やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

18 / 122
クリスの親子愛が、尊い…。
執筆速度が倍増するほどに…。

Youtubeでシンフォギアの復習できるの素晴らしいですね。モチベが上がるってもんです。


やはり秘密はいつか暴かれる。

in……

 

 

「ねえ比企谷くん、この服どう思う?」

「いいんじゃね」

 

 

「まだ五月なのにアイス売ってる!少し寄ってかない?」

「…まあ、いいけど」

 

 

「猫に犬に、クマにうさぎ。マグカップだけでも色々あるんだね」

「立花に買ってくのか?」

「うん。比企谷くんも買う?」

「いや俺はいいや」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

inどこかのカフェ

 

 

 

「………なあ、今日の予定って買い物なんだよな?」

「ん?そうだよ?どうしたの急に」

「いや、もう結構歩いたのに何を買いに来てたのかイマイチ分からなくてな」

 

 

集合したのが昼過ぎでもう何時間かフラついているが、行く先々に寄り道が入るのでどこが目的地なのか全くわからない。服を見に行ったと思ったら道中のアイス屋でおやつタイムが入り、雑貨を見に行ったはずなのにキッチン用品売り場に足を向け、勉強道具を物色しながらも何も買わないという不思議な道のりを歩んでいた。そして今はティータイムである。ティーと言っても俺は甘々にしたコーヒーなのだが、買い物にティータイムが必要になるなんて八幡知らなかった。

 

 

「何って、マグカップ買ったじゃない。今日はそんなにたくさん買う予定無かったから小さい鞄しか持って来てないし」

「え、目的それだけ?」

「それだけだよ?あとは比企谷くんとお出かけなんて珍しいから、色々寄ってみたかっただけ」

「………え、俺いる?」

「一緒に回るのに比企谷くんがいなくてどうするの?」

「え、あ、うん。……うん?」

 

 

何当たり前のこと言ってるの?馬鹿なの?みたいな顔して言われた。いや実際に言われたわけじゃないけど心底不思議そうな顔された。コミュ障オタクとコミュ力お化けは相容れない存在だと理解してはいたが、まだまだ理解が及んでいない領域もあるようだ。買い物をするために一緒に回るのではなく、一緒に回るために買い物をするらしい。その結果がウィンドウショッピングにシャレオツなカフェでのブレイクタイムに繋がっているという。文系には分からない数式で成立しているようだ。

 

 

「……さて、次はどこ行こっかな」

「どうする?帰る?」

「帰らないよ。すごく自然に帰宅の提案したね」

「俺レベルになると休日でも平日でも家を求める帰宅系男子になるからな。むしろ家から出たくないまである」

「へー。普段お家で何して過ごしてるの?」

「基本読書とか勉強だな。暑い時とかはファミレスとか行くけど」

「ちゃんと勉強してるんだ。部活とかには興味なかったの?」

「………。これは俺の友達の友達の話なんだが…」

「暗い何かがあったんだね…」

 

 

 

 

……そんなたわいもない話を続けてどれくらい経ったのか。そうこう話しているうちに、いつのまにかもう夕方近くになっていた。ドリンクバーのないカフェなのに既に二杯目のコーヒーも空になっている。おかしい、家に帰るよう誘導するはずが延々と会話に興じていた。これが孔明の罠か。

 

 

「……どこに行こうかって話してたのにずっとここにいたね」

「そうだな。そろそろ出るか?」

「うん、そうしよっか」

 

 

少し高めのティータイムも過ぎれば一瞬で、入った時には蒸し暑かった外の空気も夜の空気を取り込んで涼しく変化していた。一日が終わって行く姿を映し出すような太陽も最後の輝きとばかりに西日で瞳を焼いてくる。また休日が一つ終わってしまった。

 

 

「……どうする?」

「んー、なんかまだまだ買い物って気分でも無くなっちゃったね」

「俺は元からそんな気分ないけど…」

「じゃあ少し歩こっか」

「帰りはしないのね、知ってた」

 

