やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

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このまま原作通りだけじゃダメな気しかしないのでガツガツと。いや途中まではがっつり原作通りなんだけど、戦闘描写が、ね。

もう少ししたら原作無視できると思い、ます、はい。

書いてる間月煌ノ剣と鏖鋸・シュルシャガナ無限に流してたけどカッコいいし可愛いしで捗りました。月煌ノ剣のサビは、燃える。思わず歌いたくなるやばい。シュルシャガナは声をずっと聴きたくなるくらいの可愛さに加え歌詞が物騒トゲトゲでほんわかします。好き。聴いて。











装者集結

♪Imyuteus amenohabakiri tron♪(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

 

 

 

 

 

 

♪月煌ノ剣

 

 

 

 

 

 

♪『一つ目の太刀』

稲光(いなびかり)より、最速なる【風】の如く…

 

♪『二つめの太刀』

無の境地なれば、【林】の如し!

 

 

 

 

 

宙に投げ出されようが五体に接地面が無かろうが、ギアを纏えばそれ即ち一騎当千。蔓延るノイズを斬り狩り伏せる。歌も走れば剣も走る、それこそノイズがその声を止めるのは何処までも役者不足なのだ。

 

 

 

 

 

♪百鬼夜行を恐るるは…

 

己が未熟の水鏡!

 

♪我がやらずて誰がやる?

 

…蒼き破邪なる無双!

 

 

 

 

 

 

歌は響き剣花が咲けば辺りに散らばるノイズは姿も失くして炭となった。その代償に風鳴翼が装者であることは全世界へ知られるところに……。

 

 

「……放送が中断された!?」

 

 

…その姿が全世界へ放映されることはなかった。聖詠を歌う刹那前、突如全ての映像と音声がオフになったのだ。そんな優しい下手人が誰かは分からないが、二課に属する誰かであることは間違いないだろう。

 

 

(……重荷を全て降ろしてもらった。ならばこれより先は剣の役目だ)

 

 

最後の一体を炭へと変え、あるべき場所へと飛び戻る。マリア・カデンツァヴナ・イヴ、黒いガングニールを纏うこの騒動の主犯であろう輩へ剣であるアームドギアの切っ先を向けた。

 

 

「……いざ、尋常に!」

 

 

先程のような無様を晒すつもりはない。互いがギアを纏い、対峙すれば後は両者の実力で決まるのだから。

 

 

「……ふん!」

 

 

此方が斬りかかればマントに防がれ、それそのものが生き物のように縦横無尽にマントが襲いかかる。一太刀浴びせようと形状に際限がないかのように、しなるムチのように手応えがない。

 

しかも……。

 

 

「……このガングニールは、本物っ!」

 

 

……何処かで偽物であって欲しかった願望が砕かれる。奏のガングニールが、どこの誰とも分からないようなテロリストに扱われている事実。脳裏にヒリつくような痛みすら感じる事実に、マリアは当然のように誇ってみせた。

 

 

「ふっ、ようやくお墨を付けてもらった。そう、これが私のガングニール!何者をも貫き通す、無双の一振り!」

「…っ!だからとて、私が引き下がる道理などありはしない!」

 

 

マリアがマントを竜巻のように纏いながら突撃してくるのを、真正面からアームドギアで受け止める。

 

奏と同じ、立花と同じガングニール。それでもこの場所に立っているのは人類守護の要である防人、引く道理も項垂れる時間もない。ここで攻めの枕を叩く!

 

…っ、緩んだ!?…だが好機!

 

 

 

 

 

「……私を相手に気を取られるとは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪幾千!幾万!!幾億の命!!!

 

《全て》を握りしめ振り翳す!

 

 

♪その背も凍りつく、断破の一閃!

 

散る覚悟はあるか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【風】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【火】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 ༒風輪火斬 ༒】

 

 

 

 

 

「……ぐぁっ!?」

 

 

 

 

二つの剣の柄を合わせ、螺旋を起こすように双刃を回転させながら火遁を纏い斬り荒ぶ。突如現れた隙を突いた状況だが好都合!マリアに浅くない一撃を入れられた。主犯の一人を拘束できれば事件を初動で堰き止められる!

