上里夜空は勇者になり、魔道士でもある!   作:水甲

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05 取り戻すために

「ウィングロード!!」

 

スバルがウィングロードを展開し、僕らは足場として迫りくる星屑を倒していく。

 

「竜魂召喚!」

 

キャロはフリードを本来の姿に戻し、エリオはその背に乗りながら星屑を切り裂いていく。

 

「数が多いわね……おまけに前に戦ったときよりも固い気がする」

 

「うん、固い!」

 

ティアナとスバルは星屑に対して何かしらの違和感を感じている。僕らは特に気にしてなかったけど……

 

「前に戦ったときは陸都が……アスクが作り出したものだから、本来のバーテックスとは装甲とか違うと思う」

 

「でも倒せない敵じゃない!」

 

「そうだね。それじゃ強化魔法やっておくね」

 

アリシアが補助魔法をかけていき、迫り来る星屑を倒していく。だけど数が多い

 

「このままじゃジリ貧だわ…東郷の所までどうやって…」

 

「あそこまでなら舟で行けそうだよ!満開!」

 

園子が満開をし、神秘な服に、巨大な方舟を召喚した。

 

「あ、あんた!いきなり満開使って!精霊の加護がなくなっちゃうわよ!」

 

「カートリッジはあと一本残ってるからまだ大丈夫だよ。それに昔はバリアなかったし、問題ないよーさぁみんな、乗り込んで!」

 

みんなで園子の船に乗り込むと、ブラックホールを目指していく中、大量の星屑が押し寄せてきた。

 

「まるで壁ね……」

 

「ちょっと船で突っ込むのは無理そうだよ~」

 

「それだったら……ティアナ」

 

「えぇ!」

 

僕とティアナの二人の魔砲で星屑の壁を貫いて、道を作ろうとしたその瞬間

 

「一点突破は良いかもしれないけど……それよりも全部倒したほうが良いかもね」

 

聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、無数の矢が星屑の壁を破壊していく。

 

そしてある二人が船に乗り込んできた。この二人……

 

「久しぶりだね。後輩ちゃんたち」

 

「手を貸しに来たけど……大丈夫かな?」

 

僕らの前に現れたのは、旅に出たはずの陸都と赤嶺の二人だった。何でこの二人がここに……

 

「赤嶺ちゃん!?どうしてここに……」

 

「ちょっとしたきっかけでね」

 

「恩返しみたいなものだよ」

 

「陸都……ありがとう」

 

段々と手を貸してくれる仲間が集ってきたけど……僕は何故かこの場に空さんがいないことに対して不安を感じていた。

どうして不安を感じるのかは分からないでいたけど……

 

「とりあえずあの星屑の壁を破壊するか……レオの炎」

 

巨大な火球を壁に向かって、投げつけた瞬間、星屑の壁を一気に破壊するのであった。

 

壁を破壊し、船を進めていくがかなりの暴風で振り落とされそうになり、更には十二星座型のバーテックスが何体か出現し、囲んでいた。

 

「うーん…囲まれちゃってるね…」

 

「私が東郷さんの所へ行くよ!絶対一緒に戻ってくるから!」

 

「友奈、それだったら僕も……」

 

「ううん、夜空くんはみんなのことを守って」

 

「……わかった」

 

「ちゃんと帰って来なさいよ友奈!部長命令!」

 

「あんなもんの中じゃ、何が起きても不思議じゃないわ!気合よ!」

 

「ゆーゆ、わっしーのことお願い!」

 

「任せて」

 

友奈は船から降り、ブラックホールに飛び込んでいくのであった。

 

「後輩ちゃんが頑張ってるんだから、私達も持ちこたえるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈SIDE

 

ブラックホールの中に入った私。カートリッジ内の魔力を消費し続けていきながら、気がつくと私は幽体離脱見ないな感じになった。

するとどこからともなく無数の矢が降り注ぎ、私の体を蝕んでいく。

 

