東郷を探して、次の日のこと。僕らは部室に集まっていた。もちろんスバルたちもだ
「東郷さん、元からいない事になってる…教室に机もないし」
「たちの悪いイジメみたいじゃない…」
「大赦なら何か知ってるだろうけど…」
「でも私には何も知らないって…」
「僕の方も聞いてみたけど、知らないみたいだ」
一体何が起きているのか、全員で話し合っていると園子がアタッシュケースを手に、部室へ入ってきた。
「本当に何も知らないみたいだよ。大赦は……わっしーの事、私が話せる地位の神官さん達に聞いたけど、皆震えながら『知らない』って…」
「大赦すら知らない事態なんて…」
大赦も関係してないとなると……もしかして魔法関係なのか?
「スバルたちは何かしら聞いてないか?」
「何も……なのはさんたちもあっちで探してくれたみたいだけど、手がかりが見つからなかったんだって……」
じゃあもう闇雲に探すしかないっていうのか?すると園子はケースを開けた。そこにはみんなの端末が入っていた
「これしかないみたいだね」
「これって……」
「勇者システム…」
みんなからしてみれば嫌な思い出だけど、この端末は……
「安心してください。この勇者システムは前回のと同じようにカートリッジシステムが組まれています。前みたいな散華は確実に起きません」
「そういえば前にあっちに行く前に改良したって言ったわね……でもよく借りられたわね」
「ぷんぷん怒って『出して』って言ったら、大赦の人が出してくれたよ。
これで見つけに行こう」
園子は自分の分の端末を取り出し、あることを告げた
「見て、わっしーの端末がないんだよ。でも、私の端末のデータにわっしーの反応がない。もしかしてわっしーは凄くびっくりする所にいるんじゃないかな」
「壁の外!?」
「壁の外って確か……炎に包まれてるんじゃ」
ティアナの言うとおり、壁の外は炎に包まれている。だけどもしも東郷がいるとしたらそこしかない。それなら……
「行くか」
「そうね。あの馬鹿を見つけに行くわよ!」
僕らは急いで外へ出ると、銀が待っていた
「ミノさん……」
「園子……私も須美を探しに行くよ……」
「だけどお前、防人組の教官で忙しんじゃないのか?」
「それなら大丈夫だ。あいつらが……芽吹たちが神官たちを説得してくれたから……」
芽吹たちも今回の一件を知ったんだな。だとしたら協力してくれるよな。
「それじゃ三ノ輪、あんたは臨時部員として頑張ってもらうわよ」
「あぁ任せろ!」
銀と合流し、早速壁の外へと向う僕ら。その間、改良した勇者システムの説明をした。
今回の勇者システムは、前回のと同じ、カートリッジシステムが組まれており、攻撃を受ければカートリッジにある魔力で防いでくれる。だけどその回数は決まっている。
カートリッジの本数を増やしてあるから大丈夫だが、満開を使用するためには全てのカートリッジを消費しなければいけない。
魔力を込めれば何とか使用できるけど、現時点では僕にしか出来ないため、すぐに使えるというわけじゃない
「とりあえず気をつけろってことね」
「というかこっちの世界に技術を渡して良いのかしら……」
「空さんが残してくれたものだから……ティアナ、あんまり気にするな」
「まぁいいわ。スバル、久しぶりだけどやれるわよね」
「任せて!」
スバルたちが来てくれて頼もしいけど、空さんはやっぱり……
「空たちは鍵の力を使っても、未来の世界には来れないみたいだから……あんまり期待しないほうが良いよ」
「分かってるよ。アリシア……」
空さんがいてくれたらどれだけ頼りになったのだろうかって考えてしまうな……
「ミノさん、にぼっしー、あまり前に出ないでね」
「それ、三ノ輪のこと気にしてるでしょ」
「分かってるって、私のは正直防御力が薄いやつだからな……園子、頼りにしてるからな」
「うん、任せて」
僕らは壁の外へと出ると、そこは炎に包まれていた。スバルたちは初めて見たからか、驚きを隠せないでいた。
「話には聞いてたけど……本当に炎に包まれてる……」
「なんというか……アスクとの戦いで協力してくれた天の神がこんな事するなんて思えないわね」
「でも空さんたちの時間では……人類を滅ぼそうとしていたんですから……」
「あの、夜空さん。今回の件について天の神様は?」
「聞こうと思ってもどうやって連絡を取れば良いのかわからない……」
「………今はまだなんだと思うけどね……」
「それ、どういう……」
僕が言いかけた瞬間、園子があるものを見つけた
「わっ!レーダーに反応あったよ!」
「あっ!東郷さんだ!東郷さん、やっぱり壁の外にいたんだ」
「でも意外と近いけど…」
「この方向で間違いな…えぇっ!?」
友奈が見た方向を全員が見ると、空にはブラックホールが広がっていた。
「ちょっ!!なんなのあれ!!」
「東郷さんだ…東郷さんがブラックホールになってる…」
「久しぶりに会ったらブラックホールになってた奴は初めてだわ…」
「というかブラックホールってなれるものなの?」
先輩の言葉に突っ込みいれるティアナ。するとこっちに星屑が向かってきていた。
「全員!準備はいい!行くわよ!」