ふたりは断罪黙示録   作:弐式炎雷

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#02 説明口調がウザイ

 

 次の場面へ移行。

 場所は第九階層と第一〇階層を繋ぐ通路。

 ギルド(マスター)『モモンガ』を先頭にたっち・みー以下が徒歩にて移動する。

 積層構造の『ナザリック地下大墳墓』は数キロメートル規模。かなり広大なダンジョンである。通路も広く、天井も高い。横幅は一〇人程が並べる余裕があった。おそらく数千人規模を抱えても余裕があると言えるほど――

 ギルドメンバー以外で通路を利用するのは『NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)』と呼ばれるゲームで製作した者達だ。

 来客はほぼ無く、モンスターの出現に関しては管理されているので見知らぬモンスターが居る事は無い。もし、そうでない場合は警告音が鳴るようになっている。

 

たっち「通路を行き交うメイド達。彼らはどんな目的を持って移動しているのか」

ウルベルト「……別に掃除する必要は無いですしね」

ぷにっと萌え「放っておいても餓死しない。けれども設定では大食いという……」

 

 プレイヤーとは違い、中身が完全なデータで出来ているメイド達に表情は無く、特別な命令を与えても無言の対応しかしない。

 それだけ余計な機能を省いている。

 

るし★ふぁー*1「……よくよく考えたら俺達はせっかく作ったNPCの扱いが酷いですよね」

タブラ「……色々と配置したまま居なくなったりしてるからね」

 

 それぞれ思い入れを込めて作ったNPCを思い浮かべる。

 ゲームが終盤に近づくにつれて相手をすることも無くなり、存在を忘れていく。

 これから向かう最下層もメンバーの殆どが行かなくなった場所でもある。

 

あまのまひとつ「……最初は本当に楽しかったんだ……」

ぬーぼー「……それは……間違いなく……」

音改「……世知辛い世の中が全て悪い」

 

 心なしかメンバーの移動速度が落ちた。それにモモンガは慌て始める。

 もうすぐ終了するゲームに対して寂しさを感じないわけではない。けれども、それは自分だけではなかった。その事に不謹慎ながら嬉しさを感じたのは事実。

 うっかり『喜び』の感情(エモーション)を出しそうになった。

 頭を軽く振り、意識を改める。

 

ペロロン「『同士打ち(フレンドリー・ファイア)』が禁止されているとどうなるか……」

 

 独り言をつぶやきつつ前方から歩いてくる『一般メイド』の前に立ちはだかる変態鳥人(バードマン)

 普通ならメイドは自動的に避ける。それを無理に阻むと反転して引き返す。更に無理を通すと当たることができる。

 当たるとどうなるか――

 プレイヤーなら多少の衝突判定を取られる。しかし、それ以外は尻もちをつくような細かい動作は設定されていない限り起きない。大抵はダメージ判定を取られるだけだ。しかも、直立不動の姿勢を維持したまま。

 倒れる動作(モーション)が存在していれば、すぐさま態勢を立て直して命令通りの行動を再開する。

 

メイド「………」

 

 無表情。無言のメイド*2

 直立不動の姿勢を崩さず(ペロロンチーノ)に当たりつつも移動をやめない。ダメージ判定を取られたとしても『(ゼロ)』だ。攻撃の意思を見せる時に数値が動く。

 このメイドは意地を張っているのか、ペロロンチーノの妨害に遭っているのに倒れもしない。

 

ペロロン「……見たこともない動きは取れない。ある意味では動く無機物だよね」

ぶくぶく「……最後だからって皆殺しにしていい理由にはならないぞ、弟よ」

餡ころ「台本形式だと説明口調がウザイ……」

 

 どうして今更そんなことを言うの、と『餡ころもっちもち』は憤慨した。

 説明しなければ誰がどんな行動をしているのか第三者(読者や視聴者)に伝えられない。単なる移動ならば当事者だけが分かればいい、というシステムに――現在は――なっていないからだ。

 台本形式の利点はキャラクターの造形、行動、所作などを省略させたまま誰が喋っているのか視覚的に分かる事だ。

 ――半面、行動と心理の描写が抜け落ちるので、細かな仕草が分かりにくい。それと大人数のキャラクターを動かすのに適しているとは言えない。誰か彼か抜け落ちてしまうし、いちいち全員分のセリフを書き出していては会話文が無駄に長大になって進行が長時間止まってしまう。

