友奈SIDE
海凪と名乗る男の子……この人の言うどんな世界でも愛した人を救うって……
「忘れないで……君は一人じゃないことを」
「は、はい……」
私は海凪くんにお礼を言い、その場から立ち去った。それになんだろう?体が少しだけ楽になった気がした……彼は一体?
海凪SIDE
友奈を見送った僕。そのまま人気のない場所へと移動し……
「ここならいいよ。出てきて」
僕は周辺に向かってそう告げた瞬間、一人の男の子が姿を見せた。
「……お前は」
「僕は海凪。親しい人にはナギって呼ばれてる。君は陸都だね」
僕は彼の名前を告げた瞬間、陸都は一本の針を取り出し、僕に向けた。
「僕の名前をどうして知っている?」
「この子から聞いたんだよ」
僕は隣にいる蛇の精霊を見た。すると蛇の精霊は陸都に向かって話しかけてきた。
『久しぶりだな。陸都』
「その声……お前は……アスク!?」
『気が付かなかったのか?夢を見ていたのにな』
「君のことは彼から教えてもらったよ。アスクが前に支配していた人だって……」
「…アスクが生きていることは知っていた。お前の目的は結城友奈か?彼女を使って何をするつもりだ?」
『何をか………知りたければこいつに聞きな。はっきり言うが海凪はお前より強い。なにせ俺を抑え込むくらいだしな』
アスクがそう告げた瞬間、陸都は武器をおろした。勝てないとわかったのかな?
「……何となくだけどお前は僕よりも強いっていうのはわかる。だけどそれだけじゃない。お前からは敵意が感じられない」
「別に争うつもりはないからね。でもはっきり言えることは……僕は彼女を支えたいだけだから……彼の代わりにね」
「彼?」
「君は会ったことが……いや会うというよりも彼と話した事があるはず……どんな世界でも友奈を救うって言葉を教えてくれた彼のことを」
僕がそれを告げた瞬間、陸都は誰のことを言っているのか理解した。
「もしかして……上里……」
「彼はまだ来れない。だけどきっと来たら……君たちの力になってくれるはずだよ」
僕はそう言って、手を掲げた。今はまだ友奈を救うことが出来ない。ただ彼女の呪いを和らげることぐらいしか……
「僕には僕の役目があるように、君には君の役目を……この世界の運命を変えることができる勇者を頼んだよ」
「……わかった」
陸都は納得して、その場から離れるのであった。
『それでじっと見守るだけでいいのか?』
「僕が彼女の近くにいれば……少しだけ抑えられる。でも呪いが強ければ僕にはどうすることは出来ない。だけどあの子達が……ヒカル達が言ってくれたから……」
『どうせならあいつらを連れてくればいいものを』
「彼女たちには荷が重いからね。さぁ彼が来るまでの時間稼ぎを頑張ろうか」
空SIDE
「そっちはどんな感じだ?ユーノ、ヴィヴィオ」
『うん、空さんに言われたとおり調べたけど……』
『神様の罰については書かれているものが少ないよ』
ユーノとヴィヴィオの二人には無限書庫で神の罰について調べてもらってるけど、流石に出てこないよな
『魔法的なことならあるけど、神様というのは……』
『でも、お兄ちゃんの予想通りなら……』
「ヴィヴィオ、なのはたちは?」
『ママたちはあっちに向かうって言ってたよ。シャマル先生とザフィーラも何だか違和感を感じてるからしくって……』
「そうか……ユーノ、調査は終わりにしていい」
『終わりって……本当にいいの?』
「そのかわりにヴィヴィオと一緒にこっちに来てくれ。スカリエッティ曰く、ヴィヴィオの持っている鍵が必要なんだ」
神の罰については分からずじまいだったけど、まだ僕らにはできることがあるはずだ。だから……待っていろ。みんな
夜空SIDE
年が明け、先輩も無事に退院出来た。ある程度の傷の治療等はシャマルさんが魔法で治してくれたみたいだけど……
まだシャマルさんとザフォーラさんはこっちの世界に残っているみたいだ。何かしらスバルたちに用事があると言っていたけど、何かあったのかな?
「は~!やっと退院できたわー!シャバの空気が美味しいー!年越して新年を迎えてしまったわ…」
シャバの空気って……先輩、病院にいたんですよね
「なによ、めでたいことでしょ」
「良い女が1つ年を取るのよ?3月で卒業だし…」
「もう1年居てくださってもいいですよ」
「いや、それはちょっと…」
「ねぇ!あっまざけ、飲みたいなっ」
「おぉ、いいねぇ!1杯引っかけていきますかぁ!」
みんなで甘酒を飲みけど、何故か友奈だけはあんまり飲んでいる様子はなかった。どうしたんだ?
「友奈?飲まないの?」
「ん?飲んでるよ……」
何だか無理している気がするけど、気のせいなのかな?
それから新学期が始まり、みんなで勇者部に集まっているときのこと、東郷が何故かカメラを回していた。
「風先輩、自然体で大丈夫ですよ」
「もうすぐ先輩が卒業してしまうので、揃っての活動記録は貴重だと思います」
「私卒業した後もここに入り浸ると思うわよー?」
「そうなる予想はついてたけどね…」
「とか言って、嬉しそうね夏凛」
先輩の言葉を聞いて、何故か顔を赤らめる夏凜、いやそれ、園子が喜ぶやつだからな
「ちょっ、なにその反応?」
「2人を見てると創作意欲が沸いてくるよ!ね、サンチョ」
『シィー、ムーチョ』
「え!その子しゃべるの!?」
「ふーみん先輩とにぼっしーで想像捗っちゃったから、帰って2人の本を描こ~」
「「ちょっ!待ちなさーい!」」
園子は二人の言葉を無視してそそくさと帰っていった。そういえばここ最近、帰るのが早いけど何かあったのか?
「あっ…そういえば、卒業旅行とかどこ行こうかしら」
「年末はどこへも行けませんでしたからね」
「そうなのよ~。大赦のお金でみんなで温泉旅行とか行く?」
いや、大赦の金って……まぁ頼めば出してくれそうだけど……
「あ…温泉は前に行ったから違う所とかどうでしょう」
海凪SIDE
「……」
『どうやら強くなっているみたいだな』
呪いが強すぎて、僕じゃもう遅らせきれないのか……
「ヒカルたちと出会って、お前が新たに手に入れた力なのにな……」
『それ以上に厄介だって言うことだ。それでどうするんだ?ずっとここにいても呪いはどうにもできない』
「……わかってる。だけど僕は投げ出さない。そう決めたんだよ」
『やつとの約束が大事か。偶々同じことをやっただけの関係なのにな』
「同じことをやっただけじゃない。同じ人を好きになって……」
『それはもう聞いた』
「……待つよ。彼が来るまで……」
『お前は俺の力を得たことで、全てのバーテックスの力を扱えるようになり、奴は女神の加護を受け、全勇者の力を得た。似ているようで違うな』