日本国召喚 二次   作:Zzzzzzzzzzzzzzzzz

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三話

 中央暦1639年4月11日午後======

 

 ロウリア、クワ・トイネ国境付近の都市、ギム

 

 この都市に本部を置く西部方面騎士団団長モイジは戦が近い事を確信していた。現兵力5000の5倍以上の兵数と思われるロウリア王国の大軍が国境付近に陣取り、こちらからの通信の一切を無視しているからである。

 しかしこちらにはワイバーンを超える航空戦力であるマイゲン戦闘機が55機も配備されており、ワイバーンの驚異は低い。また対地攻撃任務に当たるナナーバ攻撃機も20機を配備して地上部隊への支援も十分ある。

 ギムからの疎開も行っているが、人数が多くあまり進んでいない。日本に協力を求めるも、"明確に戦争が始まっているならともかく、そうで無い時に日本人のいない地域で活動する訳には行かない"と断られてしまう。

 

「司令部からの増援要請の回答はどうだ?」

「司令部からの回答は今朝来ました。本国軍、日本軍共に明日に準備が終わる予定だとの事です、ただマイゲンを15機、ナナーバを10機送ったとの事なので間も無く到着する筈ですね」

「そうか、マイゲンもナナーバもワイバーンを超える速度で飛行出来る。ワイバーンを何とか出来れば足止めは可能だ。だが現状兵力では押し潰されるぞ」

 

 中央暦1639年4月12日早朝======

 

 突如としてギムの西から赤い煙が上がる。それはロウリア王国が侵攻した合図であり、同時に魔信から、切迫した通信が入る。

 

「ロウリアのワイバーンが多数、ギムの方向へ侵攻! 同時に歩兵数万が国境を越え、侵攻を開始した! ぐああぁぁぁぁ!!!」

 

「航空部隊はすぐさま発進しワイバーンを迎撃! 歩兵は塹壕に入って機関銃、小銃の準備! 弾切れに備え重装歩兵と弓兵は塹壕を配置、歩兵は機関銃の弾切れ次第重装歩兵と弓兵の間に布陣! 魔導士は歩兵が布陣次第全員でこちらを風上としろ!」

 

 滑走路から戦闘機のマイゲンが発進し、計50機がワイバーンの限界高度4000mを飛行して行く。残りは補給に帰った機体の代わりに発進する部隊である。

 やがて前方下方に黒い点が大量に現れる。まず一部の部隊が降下しながら機銃を発射して、すぐさま上昇する。まだこの世界では一般的で無い一撃離脱戦法である。

 

「何だあれは!」

 

 第一撃は敵の数が多く、撃墜や衝突を防ぐ為に深追いをしなかったが、それでもロウリア軍飛龍隊75騎のうち12騎が撃墜された。

 ロウリア軍のワイバーンは追い掛けようとするも追い付けない。二度、三度と繰り返される攻撃にワイバーンは遂に全騎撃墜される。

 

「航空隊から通信です。ワイバーン全騎撃墜、これより帰還する。との事です」

「よし、二次攻撃隊を発進させろ! ナナーバ隊は全機爆弾を装着して爆撃を行い、その後はパイロットの判断に任せる。マイゲン隊もナナーバ隊の爆撃中は制空権を確保してその後は同様だ!」

 

 ロウリア軍先遣隊の将軍パンドールと副将のアデムは耳を疑っていた、出撃したワイバーン全てが撃墜されたとの報告が入ったからである。

 

「ワイバーンが全て落とされただと! 何かの間違いでは無いのか!」

「しかし、飛龍隊との通信が途絶えた事は事実でして。前線の兵士も多くがその光景を目にしています」

「くそっ! 一体どんな手段を使ったのだ!」

「何でもワイバーンより高速の飛行機械が次々に現れ、ワイバーンを撃墜して行ったようです」

「アデム、考えられる事は一つだ。三大文明圏の列強のいずれかが奴らを支援している」

「となると、考えられるのは機械文明を持つ第二文明圏のムーですが。第二文明圏は中央世界を挟んで反対側です、何故こちら側に」

「それは解らん。だが言えるのは我々には航空支援がなくなり、奴らにはあると言うかなり不利な状況である事だ。軍事的な最善は本隊の到着と海軍の上陸を待ち、数で押す事だがそれをすれば私もお前も懲罰があるだろう」

