やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

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遅れましたごめんなさい。

…………シャニマスに沼りました、許して。脳内の八幡が他の世界に出張してるので連れ戻してきます。でも推し達のやり取り見てたいからもうちょい待ってて。あとちょっとだから。文化祭終わったから。あと半分だから。


原作通りだけど抜けない描写です。許して。


善と偽善の境目

side響

 

 

 

「オラァァァァァァ!!」

 

 

 

熱い、熱い、熱い!

 

身体が、熱い!胸の中心から熱が燃え盛る。全身に火をつけられたような熱、溢れ続けるフォニックゲイン。高まるそれらをぶちまけるように拳を振るい、足を跳ね上げる。

 

学校帰り、日常の一時を壊す破壊音とノイズの出現。それらを主導するウェル博士の手に収まるソロモンの杖。蛮行を許せば後ろにいる未来達が危ない。

 

 

「傷つけさせるもんか!」

 

 

大事な共を背に、拳を握る。その心意気に変わりはない。

 

…高鳴る鼓動。上がる熱。

 

……舞う木の葉が、触れる前に燃え尽きた。

 

 

 

 

 

 

♪正義を信じて、握り締めて

 

 

 

 

 

♪ヒーローになんて…なりたくないッ

 

♪想いを貫け……3、2、1

 

 

♪…ゼロッ!

 

 

 

 

 

「…いつもいつも。いつもいつもいつもいつも!!都合のいい時にこっちの都合をひっくり返す、お前はァァ!!」

 

 

ノイズを蹴散らし続ける中で、ウェル博士も止め処なくノイズを杖より解き放つ。

 

空腹や倦怠感、苛つきがウェル博士の頭を支配していた。計画を悉く潰してくるイレギュラー。噛み合わないと捨てたピースを何処からともなく合わせてくる。そもそも比企谷八幡を立花響が助けなければ、ネフィリムを失うことはなかったかもしれない。比企谷八幡を助けることで立花響が暴走しなければ、虎の子である洗脳装置を逆手に天羽奏が復活することはなかった。

 

…そして今、計画における最後の希望ともいえるネフィリムの心臓。それを安全に持ち帰りたいというのに、ノイズを出した以上居場所が割れてしまった。すぐにでももう二人の装者も駆けつけてくる。

 

逆にF.I.S.の連中はネフィリムを失ったと思っている以上、思いやりや優しさなんて綺麗事でリスクを冒してまで自分を探しにくるとは考えられない。つまりこのソロモンの杖一本で装者全員を退けなければいけない状況に陥った。

 

……それはノイズの討伐を生業とする人間に対して、あまりにも絶望的だ。

 

 

 

 

 

♪「この胸には希望(ゆめ)が宿ってる」

 

 

運命(さだめ)じゃなく、私の(ロード)

 

 

♪…信じたい(守りたい)!…願え(強く) !

 

♪……行けぇ!!

 

 

 

 

 

 

「………いつもいつもぉぉおおお!!」

 

「うぉぉぉおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

♪響け響け(ハートよ)!涙超えろ(ハートよ) !

 

♪へいき(へっちゃら) !…もうイタクナイ!

 

 

♪私が今(枯れても)此処に残る(温もりが)

 

♪…種となり!芽が息吹き!

 

 

♪明日に、向かい…

 

♪幾千もの力となり、歌は咲き誇る!!

 

 

 

 

 

 

 

乾坤一擲、一直線。ノイズの群れを一撃の元に打ち捨てる。燃えるような熱い想いは、アームドギアを持って放たれる。ウェル博士目掛けて拳に触れたノイズが灰となってかかり来る。

 

 

「ひぃいいいいいいい!!??」

 

 

拳は止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガァン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

止まった。

 

 

 

 

 

 

「…っ、盾!?」

 

「………なんとノコギリ」

 

 

 

ウェル博士の元に辿り着きそうと言うその時、眼前が黒い円盤に阻まれた。ノイズと違う硬い感触に押しても進まない手応え。

 

そして聞き覚えのある声が戦場に鳴る。

 

 

「調ちゃん…。切歌ちゃん…」

 

 

聳える丸鋸の先に調がツインテールを伸ばして盾とし、その調が後ろに押されてしまわないように肩アーマーを地面に突き刺し支えていた。

 

 

「この身に纏うシュルシャガナは、おっかない見た目とは裏腹に汎用性に富んでる。防御性能にも不足なし」

「……とは言っても、全力の二人がかりでギリギリなんデスけどね!」

 

