やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

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原作を超えるとか無理ゲー過ぎる。

メリークリスマス!


シンフォギア

side未来

 

 

 

 

「……響」

 

 

ジッと、ずっと、響を見続けていた。藤尭さんが映してくれたモニターから流れる響の姿を目に焼き付けている。クリスが撃ち落とされた時の悲しみも、暴走してしまった時の怒りも。

 

 

(………何か、できないかな?)

 

 

響が泣いてる。その涙を拭いてあげたい。だけど私にはその方法がない。

 

…信じてる。ずっと信じてる。泣いても、苦しんでも、それでも響が立ち上がってくれるって信じてる。今は諦めてしまって上を向けなくても、もう一度、何度でもまた進めるって信じてる。

 

…だけど信じてるだけなのは苦しい。あの日、ノイズに追われた時。信じてるだけじゃなく、私も戦いたいと告げた時。あの瞬間を忘れない。

 

一度助けたから満足なんて出来ないから。何度も、何度でも、響が困ってるなら私が助けるんだ。

 

 

「……あの!ここから響に声を届けることはできますか?」

 

 

端末を操作している藤尭さんに尋ねる。響は絶対に諦めない。それでも立ち上がれないなら、きっとその理由があるはず。痛いとか、苦しいとか、それを我慢して飲み込んでも笑う響がそうなってしまう理由が。

 

…私は誰よりも響を見てきた。私は誰よりも響のことを知ってる。私は誰よりも響を信じてる。

 

……絶対に響が立ち上がる力をあげられる。

 

 

「私たちの無事を響に知らせたいんです。響を助けたいんです!」

「……助ける?」

 

 

停電が起きて通信機が使えなくなったから、私達が地下にいることを響は知らない。あれだけのノイズが暴れていて、校舎もボロボロになっていたからきっと私達が死んだと思ってるのかもしれない。

 

………さっきまではクリスが、翼さんがいた。響が守りたいって思っている人達がいたから、きっと響は戦い続けた。

 

でももう誰もいなくなったから、響以外いなくなったから、諦めてしまったのだと思う。例え一人でも後ろに困っている人がいるなら響が諦めるはずがないもの。

 

……響が響のために立ち上がってくれないことが、悲しくはあるけど。だけどそういう子だって私は知ってるから。

 

 

「……私達の声を届けるには、どうしたらいいですか?」

「……そうだね、学校の設備が生きていればリンクしてここから声を送れるかもしれません」

「……お願いします、力を貸してください!」

 

 

……待ってて響。この声を伝えるから。響の頑張りを知ってるみんなが、ずっとあなたのことを応援してる。

 

 

……だから諦めないで、響。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

side響

 

 

 

 

 

……………。

 

 

……なんだろう?誰かに何かを言われた気がする。

 

……了子さん?いや、違う。もっと、もっと知ってる誰か。

 

……あったかい声。優しい声。

 

…陽だまりのように、包まれる声。

 

 

「…………あきらめ、ないで?」

 

 

…守るみんながいなくなった。守る場所が消え去った。

 

…立ち上がる理由が、なくなった。

 

それなのにまだ戦う理由があるのかな?

 

 

「……」

 

 

応えてくれる声はない。ううん、そもそも声なんて聞こえてないのかもしれない。もしも声が聞こえるとしたら、こんな時に声をかけてくれる誰かがいるとしたら…。

 

 

「……未来」

 

 

声に出すだけで、未来の姿が思い浮かぶ。優しい顔、怒った顔、大好きな笑顔。

 

…それを守れるなら、いくらでも立ち上がれるのに。

 

…その笑顔のためなら、この拳を握り続けられるのに。

 

 

 

 

 

 

♪仰ぎ見よ太陽を よろずの愛を学べ

 

♪朝な夕なに声高く 調べと共に強く生きよ

 

 

 

 

 

 

「……………うた?」

 

 

…また、声が聞こえる。

 

……違う。…これは、歌だ。

 

 

 

 

 

♪遥かな未来の果て 例え涙をしても

 

♪誉れ胸を張る乙女よ 信ず夢を唄にして

 

 

 

 

 

…知ってる曲。知ってる声。知ってる歌声が瓦礫だらけの校舎に響き渡る。

 

 

「……耳障りな。どこから聞こえてくる…」

 

 

…了子さんには分からないみたいだけど、私が聞き間違えるはずかない。私の大好きな親友、未来の声がする。

 

だけどそれだけじゃない。何人もの声が、この歌声を鳴り渡らせている。みんなが生きていると、守るべき人達がまだ生きるのを諦めていないと、私に教えてくれている。

 

 

「……ちっ。なんだこの不快な、歌………。…歌、だと?」

 

 

…………ああ、なんでだろ。さっきまであんなに冷たかったのに。全部全部諦めて、もう立ち上がる力なんて少しも残ってなかったのに。

 

歌が響く。胸に響く。握るこの手に、倒れた身体に、踏みしめる足に、熱が溢れていく。

 

…立ち上がれと、諦めるなとこの歌が伝えてくる。

 

 

「……聞こえる、みんなの声が。…よかった。私が支えてくれるみんなはいつだって側に…」

 

 

…………聞こえる。聞こえるよ、みんなの歌が。

 

 

 

 

 

(………響。…私たちは無事だよ。響が帰ってくるのを待ってる。

…だから、負けないで)

(……ありがと、未来。…大好き)

 

 

 

 

 

 

………不思議だ。さっきまで立ち上がる理由なんてなかったのに、今度はもう諦める理由が無くなってしまった。

 

 

「……みんなが歌ってるんだ」

 

 

…シンフォギアがなくても、立ち続けてる人がいる。

 

 

「だからまだ歌える!」

 

 

…歌い続けてる人がいる!

 

 

「頑張れる!」

 

 

…頑張り続けてる人がいる!

 

…………だからっ!私はまだっ……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………戦える!

 

 

 

 

 

 

 

《Phonic gain : Improvement!(向上)

 

 

 

 

 

 

……身体からフォニックゲインが溢れ出す。今までのギアとは比べ物にならないくらいだ。

 

 

……ありがとう。この力が私の力じゃなくて誰かがくれた力だってことが分かる。誰かに助けられて、誰かに支えられて、私はまだ立ち上がれるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ、戦えるだと!?

 

 

…何を支えに立ち上がる…。

 

 

…何を握って力と変えるっ。

 

 

…鳴り渡る不快な歌声の仕業か?

 

 

……そうだ、お前が纏っているものはなんだ?

 

 

……心は確かに折り砕いたはず…。

 

 

…なのに何を纏っているっ。

 

 

…それは私が作ったものか?

 

 

…お前が纏っているものはなんだっ!

 

 

………なんなのだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンフォギアァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《▮Symphogear : Code『Ichaival(イチイバル)』》

 

 

《▮ Awakening! : limited release(限定解除)!》

 

 

 

《▮Symphogear : Code『Amenohabakiri(アメノハバキリ)』》

 

 

《▮ Awakening! : limited release(限定解除)!》

 

 

 

《▮Symphogear : Code『gungnir(ガングニール)』》

 

 

《▮ Awakening! : limited release(限定解除)!》

 

 

 

 

 

 

 

 

………ありがとうみんな。

 

……ありがとうシンフォギア。

 

 

 

「………私はもう、諦めない!!」

 

 

 




シンフォギアァァァァァァァアアアアア!!!!!!!!


何度見返しても好き。
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