「私が砕けたら、体の方は……」

 

何とかして奥へと向かおうとすると、こっちに向かっていくつものシャボン玉が向かってきた。私はそれに触れると……

 

『園っちが私達の中学に来てから、しばらくして大赦にとって予測してない事態が起こっていた。私が結界の一部を壊してしまった事で、外の火の手が活性化してしまっているのだ』

 

これって……東郷さんの記憶……

 

『このままでは外の炎が世界を飲み込む…大赦が進めていた反抗計画を凍結し、現状を打破する必要があった…』

 

「東郷さん!やっぱり中にいるんだね!?」

 

『火の勢いを弱めるには、捧火祭しかない。それは神の声が聞ける巫女を外の炎に捧げ、天の神の許しを請う。昔、西暦の終わりにも行われた生贄の儀式。今、大赦でお役目を果たしている巫女達数人が、生贄のお役目に選ばれた…だけど、私でもその代わりが出来るという。私は勇者の資格を持ちながらも巫女の力も持つという、唯一無二の存在だとか…悩むまでもない。結界に穴を開けたのは私だ。私は償わなくてはいけない。友奈ちゃんや皆が無事なら。私一人なら…』

 

東郷さんは東郷さんなりに責任を取ろうと……

 

『私がいなくなれば、きっと友奈ちゃん達が私を探す…そうしないように、神樹様お願いします』

 

「東郷さんはいつも突っ走るなぁ…自分をいない事にしちゃうなんて…でも!私は約束したもん!東郷さんを一人にしないって!だから、何度でも助ける!」

 

奥へと進んでいくとそこは灰色の世界……上の方で一羽の青いカラスが飛んでいた。私は一度、この世界に来たことがある。

 

あたりを見渡すと炎に包まれた東郷さんを見つけた。私は引き抜こうとすると、体が何かに蝕んでいく。痛くて、痛くて嫌だけど……それでも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空SIDE

 

「それじゃ東郷は助けられたんだな」

 

『うん、にしても責任のとり方が物凄いね。あの子は』

 

はやてから東郷を助け出したことを聞いた僕。にしても自分が犯した罪を償うためにか……

 

「はやても同じことをやっていたかもな」

 

『もしかしたらやけど……でもそのときはきっとうちの子達やなのはちゃん達が助けに来てくれそうやな』

 

「そうだな。とりあえず良かった」

 

『あとで会いに行こうと思ってるよ。そういえば空さんたちはまだスカリエッティのところに?』

 

「あぁ、もう大丈夫そうだから戻ると思ってる」

 

『そやな。ちなみに居場所は?』

 

「教えない約束だから、教えられないな」

 

『だよね~』

 

はやてとの通信を切り、若葉たちに東郷の無事を知らせた。

 

「責任を取るためか……」

 

「今回の儀式が未来にも伝わっているなんて……正直申し訳ないです」

 

ひなたは落ち込むが、それは仕方ないと思う。いくつもある救済の中の一つなのだから……

 

「というわけだから、僕らは帰るよ」

 

「おや、装置の完成は待たなくて良いのかい?」

 

スカリエッティがそう言いながら、次元転移装置を軽く叩いていた。まぁ僕が行かなくっても夜空や勇者部、それに元フォワードメンバー、アリシア、それに陸都や赤嶺がいるからな。

 

「これ以上は何も起こらないだろうし、いいだろうな」

 

「本当にそう思うかい?」

 

スカリエッティがそう告げた瞬間、何故か嫌な空気が流れた。

 

「何が言いたい?」

 

「今回のその儀式というものは、天の神の怒りを鎮めるもの……友達を助けるためにとは言え、邪魔をしてしまって……罰もなにもないというのが気にならないかい?」

 

罰もなにもない……スカリエッティの言葉を聞いて僕はある事を考えてしまった。

 

「まだ終わりじゃないっていうのか?」

 

「……完成を待っていたほうが良いのでは?」

 

 

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