《???》
暗い。何も見えない。自分の身体の感覚すらない。今ボクは死んだ状態だ。何故ボクが死んでいるかと言えば、フランちゃんを止める為に【白夜】を使ったからだ。コレは命あるものを12体祝福すると、祝福されたものが【使徒】という異形の存在になる。本来ならほぼ虐殺に近い能力だけど、今回はフランちゃんの裏の人格だけを祝福したからいつものフランちゃんには一切害がない。むしろ身体が軽くなってるんじゃないかな?と言っても、【白夜】の能力は相当強くて、確実に残りの11体を【使徒】に変えようとしたからそうなる前に【終わりの螺旋】で止めた。普通なら【終わりの螺旋】は時計周りにレーザーが一周するまで止まらないけど、発動したボク自身がそれを食らったから一瞬で消滅したんだと思う。さて、早いとこ帰らないと、フランちゃんが泣いちゃうね。ボクは意識を集中させて、無理矢理に身体の感覚を戻す。途轍もなく痛いけど、もう慣れっこだ。その後は簡単なお仕事。
【何者でもない程度の能力】
ボクは死神の鎌のような禍々しい物を取り出し、暗闇を一閃する。その瞬間、周囲を取り巻く黒が一斉に消え去り、死ぬ前の廊下に戻った。
「ふい〜。さて、フランちゃんはっと」
ボクが辺りを見回すと、なんと足元にフランちゃんが寝ていた。
「あっぶね!?踏むとこだった・・・」
「・・・んう?」
あ、起きた。
「おはようフランちゃん。身体大丈夫?」
「あれ・・・あれれ?」
うん。やっぱり人格殺したから違和感はあるらしい。まぁ、慣れてもらうしかない。
「虚さん」
「ん?どしたの?」
「いないよ・・・いないよ!私の中の怖いの、全部いないの!」
フランちゃんは宝石が沢山付いてる翼のようなものをパタパタさせながら抱きついてくる。めっっちゃ可愛い。天使か。何はともあれ、喜んでくれてよかった。うん。ボクいいことした。
「さてさて、探索続けよっか?」
「うん!」
うわぁ笑顔可愛い。ボクが男だったら絶対この子ヤバかったよ。しかも手まで繋いでるし。幼女の手ぷにぷにしてあったかいし。・・・ハッ!?いけないいけない。気を取り直して、ボクとフランちゃんはこの館の探索を続けることにした。なんか忘れてる気がするけど。
✡️《一方その頃》
「来たな泥棒!盗んでった魔道書を返さないと、パチュリー様の大魔法にコッテンパンだぞ!」
「いやお前じゃないのかよ。まあいいぜ。そっちがその気なら、私はお前を倒して魔道書をぬs・・・死ぬまで借りてくだけだ!」
次からは魔理沙サイドになります。