 

ギシ…ギシ…と拳に込めた力を込め直す度に拮抗した力が崩れていくのを手先から感じる。

 

…押し、勝てる。

 

 

「ぉ、おお!」

「うぐっ」

「なんて力デスか…」

 

 

グッとさらに力を込める。

 

…だけどそこまで。ギュルル!と丸鋸が回転し、拳の軌道がズレるとともに弾き飛ばされる。拳を削られる事はなく互いの距離が離れた。

 

拳を構える先には、シュルシャガナとイガリマを携えてソロモンの杖を持つウェル博士がいる。

 

 

(…調ちゃん、切歌ちゃん、ウェル博士。…止めなきゃ、いけないのに)

 

 

……熱い。

 

…………熱いっ!

 

 

 

「……はっ……はぁっ……」

 

 

 

…いくらなんでもおかしい。何もしてないのに、この熱の高まり。湧いてくる力に全身を蝕まれるような感覚。呼吸で吸い込む酸素さえ燃料になっているような違和感。

 

 

(へいき……へっちゃら!)

 

 

…それでも、立ち上がることを辞めず。拳を構え直す。

 

 

…ああ、熱い。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

side調

 

 

 

「あいつ…」

 

 

ノイズを相手にしていただけなのに、異常に息の上がっている立花響を見つめた。太陽の熱だけでは説明がつかない熱気が頬を撫でる。

 

 

(ドクターの確保には成功。後はここからマム達のところに戻るだけ。……だけど…)

(こいつを相手に、そう簡単にはいかないデスよ)

 

戦うにしても今の一合だけでも、単純な火力では勝ち目が薄いと分かってしまう。時間をかけていては天羽々斬とイチイバルの装者が来てしまう。その状態でドクターを守り連れ帰るのは至難だ。

 

そして当然、相手の闘志は衰えない。それどころか一層真っ直ぐな目で見つめてくる。知らない相手、戦う相手、憎むべき相手であるというのに。だ

 

そういうところが、初めて会った時から嫌いだった。正しいことをしているような物言い、武器を交わし合う相手に話し合おうだなんて甘ったれた悠長。

 

…嫌いな、偽善者。

 

 

「…やるしかないよ、切ちゃん」

「さいですか。だったら劣等上等デス!全部ぶちかまして…」

 

 

覚悟を一新。二人の音を重ねて切り開こう。

 

 

 

 

 

 

 

「……頑張る二人にプレゼントです」

 

 

 

 

プシュッ

 

 

 

 

 

え………。なんて、言葉が出る前に、首筋に痛みが走った。

 

 

「…っ、なにしやがるデスか!?」

「…リンカー」

 

 

痛みの発生源。そこには両手に空となったリンカーの注射器をもったドクターの姿があった。

 

 

「効果時間にはまだ余裕があるデス!」

「だからこその連続投与です!あの化け物に対抗するには今以上の力でねじ伏せるしかありません!そのためには無理矢理にでも適合係数を引き上げる必要があります」

「…でも、そんなことをしたらオーバードーズが………っ」

 

 

ヅクン、と身体に痛みが走る。リンカーは薬品であって薬じゃない。適合係数を引き上げてギアのバックファイアを減少させてくれるけれど、それだってノーリスクじゃない。

 

使用するにしても一度の使用にも制限時間があり、使用したなら体内洗浄が必要になってくる。そもそも適合係数の引き上げ幅が大き過ぎればショック症状や最悪死に至る程の毒物。ギアを纏っているから当然だけど、既に私たちは戦いに割り込む前にリンカーを一度投与している。連続投与なんて通常自爆行為でしかないはずなのに。

 

 

「ふざけんな!なんであたし達がアンタを助けるためにそんなことを…」

「するですよ!」

「……っ!」

 

 

…それでもドクターは間違ったことなんて一つもないと思っているらしい。遮る断言も迷いとか、躊躇いとか、そんな物が介在していない。

 

 

「いいえせざるを得ないのでしょう。あなた達が連帯感や仲間意識などで私を助けようとするなど考えられないこと!大方あのオバハンの容体が悪化したからおっかなびっくり駆けつけたにちがいありません!病に犯されたナスターシャには生化学者である私の治療が不可欠ですからね!

