(んん……?)
結が目覚めたのはひどく涼しい場所だった周りは暗くゴツゴツとした岩肌の上に座っていた。
(…………えっ?マジで?ヤバくない?私ドラゴン成っちゃった系?マジで?)
結は明らかに自分が人間ではないことに気がつく。当たり前だ。人間にはない翼に鱗、大きな角に筋肉がついた足が四本。獅子や虎よりも鋭い歯に大きな尻尾……あげていくときりがないが全てが人間とは違うのだ。
ドラゴンになった結は身体を動かすと何か分かるのでは?と考え、犬が自分の尻尾を追いかけてぐるぐると回るように結も回る。
(あっ、これ酔う)
回り続けたせいで少し酔った結はその場にお座りの形で座る。尻尾を地面に置くと、ジャラッっと音がする。音ともに尻尾にチクッとした少々の痛みが何ヶ所かにはしる。疑問に思い尻尾のほうを見ると。
(わぁ)
金色に輝く王冠。緑色や水色にキラキラと輝く美しい宝石たち。金貨や銀貨が溢れんばかり入っている宝箱。アニメや映画でしか見たことないお宝の山。そして今自分は宝の山の近くにいるドラゴン。
(……この財宝私が守るの?)
アニメが好きな結は宝を守るドラゴンを倒す勇者を何十人と目にしたことがある。確信はないが結はこの宝を守るドラゴンが自分であると結論付け
(寝るかぁ)
アニメでのドラゴンは勇気たちが洞窟に入るまでは寝ている事が多く、洞窟に入り敵対していると思えば起きて攻撃する。そう思った結はスヤスヤと眠りについた。
何時もはうるさいチュンチュンと鳴く雀の声も、開けたカーテンから見える眩しい日射しも、起きろと体を揺さぶる家族もいざなくなってみると寂しいものである。(もっと話してたかったなぁ…)
生前の記憶が穴開きになり、両親の声や顔。兄と妹の年齢。好きで好きでたまらなかった莉帆の事も薄れていく怖さに、朝か夜か。知るすべのない暗い洞窟で寝ていくら経ったのかも分からない。図体が大きくなろうとも力が強くなろうとも精神と頭脳は高校生のままなのだ。気が滅入っても励ましてくれる家族も友人もいない。結の精神がそろそろ危なくなってきて目を瞑ったタイミングで
「ご、ごめんなさい……あっ、あの……」
怯えて震えた声が聞こえた。敵意は特にないようなので吠えもせずただ無視していると
「えっと、そ……そこの持っていってい、いいですか?」
片方の目だけを開け確認しようとするが自分がウィンクを出来ないことを思い出し両目を開ける。
(あっ、アニメに出てくるハーフの美少女だ。)
長い銀髪に世界中の子供でも敵わないほどの澄み渡った赤色の大きな目。服装はTシャツにあまり見えていないショートパンツ。あしは素足でところどころ血が出ている。上下とも薄汚れており土や何かが滲んだ見たくもない赤色が見え、明らかに洞窟に来る服装ではない。
(ほうほう、この美少女はこの財宝を持ち帰りたいのか。)
少女は震える指で結(ドラゴン)の後ろにある宝を小さく指差す。
「その、お宝を持ってきたら許してくれるって、カルロスが……言ってて……」
(ほう、
結は結構なオタク。
ホントは美少女ちゃんにオタクが好きなTシャツに下履かないスタイルにしよかとも思ったけど流石にそれは駄目だなと不採用。
閲覧つくだけで嬉しいもんだね。見てくださってありがとう御座います。これからもゆっくりと書くので見てください。