やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

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どこまで原作に沿うか悩む。


やはり俺に人助けなど似合わない。

立花と小日向との食事会を終えて小町に軽くお説教をしたのも今は昔。厳密には昨日。入学式後という暇な時間をわざわざ使わせてしまうなんて申し訳ないにもほどがある。それについてコンコンと説明したが得られる価値には変えられないのだと一括。べ、別にビビってねえし?

 

 

「そして流石俺。こうもあっさり目的の(ブツ)を手に入れてしまうとは…」

 

 

手にぶら下げるのは昨日の朝に頼まれた風鳴翼のCD及び特典である。CDだけならば片手を振って帰路を辿れるのだが、袋に詰められたなんやかんやは俺の右手で存在感を主張している。もちろん傷をつけたり開けたりしようもんなら妹様の(いかずち)が響き渡るので丁寧に丁寧に。

 

 

「たでーまー」

 

 

いつも通りお帰りもにゃ〜んも言われない我が家。ある意味この静寂がとても安心する。戦利品は机の上に置いておき、さてどうしようか。何でも今日はイベントが終わった初日ということでクラスの殆どで親睦会を開くらしい。もちろん俺はサボタージュかましたので予定もない。

逆にこういうイベントには積極的に参加する小町は新年会で仲のいいクラスメイトと飯を食いにいくとか。「新」しい学「年」を祝う「会」で新年会とない胸をはられたが、俺はあと何回妹の国語の成績を心配すればいいのか。

 

まあそんなわけで夕飯は一人なので何を食べるかを悩んでいるワケダ。まずファミレスは可能性は低いがバッティングするかもなので却下。つまりサイゼが候補から外れてしまうのだ。そうなると当然···

 

 

「···ラーメンだな。ラーメンが食べたい」

 

 

おお、口に出すとそれ以外考えられなくなってきた。しかしそれならそれで問題発生だ。そう、何処のラーメン屋にいくか、超重要案件。近場のこってりにいくか、少し遠目の鶏系のところか、時間度外視で開拓もあり。うごご、悩ましい。

 

 

「あ、そういや親父が海の近くの豚骨系が上手かったとか言ってたっけか」

 

 

思い…出した!綴る!千葉・ラーメン屋、ググレカスっと。携帯にワードを綴るだけで地図アプリやらで簡単に場所が確認できる。さらに口コミや店舗情報なんかもラクラクちん。海岸沿いの数軒を調べ、ようやくそれだろう店を発見した。

 

 

「結構遠いな。チャリで行くか」

 

 

徒歩でくる魔術師と違って中々せっかちな自分である。もちろん単独行動の時に限るが。集団行動の際には一番後ろに陣取り、前の連中がどれだけノロノロしていようともそれに合わせて後ろに後ろに調整出来ちゃう俺なのだ。

 

 

「……いざ、ラーメン!」

 

 

外に出ると夕方を感じさせる夕日が赤く輝いている。行って帰ったら暗くなっているだろう。しかしそれも気にする必要は何もない。なんせ今の俺は独りなのだから!独り最高!

 

…補導にだけ気をつけよ。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「ふぅー。食った食った」

 

 

チャリを飛ばして30分。チラと周りを見渡せば海やら工場やら人通りが少ない表通りやら。なんでこんなところに店があるのかとか、そも親父はなんでこんな店まで食いに来たのかとか疑問が湧き出るが、そこはそこ。ラーメン屋に来てラーメンを食べないなんてありえないと、マシマシのラーメンに舌鼓を打った。

 

 

「さて、まあまあ暗くなって来たし少し早めにかえ…」

 

 

るか、と続けようとした時に、フッと視界を横切った。視界が薄っすら歪むような、まるでそこだけ陽炎が存在しているかのような、非日常(違和感)が橋の向こうの景色に紛れ込んだ。

知っている、あの存在を知っている。勿論直に見たことなんてない。有るはずもない、だって、直接見れるような場所にいて、()()()()()()()可能性はとても低いからだ。