 こうして話している間にも刻一刻と残り時間は()()()()消費されている。

 それとギルドメンバーは全員が『名前持ち』である。これがモブキャラばかりであれば完全にカオスとなっているところだ。先程のメイドのように一〇人ほどが連なっていたら、誰が喋っているのか分かる読者はまず居ないし、興味も持たれない。

 

タブラ「じゃあ黙って場面転換しますか? 瞬間移動ばかりでは面白みに欠けると思いますけど」

テンパランス「……舞台があるという事は観客(読者)が居るということ」

るし★ふぁーいえぇぇい! るし★ふぁーぁぁでぇぇすぅ!

 

 メンバーが(ひし)めき合った通路内で大声を出すクズ野郎こと『るし★ふぁー』は全員から顔を背けられた。

 アピール方法としては無難だが羞恥心と戦わなければならないので、同じようなことが出来るメンバーは意外と少ない。

 次は自分も、と思ったのが『獣王メコン川』であった。

 

スーラータン「平仮名が入っているメンバーは地の文に出すの意外と難しそうですね。周りの文字に埋もれて見辛くなってます」

モモンガ「プレイヤー名はだいたい適当が多いですから」

やまいこ「……数万人規模のゲームプレイヤーに被らない名前って設定するの難しいよね」

タブラ「気取った名前は早々に使われてしまいますから」

 

 ペロロンチーノがメイドを開放すると同時にモモンガの前方から縦一列になった一団が現れる。

 先頭は白髪頭で厳つい顔の執事風の男性。見た目は人間だが設定者によれば異形種。その彼の後方を規則正しくついてくるのは六人の女性メイド。

 彼女達は『戦闘メイド』と呼ばれる個性を持たされたNPC達だ。当然、名前持ちである。先ほど通りを歩いていたメイドは『一般メイド』で施設内には四一人居る。そして、全員が名前持ちである。だが、公開されている名前が少ないので先ほどのメイドはモブと同然だ。

 

モモンガ「……そういえば彼らはどうしてここに居るんでしたっけ?」

 

 たっち・みーに顔を向けて尋ねるモモンガ。

 真正面を向いたままでは誰に向けての発言か分かりにくいのがゲームの世界である。

 目の前に居るNPC達は専用コンソールを開かない限り名前が分からない。それはプレイヤー視点で自動的に名前がポップアップする仕様が無いからだ。

 モモンガは滅多に合わないNPCの名前を殆ど覚えていないけれど、自分が手塩にかけて創ったNPCは――今でも――ちゃんと覚えている。

 健忘症をこじらせたプレイヤーではない。魔法もそらで七〇〇種以上言えるほどに――

 

タブラ「第九と第一〇を往復するのが彼らの仕事です」

 

 ギルド長なのにNPCの役割を知らない現実。

 プレイヤーは基本的にプレイヤー同士で遊ぶもの。

 戦闘の際に引き連れる事はあるが、メイド達を連れていく事態は今まで起きたことが無い。なによりモモンガはメイド達の存在を今まで知らなかった、と言い切れるほどに触れ合った事が無い。

 彼が理解している事は名前くらいだ。

 

ぷにっと萌え「戦闘メイドなのに戦わない」

ホワイトブリム「折角作った衣装がボロボロになるのは勿体ないですから」

ク・ドゥ・グラース「可愛い女の子達を敵陣に突っ込ませられる鬼畜の所業なんて俺達にはとてもとても……」

 

 個々人の趣味によって設計されたNPCはやはり当人の方に任せるべきだとモモンガは思った。

 知らない自分が余計な口出しをするよりも話しがスムーズに進む。

 自分はただ彼らの話しをまとめだけで良い、と。

 

 オーバーロード 

 

 場面が切り替わり、大広間への扉の前に移動する。

 瞬間移動しなくても良かったのでは、と疑問を覚えるメンバーが何人か居て疑問符のアイコンを出していた。

 

モモンガ「この先の『ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)』にるし★ふぁーさんが途中で作るのをやめた動像(ゴーレム)があるんですが……」

