やはり俺の戦姫絶唱シンフォギアはまちがっている。   作:亡き不死鳥

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調に見つめ続けられたい人生だった。

正直続いてもGXまでかなぁと思ってるけどAXZもXVも書きたいシーンあるから悩み…。あとそこまで行けるかも悩み…。

最近一話書き終えて寝る。次の日感想全部返して寝る。の流れができつつある。毎回10個以上感想貰って勿体ない限りです。




やはり彼女は見続ける。

「…………」

 

 

廃れた病院の中をダラダラと歩いている。起動したネフィリムについて俺にできることはない。聖遺物を食らわせ成長させると言っていたがその為に必要な時間は知らされていないので、この病院の中で時間を潰しているくらいしかないのだ。

 

 

「…………」

 

 

今行なっているのは暇つぶしと言ってはなんだが、病院だけあって大きいので探索や経路の確認も兼ねていたりする。あとベストプレイスを探してみたくもある。一人になりたい時用の場所はぼっちには必須みたいなもんだ。

 

………だから持て余した身体を歩かせているのだが…。

 

 

 

「……じー」

 

「…………」

 

 

 

………見られてる。めっちゃ見られてる。後ろからトテトテとついて来ては壁に隠れてこちらをじーと見てくる月読が眼に浮かぶ。尾行というにはお粗末で可愛らしいが、その対象に選ばれる意味が分からなかった。

 

 

「………」

「……じー」

「…………」

「……じー」

「…………なんか用か?」

「…………ささっ」

「遅いから。バレバレだから」

 

 

堂々と追ってくるので振り返ってみれば一歩遅れて壁に隠れる。ヒラヒラとツインテールの一房が壁に隠れきれてないのもあって、意図がイマイチ読めないな。

 

 

「………私の監視を見抜くなんて…」

「監視なのかよ…。…お前メガネなんて付けてたっけ?」

「潜入美人捜査官メガネ。付ければ任務の成功率がアップする」

「失敗してるが」

「…八幡の分もある」

「いらねえ…」

 

 

普段付けていないピンク色のメガネをクイッと直しキリッといい顔しながら近づいてくる。

 

 

「…………で、なんか用か?」

「……ただの監視。私がいない間に切ちゃんに毒牙が迫ってたなんて…」

「それなら暁と一緒にいた方が効率いいんじゃねえか?」

「…切ちゃんは今メディカルチェック中だから」

「さてはお前暇なんだろ」

 

 

暇を持て余しているのは俺もなので特に何も言わないが、どうやら月読も同じ状態らしい。それとも本当に俺の監視をして暁を守ろうとでもしているのだろうか。

 

…実際暁と月読はお互いべったりだし、相方が取られたらと必死になるのも分からなくはない。此方は取る気が無くとも受け取り方は選べないし、そのうち飽きるだろう。

 

 

「…………まあ、好きにしてくれ」

「うん、好きにする。………ささっ」

「あ、ポジションはそこなのね」

 

 

追いかけて来た時と同じように壁に隠れながら監視を続行するらしい。まあ潜入捜査官ごっこ楽しいよね、わかる。尾行してるっていうだけでテンション上がるし、サササッと動きながら隠れれば気分はまさにスパイだ。俺も中学の時忍者の真似をして色んなものに隠れながら進んでいたらクラスメイトのストーカーに間違えられて……おっと頭が。

 

…………嫌なこと思い出した。まあ、好きにさせよう。暁が戻ってくれば勝手に戻ることだろう。

 

 

………そう思っていたのだが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ご飯中》

 

 

 

「……じー」

「……(食べ辛い…)」

「調、ほっぺにご飯粒ついてるデスよ?」

 

 

 

 

 

《メディカルチェック中》

 

 

 

「……じー」

「……(裸の上半身をガン見されてる…)」

「し、調?扉に張り付いて何をしているのかしら…?」

 

 

 

 

 

 

 

《シャワー》

 

 

 