 

 

 

さあ!限界を超えた力で、私を助けてみせたらどうですか!」

 

 

…即断即決。納得できない、受け入れたくない、だけど苛つくくらい理にかなっている。

 

………子供の遊びじゃない、大人の計略。

 

 

 

 

『………いい加減にしなさい。調も切歌も、この戦いは遊びではないのですよ!』

 

 

 

 

…マムの叱責が思い起こされる。真剣に考えてもダメだった。だって真剣な生き方なんて知らない。真面目な生き方なんて知らない。

 

……覚悟も、自分の生き方だって、知らない私達だ。

 

…躊躇っている余裕なんて、ないよね。

 

 

「……やろう切ちゃん!マムのところにドクターを連れ帰るのが、私たちの使命だ」

「……絶唱、デスか」

 

 

………変わらない、変えられないよ。進まない、進めないよ。だけど未熟で小さな私達でも、世界に向けて成し遂げたい使命がある。

 

……世界を救って、弱い人たちを助けて。切ちゃんにマムにマリアに八幡に。

 

 

………みんなで、新しい未来に進むんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 

 

♪Emustolronzen fine el baral zizzl♪

 

 

 

 

 

 

♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 

 

 

♪Emustolronzen (ワタシの全部、キミに) fine el zizzl♪(捧げて調べ歌う)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁぁぁあああ!!」」

 

 

ビキビキビキと、高まるフォニックゲインに釣られてアームドギアや身に纏うギアまでもが変形していく。リンカーのオーバードーズは如実に体を蝕んでいる。だから、切ちゃんと協力して一気に叩く!

 

 

 

 

 

 

「シュルシャガナの『絶唱』は無限軌道から繰り出される果てしなき斬撃!これでナマスに刻めなくても、動きさえ封じてしまえばっ!」

 

 

「続き、刃の一閃で対象の魂を両断するのがイガリマの『絶唱』。そこに物体による防御はあり得ない!つまり、絶対の絶対デス!」

 

 

 

 

 

 

両手両足が巨大化し、ノコギリと丸鋸の威力と物量を引き上げる。汎用性、殺傷性、そこに出力が加わるまさに無限軌道の戦闘スタイル。

 

そしてイガリマのアームドギアである大鎌が巨大化し、ブースト機能まで習得した相手を一撃の元に切り捨てる切ちゃんの絶唱。例え相手の出力が高くても絶唱には及ばない。それが二人となれば尚更だ。

 

 

(…痛くても、私達は止まれない。世界の弱い人たちを、何も知らずに虐げられる人達を死なせない。痛みを知っているからこそ、一番助けて欲しかった時に助けてもらえなかった私達だから、やらなきゃいけないんだ)

 

 

『戦う必要なんてない』、『困ってる人を助けたいだけ』。なんて曖昧で抽象的。本当に怖くて、本当に苦しくて、本当に痛くて困っていたら絶対に出ない言葉。

 

一番助けて欲しい時に救われていなかったら、言葉や抵抗じゃどうにもならないと分かるはずだ。

 

……助けてくれる人なんていないって。だから、私たちがなる。世界を救う、ヒーローみたいな悪人に。

 

 

(…口だけの偽善者に、邪魔なんて……っ!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 

 

 

♪Emustolronzen fine el baral zizzl♪

 

 

 

 

 

 

 

♪Gatrandis babel ziggurat edenal♪

 

 

 

 

 

 

 

♪Emustolronzen fine el zizzl♪(胸に響き、いつか世界に満ちるまで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶唱?なんで……っ?」

 

 

重なる、三人の絶唱。だけど決死の覚悟で歌った絶唱は、まるで風船の空気が抜けていくようにフォニックゲインが萎んでいく。巨大化していた四肢のノコギリ達は通常サイズに戻り、見れば切ちゃんの大鎌も平常と同じ大きさに引き戻されていた。

 

………燃えるような熱気が頬を撫でる。熱の、フォニックゲインの発生源。気づけば神々しく過剰な光が、立花響の元へ集結していた。

 

 

「……二人に、絶唱は使わせない!!」

「……なにを…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

Set Harmonics(セット ハーモニクス)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

力は光へ。光は拳へ。そして拳は、一つのアームドギアとなって立花響の支配下に置かれた。

 

そしてその力の奔流は誰もいない場所。私ただの目の前で、私たちの元ではなく空へ向けて拳の一撃と共に解き放たれた。

 

 

 

 

 

虹の竜巻が、雲を飲んだ。

 

 

 

 

 

 







ロリマリアさんと大人セレナと新しいIFが出てきましたね。好みがプリンからプリン体になったセレナ面白すぎるでしょ。あとロリマリアさん声めちゃ可愛い。

あとシャニマスは悪くないので許して。むしろみんなPになろう。
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