日本国召喚 二次   作:Zzzzzzzzzzzzzzzzz

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五話

 中央暦1639年6月4日======

 

 ロデニウス沖海戦での大敗北の情報は、士気低下を防ぐ為に前線の兵士に知らされる事は無かった。

 

 城塞都市エジェイには、クワ・トイネ公国軍西部方面師団約3万人が駐屯しており、クワ・トイネの主力となっていた。城壁の最上部には大砲が20門据え付けており、5㎞後方には戦闘機の基地を設営した事でワイバーンへの対策も万全である。日本軍の協力の元で大量の弾薬を運び込んだ為、少なくとも1ヶ月は弾薬切れになる事は無いだろうと思われる。

 

 将軍ノウは日本軍に対し、支援は最低限にするよう求めていた。これは何から何まで日本に任せていては軍の体裁に問題があると判断したからであり、ロウリア軍に負けるはずは無いと言う自信の表れであった。

 

「将軍、ロウリア軍は西に5㎞地点で野営を始めました」

「そうか、砲兵に通達、独自照準で砲撃を開始せよ」

 

 ロウリア王国東部諸侯団先遣隊の指揮官ジューンフィルアはエジェイまで5㎞の地点で野営を指示した。その時エジェイの城壁の上から煙が上がり、複数の兵士が報告に向かおうとすると。

 

 ドーン!!!

 

 野営地の中で複数の爆発が起こり、味方の兵が薙ぎ倒されて行く。

 

「何なのだ、一体!」

 

 ジューンフィルアは混乱に陥った兵たちを鎮め、後退を始める。その時には2万いた兵士は5000まで減っていた、するとエジェイの方向から奇妙な音が聞こえて来た。

 

 ブーン。

 

 まるで羽虫が飛ぶ様な音が近付くと、羽ばたかずに空を飛ぶ何かが見える。そのなにかは黒い物を投下すると空中で黒い物は小さく分かれて行った。そしてあたり一帯で爆発が起きる、それがジェーンフィルアの最期に見た光景であった。

 

 

 ロウリア王国軍東部諸侯師団

 

 ギムの東20㎞地点にてアデムは苛立っていた。

 

「先遣隊からの連絡はまだか!」

「通信を送っていますが、返信はありません」

 

 その理由は昨日の定時報告の時間に先遣隊からの連絡が無く、こちらからの通信にも返信が無い。

 2万もの軍が通信を送る前に全滅するなどありえない。

 

「偵察隊からの連絡はどうだ?」

 

 先遣隊の様子を確認する為に12騎のワイバーンをエジェイに向けていた。

 

「間も無く先遣隊がいるはずの場所の上空です」

 

 

 

 

 ロウリア王国軍竜騎士ムーラ

 

「そろそろ見えるはずだが・・・・・・」

 

 エジェイ周辺の偵察に向かっていた12騎は、途中で別れて様々な方向に向かう。ムーラは先遣隊がいるはずの地点が割り振られていた。

 すると前方に黒く焦げた跡が広範囲に見えた、近づくとクレーターの様な物があちこちにあり、人の体の破片が多く散らばっていた。

 

「全滅・・・したのか?」

 

 グワァ! グワァ!

 相棒が突如として警戒の鳴き声を発した。

 東を向くワイバーンと同じ方向を向いて目を凝らした。

 

「何だあれは!」

 

 遠くに微かに見える黒い点、見た事の無い形の竜だった。

 その竜は速度を上げこちらに向かってくる。

 

「速い!」

 

 全速で飛行するが、その竜は容易く追い付いてくる。竜の翼が光るとワイバーンが血まみれになって落下してく。

 

 

 

 ロウリア王国軍東部諸侯師団

 

「どうなっているんだぁ!」

 

 部下たちは恐怖に陥っていた。偵察に出したワイバーンとは全て通信が途絶えている。

 

「現在調査中で、もう少しお待ち下さい」

「先程からそればかり! 具体的にどの様な方法で調査しているんだ!」

 

 大声で叫んだアデムは荒くなった息を整える。

 

「まあ連絡が取れないのは仕方ない。本隊の護衛はどうなっている?」

「ワイバーンを30騎、常時護衛にあげています。残りは地上待機ですが、直ちに出撃する準備はしています」

「30か、少ないな・・・」

「ですが残ったワイバーンは全て合わせて63騎、これ以上はワイバーンの休息が追い付きません」

「一体どうやってワイバーンを落としたのだ・・・」

 

 そう言って上空のワイバーンを見上げるパンドール。その胸には言い知れない不安がよぎっていた。

 突如ワイバーンが東に向かってゆく、それと同時に警戒の鐘が鳴らされる。ワイバーンが向かった東を見ると多くの黒点が空に見える。

 

「竜騎兵は全騎出撃! 迎撃に当たれ!」

 

 全軍が戦闘態勢を取り、陣形を組む。迎撃に向かったワイバーンは1騎、また1騎と落ちて行く。

 

「ワイバーンが・・・こうも簡単に」

 

 全てのワイバーンが落とされると間も無く東の空からさらに飛行機械がこちらに向かってくる。矢を射るも当然の如く命中せずに、飛行機械は何かを投下した。

 ナナーバによる爆撃とマイゲンを含めた全機による機銃掃射でロウリア軍は掃討されて行き、生き残りも捕虜になって行く。

 

 中央暦1639年7月11日======

 

 ロウリア王国首都 ジン・ハーク ハーク城

 

 ロウリア王国の国王が住むこの城に今、多くの日本軍、クワ・トイネ軍の兵士がいた。

 何故か、それはロウリア王国の降伏文書調印を見届ける為である。降伏するにあたってロウリア王国が突き付けられた条件は以下の通りである。

*ギムでの虐殺の責任を取り、国王ハーク・ロウリア34世を処刑する。

*人間と亜人に対する扱いの差のある法律は、亜人に対しても人間と同様の扱いを行うように改正する。

*亜人の奴隷は全て開放する。

*亜人がクワ・トイネに移民を希望する際は例外なく認める。

*属領が独立を宣言した場合、例外なく認める。

*ロウリア王国はギムでの虐殺に関してクワ・トイネ公国に謝罪する。

*ロウリア王国はギムでの虐殺に対する賠償として昨年の国家予算の三倍を金塊で支払う。

 

 

 数日後には全ての属領が独立を宣言し、クワ・トイネ公国監視の下で民主政治へ移行して行く事が決定された。

 

 

 

 

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