 

 

「話はベッドで聞かせてもらう!」

 

 

再び火遁の印を結び双刃に炎を纏わせる。手傷を負わせた相手、一対一なら……っ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

α式・百輪廻(アルファしき・ひゃくりんね)

 

 

 

 

 

 

「奇襲!?…くっ!」

 

 

予期せぬ場所からピンク色の小型の円盤が、十では抑えられない数となって此方に飛来してきた。しかもただの円盤ではない、弾けばその円盤の外側はギザギザと尖る丸鋸(まるのこ)。当たれば痛いでは済まない凶器だ。

 

双刃にしていた柄を回転させることで弾き飛ばしてはいるが、まるで此方を足止めするように攻撃の手は鳴り止まない。

 

 

 

 

 

 

 

 

♪鏖鋸・シュルシャガナ

 

 

 

 

 

 

♪首をかしげて、指からするり落ちてく愛をみたの…

 

♪拾い集めて積み上げたなら、お月さまに届くの…?

 

 

 

 

 

 

「……歌っ!?もう一人の装者が…っ」

「…いくデス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

切・呪りeッTぉ(キル・ジュリエット)

 

 

 

 

 

 

歌の発生源に目を向ければピンクのシンフォギアを纏った小柄な少女、だけでなくさらにその後ろから緑色のギアを纏った少女が現れる。ピンクの少女が丸鋸を正面から、緑の少女が左右から鎌の刃のような物体をブーメランのように二つ、回転させている双刃を掻い潜るように懐に迫る。……避け、られない!

 

 

 

 

 

「がぁっ!」

 

 

 

 

 

♪DNAを教育してく、エラー混じりのリアリズム…

 

 

♪人形のように、お辞儀するだけモノクロの牢獄…

 

 

 

 

 

 

緑の刃に弾き飛ばされ、再びステージから落とされてしまう。幸い戦闘を続けることに支障はなさそうだが状況は一転、最悪といってもいいほどに悪化してしまった。

 

 

「…装者が、三人!?」

「……危機一髪」

「まさに間一髪だったデスよ」

 

 

黒いガングニールを纏うマリア、そして丸鋸を飛ばしてきたピンク色のギアを纏いローラースケートのような靴を履く黒髪の少女、そして身の丈程にもなる巨大な鎌を携える金髪の少女。

 

まるで白騎士のようにマリアの危機に現れた二人の装者はマリアの味方と見て間違いないだろう。

 

 

「調と切歌に救われなくても、あなた程度に遅れをとる私ではないのだけどね」

 

 

一撃与えたとはいえマリアも未だ健在。一対三では此方に敵う道理はないのかもしれない。

 

 

「……貴様みたいのはそうやって…」

「……?」

「見下ろしてばかりだから勝機を見落とす!」

「……っ!上か!」

 

 

だがそれは此方が一人だけの話だ。ステージ上空からは二つの影がヘリから飛び降りたのが見えていた。その赤と橙の輝きを私が見間違えるはずもない。

 

雪音クリスと立花響。此方も白騎士のお出ましだ。

 

 

 

「土砂降りな!十億連発!!」

 

 

 

 

 

 

【BILLION MAIDEN】

 

 

 

 

 

雪音が落下しながら4門のガトリングを三人に爪弾けばマリアはマントを傘のようにして防ぎ、他二人はその場を退いた。

 

 

「うぉぉおおお!!」

「ふんっ!」

 

 

傘のようなマントを打ち抜くように上空から立花がマリアの元へ拳を振り下ろす。その一撃はマントごと退いたことでマリアではなくステージの床部分を打ち砕いたが、それによりお互いに距離が空いた。

 

立花とマリアだけではない。武装組織【フィーネ】、マリアに…調と切歌と言ったか。その三人と私達三人が鏡合わせのようにステージの上と下で対峙する形になった。

 

……仕切り直し、望むところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side響

 