 

 と、言いながら説明口調が長くておかしいなと首を傾げる。

 久しぶりの話題のなのでつい口から出てしまった、と思うことにして気持ちを切り替える。

 

るし★ふぁー「人間……、現実の予定は容易に変えられないものです」

 

 大扉を抜けた先にある『ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)』の広間には侵入者を迎撃する動像(ゴーレム)が六七体配置されている。本当は七二体だが――

 迎撃用の動像(ゴーレム)を製作するのに希少な魔法金属が大量に必要で、かなりの日数を消費してしまった。それに気づいた時はもう手遅れだった。――などと言い訳する前にるし★ふぁーはギルドを去った経緯がある。

 それを蒸し返されても『じゃあ、今から完成させます』というわけにはいかない。

 もうすぐゲームが終わるのだから無意味でしかない。

 

ヘロヘロ「完成された拠点が出来上がっても誰も侵入しなければ徒労だよね」

ぶくぶく「ずっと遊べると思っていた時期は最初だけさ」

ばりあぶる*3「……感慨深いけれど今更だよ」

源次郎「……エントマ*4を連れて行っていい?」

 

 三〇人近くが一斉に喋ると優先順位を付けにくい。

 モモンガは一人一人の対応に追われつつも時間がない事を思い出したので、先に進むことを決めた。

 さすがに仲間を優先していては通路でログアウトすることになる。それでは折角の見せ場が台無しだと判断した。

 たっち・みーとウルベルトがそれぞれ大扉を開けて次の部屋へと向かう。

 立ち止まっていると前に進めないと判断したからだ。そうなると仲間も立ち止まっているわけにはいかない気持ちになる。

 

 オーバーロード 

 

 長めの通路を歩くところを暗転による場面転換に任せる。次の場面に切り替わった時、玉座に座る自分に驚くモモンガ。

 広大な空間に驚きや感動する(いとま)もなく――

 他のギルドメンバーは互いに距離を取り、柱に向かったり、天井を見上げたり――全員が冷静に対応していたわけではないけれど、それぞれ思い思いの反応を示していた。

 大墳墓の最奥に位置する最後の部屋は魔王が座するにふさわしい荘厳さを秘めている。

 モモンガ自身は悪のロールプレイをしている自覚はあっても魔王という意識は無い。

 数多あるギルドのギルド(マスター)という地位に居るだけのごく普通のプレイヤー。それに(みじ)めさを感じたことは無い。

 世の中には自分より強いプレイヤーが大勢居る事を知っているから。――推定二〇〇〇人ほどとなれば諦めもつく。

 

モモンガ「えっ!? ……もう座ってる」

たっち「戦闘メイド達は通路を今も歩き続けています」

 

 モモンガ一人だけであれば執事と戦闘メイドの集団を連れてくるのが()()()流れ。

 通常であれば勝手な転移は起きない。けれども脚本は時間の都合でいかようにも変化が付けられる。

 場合によれば『やり直し』も――

 モモンガは壮麗な現場の雰囲気を楽しむ余裕すら与えられず、ただただ困惑する。そんな彼の側には見慣れないNPCが立っていた。

 普段から触れ合っていないNPCが多いため、現れる(たび)に驚いてしまう自分に情けなさを感じる。

 

タブラ「ナザリックに長く放置されたアルベドは餓死もせずに……」

ぷにっと萌え身体(しんたい)的成長が無いからこそ成立する謎仕様」

 

 植物モンスターである『ぷにっと萌え』は嬉しそうに喋った。

 対して体色が死体じみた灰色の色合いで軟体生物を思わせる『タブラ・スマラグディナ』は感情(エモーション)を先ほどから出していない為、感情が全く読めない。

 物事に真剣に向き合っている時は誰もがゲームの仕様を忘れがちになる。

 側頭部から前方に向かって伸びる闘牛の如き角。腰から生えた大きな黒い――鳥類の様な――翼で自身の下半身を覆い、白いドレスをまとう妖艶な女性NPC『アルベド*5』は役割から玉座の側に配置されていた。ただ――立ち尽くしていた期間をモモンガは知らない。