 

夕方の気配を撒き散らしていても、もう随分と日が伸びて来ている。ガヤガヤと鳴っているような喧騒は未だ収まることを知らず、むしろ主婦や学生で増えているようにすら見える。

 

だから俺たちが向かったのは最初の公園だった。別に何か目的があったわけじゃない。ただ街中の喧しさから離れたかっただけだが、俺も小日向も特に何処と言わなくてもここを目指していた。

 

 

「………ここって人が少ないんだね」

「ああ。さっきもそうだったな。ベンチも遊具もあるがペンキ剥がれてるし錆びてるしで、人気もないんだろ」

「……なんだか寂しいね」

「……まあ俺たちみたいなのがいるわけだし、需要がないわけじゃないんだろ」

「…そっか」

 

 

いや俺たちみたいなのってのがどういう存在かはこの際置いとこう。だが実際悪い気配のする公園ではない。桜が散ったであろう萎びた葉っぱが地面に落ちているので花見とまではいかないが見るだけなら十分な量があり、少し木々が多い気がするが散歩コースのような道もある。人気スポットがあるかと聞かれればないと答えるが、何もかもないかと聞かれればまだある方だと言うことができるような空間だ。まあ用がなければ絶対こない場所でもありそうだが。

 

 

「…にしても短い時間だった割に色々回ったな」

「そうだね、楽しかったから一緒にいろんな場所に行ってみたくて」

「場所でそんなに変わるもんか?」

「変わるよー。買い物してる時とか比企谷くんの緊張してる姿が観れて新鮮だったなー」

「……忘れてください」

「他にもほら、アイス屋さんで…」

「勘弁してください未来(みく)様…」

「…。…ん、許してあげる」

「感謝の極み」

「大袈裟だなぁ」

 

 

楽しそうに話す姿を横目に歩き続ける。今日の午後はずっとこんな調子だ。歩いて、話して、座って、話して。俺はいつからこんなに誰かと普通に話すようになったのだろうか。立てば嘲笑、座れば陰口、歩く姿は比企谷菌の名を欲しいままにしてきた俺だというのに。ほんと全くいらない名だ。

 

 

「……んー、楽しかったけど今日はここまでかなぁ。帰って響のご飯作ってあげないと」

「へえ小日向が作ってんのか。立花……が料理をしてる姿は想像できないな」

「あはは、大正解。机に寝そべって『未来〜ごは〜ん』っていつも言ってるんだよ?……まあ私もそんなに得意じゃないんだけどね」

「ほーん。そういや立花はもう帰ってるのか?急用とかじゃなかったっけ」

「………うーん、どうだろ?とりあえず連絡だけして途中のスーパーで材料買っていけばいいかな。比企谷くんはどうする?帰る?」

 

 

ここでようやく小日向からの帰宅許可法令が適応された。一度許可が下りればどのタイミングで離脱しようともうこちらの予定を阻害はしませんよという素晴らしき法令だ。決定権は我にあり!

 

 

「………いや、送ってくわ」

 

 

ごめん、嘘。決定権は小町にありです。終わったらちゃんと送ってくこと!と小町から既に指令を出されている。荷物持ちは相手が家に帰るまでが荷物持ちなのだ。

 

 

「そう?ありがと!スーパーに寄ってくけど大丈夫?」

「ああ。今日ろくに荷物持ちできなかったからな。使いっ走りなら任せろ、小町に鍛えられてる」

「もう。友達同士のおでかけなんだからそういうこと言わないの。一緒に行くんだから使いっ走りじゃないでしょ?」

「あっはい」

 

 

おかしい、小日向が天使に見える。立花専用天使かと思ってたら俺にもお裾分けなんて良くできた嫁さんだな立花め羨ましい。何か立花に八つ当たりしたい気分になってきた。夕飯をパン&パンにするよう小日向に進言したりとかいいかもしれん。よしそうしよう。

 

 

「なあこひな…」

「あれ、響?」

「……え?」

 

 

思考に耽っていて気づかなかったが、目の前の道から立花が走ってくるのが見える。突然の旦那登場に小日向は嬉しそうに駆け寄ろうとするが、逆に俺は背中に冷や汗でいっぱいだった。

立花は急用、つまり二課の仕事だ。なのにここに立花がいるってことはここにノイズ?いやここまで立花が移動する時間があるのに警報もなし、変身もなしはおかしいはずだ。なら、もっと他の…!?