 

 

 

 

 

「やめようよこんな戦い!今日出会った私達が争う理由なんてないよ!」

 

 

三対三の状態、マリアさんと二人の女の子達に向けて言葉を投げかける。シンフォギアを纏うあの子達。了子さんが、『胸の歌を信じなさい』と言ってくれた了子さんの力をただ争う為だけに使いたくない。

 

言葉より強く繋がれる歌を力に変えるシンフォギアを持つ人同士ならきっと分かり合えるはずだから。

 

 

「……っ!そんな綺麗事をッ」

「…え?」

 

 

何か理由があるのかもしれない、もしかしたらそれを助けられるかもしれない。そう思っても、彼女達から返って来たのは冷たいほどの拒絶だった。

 

 

「綺麗事で戦う奴の言うことなんか、信じられるものかデス!」

「そんなっ、話せば分かり合えるよ!だって…」

 

 

 

「…偽善者」

 

 

 

「…………ぇ」

 

 

 

…黒髪の女の子からの言葉が、ナイフのように突き刺さる。此方を見る目が、恨むようで、蔑むようで、真っ直ぐに憎悪で心臓を掴むように射抜かれる。

 

 

「…………この世界には、あなたのような偽善者が多過ぎるっ!」

「そんなっ!私はただ困ってる人を助けたいだけでっ、だからっ!」

 

 

異様に震える唇を動かそうとすれば、睨みつけられる視線に押されるようにうまく回ってくれない。

 

 

「…………っ!雪音、立花!後ろだ!」

 

 

それでも口を回そうとすると、翼さんがいきなり私を押し退けるように飛んで来た巨大な何かを弾き飛ばした。

 

 

 

「…鋭利な構造、(つるぎ)か!?」

「…………悪いが(さや)だ」

 

 

 

高速回転しながら持ち手のない剣先のような物体が上空へ浮かび上がって行く。その行き先はすでに映らなくなった映像機器の上部分。そこに灰色のインナーを纏った()()が存在し、戻っていった鞘を受け止めた。

 

………いや、今はその全てがどうでもいいのかもしれない。その姿も、その輝きも、何故ここにいるのかも。

 

……だって、だってあれは………っ。

 

 

「…………そ、その顔…」

「……その声…」

「その目っ!お前は…っ!」

 

 

……見間違えるわけがない。もう二度と会うことも、話すこともできないと思ってた人が、そこにはいたんだから。

 

 

 

「八幡くん!?」

「比企谷!?」

「八幡!?」

 

「…………速攻身バレしたんだけど。え、いや誰?」

 

 

ルナアタックの日に行方不明になった八幡くん。誘拐されたとも、巻き込まれて死んじゃったとも言われてた。どこを探しても見つからなかった彼が、目の前でシンフォギアを纏って私達を攻撃しようと…!?

 

 

「ま、待って!待ってよ八幡くん!話を聞いて!私達、戦う必要なんてないよ!」

「……いや二課の装者がシンフォギア持ったテロリストと戦わないで誰が戦うんだよ」

「違う!二課とか、そんなじゃなくて!だって私達友達なんだよ!?だったら戦わなくたって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はち、まんくん?」

 

 

 

どこまでも変わらない。その声も、顔も、気怠げな雰囲気も、ちょっと変わった目も、何も変わらない。

 

……なのに、私達を見る目が全然違う。ノイズに襲われた日に浮かべた笑顔じゃなく、鼻で笑ったような表情は見たこともないもので。

 

…………その目も、凍るように冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……戦場(いくさば)で何を馬鹿なことを」

 

 

 

 

 

 

 

 

【言Falsehood嘘】

 

 

 

 

 

 

 

 

…そう言って友達のはずだった彼は、容赦なく武器を向けてきた。

 

 

 

 

 

 








戦場で何を馬鹿なことを。

原作はマリアさんだけ響に言ってないんだよなぁ。あと未来さんも。いや未来さんが言ってたら怖いけどね。

というわけで感動の再会!……にはならんよね、知ってた。

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