 第一〇階層が作られてから何年も経過しているのにギルド長に存在を忘れられている可哀想なNPCであった。ただ、モモンガはNPC達を嫌っているわけではない。

 彼の中でNPCは単なるダンジョンギミックの一つにすぎず――

 

タブラ「アルベドの手には世界級(ワールド)アイテム『真なる無(ギンヌンガガプ)*6』が握られているのであった」

モモンガ「……確かに説明口調が(わずら)わしく感じます……。というか、どうしてそれ(ワールドアイテム)を持たせているんですか? ギルド長の許可も無く……」

 

 原作では尋ねられなかった事も二次創作では思いのまま。

 しかし、モモンガは何故か外部の情報を持っていないので始終あたふたとしたり、疑問ばかりが積み重なっていく。

 何も知らないのも主人公の功罪――

 もし、原作知識持ち*7が居ればもっとスピーディーに話しが進み、ある程度進んだところで飽きて小説は止まる。そして、そのまま再開の目処(めど)が立たなくなる。

 

タブラ「サービス最終日に玉座に座っている勇者に残り時間が(ゼロ)になる瞬間にどたま()をぶん殴る為ですよ。……って言ったら信じます?」

モモンガ「……つまり、俺の頭を殴る為ですか?」

 

 表情を変化させられたら『怒り』か『呆れ』のどちらかになる。しかし、面と向かって言われると二の句が継げない。彼の中ではどういう気持ちを表せばいいのか迷っていた。

 数秒程度モモンガはタブラの顔を見つめた。互いに異形種なので全く表情が読めない。

 

タブラ「……モモンガさんが座る保証はありませんよ。誰かです」

モモンガ「……高確率で俺だと思いますけど……」

ペロロン「愚かな勇者にフルスイング。……なんて恐ろしい罠を……」

ぶくぶく「それをアルベドに仕込めるのはタブラさんだけだから犯人は自ずと絞られるわね」

 

 実際に見てみたい気もする、と思ったメンバーが何人か居た。しかし、それはサービスが終わる瞬間だ。その時までナザリックに居られる者は本当なら『モモンガ』ただ一人。運が良ければヘロヘロだが――

 もし、誰も居なければ――アルベドはどのような行動に出たのだろうか、と予想するメンバーが多数に上った。しかし、そこまでの考えはモモンガには無かった。彼は自分が殴られるだけで思考が止まってしまった。

 

 オーバーロード 

 

 モモンガは持ち出されたアイテムを今から戻すのも手間だし、そもそも他にも世界級(ワールド)アイテムがあるので諦めることにした。

 だが、時間まで座っているとアルベドが形態変化を起こして殴り掛かってくるかもしれない、という恐怖が湧きたつ。

 精神的な攻撃に関して完全耐性を持つアンデッドモンスターとはいえ、怖いものはある。

 それが強制的に抑制されるとしても――

 

ペロロン「でも、タブラさん。最後までNPCの事を考えていたんですね。そこまで愛着を持っていたとは……。……俺、シャルティア*8を放置したままだった」

ウルベルト「モモンガさんを(いじ)めないでください」

タブラ「普通のプレイヤーはNPCに愛着を持つのは最初くらいです。かなり愛着が湧くのは中盤くらい使っているタイプかな……」

弐式炎雷「……設置しちゃうと放置が多くなるよね」

武人建御雷「戦闘の為に連れだしたりしないからな」

やまいこ「……哀愁漂うわね……」

たっち「生物的なふるまいをしないものは人形と一緒」

 

 まともな人間であればゲームキャラクターに愛情を注ぐのはあくまでゲーム的な範囲までだ。それ以上はゲーム依存症と見られても文句は言えない。

 それに規制の多い日本製のゲームである『ユグドラシル』で如何わしい行為は出来ない。

 ただ、見た目を色々と弄れる自由度の高さにおいて、アルベドのようなキャラクターの設定を許すのは生殺しのようなもの。しかし、本体がゲームの外にあるプレイヤーは感触を十全に味わうことが出来ない。

 その辺りの区別はモモンガと他のプレイヤー達も充分に理解している。

 

ペロロン「いくら見た目が可愛くてもゲーム内での行動が現実に影響を及ぼすことは無い*9。だからこそゲームをゲームとして遊べるし、そうでなければならない」

 