「ならば、前進しか残されていない訳ですか」

「全軍、事前に定めた陣形を取り前進! 敵は我々の5分の1以下の兵数だ、全滅する前に全滅させろ!」

 

 ギムと国境の中間地点まで進軍するとギムの方向から飛行機械が飛んできた。それを迎撃する為に弓を構えた時、それは何かを落とした。

 落ちて来たものは地面に当たると爆発し、周囲の兵士を薙ぎ倒す。何かを落とした飛行機械と引き返してくると、地面が弾けて兵士が血を流して倒れていく。

 

「何なんだ一体! アデム、被害は!?」

「詳しくはまだ分かりませんが、密集隊形を組んでいた為に被害が増加した模様です」

「くそっ、陣形も崩れた。今突撃されたら不味いぞ」

 

 

「兵士の配備は完了したか?」

「はい、それとマイゲン、ナナーバ共にエジェイ基地へ退避しました。しかしフラワカリーを退避させなくて良かったのですか?」

「機関銃、小銃を後方へ輸送する為だ、乱雑にして多少壊れても構わん。鹵獲される訳には行かんからな」

 

 

「陣形の再編完了しました。兵は2万5000まで減り、騎兵がやられて50もありません。重装歩兵も2000程です」

「クワ・トイネの布陣はどうなっている」

「ここから3㎞地点で構えています。ただ、穴の中にこもっている様で意味不明な陣形です」

「突撃だ! 踏みつぶせ!」

 

 

 塹壕に布陣したクワ・トイネ軍は小銃、機関銃を構えてロウリア軍の接近を今か今かと待ち、双眼鏡を構えた銃兵団団長のモロコはロウリア軍の距離を測っていた。

 

「600・・・500・・・400・・・300! 射撃開始! 作戦通り機関銃は交互に射撃、小銃は射撃班と装填班の連携を忘れるな!」

 

 ロウリア軍が300mに接近すると塹壕からの射撃が開始される。口径の大きい機関銃は重装歩兵を小銃は歩兵を狙っていく。ロウリア軍も負けじと矢を放つが魔導士がクワ・トイネ側を風上にしている為届かない。

 

「何だこの攻撃は! 退却、退却!」

 

 たまらずに退却するロウリア軍。有効射程より離れた為、射撃を停止する。

 

「射撃停止! 銃身を交換しろ!」

「団長! 消費した弾薬は機関銃2分の1、小銃が3分の1です」

「覚悟はしていたが消耗が速いな。機関銃が弾切れになり次第、銃をフラワカリーに乗せてエジェイに送れ。飛龍隊発進準備! いつでも飛べるよう準備しろ」

 

 第二波も同じ様に防ぐも弾切れになり、陣形を変える。ロウリア軍は陣形の再編で手間取り絶好の機会に攻撃が出来なかった。三回目の衝突でもクワ・トイネ軍が有利に戦っていった。銃は戦闘機や攻撃機に優先的に配備される為、陸軍の強化としてコンパウンド・ボウと呼ばれる物を製造、弓兵に配備して行った。威力は銃に劣るが今までの物より威力が高く、既存の弓兵や弓の職人を活用出来る事から急速に配備が進んでいった。

 

 

 中央暦1639年4月14日午後======

 

 少数の兵で善戦したクワ・トイネ軍であったが、戦力の不足は如何ともし難く、ギムの街は遂にロウリア軍に占領された。

 

 騎士団長モイジは後ろ手に縛られ捕虜となっていた。既にギムはロウリア軍に占領されている。

 

「貴様、一体どんな手を使ったのだ!」

「敵に手の内を明かす馬鹿が居る訳無いだろう」

「何だと! ギムにおける略奪の許可を出す、思う存分やるがいい!」

 

 アデムの命令は直ちに実行され、ギムの街は無法地帯と化し、殺人、暴行、略奪が行われた。

 しかし100人ほどは生かされ、その惨状を各都市に伝えて行った。しかしこの行為でクワ・トイネ及び日本は激怒し、礼儀知らずに礼儀を払う必要なし、と戦闘後の敵兵救助を禁止した。

 

 

 

 

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