竜巻に呑まれるようなもの、津波に攫われるようなもの。そんな自然災害扱いをされている、人類に対抗する術のないモノ。

 

 

「……ノイズっ!?」

 

 

バッと本能的に、恐れるように道の角に隠れる。

距離があるため気づかれてはいないようだが、油断できない。詳しいことは知らないが、ノイズとは無差別に人を襲い、まるで空間から滲み出るように現れて人を炭化するだとか。しかもこちらからの干渉を位相差なんちゃらで無効にしてしまうらしい。視線の先にいるノイズも半透明で今にも消えてしまいそうなのに、それらが人の命を奪えるという事実に足が竦む。

 

 

「に、逃げねえと…。つうか警報はどうしたよ!?」

 

 

先ほども述べたがノイズは災害扱い、特異災害としてその名を付けられている。発生してすぐその近辺の街には避難警報が流れ、住人はシェルターへと避難するのが基本となっているのだ。

 

 

ウゥーー!ウゥーー!

 

 

「おっ……せぇ!」

 

 

まるで非難を聞いていたかのようなタイミングで警報が鳴り響く。本人は知る由もないが、ノイズ発生地点の警報は既になっていた。ただその発生地点からかけ離れた地点まで移動していたことで警報が遅れてしまっていたのだ。

そう、そんなこと知る訳がない。知る訳なくとも、現実は無情な情報を叩きつけてくる。

 

 

「……あれ、人か…?」

 

 

初めての経験に兎にも角にも避難しなければとも思えず、ただ物陰で立ち尽くす腐ってはいても視力の良い目は、二人の少女の姿を捉えた。捉えてしまった。

必死に、まさに死ぬ気で逃げている。そりゃあそうだ。後ろには死が迫っているんだから。大量のノイズがたった二人の命を狙って街中を横断している。そのうちの一人は、オレンジがかった髪色の、つい昨日会ったばかりの知り合いで…。

そしてここには、ただ立ち尽くす以外出来ない目の腐ったぼっちが独り…。

 

 

(…………っ、いや、無理、だろ。ばっか何考えてんだ。引きこもり系腐眼持ちのボッチだぞ。

運動神経?体力ねえよ。

中学時代国語トップ?今なんの役に立つんだよ。

さっきの人影が知り合いに似てる?会って一日とかもはや他人だろ。

そうだシェルター、避難しねえと。幸いノイズがいた方と真逆だ。回れ右してチャリで走るだけじゃねえか…。

………だから…)

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………だから、こっちじゃねえんだよ!」

 

 

クソッ!なんで走ってんだ、なんでチャリ置いて来た!おかしいだろまだ言い訳の最中じゃねえか、なんで先に足が動いてんだよ!

頭動かせ、行ったら死ぬんだぞ!犬死に無駄死に野垂死にが精々!クソが無駄に俺にお似合いな死に方並べやがって!

 

 

……ほんと、俺に似合い過ぎて…

 

 

 

『この猫ちゃんが降りれなくて困ってたから助けなくちゃーと思って…』

『もう少しで助けられるから!へいき、へっちゃらだよ!』

『なら私と友達になろうよ!今ならもれなく私の親友もついてくる!』

 

 

………お前にゃ似合わな過ぎる。

ダメだろ、人助けが趣味とか親友に言われちゃう奴が。そもそも親友がいる奴が。一緒に逃げていたもう一人、あの小さい子もどうせ困ってたからとか言って助けちゃったんだろうよ。

そんな奴が、そんな死に方とか、似合わな過ぎて…。

 

 

『私呪われてるかも…』

 

 

「……っ、!」

 

 

もう、言い訳も出て来やしない。

ただ、荒れる息とバクバク煩い心臓のリズムを聞きながら、足を動かし続けた。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