 

 

「おーい!響ー!」

「未来!来ちゃダメだ!」

「え…?」

 

 

 

「見つけたぞ!」

 

 

 

 

「………っ!小日向!」

 

 

新たな闖入者の気配。さらにガリガリと何かを削るような削岩音。きっとそこまで聞いてはいなかった俺の体は咄嗟に小日向の腕を取り引き寄せていた。

 

俺にできるのはここまでだった。抱き寄せた小日向を腕に抱えたすぐ後、目の前に直線を引くように空から一筋の軌跡が刻まれる。それは衝撃波を俺の身体に存分に叩きつけながら通過して行った。

 

 

「……ッグ!」

「きゃあぁぁあああ!」

 

 

暴風に引っ叩かれたと錯覚する衝撃で倒れこむ。恐怖故かまともに瞬きする事も忘れるほど目を見開いてしまう俺の目は、さらに衝撃的な光景を目撃した。空から落とされたかのような車がちょうど俺たちを落下地点に定めたように落ちてきていたのだ。倒れ込んだ状態からでは間違いなく回避はできない。二つのミンチが出来上がる事になるだろう。

 

……しかし、今の俺にはそれすら映らない。きっと理解していたからだと思う。小日向を抱えている限り、俺の危険は小日向の危険だ。シンフォギアを纏った立花なら車程度どうということはないことを。そんな無意識の信頼が俺の視界を少しだけ広くしていた。

 

だから、俺が視界に入れたのはもう一人の方。俺たちを襲ったと思われる相手を見て俺、そして相手も信じられないものを見るような顔で驚愕していた。

 

 

 

「………比企谷!?」

 

「………雪音、なのか?」

 

 

 

そう、奇抜な格好にフェイスシールド。しかも木の先端に届く程の高さに居る相手だというのに、見てすぐその人物を特定する事が出来てしまった。なんせ銀髪と双子山に加えて声まで聞こえたのだ。もう疑いようもないほど、あいつは路地裏で倒れていた女の子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

 

【♪私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ】

 

 

「はぁあああ!!」

 

 

 

 

 

 

そして、歌が聞こえた。幾度か見たオレンジと黒の衣装を纏い、歌の力で聖遺物を起動させるシンフォギア。その力は立花を覆い、降りかかる車をその拳で吹き飛ばしてみせた。

 

…だがそれは、立花がひた隠しにしてきた全てを曝け出したことを意味してしまう。

 

 

「………響?」

 

「………。…未来、ごめんっ」

 

 

奇しくも立花の秘密を知ってしまった小日向は目の前の奇想天外と、親友の異変についていけず動けない。その間に立花は雪音を誘導するかのように飛び立って行く。それを見た雪音も一度だけ此方を見て、そのまま飛び立っていった。

 

 

「……そんな…。響…」

 

 

腕の中で呆然とする小日向にどんな言葉をかけていいか分からない。…というかそれ以前の問題のようだ。

 

 

「……比企谷くん!?どうしたの!?」

 

「………っ!」

 

 

身体が、熱い。胸の奥から熱湯が湧き出るかのような感覚が襲いかかる。蠢くような奔流は、しかし全身に広がる前に胸の中心で収束していく。

 

もう、何も聞こえない。

 

 

「……!…………!」

 

 

声の聞き取れない小日向の姿を最後に、俺の意識は落ちていった。




展開早い…早くない?
四人に互いの名前を呼ばせたいだけの話だった。


魔弓・イチイバル好き。
ヒャッハーしてるのに可愛いしカッコいいの不思議。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。