交響詩編インフィニット・エウレカセブン   作:八神刹那

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EP2 ビギニング

「私たちが」

 

「IS学園に入学する?」

 

千冬の提案にレントンとエウレカは目を丸くした。

 

「そうだ」

 

「なんのために俺たちが学園に入学するんですか?」

 

「お前たちを保護するためだ」

 

「保護? 何のために?」

 

「お前たちがISを、所持している異世界人。つまり、お前たちが世界から狙われる可能性がある。その理由は言わなくてもわかるだろ?」

 

千冬の言っている意味は理解できる。自分たちは異世界から来た人間。しかも、エウレカは人型コーラリアン。下手に捕まればひどいことをされることは目に見えている。

 

「それを防ぐためにこのIS学園にいる必要がある。この学園はどの国も手が出せない治外法権があるからな。それにここならいざという時にすぐに動けるかもしれない。調べ物もしやすい」

 

「それは俺たちのことを思って言っているですか?」

 

「ああ。悪くない条件だと思うが」

 

レントンとエウレカは顔を見合わせる。確かに千冬の言うことは正しい。今の自分たちにはこの世界では孤立無援だ。しかも、下手をすれば月光号時代よりも過酷な生活をなるかもしれない。

 

「エウレカ。大丈夫だよね?」

 

「うん。私はレントンを信じるよ」

 

エウレカの言葉にレントンは静かに頷き、千冬を見る。

 

「千冬さん。お願いします」

 

「わかった。すぐに手配する。今日のところは話はこれでいいだろう。詳しいこととお前の持っているISのことは明日、話そう」

 

 

話し合いの後、レントンとエウレカは学園内にある寮へ案内された。部屋は1026号室。誰も使ってない部屋だ。

 

「この部屋は自由に使って構いません。夕食はさっき案内した食堂で食べてください」

 

「わかりました。えっと‥‥‥お名前は?」

 

レントンが案内してくれた教師を見て、戸惑うと

 

「私は山田真耶といいます。明日は午前9時からいろいろとしなくてはならないので気をつけてください。それでは」

 

真耶が一礼して去っていく。2人が部屋に入る。部屋はかなり広く、ホテル並みのベッドが2つ並び、ユニットバスもある。

 

「広いね」

 

「うん。月光号とは大違いだ」

 

かつて、衣食住していた巡洋艦のことを思い出す。あのときのレントンの部屋はかなり狭く。寝るためのスペースしかなかった記憶がある。

レントンがベッドに座るとエウレカが隣に座る。

 

「なんか、色々あったね」

 

「うん。‥‥‥レントン。大丈夫かな」

 

「大丈夫だよ。きっと。スカブとだって分かり合える。それはちゃんと証明できる」

 

自信に満ちたレントンの表情にエウレカは頷き、彼の左肩に頭を乗せる。

 

「ひさしぶりだね。こうやって2人きりになったの」

 

エウレカの言葉にレントンは帰郷してからの生活を振り返る。結婚して、子供たちとじっちゃんとの生活。工場での作業。子供たちが学校の時にたまにデートする。そんな生活だった。

 

「そうだね」

 

「レントン」

 

「なに?」

 

「大丈夫だよね。きっとまた、わかりあえるよね」

 

「もちろん」

 

レントンは力強く頷き、エウレカと唇を重ねた。

 

 

 

 

翌日。レントンとエウレカは朝食後、千冬と真耶に案内され、学園にある第一アリーナへやってきた。

 

「まず、昨日渡されたニルヴァーシュのスペックを確認したところ。第三世代相当の力を持った機体だということが分かりました」

 

真耶がピットの中にある画面を見ながら説明する。その言葉にレントンは首を傾げる。

 

「第三世代? それより、聞いて良いですか? そもそもISって一体どんな兵器なんです?」

 

レントンの質問に口を開いたは千冬だった。

 

「昨日言ったようにISは現存するどの兵器をも凌駕するパワードスーツがとある科学者が人間の宇宙進出を目的に作ったのだが、現在では軍事兵器として利用されている。それと、ISには最大の欠陥が存在する」

 

「最大の欠陥?」

 

今度はエウレカが聞く。

 

「女性にしか扱えないということだ」

 

「え? でも、昨日、レントンにも使えるって‥‥‥」

 

「おそらく、それはニルヴァーシュが平行宇宙きたからだと考えられる。その証拠にニルヴァーシュはお前ら2人の専用機となっているからな」

 

千冬の説明にレントンとエウレカはなるほどとうなずく。

 

「まあ、詳しいこととは後で渡す参考資料を見ておくように。さて、で、どっちがニルヴァーシュを使うんだ?」

 

「俺です。戦闘は俺がします」

 

レントンが即答する。

 

「そうか。では、これからニルヴァーシュを実際に使ってもらう」

 

千冬が言うと真耶が遠慮がちに

 

「その前に聞いておきたいんですけど。ニルヴァーシュやLFOと呼ばれる機械はトラパーはリフボードに受けて、空を飛ぶんですよね? この世界にトラパーがあるか‥‥‥」

 

「大丈夫です。この世界にもありますよ。スカブコーラルが、あると言うことはトラパーもある証拠にもなります」

 

レントンはノルブ師とドクターベアの対談を思い出す。トラパーはスカブコーラルの、吐息。彼はそう言っていた。現にこの世界にトラパーは存在している。それは来たときから薄々とだが、感じていたことだ。

 

「わかった。では、これから実演してもらう」

 

「はい」

 

レントンは左手のブレスレットを見つめる。イメージするのはともに戦っていた白い巨人を纏うもの。

 

「いこう! ニルヴァーシュ!」

 

レントンの体に粒子がまとい、それが形を作る。それは白い全身装甲のISに変わった。

すべてのLFOの原点もいえる機体。ニルヴァーシュtype0。

レントンとエウレカにとって、かけがえのない機体だった。

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