「……じー」

「いや此処はついて来させねえからな!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

………なんというか、監視というより観察対象になってるような気がして来た。普段は暁と一緒に過ごしているのだが、暁がマムに呼ばれたり用事を頼まれたりした時にはちょくちょく現れてはつけまわされたり会話したりしている気がする。

 

 

「…………何がしたいんだあいつ…」

 

 

そんな状態なので俺と暁が二人きりになることもないので、結果的には月読思惑通りなのだろうか。暁と月読のセットの時は普通にしているしやはり暁と二人だけというのが気に入らないのだと思うんだが…。それにしてはご飯の時だったり色々見過ぎな気もしてくる。メンチ切ってるよあいつ。

 

 

「……なんだかな」

「…………およ?八幡、浮かない顔デスね」

「…………まあ、な」

 

 

…ある意味今回の中心人物の登場に眉が下がる。お前がモテるから悪いんだよと言っても俺は悪くない気がする。言わないけど。

 

 

「…………一人か?」

「調はメディカルチェックでマリアはドクターと一緒にネフィリムのことお話ししてたデス。あたしも聞いてたけど難しい話は分からないから抜け出して来たんデスよ」

「そうか…」

 

 

ネフィリムについて何か進展があったのだろうか。それなら気になるところなので後で聞きに行こう。

 

……それと早めに離脱しようかな。また月読に見られたら怖いし。

 

 

「……んじゃあ俺もドクターのとこ行ってみるわ」

「えー、八幡もデスか?退屈デース…」

「そのうち月読も来るだろ」

「……そういえば八幡、調と何かあったんデスか?」

 

 

……実は俺、監視されてるんだ。…今のなんかスパイ映画っぽい。俺も潜入美人捜査官メガネをかけるべきか。……いや美人はいらねえや、潜入捜査官メガネ。黒くて地味なのが好ましい。

 

 

「………そうだな。なんか最近よくジロジロ見られてる気がする」

「ジロジロ……?……はっ、まさか惚れちゃって腫れちゃったデス!?調はあげないデスよ!?」

「…月読からも同じこと言われたから安心しろ。というかない、ないから」

「……そうデスか?んー、それ以外なら…」

 

 

…それにしてもどっちも「あげない」とは、ラブラブじゃねえか。そしてそれに慣れて来た自分が怖いな。基本手を繋いでるしきっと一緒に寝てるに違いない。うーんキマシタワー!

 

 

「…………あっ!分かったデス!」

「…なんだよ」

「たぶんもっと八幡と仲良くなりたいんデスよ!」

「…………はぁ?」

 

 

うんうんうなうなと考え込んでいたと思ったらこれか。というか月読もぼっち臭するしそれはないだろう。わざわざ一定の輪を広げたりしない。元々一緒の施設の人間だったマリアと暁だからこその距離感を俺にまで適用する理由がないはずだ。それこそ本気で暁を守ろうとしてる方がまだ理解できる。

 

 

「いやないだろ」

「あるデスよ!八幡ってば普通に話すけどいっつも一人でどっかに行っちゃうじゃないデスか!あたし達から話しかけないとすれ違っても話しかけて来ないデスし。きっと調も距離の詰め方を伺ってたに違いないデス!」

「アレが距離を詰める動き、だと?」

 

 

 

…………………見られてた記憶しかない。

 

 

 

「…………えー。いやー、ないわー」

「調の精一杯のアタックデスよ!調は恥ずかしがり屋さんなんデスから!」

「俺の乏しい経験じゃ判別できそうにないわ…」

 

 

切ちゃんはあげないとまで堂々と言い放った月読を恥ずかしがり屋は無理があるんじゃないかと思う。でもそれはそれとして幼い嫉妬心が見え隠れする幼い部分もある。

 

……それにF.I.S.初日、暁と共に俺の元に訪れて歓迎しようとした事実もある。まだロクに知らない相手を判断するには早過ぎるか。

 

…なんにせよあの監視態勢はやめてほしいけど。

 