何分走っただろうか。

立花の全力疾走と俺の全力だとどうにも釣り合いが取れないらしい。なかなか追いつけず、遂には海辺の工場地帯で立花とノイズの姿を見失ってしまった。

 

 

「…はぁ、はぁ。損はともかくくたびれ儲けは割に合わねえぞ…」

 

 

だが工業地帯はかなり入り組んでいる。もしここに立花達が逃げ込んでいるなら、入れ替わる形でノイズのヘイトを集められればあいつらが逃げられるかもしれない。逆に考えればチャンスだ、だからもうちょい動けよ俺の身体。

つうかなんでこんなにパイプでかいんだよ。乗り越えるだけでも体力ガリガリ削られんぞ。そのくせ登っても見通し悪くてノイズも見つかりゃしない。10や20じゃないくらいいたはずだし見つけてもおかしくないはずなんだが…。

 

 

「……っ。とにかく、早く見つけないと」

 

 

 

 

 

 

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

 

 

 

 

【♪撃槍・ガングニール】

 

 

………歌が、聞こえた。

 

 

「………う、た?」

 

 

大凡(おおよそ)、この工業地帯という場には相応しくないものが聞こえた。そして、工業地帯云々以前に、()()相応しくないものが聞こえた。

 

歌、そう歌だ。生まれてから一度も聞いたことのない音色。無機物の楽器達の音に生の、生きている者の音が乗る存在を、俺は今耳にしている。

美しいだとか、聞き惚れるとか、そういうものじゃない。ただ、立花という人間の想いを感じる。真っ直ぐな、誰かを助けたいという想い、その、力強さを。

 

 

「…あっち、か」

 

 

足の疲れも忘れて歌の聞こえる方へ足が向かう。ただこの歌を聞いていると、何と無く分かった。俺の出る幕は上がる前に消えたのだと。きっとあのお人好しはヒーローかなんかで、自力でパワーアップやらなんやらをしたのだろう。

 

 

「…ハッ。俺ダッセ…」

 

 

自虐も短めに音の発生源を見つける。もちろん物陰に隠れて、だ。日陰者の落ち着く場所はなんとも目の前の不可思議な風景をよく見せてくれた。

 

オレンジと黒をベースに機械的な腕や足の装甲を施され、ノイズ相手にコスプレを晒している立花とその腕に抱かれた子供。さらには青と黒をベースにした立花と似たような格好をしたもう一人の女性がノイズを蹂躙しているではないか。

 

 

「え、なんでノイズ倒してんの…?」

 

 

あれ?ノイズって対抗手段がないから逃げるしかないみたいなこと聞いたんだけど。蹂躙しちゃってますが?圧倒的じゃないか我が軍は。いや割とマジで、何アレ。

 

 

「………これ見ちゃいけないやつじゃん」

 

 

た、退却ー!これ国の秘密とか見ちゃって口封じとかされる流れじゃんこれ!アニメで見た!いやこれアニメじゃないけど!でもなんか間違ってない気がする!幸いメインアタッカー的な青い人にも立花にもバレている気配はない。つまりこのまま誰にも知られず家に帰っちゃうが大吉!君子危うきにサヨナラ!

 

 

「……よし。そうと決まれば早く帰る…」

「前に、ご同行願えますか?」

 

 

ビクッと背筋が凍る。誰もいないはずの場所から不意打ちで声をかけられれば誰でもそうなる。いやでも、おかしくない?後ろ今振り返ってるんだけど、誰もいないんですが…。

 

 

「…申し訳ありませんが、嫌と言われても来ていただきますね?」

 

 

声の本当にする方。真上にスッと視線を上げる。

 

 

 

 

(………スーツ着たイケメンが壁に垂直に立ってる)

 

 

 

………………………。

 

 

アイエエエエエ!?




忍法を隠す気もなく使う緒川さん、口寄せはやり過ぎだと思うんだ…。

「ありがとう」を唄いながら好き

そいや評価赤でもゲージ少ないって仕様変更あったのか。少しびっくりした。
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