」

 

 

オマケに何考えてるのか、分かるけど分からないし…そう言って、1つ大きく溜息を吐いたナツメさん。

 

 

「決められた未来も良いですけど、自分の未来は自分で切り開くもんでしょう?」

 

 

一体どんな未来を見たのかは多少気になるが、自分にとってよろしくない未来は全力で変えなきゃなるまいよ。少なくとも、この先の俺はそうしなきゃならん。

 

なお、現代日本にいた頃の俺にはとてもじゃないけど胸張って言えないセリフである。何なら今も胸張って言えない。ダメ人間故致し方なし。

 

 

「…ええ、そうね。私だって、嫌な未来を視れば『変えたい』と思うもの。だから、最後まで全力よ…勿論、ジムリーダーとして、ね……行きなさい、ユンゲラー」

「ユゥゥン!」

 

 

ナツメさんの4体目はユンゲラー。フーディンの進化前のポケモンだな。本来だったらフーディンよりも前に出てきてたんだろう。ただ、進化前とは言え特殊攻撃面ではフーディンと遜色ない能力をしていたと記憶している。そして、フーディンの前というだけあって、ハッサムへの有効打となると、あったとしてもほのおのパンチが精々。何も恐れるものはない。

 

 

「何があってもこれがラストだ!勝って終わろうぜ、ハッサム!」

「シャアラアァァァァァイッ!!」

 

 

そうして、再開と同時にハッサムは一直線にユンゲラーへ突撃を始めた。

 

 

「ユンゲラー」

「ユゥン!」

 

 

対するユンゲラーはフーディンと同様、正面衝突は避けてテレポートで攻撃を躱しつつ、ハッサムの側面を取ろうという動き。何だかんだ言って素早さの種族値高いんだよな、ユンゲラー。

 

 

バレットパンチ(メタルクロー)ッ!」

「シャアラアァァァァァイッ!!」

「ユゥグァーーッ!!」

 

 

まあ、それでもフーディンよりは幾分か遅いし、そもそも先制技故の強烈過ぎる加速力を発揮するバレパンの前には無意味だが。テレポートするよりも早く、超加速にテクニシャン補正も乗っけたハッサムの鋏がユンゲラーに突き刺さり、身体をくの字に折り曲げてブッ飛んでいく。まるでルージュラとの戦いを巻き戻して見ているような展開だ。

 

思い返せば、フーディンを少ない損害で突破出来た時点で、勝負の大勢は決していたのかもしれない。どんなに素早さが高くても、強制的に先手を奪えるハッサムに対して、ユンゲラーは華奢過ぎた。

 

 

バレットパンチ(メタルクロー)で、ラストッ!!」

「シャアラアァァァァァイッ!!」

「ユゥ…ン…ッ」

 

 

壁に叩き付けられたユンゲラーは、その状態のまま追撃のバレットパンチもまともに受けたところで、呻き声を残して倒れ伏した。

 

 

「…ユンゲラー、戦闘不能!よって勝者、挑戦者マサヒデ!」

 

『オオオォォォォーーーーッ!!!!』

 

 

試合終了を告げる審判の宣言がフィールドに響き渡り、観客席から大歓声が沸き起こる。ずいぶん時間がかかった気がするけど、ヤマブキジム制覇だ。

 

これで残るジムバッジはあと2つ。この後はニビジムを目指して、そこを制覇したら…いよいよ、ラスボスが待ち構えている。

 

最早騒音の域にまで達しているようにしか思えない興奮と歓声の中、俺は張っていた肩の力を抜き、大きく息を吐いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、かなり力を入れたはずの催眠対策がほぼ無意味だった件について。カゴのみガン積みしてたのに、催眠技使うのがルージュラだけだったんだが。完全に不発に終わったのは、トレーナーとしてはちょっとなぁ…。

 

…まあ、勝負の世界だ。こういうことも時にはあるか。終わり良ければ総て良し、原作知識(チート)vs超能力(エスパー)原作知識(チート)の勝ち…ってことで。

 

 

 

かくして、俺のヤマブキジム挑戦は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 試合後、観客や他の挑戦者から声を掛けられたり、テレビなのか新聞なのかの記者だという人から軽くインタビュー受けたりなんかして、勝利の達成感を心の底から噛み締めつつ、ポケモンセンターに戻った俺。回復のためにスピアーたちを預けた後は他にやることもなく、のんびりと勝利の余韻に浸っていた。

 

 

そんな中、時間が過ぎて夕方頃のこと…

 

 

『コンコンコン』

 

「…?」

 

突然、部屋の扉をノックする音。

 

 

「はい?」

 

「お休みのところ申し訳ございません。ヤマブキジムのスタッフの方がお見えになっていまして、マサヒデさんにお会いしたいと」

 

「ヤマブキジムのスタッフさん…ですか?」

 

「はい。何でも、至急お伝えすることがあるとのことです」

 

 

ヤマブキジムのスタッフと名乗る人物が、俺に会いに来ているとポケセンの職員さんから伝えられた。

 

「至急伝えたいことがある」とのことだが、何だろう?と疑問を抱きつつも、俺は深く考えることなく訪問者が待つポケモンセンターのロビーへと顔を出した。

 

 

 

 

 

…まさか、これが運の尽きだとは夢にも思わなかった。

 

ホイホイ顔を出した先で待っていたのは、件のスタッフさん…と、傍にフーディン。

 

それを認識した次の瞬間。

 

 

「ディインッ」

 

「…っ!?」

 

 

俺は不思議な感覚に囚われた。それはちょっと前…具体的にはそう、ヤマブキジムに挑んでいる最中に感じたような、僅かな浮遊感だ。

 

そして、ほんの数秒間の浮遊感の後に、それまでいた多くの利用者たちでごった返すポケモンセンターのロビーから、周囲の風景が一瞬で切り替わった。

 

明るめの色調で、小綺麗に整理整頓がなされた誰かの私室のような風景。

 

 

「いらっしゃい。お早いお帰りね」

 

「………」

 

 

…そして、その中心で半日前に別れたはずのナツメさんが、真っ直ぐにこちらを見据えていた。

 

Why?

 

 

 

 

 




《超能力少女ナツメさん(19)の能力設定》
・読心:至近距離なら出来る。距離が離れるにつれて、読み取り辛くなる。バトル中の距離だと断片的に可能。
・未来予知:完全ではないが出来る。どちらかと言えば超高精度な予測。
・テレパシー:一定距離内ならポケモン相手には出来る。人相手にはまだ無理。バトル中の距離ではほぼ完璧に使える。

ナツメさんの超能力に関しては色々賛否あると思いますが、この作品内ではこんな感じで行きます。そして、延長戦突入。
話は変わって、アルセウス面白いですね。楽しんでます。だから更新が遅くなる。
まさか「カイリュー、はかいこうせん!」を身を以て体験出来る日が来ようとは…迫力がありました。あとギャラドスさん、アンタ何平然と空飛んでるんすか。最初見つけた時、思わず二度見しちゃったじゃないか。色々と驚きはありましたが、一番の衝撃はこれかもしれん…


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