日本国召喚 二次   作:Zzzzzzzzzzzzzzzzz

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十九話

 中央暦1647年11月25日午前10時============

 

『これより、ラ・ムー陛下60歳記念式典及びムー、グラ・バルカス帝国、大日本帝国による三国合同観艦式を開式します』

 

 今日、ムーの首都であるオタハイトにてラ・ムーの60歳記念式典が行われており、それと同時開催でムー、グラ・バルカス、日本の合同観艦式が行われていた。

 参加艦艇は日本が陸奥、羽黒、北上、大井、朧、曙の6隻。グラ・バルカスはアンドロメダ、ベテルギウス、タウルス級重巡洋艦2隻、カシオペヤ級駆逐艦2隻、ケフェウス級駆逐艦2隻の計8隻。

 そして開催国のムーは全て日本とグラ・バルカスの公開技術を参考に建造した新型艦であり、ラ・アルタ級戦艦1隻、ラ・ロニア級空母1隻、ラ・イトス級巡洋艦2隻、ラ・ウルス級巡洋艦2隻、ラ・アルグ級駆逐艦2隻、ラ・アスツ級駆逐艦2隻の計10隻である。

 全ての機械文明国の空母が見られるとあって他国からも観光客が押し寄せ、特に航空甲板及び格納庫の見学ツアーは大盛況であった。

 最も特徴的な空母はムーのラ・ロニアであり、艦首の航空甲板が反りあがって設計されていた。

 

 各国の将官は艦内で様々な会話を行っている。

 

日本

 

「艦長、ムーもグラ・バルカスも凄いですね。情報があったとはいえこれほどの短期間でこんな高性能のジェット機を開発するなんて」

「それだけ基礎技術があったと言う事だろう、ジェットエンジンは高熱に耐える合金があれば後はタービンの設計だけだし、それも地球基準で昔の物は公開されているから難しくは無い」

「そうですか、しかしムーのラ・ロニアはスキージャンプですからペイロードは少なめでしょうね」

「だが戦闘となれば脅威ではある、ほんとに友好国で助かった」

「話は変わりますが、戦艦は迫力が違いますね。まさに男のロマンですよ、あれと比べたらこの羽黒の20㎝砲は小銃、他の艦の8㎝砲や12㎝砲なんて子供のおもちゃです」

「違いない、そう言えばこんな話を知ってるか? 戦艦を新規建造する噂が海軍内で出回ってるんだ」

「それなら自分も聞いた事があります、呉のドックが空いてるのはもう直ぐ起工だからとか言ってる奴もいました」

「あそこは定期点検で使われる頻度は他と比べて低いからな、そんな話が出回るのも無理は無い。・・・だがな、起工が直ぐかはともかく研究は始まってるらしい」

「本当ですか? て言うかそれ、結構な重要機密じゃ・・・」

「まあゴシップ好きの陸奥艦長から聞いた話だから半信半疑だがな、でも不思議じゃ無いだろ? この世界では未だ大艦巨砲主義が普通だ、その点で見れば帝国海軍は戦艦を保持していない事から一段下に見られてもおかしくない」

「確かに、言われて見ればそうですね・・・」

「それにミサイルを列強以外に使うのは勿体無いからな、そういう意味でも戦艦保有を進める理由はある」

 

グラ・バルカス

 

「あれが日本、そしてムーの空母か、日本の空母は我が国と同じ様な見た目だがムーの空母は何だ? 艦首が反りあがっているぞ」

「あれは確かスキージャンプ甲板ですね、日本の軍事雑誌で見ました。カタパルト不要で発艦が可能な装備です」

「何? ではムーの空母の方が優れていると言う事か!?」

「いえ、この方式で発艦するには十分な兵装を搭載する事が出来ないらしいので、恐らくカタパルトの開発に失敗したのかと」

「そうか、だが防空が出来るだけでも重要な戦力だ、警戒する必要はあるだろう。それにしても日本の戦艦は来ていないのか?」

「それが日本は戦艦を保有していないそうです、かつての世界では既に時代遅れになっていたと」

「それでは砲戦力では我が国とムーが勝っている訳か、まあ接近出来ればの話だがな」

「そうですね、ですが戦艦の装甲をミサイルで抜くのは難しいのでは?」

「いや、それでもレーダーや測距儀を破壊されたら砲戦は覚束無い。やはり空母は重要だよ」

 

ムー

 

「やはりカタパルトが欲しかったな」

「我が国の艦は全て内燃機関を使用している為、高圧蒸気を必要とする蒸気カタパルトは使用出来ません。更に日本の電磁カタパルトは基礎技術すら無いのです、無い物ねだりはみっともないですよ」

「まあ友好国とて教えられない物はある、このスキージャンプ甲板を教えて貰っただけでもよしとするか」

「しかし良くこんな巨大な艦が建造出来ましたね」

「ああ、国交樹立の時に外交官の護衛で随伴していた駆逐艦ですらラ・カサミより大きかったんだぞ? すぐさまドックの拡張と建造技術研究に予算を振り分けたよ。その分陸は割を食ったそうだが、今後暫くは陸に予算を回すそうだ」

 

 また、式典には日本とグラ・バルカス帝国双方の皇太子が訪れており記念品として日本はムーで災いを跳ね返すとされる鏡、それも八咫鏡(当然レプリカ)を送り、グラ・バルカス帝国はムーの神獣であり不滅の象徴とされる蛇の置物を贈った(ムーでは偶像崇拝は認められている)。

 グラ・バルカス帝国は贈り物の為にムーの文化風習を調べたうえで製造した物であるが、万が一を恐れて写真を持参してムーの文化的にタブーが無いかを確認していた。これは日本とムーが原因不明ながら凄まじく親密である事から(ムーと日本が同一の惑星から転移した事は真実を隠す為の嘘と判断している)万が一ムーと戦争になり、日本も参戦すれば圧倒的不利になる事が避けられない為である。

 なおこの対応の理由は国内向けにはこの世界の国家への後ろ盾となった感謝だとしている。また新聞社が日本の先例を元に文明圏外国扱いされた状態で国交を結ぼうとした場合、最悪外交会談に向かった皇族が殺されていた可能性を声高に主張する事でムーへの悪感情を少しでも減らそうとし、ムーは好意的な民意が形成されている。

 余談だがこれにより最初に接触したレイフォルにも好意的でグラ・バルカス帝国の技術輸出制限が文明レベルが同等の他国より緩和されている。

 

 

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