 

「……で、どうすれば月読は満足するんだ?」

 

 

今は月読がいない。ならそれをチャンスと考えよう。一番近くで過ごして来た心強い人間が目の前にいるので、素直に尋ねることにする。月読の真意がどうあれ、暁が月読のマイナスとなる助言はしないだろう。

 

 

「簡単デスよ!みんなと仲良くすればいいんデス!」

「やめろ暁、そのセリフは俺に効く」

「なんの話デスか!?」

 

 

嫌なんだよなー、担任の「みんな仲良くしましょうねー!」みたいなの。そのくせグループ作るときにハブられたりしたら「ちょっとみんなー、比企谷くんが嫌いなのは分かるけど仲間に入れてあげてー!」とか言い出すんだよ。あの担任は今でも俺の絶対許さないリストに入ってるからな。

 

 

「……と、とにかく!八幡からも近付いていけばなんとかなるデス!」

「………近づくっていってもなぁ。結局何が必要なんだよ…」

「ふふふ……。それはデスね…。愛!デスよ!」

「何故そこで愛…」

「八幡も調も考えすぎなんデスよ!スッキリこっきり真っ直ぐに『し、ら、べ♡』って名前で呼んで愛を囁けば一発デス!」

「すまねえロシア語はさっぱりなんだ」

 

 

根本的に話が通じてない気がする。地底人かこいつは。俺が『し、ら、べ♡』とか口にしたと考えるだけで……うわきもちわるっ。

 

似合う似合わない以前に普通に気持ち悪かった。参考にならねえ。

 

 

「…………ない、ないわ。…うん、ないわー」

「そ、そんなにデスか」

「むしろそれあるー、とでも言うと思ったのかよ…」

「あたしはそんな感じでしたよ?笑って話しかけたら調と仲良くなれたデス!」

「……天性コミュ力お化けめ…」

 

 

生まれ持ったコミュニーケーション能力の差を感じる。まず笑うのが難しいんですがどうしたらいいですかね?笑顔がキモいと言われてもう十年以上経つんですけど。

 

 

「………無理だわ。元々持ってるコミュ力が違い過ぎる」

「元々なんて持ってないデスよー。要は気合、デス!」

「根性論で心は動かないんだよなぁ」

 

 

…どうやら月読を満足させることは俺にはできないようだ。暁の言う方法が軒並み難易度高い。ワードが全て陽キャウェーイ勢のようで適応するには時間がかかる。というか適応できません…。

 

 

「…………ま、月読もそのうち飽きるだろ。俺ドクターのとこ行くわ」

「えー、いい機会じゃないデスかー!あたしも協力するし、アドバイスもしてあげるデスよ!」

「あーはいはい。サンキュー切歌、愛してるぜー」

「それあたしに言ってどうするんデスか!?」

 

 

ほぼ悪ふざけのようにしか名前呼びもできなければ愛とか鼻で笑って失笑だ。月読が求めているのはそんなものじゃないだろう。それに計画が進み始めれば勝手に消滅するに決まってる。

 

ならこれ以上身にならない議論は無駄だ。たった数日我慢するなり無視するなりで受け流せばいいだろう。

 

………所詮、俺に向けられる程度の感情だ。チラと後ろを見ても暁が付いて来る様子はない。月読が俺と仲良くしたい、そんな暁の妄想を頭から払うように俺は足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………元々持ってる、デスか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あはは、ないデスよ。あたしが元々持ってるものなんてなにも…」

 

 







もっといいタイミングないかと探したけどなかった…。サンキュー愛してるぜはこのタイミングを逃すと使えなくなるのでね。純度0%の時じゃないと。

そしてダラダラ日常もいいけど次の展開へ行くのにちょうどよかったなぁ、と。シリアス!


それはもとかく永輝-エィヴィガーブンド-を歌わせたい。『「ついていく」、胸を打つ言葉』といい『生を灯せ』といい三人の魅力が詰まりすぎてる。
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