ミリシアル帝国の帝前会議ではミリシアル9世が大声で怒鳴っていた。
「何故ムーらは介入してきたのだ!」
「彼らの言い分では自国の皇太子や王太子が参加した式典への攻撃で死亡する可能性があった為、その報復となっています」
「これからはどうする!」
「まずロデニウス大陸襲撃作戦は中止となり、西側にも艦隊を常駐させます。そしてムー大陸の領土との航路を維持する為にさらなる軍艦の建造を進めて行く事も必要です」
「そうか」
「そして東方世界同盟の撃破に注力し、その後西海同盟の撃破を行います。東方世界同盟は盟主の日本こそ列強ですが、それ以外の加盟国は第三文明圏や文明圏外の二流三流なので西海同盟より容易に撃破出来るでしょう」
「その方向で進めよ」
しかしこの後も日本の戦略爆撃機『深山』『連山』はミリシアル帝国各地を爆撃していく、爆撃は高度1万4000mから行われ投下された物は滑空用ユニットを装着したGPS爆弾で遠距離から正確に爆撃を行う為、迎撃に離陸した戦闘機も間に合わない。
そして工場のような工業製品の生産拠点だけでなく、牧場や農場などの食糧の生産拠点も焼き払われていく。
ムー大陸のミリシアル帝国領での戦闘は、西海同盟が制空権、制海権を共に確保していた為一方的な物となっていた。ムー大陸からミリシアル帝国軍が一掃される頃、オタハイトにて会談が行われていた。
「ようこそオタハイトへ、八神首相」
「会談の要請を受けて頂きありがとうございます、アウグスト首相」
「グラ・バルカスとレイフォルの首脳も来ていますのでこちらへ」
案内された円卓に座ると挨拶の後に本題を切り出す。
「此度の会談の目的は、この戦争をどう収めるかです。まず日本、ひいては東方世界同盟はミリシエント大陸への上陸作戦は行いたくないと考えています。仮にミリシアル帝国の魔導師が市民に紛れて破壊活動を行った場合、被害が甚大になるのがその理由です」
「それはムーも懸念しています、実際ムー大陸からミリシアル帝国を追い出す際にその様な妨害を受けました」
「グラ・バルカス帝国も同じく、あれでかなりの兵士が死んでしまった」
「だがどうするのだ? 最低でもミリシアル九世を捕縛しない事には始まらない」
「まずミリシアル九世の退位と身柄引き渡し、侵略した各国の独立、賠償金と軍備制限を条件とした講和の提案を行いうのはどうでしょう?」
「だがそれで終わると思いますか?」
「いいえ、この講和を飲むとは思えません。この提案はあくまで我々はミリシアル帝国を滅ぼすつもりはないと示す物です。この提案が蹴られた場合は無条件降伏以外認めないとしてミリシアル帝国本土を占領します」
「それしかないでしょうな、独立した各国の復興費用はどうしますか?」
「ムー大陸領の復興費用はミリシアル帝国が50%、西海同盟が30%、東方世界同盟が20%、ミリシエント大陸はミリシアル帝国が50%、東方世界同盟が30%、西海同盟が20%と言う風に考えています。これは全てミリシアル帝国負担では時間がかかりすぎる事が理由です」
「ミリシエント大陸に我々が金を出す理由は?」
「ミリシエント大陸に西海同盟の影響力を残す為です、その代わりに東方世界同盟もムー大陸の復興費用を出します」
「確かにそうだな、ミリシエント大陸全てが東方世界同盟の影響下になるのは避けたい」
問題はミリシアル帝国の国民の忠誠心がどれ程なのかであった、忠誠心が高い場合は国民全員が兵士になってもおかしくない為である。
そして1660年9月1日降伏勧告が行われるが事となる。