 腕を組んで真面目に喋った鳥人(バードマン)に普段は厳しい姉も桃色の触腕を伸ばして彼の頭を撫でた。

 戦闘面に関して『ぶくぶく茶釜』は弟である『ペロロンチーノ』を()()()()評価している。

 自分には遠く及ばないけれど、と言いそうになるほど。

 モモンガも普段はエロネタばかり話題にする(ペロロンチーノ)に戦闘で勝てたことが殆どなかった。これは手加減や社交辞令抜きでの事実である。

 

ヘロヘロ「……改めて見ると第一〇階層って広いですね」

タブラ「……一部は課金で拡張しましたから」

ぷにっと萌え「洞窟内なのにどうやって拡張したんでしょうか?」

死獣天朱雀「『質量保存の法則』と『熱力学第二法則』に照らせばトンデモ仕様ですよね。あと、第七階層が……」

 

 話しが長くなるメンバーは強制的に静音処理されてスポットライトから弾き出される。

 死獣天朱雀は突然の事に驚きの感情(エモーション)アイコンを出す。

 

ペロロン「これだけの空間を自由に使えるのも今日で最後か……」

獣王メコン川「あと三〇分くらいか?」

スーラータン「二〇分を切りました」

ぷにっと萌え「了解で~す」

 

 それぞれ自分の旗が掲げられている柱へと移動を開始する。

 モモンガはただただ慌てつつ玉座から動けない。固定されたわけではなく事態をまだ呑み込めていないだけであった。

 

ウルベルト「定位置に就くとスポットライトが点灯する仕組みになっているとは」

タブラ「その光源はどこにあるんでしょうか?」

たっち「アルベドは喋らないんですね。というか声って設定できました?」

ぷにっと萌え「決まったセリフなら喋ってくれると思いますが……。柔軟な対応は出来ないようです」

 

 昔から知っている筈なのに今更な疑問をぶつけあう。

 これもまた創作物の功罪――

 全てを熟知している者ばかりだと実際の会話は九割ほど削減されてしまう。

 ――それはそうだろう。知っている事を態々(わざわざ)口に出すプレイヤーは居ない。

 

弐式炎雷「……ござる口調で喋っていい?」

武人建御雷「………」

死獣天朱雀「……もう終わると分かっていると無理して喋る必要ないよねって話し……」

フラット「あと、喋ってない人は……」

ウィッシュIII「は~い、僕です」

エンシェント・ワン「……で~す」

ガーネット「……す」

ブルー・プラネット「残りは……、何か喋っていますが新刊待ちですね」

 

 最後だからとメンバーに自由行動を許したら、早速それぞれ自分のNPCを運んできたり、アイテムを床に並べ始めた。

 荘厳な室内とは裏腹に自由な行動を取るメンバー達を静かに眺めるモモンガ。

 何かしなければ。何か喋らなければ、という思いがない交ぜになる。

 側に控えるアルベドは微笑んだまま微動だにしない。いや、多少は動いていた。

 プレイヤーが何らかの命令を下さない限り、ずっと彼女は待機したまま。それがNPCの正しい在り方だ。

 通路を歩くメイド達も()()()()()()を受けて行動しているに過ぎない。

 ――ゲームが終わるその瞬間まで止まることを許されない刑罰のよう――

 

 

*1
CV 伊藤(いとう) 健太郎(けんたろう)

*2
人造人間(ホムンクルス)

*3
ばりあぶる・たりすまん。

*4
エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ。CV 真堂(しんどう) (けい)

*5
CV (はら) 由実(ゆみ)

*6
黒い短杖(ワンド)のアイテムで、先端には黒い球体が空中に浮かんでいる。対物体に効果を及ぼすが攻撃には適さない。

*7
何でも知っている筈なのに『勘違い』を起こす矛盾したキャラクターが生まれる。大抵は原作に書かれていない部分を創れない。だから、なぞる作業に入って止まっていく。

*8
シャルティア・ブラッドフォールン。CV 上坂(うえさか) すみれ

*9
ただし、現実の肉体的強度などがゲーム内のステータスに影響を及ぼすことはありえる。

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